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■港湾局(岩崎ひろし)

横浜港は大型船の増大に対応できないというが

岩崎議員:まず、船舶の大型化に対応するためとして、新本牧ふ頭地区に大水深バース等を計画に盛り込んでいると思いますが、この点、確認してください。

伊東港湾局長:現在、南本牧MC1番2番、これはすでに供用しておりまして、今MC3そしてその連続するMC4、そこにマイナス水深18メーターの大水深岸壁を今整備しているところでございます。

岩崎議員:港湾計画の中の新本牧ふ頭地区への計画を聞いているんですけど。

伊東港湾局長:昨年12月に港湾計画を改定いたしまして、今申し上げた南本牧ふ頭の整備、次の段階といたしまして、新規ふ頭、新本牧ふ頭という呼び方をしておりますけど、そちらに水深18メーター以上、岸壁延長800メーター、そういったものを計画をしているところでございます。

岩崎議員:横浜港に寄港する大型コンテナ船の航路というのはどういうものがあるんですか。

伊東港湾局長:18メーターといいますと、いわゆる超大型コンテナ船ということで申し上げますと、現在、南本牧MC1番2番、それから本牧ふ頭のD4ターミナル、そこで現在、わが国に寄港する最大級といわれている6,000個積から1万3,000個積、それのコンテナ船が週4便、横浜港に寄港をしております。

岩崎議員:大型船を使っている航路はどこですかって聞いたんですけど、これまだ答えてもらってない。

伊東港湾局長:基本はやっぱり欧州航路、北米航路、あるいは中南米航路、そういったところでございます。

岩崎議員:そうしますと、大型コンテナ船が横浜に寄港する頻度という点で、今、週4回という現在の状況言われましたけど、現在と10年後、週単位でいうと、どういうことになりますか。

伊東港湾局長:今、委員おっしゃったとおり、現在は週4便ということでございますけれども、10年後の予測というお話だと思いますが、これはやはり海運動向の変化、こういったもの現在でも大きいわけなんで、私どももそうですが、船会社自身も把握できてない、そういう状況だと思います。ただ、実際に昨日の日経新聞の1面にも出ておりましたが、商船三井が2万個積の船を6隻2017年に就航するというような話も出ておりましたとおり、実際に大型船の建造が各船会社とも急ピッチで進んでおります。
それから、横浜港には現在でも、先ほど申し上げましたけども、わが国に寄港する非常に大きな、たとえば8,000個積以上の大型船、これは水深が16メーター以上必要なんですけど、これが7航路あるんですけれども全国で、そのうちの4航路が横浜港に寄港していると、そういった実績もございます。
それからあと、今後の大水深バースの整備、そういったものが横浜港のみで計画をされているということでございますので、横浜港に大型船の寄港集中をぜひ図っていきたい、そういうふうに思っています。

岩崎議員:10年後にはどういうふうに想定されるのかっていうのは具体的には言われなかったんだけど、それはちょっと置いておいて。
ところで、大型船が停泊して次に出港するまでの間の荷物の積み下ろしにどれくらいの時間を要するんですか、平均的に。

伊東港湾局長:全てを調べているわけではございませんけれども、南本牧なんかではガントリークレーンを4機とか5機同時に使うというようなことで、平均で申し上げますと12時間から15時間位の荷役時間になっております。

岩崎議員:そうしますと、横浜港は、今後の大型船の増大で対応できないと。船が大きくなり、便数も増えるという想定のようですけども、それを具体的に表すとどういう容量オーバーになるんですか。

伊東港湾局長:先ほど申し上げたとおり、大型化が日に日に進んでおりますので、今、横浜港で一番大きいのは1万8,000個積というのが停泊しております。これは水深18メーターが必要な船でございますので、それがいくつも出現してまいりますと、現在MC3と4という、まだ整備が終わってないその2つのバース、それだけでは到底足りないということで、新規ふ頭にまたさらに800メーターのバースを造るという、4バースあれば何とかいけるんじゃないかと、そういう考えでございます。

世界的にみても水深18メートルの岸壁は不要

岩崎議員:そういう話をもうちょっと数字的に教えてくださいって言ったんだけど、教えてもらえなくて、大変困っているんですけど。
私なりに国交省の研究機関の資料などで勉強してみました。そうしますと、世界の大きな港をみると、香港でいうと岸壁水深が15.5メートル以下で、大水深はありません。それでも週当たりの寄港は、8,000TEU以上で20回程度、それから1万TEU以上が2回程度、ちゃんと寄港しています。
それから、シンガポールは水深が16メートルが17バースで、それ以上深いバースはないというふうにその資料にはあります。それでも寄港は8,000TEU以上が20回程度、1万TEU以上が2回程度、寄港しています。
だから、こういうのをみると、水深が16メートル以上のバースがあれば、大型コンテナ船の寄港は十分できるということが示されているんじゃないかというふうに思うんですね。だから、水深20メートルとか18メートルとかそういう規模のものがなければ大型船は迎え入れられないということではないというふうに、世界の事例はいっていると思うんです。
ちなみに、なお世界の港の中で、ロッテルダム港は19.5メートルというふうに記録はなってますが、これが一番深くて、20メートルというのはないんですよ。だから、そういうのが世界の港の状況だと。
そこで、現在、事業中のMC3、4が整備され、南本牧にさらに整備するということになるわけですけど、南本牧が整備されていくんだけども、そうするとそこまでやっても、今の見通しで、今後も横浜港は何とかやれるんじゃないかと私は思うんだけど、どうですか。

伊東港湾局長:いろんな資料がございまして、一概にいえないですけど、やはり1万3,000個積以上は18メーターが必要だという国交省からもそういった見解がございますし、先ほどロッテルダムの20メーターのバースを今整備中だというふうにも聞いております。今、先生のご質問は南本牧があればいいんじゃないかというお話だと思うんですけれども、通常、コンテナターミナルの運営というのは船会社の単位ですとか、あるいは今「アライアンス」と申しまして、一緒に何社か複数の船会社が集まって運行しておりますけれども、その単位で行われております。つまり、超大型船だけでなく船会社の持つ管理下にある船舶全てをひとつのターミナルで処理をし、コンテナ貨物が保管されオペレーションされるということでございますので、MC3、4ターミナル、もちろん今そこしかないわけですから、出来上がると18メーター以上の水深が必要な船舶の利用を優先してまいりますけれども、全ての船会社の大型船をその2バースで取り扱うというのは、オペレーション上困難でございます。大型船の船形のみに着目して、異なる船会社のコンテナを全部ひとつのターミナルで取り扱うということは、ふ頭間の横持ち輸送が発生したりとか、非常に非効率でありますので、なかなか現実的には難しいんじゃないかというように思います。
従いまして、つまり大型船のみならず、船会社毎に就航するのが、大きい船も多少小さい船も合わせてさまざまな船舶がMC3、4を利用することになります。従いまして、今後とも船舶の大型化が進展する中で、国内他港での大水深バース整備が困難な中、横浜港において南本牧に続く新たな大水深コンテナターミナルが必要でございます。そのために、新規ふ頭、新本牧ふ頭の整備が必要だということでございます。

岩崎議員:必要性の説明には、私はぜんぜんなってないというふうに思います。新本牧ふ頭への大水深バースを新たに整備する必要はないというふうに考えます。無駄な大型開発の事業にほかならないということで、実施の中止を求めて、終わります。