議会での質問(詳細)

2015年3月11日

■「追加議案関連質問」 あらき由美子議員(2015.3.11)

◎質問と市長・教育長答弁は次の通りです。なお、実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

一般会計からの繰り入れで国保料の引き下げを

あらき議員:私は、日本共産党を代表して質問します。
最初に、市第218号議案「横浜市国民健康保険条例の一部改正」についてです。
提案されている条例改正は、国民健康保険法施行令の改正に伴うもので、保険料の賦課限度額を引き上げるものです。今提案は、医療給付費分と後期支援分を各1万円、介護納付金分2万円と合わせて4万円引き上げ、限度額を85万円とするものです。この4万円の引き上げは、2014年度と2年連続の措置です。
2008年度に後期高齢者支援金が導入された時の限度額は68万円でした。それがこの7年間で17万円の引き上げとなり、率にするとなんと25%もの引き上げです。
厚生労働省は、低所得層、中間層に配慮したものと説明し、市長は、所得の高い方は保険料が上昇する一方で、一定以下の所得の方は所得割が下がることで保険料の軽減効果が得られるとしています。しかし、配慮というのであれば、国庫負担率を大幅に引き上げ、国民の負担を軽減するのが筋ではないでしょうか。国保の財政難と国保料高騰を招いた根本原因は、国庫負担の引き下げにあります。歴代政権は、国民健康保険に対する国の責任を次々と後退させ、国保の総収入に占める国庫支出割合は、1984年度49.8%から2010年度25.6%にまで半減しています。
これに加えて、国保加入世帯の貧困化が事態を一層深刻にしています。国保制度はもともと、農林水産業者と自営業者を主な対象としたものでした。現在では、本市でみると非正規労働者が中心の被用者と年金生活など無職の人が国保世帯主の78%を占めています。このように国民健康保険制度は、適切な国庫負担なしには成り立たない医療保険制度となっています。国はこの構造的変化に対しては、なんの対策も打たないまま、今日の危機的状況を招いているのです。
この二重の失政により、財政難、保険料高騰、滞納者増という悪循環に国保事業は陥っています。国保は、住民の医療保障という本来の役割を大きく後退させ、逆に重い負担や過酷な滞納回収で住民の生活と健康、命まで脅かすという本末転倒が広がっているのです。こうした国保の危機的事態を打開する抜本的な制度改革がいまこそ必要です。そこで、抜本的改革が待ったなしの国保の危機的事態に対する市長の認識を、まず伺います。
今回のような限度額を引き上げその増収分を中間層部分に回して、負担増を抑制するという方式は、2013年度500万円を超える所得階層の保険料滞納世帯が約2,315世帯に及ぶように、限界に達しています。賦課限度額となる世帯所得は、夫婦・子ども一人で所得ベースの介護分でみると674万円で、所得の13%もの保険料負担は、生活破壊になります。被保険者間で負担をやりぬくことで負担増を回避しようとする国の方針は、抜本的改革を先送りするだけです。
国保は、住民のいのち、健康を守る社会保障の制度であり、地方自治体が独自に公費を繰り入れ、住民負担軽減の努力をするのは、制度の本旨にかなったものです。その点でも中間層の保険料抑制は待ったなしです。今回の措置によるいわゆる高額所得者の負担増は、約7億円です。一般会計の規模からみても繰り入れ可能な金額です。
本市は、国に負担割合の引き上げを毎年要望していますが、それだけで済ませるのではなく、全国最大の基礎自治体として、独自の判断で一般会計から繰り入れを行い、市民負担増を軽減して市民の健康と暮らしを守る気概を今こそ示してはどうでしょうか。市長の決意を伺います。

林市長:あらき議員のご質問にお答え申し上げます。
市第218号議案について、ご質問いただきました。
国保の危機的事態と抜本対策についてですが、高齢化による医療費増加や低所得の方の割合が高いという構造的課題を抱えている国保制度を、より安定的で持続可能なものとするためには、市町村国保と他の医療保険制度との負担の公平化を図るべきと考えています。このため、国の責任を明確にした上で、全ての医療保険制度の一本化に向けた抜本的改革を早急に実現すべきと捉えておりまして、政令都市市長会で国に要望もしております。
一般会計繰入金による市民負担増の軽減についてですが、本市では国費の減額に対する保険料負担緩和策として、これまでも毎年多額の市費を繰り入れております。27年度予算案では、約103億円を繰り入れています。さらに、27年度は国の保険者支援制度の拡充によりまして、新たに国費・県費に加え、市費の繰り入れが図られ、国保財政への支援が拡充されます。このため、27年度の保険料率は前年度よりも減少することが見込まれております。

プレミアム商品券は購入できない人には何の益もない

あらき議員:次に、一般会計歳入歳出予算補正に関して、2点伺います。
1点目は、国の2014年度経済対策補正として盛り込まれた地域住民生活等緊急支援のための交付金を活用した事業についてです。
提案では、国からの交付見込み額25億7,000万円のうち、プレミアム付商品券発行に23億7,400万円、全体の92%を当てるとしています。消費喚起により市内経済活性化が図られるということですが、率直にいって、このプレミアム商品券がほとんどを占めることについて違和感をぬぐえません。
そもそも、購入できない人には、なんの益もありません。消費税の最大の欠陥は、逆進性です。低所得層ほどダメージが大きく、さらに円安による生活必需品の高騰が追い打ちをかけているのが実態です。そこで福井県では、経済的負担の大きい多子世帯、ひとり親世帯向けに割安で購入できるよう2,000円割引で購入できるクーポン券の発行を予定しています。国も多子世帯に対する支援をメニュー例で示し、消費喚起に直接効果を有する生活支援に要する費用に当てることもよしとして、低所得者等に向け、商品サービス購入券をメニューとして例示しています。
プレミアム商品券だけにとどまる本市の制度設計は弱者に対して冷たいといわざるを得ません。住民の福祉向上という地方自治体の使命を果たす気があるならば、多子世帯、ひとり親世帯、低所得者など経済弱者の生活支援対策を追加すべきと思いますが、市長の見解を伺います。
他方では、消費税増税と物価上昇によって苦しくなっている市民の生活と、消費低迷で悩む商店街の実態から見ると、プレミアム商品券施策の妥当性、必要性は否定できません。
そこで、その効果がより期待されるため、特に留意すべき点についてお聞きします。
まず、事業規模では、販売額は約84億円で、額面総額は約100億円です。プレミアム分は16億円となり、予算の3分の1、8億円が事務費に充てられることになり、この額が多すぎる感を否めません。事務費を縮減すればその分プレミアムに廻すことができ、事業規模の拡大につながります。その視点から、より効率的な事務執行による事務費の縮減は不可欠です。縮減に向けた取り組みをどうするか、伺います。
商品券の取扱店は、現金に換金しないかぎり商品仕入れなど支払いに使えません。商品券の取扱いによって、売り上げは伸びても単純に喜べないわけです。個人商店などに対しては、即時換金システムの導入など商店経営に支障をきたさないよう手立てが必要だと思いますが、どう具体されるか伺います。

林市長:市第217号議案について、ご質問いただきました。
多子世帯、ひとり親世帯などの生活支援対策を追加すべきとのことですが、本交付金は地域における消費喚起にスピート感をもった対応を行うことにより、経済の好循環を確かなものとすることをめざしております。そのため、市民のみなさまに幅広く機会を提供することができ、迅速かつ消費喚起に高い効果をもたらすよう、限られた交付金を最大限に活用いたしまして、プレミアム付商品券発行事業を中心に実施することといたしました。
例年夏のボーナス時期を過ぎた8月から11月頃は小売販売額が落ち込む傾向がございます。そのようなことも含めまして8月頃には商品券を販売できるように準備を急いでいるというところでございます。
事務費の縮減に向けた取り組みですが、大量の商品券の印刷、販売や回収、換金には、混乱を生じさせず、事業を確実に遂行するためには、一定額の事務経費が必要となります。事務経費が削減できた場合には、事業の目的である消費喚起のため、その削減分を使って、商品券の販売額を増やします。
換金などにあたって、商店経営に支障を来さない手立てについてですが、商品券の換金の手間や負担が少なくなるよう、店舗から商品券を回収する方法や、商品券回収から換金までの期間等、今後、受託事業者を選定する際の提案を踏まえて、対応してまいります。

港南区役所整備で施工ミス、建築局の職員体制の強化を

あらき議員:補正予算の2点目は、港南区総合庁舎整備工事請負契約締結に係る予算外義務負担の限度額等の変更についてです。
この変更理由は、工事全体の竣工時期の見直しなどに伴い、債務負担の期間及び限度額について変更が必要になったとしています。期間は1年延長で、限度額は70億円を80億円に増額します。工期1年延期は、現場コンクリート打設杭のコンクリート不足が発覚し、杭工事を再施工せざるを得ないためです。
今回の10億円の多くを占める工事費増額は物価スライド制の適用によるものとしていますが、わずか1年しか経過していない中で、あまりにも多額すぎる感じがします。この点での市民への説明が必要です。また、工期の1年延長によって、物価スライド制適用期間が当然のこととして1年延長になり、その影響を受けてさらなる工事費増額も予測されます。これらについて市長はどのように市民に対し説明責任を果たす考えなのか、伺います。
入札顛末書を見ると、落札価格は予定価格の92%で、適切です。業者側に無理を強いる契約ではありません。コンクリート不足の理由は、調査委員会を立ち上げ、検証した結果は、請負人として技術面での検討不足、工事管理体制の不十分さをあげています。
事業者の責任は重大ですが、この工事ミスによって、市民には新たな財政負担を強いられることになります。事業者の財務状況等を見ると、再施工さえ資金的にはひっ迫状態です。1年延期に伴う新たな負担を果たして負えるかどうか、心配です。今回の施工ミスの問題からして、公共建築物の建設については、事業者任せにすることはあまりにも危険すぎます。横浜市として、施工管理にも関与することが、今回の事故からの教訓です。市の工事管理体制の新たな仕組みと、建築局の体制強化は必至だと思いますが、市長の見解を伺っておきます。

林市長:港南区総合庁舎移転新築工事について、ご質問いただきました。
工期が1年延長することに伴う工事費増額の見通しについてですが、今後物価スライド対応などによりまして、工事請負契約金額の変更が必要となった場合には、改めてご審議をお願いすることになります。
工事管理体制の新たな仕組みと体制強化についてですが、これまで以上に横浜市設計者、施工業者などの施設整備に係わる関係者が施行技術等に関する高い技術力を共有して、施工現場に生かしていく必要があります。建築物の施行に関しては、工法や環境技術面など日々新しい技術が開発されている中で、そうした情報を関係者が共有して、研鑽を重ねることが非常に重要でございます。そのため、適切な工事管理体制などについて、関係者が率直に議論しながら、良質な施設整備につなげてまいります。
以上、あらき議員のご質問にご答弁申し上げました。

第2質問
あらき議員:お答えいただき、ありがとうございました。
今回の港南区役所整備の施工ミスについて、本市職員体制についての問題があることを先ほど述べさせていただきました。その点について、再度質問いたします。
昨年9月の本会議質問で、私は9,800か所もある崖の点検をするのに担当職員が4人では足りないので増やすべきと市長に質問し、その直後の10月に台風18号の大雨の影響で2名の方が犠牲になる事故が起きました。崖崩落事故を回避する職員体制を市長は即刻とるべきだったと思っていますが、この事故を受けて、新年度、崖対策の職員は11名に増えることになりました。予算も増えました。これは、市長が必要だと認めれば、職員体制を増やすことができることを示しています。
今回、施工ミスの起きた港南区役所にとどまらず、公共施設に関わる建築局の職員はわずか8人で、南区・金沢区・緑区の4つの区庁舎再整備を担当し、そのほかにも、新市庁舎、コミュニティハウス、地区センター、消防出張所、水再生センター関連施設、そして横浜市立大学の施設整備を担当しています。これだけの現場を見るだけでも職員は手が回らず、残業が増えています。
職員が残業を重ね、疲弊してきちんとした仕事ができると、市長は思っていらっしゃるのでしょうか。市長は現場主義とおっしゃっているのですから、必要な部署には十分な人員体制をとり、公共建築物でのミスが二度と起きないようにすることが必要です。この点での見解を伺って、私の質問を終わります。

林市長:ただいまのあらき議員のご質問にご答弁させていただきます。
非常に行財政改革が厳しい中、職員の削減等、横浜市も非常に厳しく取り組んでまいりましたけども、私は経営者出身の人間として、ただ効率だけを追及することは結果的にはよい成果が上がらないということ、肌で感じております。体制につきましては、行政ニーズに的確に対応するために、いわゆる市民サービスが怠ってはいけないわけでございますので。そして、片や、この行財政改革の中で費用対効果をきちっと見極めながら、適正な人事配置をこれからも行っていきたいというふうに思っております。
先生、大変ご心配いただいてありがとうございました。工事管理にあたる職員についても、同様の視点で、しっかりと検証してまいりたいと思います。
以上、ご答弁申し上げました。

  • 2017年 市民要望アンケート

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