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■交通局(あらき由美子)

市バス運転手の労務管理は適切か

あらき議員:共産党を代表して、質問します。
まず、バス自動車事業について伺ってまいります。バスの運転手の安全運行についてどのように考え、対策をしているのか伺います。

二見交通局長:乗務員の技術を高めること、ならびに乗務員自身が心身ともに健康であること、この2つが重要であると考えております。技術面でございますが、26年度からは単なる座学の研修にとどまらず、ドライブレコーダー映像あるいは実際のバスを使用した体験型の研修を踏まえ、重点を入れてます。健康面でございますが、まずは全乗務員を対象に年に2回実施してございます定期健康診断の結果に基づきます助言、あるいは睡眠時無呼吸症候群等についても実施をしてございます。また、なんと言いましても日頃の毎日の出向前の点呼、これが一番大事だと思ってまして、運行管理者により当日の本人の健康チェック、点呼、これの徹底を努めておるところでございます。

あらき議員:では、バス運転手の現在の勤務形態、どうなっているのか伺います。

二見交通局長:ご案内のように、私どものバスに関しましては、朝夕のラッシュ時間帯に業務が集中する、日中はそうでもないというふうなこともございまして、時間帯によりまして業務量に応じた人員配置を実施をしております。そうした観点から、私どもの乗務員の勤務形態、業務量に応じまして、日々の労働時間を柔軟に変形をさせまして、一月単位で勤務時間を管理する変形労働時間制、これを適用してございます。具体に少し申し上げますと、前月中に翌月の勤務表を本人に提示をしまして、日々ならびに一月間の所定の労働時間を明示をします。その上で、当然でございますが、結果として時間数を越えたような場合には超勤というかたちになってございます。

あらき議員:今お答えいただいた変形労働制を導入したことによって、運転手の健康管理上で影響はないのかどうか、伺います。

二見交通局長:23年度に導入をいたしましたが、これは労働時間ならびに休憩時間の管理方法等をきちんと見直したものでございまして、実際に常務しておる時間の変動を伴うものではございませんので、そうしたご懸念はないものと考えております。

あらき議員:では、運転手の給与、同じ市の職員と比較してどうなっているのか、伺います。

二見交通局長:16年8月に一律5%の引き下げを行いまして、さらに24年1月から実施をしました、最大6%になりますが、人事給与制度見直しに合わせますと、市の行政職に比べまして最大で約11%のダウンということになります。

あらき議員:この表を見ていただきたいんです。これ、ある営業所の職員の勤務表なんですね。問題は、19日、20日、21、22、23の週を見ていただきたいんですけど、この運転手の出勤状況はだいたい朝6時前後です。そして終わりが夜8時半、9時近くまで乗っているんです。ということは、勤務が終わって自宅に帰るまでの時間を計算したら9時間半しか開いていないんです。通勤時間を考えると、多分8時間位になると思うんです。これが週5日のうち4日間あったんですね。こういう状況で、本当に労務管理として適正なのかどうか、この点どうでしょうか。

所定労働時間算出時勤務内容

二見交通局長:拝見をしております交番表でございますが、ちょっとよく見えないところがあるんですが、週に3回も4回も、いわゆる今、先生指摘のはロングダイヤとわれわれ呼んでますが、週にたくさんロングダイヤが入るような勤務は好ましくございませんので、是正を図っているところでございまして、こういうのが今お示しいただきましたので、あるのだと思いますが、こういったものの、より平準化、分散化、縮減には今後とも努めてまいります。

あらき議員:問題なのはもうひとつあります。ていうのは、この表を見ていただきたいんですけど、労働時間、ここのところ、全く入ってないんです。超勤も入ってないんです。普通、実際に働いたあとに超勤が出るのはわかるんですけど、基本的には運行する状況で労働時間入るはずなんですね。この点も改善していただきたいと思うんです。どうでしょうか。

二見交通局長:先ほどご答弁申し上げましたとおり、基本的には前月に翌月の日々の交番表、それから月の交番表、勤務時間を含めたものを出しておりますので、その徹底を図ります。

あらき議員:ぜひその点はお願いしたいと思います。やっぱり、運転手さん自身が自分でどれだけ所定労働時間に乗って、残業したのかっていうのは明確にしておかないと、やはりこれは一番トラブルのもとです。ぜひ、その点は徹底をしていただきたいと思います。

バスの安全点検の時間が短すぎる

あらき議員:それから、朝出勤をしてバス動かすまでに安全点検することになっていますね。これ、市営では約20分と聞いています。出勤時間、たとえば6時50分だったらそこからスタートするという考え方だと思うんです。でも、本当に運転手さんたちに聞くと、この20分で全て点検するのはかなりハードだと言っています。民間のバス事業者は25分から30分余裕をみています。安全運行という点ではまず運行する前の点検というのは非常に大事だと思うんですけど、20分というふうに短く横浜市営交通がしている点はご存知でしょうか。

二見交通局長:当然承知はしております。

あらき議員:その点も改善要望は出ていると思います。安全運行という点では少しでもその点をしっかりと把握できる、たとえばオイル交換をすることについても時間はかかります。ぜひこの点、改善できると思います。いかがでしょうか。

二見交通局長:安全運行は何よりにも優先しますので、きちんと受け止めさせてもらいまして、検討してまいります。

新しいバス路線を短期間で覚えるのは至難の業

あらき議員:それから、今度はバスの営業所のことについて伺いたいんですけど。
営業所を配転する場合、どういうふうに配転されるんでしょうか。

二見交通局長:営業所毎の職員の充足状況等を勘案し、必要に応じて異動を実施しております。なお、バス乗務員全員に対して、毎年異動に関する意向を確認をしております。

あらき議員:営業所を代わって、運転手さんが新しいところに行くっていうことに対しては、どういう研修方法、とられているんですか。

村上自動車本部長:安全確実な運行を行うことが市営バスとしての使命であるというふうに考えてございます。移動した乗務員が営業運行、実際に運行する前に、まず路線ごとの特徴あるいは注意箇所など盛り込んだ地図で学習させます。その後、他の乗務員が営業運行しているバスに添乗させます。その後で、実際の路線あるいは停留所の位置などの状況を確認させるため、空車でお客様を乗せないでバスで習熟運転というかたちで研修をしております。

あらき議員:その取り組む時間のことを聞いたんですけど、私も実際に運転手さんに聞きました。ある営業所では、配転をしていったら、2日3日で覚えろといわれと。しかも、それは本来研修ですよね。新しい路線を走ってどこにバス停があるかっていうのをチェックするだけで、3日や4日で覚えられるものなんでしょうか。この点、いかがですか。

村上自動車本部長:乗務員自体によっても多少の差はございます。概ね大体3日から5日程度で習熟すると。ただし、習熟度が足りない運転手についてはさらに研修を重ねると、そういうようなことはやってございます。

あらき議員:もともと運転されている方でも、全く違う路線を走るっていうことのリスクは相当高いと思うんです。それで、今バスとしては、たとえばバス停を飛ばしたとか路線を間違えたっていうことについてはかなり公表して、その点も各営業所でのリスク管理ということにつながっていると思うんですよね。でも、新しい営業所に行って全く知らない路線をいきなり走る。これは、3日4日で本当にできることなんですか。

二見交通局長:個人差もございますが、大型二種を持っているプロの乗務員でございまして、基本的には私は今の日数でいけるとは思うんですが、やはり研修不足でお客様にご迷惑がかかるようなことがあっては本末転倒でございますので、個々の状況に応じてケースバイケースできちんと対応してまいります。

あらき議員:個々のケースバイケースをぜひお願いしたいのと、もう一点は、営業所に配転をされて、覚えなさいと言われて、これ確実に私は研修だから労働時間に加味されると思うんです。でも、ある運転手さんによると休日で行きましたと言ってます。これ、正しいんでしょうか。

二見交通局長:勤務時間中に習熟運転やらせますので、休日のいわゆるサービス残業なんていうのはありえないことでございます。

あらき議員:じゃ、もしそういう事実があったら是正していただけますね。

二見交通局長:そのようにいたします。

あらき議員:非常にそういう問題点が次から次から、私が聞いた運転手さんの中で出てくるんです。それが言えない環境をつくってはいけないと思いますから、ぜひこの点も是正していただきたいと思います。

短い新人研修、安い給料、これでは人は集まらない

あらき議員:それから、新人で採用した場合、実車で空車実習をするのは、民間では1か月半から2か月かけていると聞いています。市営バスは24日と短い。この点も聞いています。これで安全運行につながるのかどうか。この点、どうお考えでしょうか。

二見交通局長:繰り返しで恐縮でございますが、新採用を始めまして3年4年になります。この間、新人職員につきまして、今お示しいただきました日数できちんとやっておりまして、大きな事故等はでておりませんが、それでよしではなくて、安全運行とにかく何よりも優先しますので、今後とも充実に向けて必要な是正は図ってまいります。

あらき議員:どうしてそういう状況が起きるのかって調べました。営業所が8つある中で、いま運転手の確保状況は90%と聞いています。ですから、少ない中で必死になって新しい人を採用して、とにかく早く乗せたい。これが現状なんじゃないですか。その点、改善できるんでしょうか。

二見交通局長:採用再開をしまして、徐々にではありますが、いわゆる充足率と私ども呼んでますが、その率は上昇してきてございます。引き続き、必要な職員採用を継続することによりまして、充足率を高め、質的にも高めてまいりたいと考えております。

あらき議員:その充足率を高める方向で、先ほど賃金をお聞きしたんです。一般
行政職、横浜市の職員と比較しても11%低い。さらに、最高額で月額36万3,600円で2012年以前の採用の人は頭打ち。それから、2012年以降の採用ではさらに低くて31万4,700円。超勤ついてそこそこ40万前後っていう金額に、46万とかって聞きましたけれども、やっぱりそういう勤務体系と超勤をしながらやっと人並みの生活ができるというのは私は問題だと思うんです。この点、改善の要望しますけど、いかがでしょう。

二見交通局長:先生のご案内のように、私ども交通局は10年ほど前に大きな経営危機といいましょうか、厳しい状況におかれまして、経営改善、経営改革に取り組んだところでございます。中でも申し上げたいのは、市営バスの58路線の再編等によりまして、お客様、市民のみなさまにも大変なご不便をおかけして、ご迷惑をおかけしました。当然、当事者である私たちも人事給与面、きちんと見直しまして、職員には非常につらい思いをさせておることは十々認識はしておりますが、厳しい中乗り切ってきたわけでございます。そうした中で、今、みんな全員でチーム構成でがんばっておりますので、実績をあげまして、ぜひ黒字を続けまして、状況の好転を図りたいと思ってございます。

あらき議員:バス事業が黒字か赤字かっていう問題は、バス運転手の責任ではないはずです。そういうふうに黒字になるような路線を組んで、お客さんが少しでも乗ってくれるっていう営業努力は市全体でやるべき問題で、運転手の賃金を引き下げるから経営努力になるっていうのは、私はイコールではないと思うんです。この考え方は根本的に間違ってますけど、副市長いかがですか。

渡辺副市長:今、局長がご答弁申し上げましたとおり、改善型公営企業として横浜市市営交通が生き残っていく過程で、市民の方にもいろいろご不便をおかけしたり我慢をしていただいたりしております。それから、やはり同じような事業として、民間のバス事業者もいらっしゃいます。横浜市営交通は公営交通として、そのふさわしい市民サービスを実現しなければいけない。一方で、公営企業とはいえ、企業として競合する民間のバス事業者と同様の経営努力を求められている。そうしたことを総合的に勘案をして、現状では今のような給与水準、人件費を押さえていくことが必要な段階ではないかというふうに思っております。

あらき議員:そうだったら、もっと市営バスの運転手さんたちになりたいっていう人は、私は増えると思います。今でもかなり厳しい現状で、若い人たちが必死になって働いている現状をみるにつけて、もっと賃金体系も環境も整えなければ定着してかないと思うんです。

運転手さんのトイレがない

あらき議員:さらに問題点を申し上げます。トイレです。営業所の中にはトイレはありますけれども、終点のところで、たとえば福寿荘っていうところのバス停にはトイレがないそうです。ずっと改善問題で出ていて要望もされているのに、近くにある福寿荘に行けばいいということで作ってないっていうのを聞いています。でも、福寿荘がしまったら、バスの運転手さんはトイレがない。この改善点はどうしていつまでも放置されているのでしょうか。

二見交通局長:そうした要望が出ておることは私も十々に承知をしております。まず、私どもとしましては、ダイヤ上の工夫でトイレのある待機場所に割り当てられるようなダイヤ編成をまず第一に考えています。その上で、全ての待機場所にトイレがあればいいのですが、なかなかそういうわけにはまいりませんので、現在、ご指摘いただきましたような公共施設、駅、あるいは近隣の商業施設等にお願いをしまして、お借りをしておるという状況でございます。
あらき議員:民間のバスは運転手さんたちが行くトイレをまっ先に作るそうです。それから、屋根がついている休憩所を作るそうです。当たり前のことです。女性のドライバーだったらもっと困るわけですよ。その点をはっきりわかっていながら、どうして放置しているんですか。もう一回、答えてください。

二見交通局長:例示をされました福寿荘等につくましては、福寿荘と、たとえば廃止ですとか組直し(16:14)が決まっているようなところにつきましては、当然のこととして代替策は考えます。その他に関しましても順次改善に努めてまいります。以上でございます。

あらき議員:生理的現象を放置するっていうのは許されないことです。ですから、できる努力をきちんとして、まずは運転手さんたちの健康管理の点でも、これはやるべきだと思ってますから、主張しておきます。
特に制服を着て駅に入るっていうのも、これもかなりハードルが高いというふうに運転手さんに聞いています。特に横浜駅西口、ここは待機場所がなくて、トイレに行くのも結局バスをどこに置いていいかわからないから、運転手さんたちはバスのロータリーに入れるまでずーっとハンドル握ってる。これは休憩ではないですね。どうでしょうか。

二見交通局長:少し状況が鮮明にわからないんですが、先生ご指摘のことでしたら休憩ではないというふうに感じます。考えます。

あらき議員:これもずーっと前から要望が出ているそうなので、バスがたくさん来る横浜駅西口付近は、ほかの民間バス事業者もそうだそうです。待機場所がないから、常にバスの運転手さんはそこから、ロングダイヤであっても休憩時間としてカウントされているんですけれど、実際にはバスから離れられない。それでいて、休憩とってるというふうにされている。これは異常です。ぜひ、この点も改善を求めます。どうでしょうか。

二見交通局長:改善すべき点は多々あろうと思います。認識はしております。私どもも、市営バスに関しますと、乗務員が運行を担っているわけでございまして、安全運行を担っています。乗務員が現場を支えている第一線ですので、乗務員が気持よくといいましょうか、働けるような環境改善につきましては、これからも全力を尽くしてまいりたいと考えています。

あらき議員:ぜひお願いします。

新南区役所へのバス路線を確保せよ

あらき議員:次に、南区役所移転にかかわる足の確保です。来年1月にいよいよ南区役所移転することが決まっています。79系統について、どのように検討しているのか、お答えください。

二見交通局長:現在、概ね1時間に3本程度79系統運行しておりますが、そのうちの1時間に1本程度は新区庁総合庁舎の勤務開庁時間帯について、直接タッチできるようなかたちにしたいというふうに検討しています。

あらき議員:南区の西部方面を運行している神奈川中央交通バスの路線を新区庁舎まで延伸することは、現状では難しいと聞いています。しかし、区としてもこの間、他の事業者へも働きかけをしていくということになっています。公営交通としてどう考えていらっしゃるでしょうか。

二見交通局長:今、先生がご指摘いただきましたような内容で、先般、実は南区長から私あてに要望書をいただきました。私どもとしましては、区総合庁舎ですとか病院ですとか、多くのみなさまがご利用されます公共施設へのアクセスにつきましては、市営バスの役割であり、また責任でもあるというふうに思っています。この考えを基本に現在、局内で検討しています。