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■文化観光局(古谷やすひこ)

文化芸術関連予算の増額を

古谷議員:日本共産党、古谷やすひこです。
まず、局予算全体の考え方について伺います。
この審査にあたって、いくつかの区民文化センターを視察させていただきました。その中には、施設が老朽化が進んでいたり、あるいは施設改修がなかなか進んでいないなという現状も見てまいりました。特に、市内第一号の区民文化センターである旭区、サンハートは来年25周年ということなんですが、周年行事もなかなかお金がなくてできないということも聞いてまいりました。こういうところからみても、全体として局に配分されている予算が少なすぎるのではないかなという感じ、感覚を持っています。局長の見解、伺います。

中山文化観光局長:施策の推進にあたっては、中期4か年計画や横浜市文化芸術創造都市施策の基本的な考え方を基軸として、文化芸術創造都市施策、観光MICE施策の相乗効果を発揮しながら、着実かつ効果的に進めていけるよう、予算編成を行ったつもりでございます。厳しい財政状況の中、PDCAサイクルをしっかりとまわし、事業の見直し、改善、創意工夫を徹底したことにより、前年度比で約13億4,000万円、18.6%の増額となり、施策の推進に必要な予算を計上できたものと考えております。

古谷議員:今、局長はそうおっしゃられたんですが、なかなか本当に十分には予算がつけられてないなというふうに改めて私は言っておきます。
中期計画の中にも、文化芸術都市と成長戦略の一つとして位置付けられているにも関わらず、実際の予算そのものは非常に押さえられているなという感覚を持っています。副市長の見解、伺います。

渡辺副市長:直接的な予算確保という観点からみてみますと、文化観光局の予算は市全体の予算の約0.6%ではございますけれども。ちなみに国の文化観光関連予算は約0.1%となっております。そういう点では、国を上回る予算比率を確保できている状況ということは言えると思います。ただ、この文化芸術創造都市というものは、文化観光局だけの仕事で文化観光局だけの予算で成し得るものではないと思っております。とうぜん、まちづくりや経済政策とも連携をして進めていくべきものだというふうに思います。この文化芸術創造都市づくりという考え方は、都心臨海部を再生していく上での重要な柱となるコンセプトでもありますので、文化観光局予算だけではなくて、全庁的な取り組みの中で一念していきたいと考えております。

区民文化センター間の交流を深めてよりサービス向上を

古谷議員:続けて、区民文化センターのさらなる活用について伺ってまいります。
まず、本市は何のために区民文化センターを設置しているのか、区民文化センターの使命とは何か、伺います。

中山文化観光局長:区民文化センターは、地域に根ざした個性ある文化の創造に寄与することを使命としています。具体的には、区民のみなさまの自主的な文化活動の場を提供するとともに、自主事業の実施、区全域での文化活動に関する支援や、地域のネットワーク形成をけん引する機能を担うことをめざしております。

古谷議員:理念は非常にすばらしいと思います。今、抱えている、区民文化センターが抱える課題は何か、伺います。

中山文化観光局長:まず、ハード面ということでいきますと、先生がおっしゃられたとおり、老朽化というのの対応が必要な築年数が長い施設が増えてきております。また、ソフト面では、文化団体や他の地域施設とのつながりをつくり、地域の文化拠点での存在感を増していくことがより求められているのではないかいうふうに思っております。区民文化センター未整備区については、区の特性に合わせて必要な機能を確保していくことが今後の課題というふうに認識しております。

古谷議員:現在、市内にある10館ある区民文化センター、総じて高い水準の稼働率となっているのは本当に認識をしております。それでも、よくみると差があるなという感じがしています。区民文化センターの有効活用の視点から、より区民のみなさんに使ってもらう努力をするべきだというふうに思いますが、そのためにも、たとえば土日の稼働率であるとか、平日の稼働率であるとか、そういった実態をしっかり把握して対策を打つべきだというふうに思いますが、どうか伺います。

中山文化観光局長:施設の詳細な利用状況を分析するということは区民文化センターのさらなる活性化を図る上で非常に重要なことだというふうに考えております。現在、市民利用施設予約システムで、土日平日別の稼働率の集計ができるように改修を進めております。今後も利用者実態の把握により努めてまいりたいと思っております。

古谷議員:現在、改修進められているということなんですが、今まで、ようは把握がされてなかったということですから、ぜひ進めていただきたいと思います。
今ある区民文化センター、それぞれ非常に特性を活かして、個々で運営されているというふうに思います。ただ、市民サービス向上のために、もっと局が主導して、オフィシャルな交流の場をぜひ持つべきだというふうに思います。しかし、今はありません。たとえば、クレーム対応の共有であるとか、予約申し込みシステムの対応の共有であるとか、それぞれの営業努力の問題、これもずいぶん差があります。こういったいい経験を交流する場をぜひ持って、横浜の区民文化センターの全体の底上げ、ぜひ図るべきだというふうに思いますが、どうか伺います。

中山文化観光局長:先生おっしゃるとおりだと思います。現在は、各区担当者との連絡会議を実施していますが、いっそうの情報共有を図るため、今後は区民文化センターの指定管理者についても当局が主導して定期的に会議を開催することとしております。

古谷議員:実は、隣の館がやっていることをほとんど知らないということが、よくわかったんです。ぜひ、やっていただきたいというふうに思います。

市民利用施設予約申し込みを電話でもできるように

古谷議員:区民文化センターの施設を利用する際に、インターネットの抽選というのが基本となっているんですが、私が行ったセンターのどこでも、利用者が高齢者が多いというふうに聞いております。インターネット経由の申し込み一本ではなくて、電話などの柔軟な申し込みもぜひ必要だというふうに思います。システムを使える人、使えない方、その公平性を担保する必要があるというふうに思いますが、考え方、伺います。

中山文化観光局長:市民利用施設予約システムでは、インターネットや電話の音声案内を使って利用者がご自身で抽選に参加いただく方法をとっております。これはご本人以外の方を介することによる操作ミスを避けること、また抽選の公平性を確保するための措置であり、今のところほかの方法をとることは考えておりません。そのため、操作方法を案内するコールセンターを設置するとともに、各区民文化センターの窓口においても丁寧な説明に努めておるところでございます。

古谷議員:ぜひ、そこも柔軟な対応、ぜひ求めていきたいというふうに思います。

古い区民文化センターの修繕を早急に

古谷議員:冒頭でも述べたように、古い区民文化センターでは、エアコンが効かないであるとか、あるいはシャワー室が今使えないまま閉じられているであるとか、トイレが改修できないとか、私が行った3館だけでも改修の要望がたくさん寄せられました。老朽化が進んでいる施設の修繕の考え方について、これだけ高稼働率で区民のみなさんに日々使われている施設ですから、ぜひ優先的に修繕をしていただきたいというふうに思いますが、見解伺います。

中山文化観光局長:市民利用施設については、公共利用施設の長寿命化の推進に関連する予算の枠組みの中で修繕を実施しており、建築局と協議し、全市的な観点で安全性への配慮や緊急度の高いものから計画的に修繕を進めております。また、ちいさな小規模な修繕についてですが、指定管理者と協議しながら必要に応じて実施しているところでございます。

古谷議員:ぜひ、修繕の方は優先的に進めていただきたいということを重ねて申し上げたいというふうに思います。
冒頭述べたように、区民文化センターの横浜市第一号の旭区のサンハート、ここは来年25周年を迎えるということなんですが、周年行事もお金がなくてできないということですから、ぜひ局としても支援していただきたいということ、要望しておきます。

区民文化センターがない区での設置を早急に

古谷議員:続いて、区民文化センターは、区民文化芸術の拠点であって、ここから区内の学校であるとかその他の施設に芸術を届けるアウトリーチ活動をやっているセンターもあるというふうに聞いております。また、ここに、現に設置されている所はどこも高い稼働率ということですから、区民に望まれている施設だということは明らかです。ですから、早期に全区展開、やるべきだというふうに思いますが、見解、伺います。

中山文化観光局長:区民文化センターは地域の文化芸術振興の重要な拠点でございまして、今後も整備を進めていくべきであると考えております。未整備区については、再開発等まちづくりの機会にあわせて、区内にある文化施設や他の公共施設の機能を踏まえ、区の特性に合わせて必要な機能を整備していきます。

古谷議員:芸術であるとか文化を自由に創造したり、あるいは享受するというのは、市民のみなさんの基本的な権利であって、その条件を整えるというのは横浜市の責務だというふうに思います。社会全体では今、川崎の事件があったように、心の病い抱える人が増えて、あるいはまた子どもやお年寄りなどの社会的弱者に対する虐待などが社会問題になっています。今、経済効率ばっかり優先されるような社会ではなくて、人間らしさ、取り戻せるような文化の役割が本当に重要だというふうに思っています。横浜市民の誰もが文化に親しんで、楽しんで、また今まで営々と受け継がれてきた横浜の文化、しっかりと発展させるために、ぜひがんばっていただきたいというふうに思います。