議会での質問・討論(詳細)
2015年2月27日

■病院経営局(白井まさ子)

市民病院移転先の社宅地取得額は約72億円

白井議員:日本共産党を代表して、質問します。スライド使用させていただきます。
市民病院の再整備事業について、質問をいたします。
事業費の総額は426億円です。
現在の場所がここですけれども、移転先がこちらの三ツ沢公園の野球場と、隣接する民有地とされています。2015年度の予算に民有地取得額の一部として5億円が計上されて、70億円の債務負担行為を設定します。
まず、移転予定先の土地の全体の面積と民有地の面積、また現況はどうなのか、伺います。

shiminbyouin城病院経営局長:移転予定地の全体の面積は全体は約3万平方メートルでございまして、そのうち民有地部分は1万7,000平方メートルでございます。民有地については、古河電機工業株式会社の社宅として使用されておりまして、敷地内には8棟の社宅がございます。その他に駐車場や広場が整備されているという現状でございます。

白井議員:社宅の規模を伺うんですけれども、何階建てで、何部屋でしょうか。

城病院経営局長:8棟ございまして、全8棟とも鉄筋コンクリート造りでございまして、そのうち4棟が4階建でございまして、この4棟についてはそれぞれ32の住戸がございます。また、3棟が5階建で、住戸数はそれぞれ20、32、40戸でございます。残り1棟は6階建で、住戸数は61戸になります。全体で、先ほど申し上げたとおり8棟ございまして、住戸数は281戸、延床面積の合計は約1万5,000平方メートルとなります。

白井議員:取得額の総額と、土地と建物それぞれの金額と、算出根拠を説明いただきたいと思います。

城病院経営局長:用地取得額の総額は、現時点では約72億円と算出しております。
まず、土地については公有財産の価格決定に際して横浜市財産評価審議会に諮問することとなっておりまして、平成26年3月17日付で約48億円の答申をいただいております。
次に、建物の補償費ですが、横浜市の公共用地取得等に伴う損失補償基準規程に基づきまして約24億円と算出しております。算出にあたりましては、物件が社宅であることから、構造仕様がほぼ共通であるということで、1棟について専門の補償コンサルタント会社に委託をいたしまして、補償額を算出しております。その上で、残りの7棟についても規程に基づきまして、委託と同様の方法、単価で、病院経営局で算出をしております。

白井議員:土地は審議会という第三者のチェックが入っているんですけれども、建物補償については市の内部で算定したということですから、この場で、算定の内容を確認していきます。まず、社宅を別の場所に用意するための補償もすることになっているんでしょうか。

城病院経営局長:公共用地取得の際の補償のルールでは、土地買収の際に建物が存在する場合にはその移転に対して補償を要することとなっております。補償にあたりましては、通常は従前の建物と同種同等の建物を新築するための費用を算出する再築工法が用いられますが、今回の場合は古河電工が社宅地を売却したあとは新たに移転・再築しないという意向であることを確認した上で、移転・再築を前提としない除却方法、こういった手法で補償額を算出しております。

白井議員:それでは、補償費には何が含まれるのかを伺います。

城病院経営局長:建物の補償費は、基準規程に基づきまして建物の現在価額と解体費用の合計額で構成されることになります。

白井議員:現在価額ということで、現在の価値の算定方法はどうなのかを伺います。

城病院経営局長:補償費を算出するにあたっての現在価額の出し方ですが、当該建物を新たに建てた場合にかかる建築費をもとに、躯体の構造と用途に応じた耐用年数、今回の場合は鉄筋コンクリートの住宅ですので耐用年数は基準上90年というふうに計算することになりますが、それと経過年数との関係で、定められている原価率、この基準をもとに算出することになっております。

白井議員:では、実際の築年数と標準耐用年数はどうなんでしょうか。

城病院経営局長:それは申し上げたとおり、社宅は鉄筋コンクリート造りで、用途としては住宅ということになりますので、この基準に基づきますと、標準耐用年数は90年として算出しなさいというふうに定められています。なお、全8棟のうち最初に建築されたものは昭和36年の建築で、54年経過しております。また、最も新しいものは昭和62年の建築で、約28年経過しております。

白井議員:鉄筋コンクリート造だから耐用年数90年ということを言われたんですけれども、その建物には50年経過している、それから40年経過しているというものあって、まだまだ耐用年数があるということで、規程に則って補償額を算定したら24億円ということなんですが、この算定には問題点があると思います。
1つ目なんですけれども、今回の用地補償算定にあたって踏まえた規程というのは、説明いただきました、新たに建てると仮定した場合ということで、その建物と同等の建物を現在新築すると仮定した場合の補償額であって、この企業としてはこの社宅は移転はしない、もう新築しない意向ですから、この規程を当てはめるべきではないということです。ここ、どうでしょうか。

城病院経営局長:先ほど申し上げたとおり、通常は建物補償の場合は同等の建物が建てられるだけの補償をするという再築工法という考え方で補償がなされるわけですけれども、今回のように除却をするといった場合でも、今の価格を、先ほど申し上げました原価率、規程で定められた躯体に基づいた90年分の何年かという耐用年数を計算いたしまして、減じて補償するというかたちになりますので、これは基準規程に基づいた根拠を持ちながら算出したものでございますので、除却工法を用いたということでご理解をいただきたいと思います。

白井議員:問題にしているのは、損失補償の規程は建物の移転を前提としている。これに対して、企業としては社宅は移転をしない意向だということですから、前提が成り立っていないと思うんです。そこはどうでしょうか。

城病院経営局長:公共補償のルールは、憲法でも定められてますけれども、正当な補償のもとに行うということで、土地に対する補償、それから建物が存在する場合については再築法あるいは除却工法といったかたちで建物に対する移転補償も行うというのが公共事業の場合の補償のルールでございまして、これに従って算出したところでございます。

入居半分の社宅取得補償に従来の方法を当てはめるのか

白井議員:そもそも、この規程、当てはめるべきではないと思うんですね。補償の方式を変えるべきだと思うんです。
それでは、現在の入居率はどうなのかを伺います。

城病院経営局長:現在、約半数程度、現在も居住されているというふうに聞いております。

白井議員:全稼働している物件に対しての補償ならともかくなんですけれども、半数の入居だということであれば、半分の補償とすべきではないでしょうか。どうでしょうか。

城病院経営局長:先ほど申し上げたとおり、公共事業の建物に対する補償は、建物の価値に対する補償でございまして、その場合、今回除却工法というかたちで価値を算出して、減価をした上で、お示しをしていると。そこに何人入居されているかということについては、基準上はあまり関係がないということになります。

白井議員:入居率半分ということは、社宅としての必要性が薄くなっているということだと思います。多くの企業が社宅を保有する負担感から手放す傾向が続いていまして、私の住む港北区でも家族向け社宅は次々と売却されて、マンションになって建っています。借り上げ社宅はあるにしても、企業が社宅を保有する時代ではありません。
その上ですけれども、会計法上では鉄筋コンクリート造の住宅用建物の減価償却の耐用年数というのは47年となっていて、47年を超えた建物は資産価値はないわけで、この建物は築50年超えが4棟あるわけですから、8棟のうち半分は帳簿上では価値はないわけです。引き下げの交渉はされたのではないかと思いますが、どうなのでしょうか。

城病院経営局長:先ほど申し上げたとおり、公共事業を進める上での用地補償というのは、ルールに従って適正な価格を提示をして、ご納得をいただくというのがルールであります。引き上げ交渉も引き下げ交渉も基本的にはないということですので、今回は古河電工さんにとって非常に大事な土地について、また社宅政策も変更してない中で、私どもの市民病院整備事業の重要性を聞いていただきまして、長い検討、長い社内調整の中で、売却を決定していただいたということでございますので、現在もお住まいになっている方がいる中でこういう議論をするのはなかなかちょっと難しいのですが、われわれとしては適正な値段を提示をさせていただいて、古河電工さんが事業の重要性を理解をして、売却に向けて協議を進めさせていただいているというふうに理解をしております。

白井議員:事業費は企業債で賄うわけですけれども、返済金に一般財源を入れてよいことになっていますが、その割合はどうでしょうか。

城病院経営局長:全額、資金については企業債で私ども調達いたしますが、その元利償還金について毎年2分の1まで一般会計から繰り入れを受けることができるというふうになっています。

土地取得費を抑える立場に立て

白井議員:半分は一般財源が入る事業ですから、土地取得費を抑えるという立場に立っていただきたいものですが、どうお考えでしょうか。

城病院経営局長:一般会計からの繰り入れを抑えたいという気持ちは当然でございます。また、残りは病院で負担することになりますので、その後の病院経営に影響を与えるということも考慮しながら、そういった視点を持ちながら交渉をしております。しかしながら、適正かつ根拠のある価格で取得できるよう、話し合いを進めているところでございます。

白井議員:それでは、副市長に伺いたいんですけれども、時代の変化があります。企業が社宅を保有する時代ではない。土地取得費を抑えるという立場にたって、補償の仕組み、変えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

柏崎副市長:先生のおっしゃっている補償の仕組みという意味で、私の受け止めとしては、補償の制度は先ほど局長がご答弁したように、補償基準というものに基づいて適正にわれわれは算定をして、それをご提示して、ご理解をいただきながら、取得を進めていくということに尽きるというふうに思います。


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