議会での質問(詳細)

2015年3月20日

■「予算に対する討論」 白井まさ子議員(2015.3.20)

私は日本共産党を代表して、2015年度横浜市一般会計ほか2件の会計予算および1件の予算関連議案に反対し、討論を行います。
一般会計は1兆4,955億円で、前年度比5.4%の増、主な要因は施設等整備費の525億円の増、扶助費218億円の増です。市債発行は、激増した施設整備費に対応し、前年度比15%増を計上し、これは市債残高圧縮政策の放棄です。
通院の小児医療費助成が小学校1年生から小3に拡大、未婚のひとり親家庭への寡婦控除のみなし適用、がけ対策費を4.5倍化、救急隊の3隊増など、市民の声と運動のひろがりにこたえた前進がありますが、中学校給食の実施、35人学級拡大、住宅リフォーム助成、公契約条例などの切実な市民要求は検討すらなく、全く前進していません。

アベノミクスの横浜版予算

問題点の第一は、アベノミクスの横浜版予算となっていることです。安倍政権の経済政策アベノミクスを成功させるために、横浜市のヒト、カネを集中投入します。
高速道路予算は前年191億円から340億円と大幅増額です。この増額は、自民党の要求に応えて、高速横浜環状北西線、南線とも東京オリンピック前の完成を目指しているためです。南線の地元では、土地収用手続きは中止せよと、怒りが充満です。
新市庁舎建設も東京オリンピック前の完成を目指し、事業者の公募・選定を行います。自民党からは、2020年の東京オリンピックまでに完成させるよう、議会で繰り返し要求がありました。東日本大震災の復興工事やオリンピックに向けての工事で資材の高騰や職人不足の折、2020年までに完成というのでは、建設費が膨らみ、ますます市財政を圧迫します。急ぐ必要はどこにもありません。
また、自民党がカジノ誘致場所として推す山下ふ頭の再開発には約5億円が投じられ、再開発事業が本格化します。カジノを含む統合型リゾートの検討費1,000万円計上です。刑法で禁じられているカジノを税金で調査していいはずがありません。カジノを誘致することは、常軌を逸しており、市民理解は得られません。アベノミクスの目玉にひかれて飛びつけば、ギャンブル依存症、青少年への悪影響はコントロール不可能で、取り返しがつきません。
ギャンブル都市のイメージで斜陽となったアメリカのラスベガスでは、ギャンブルからの脱皮を目指し、テーマパークのある総合リゾートタウンとして生まれ変わり成功して、逆にカジノ経営に都市再生をかけたニュージャージー州のアトランティックシティーで、IR型カジノが崩壊している例をみれば、横浜で冷静な判断ができるはずです。横浜にカジノはいりません。検討は直ちに中止すべきです。
港湾では、南本牧ふ頭の3つ目のふ頭・コンテナターミナルが完成し、今後、4つめのふ頭・コンテナターミナルに巨費が注ぎ込まれます。本牧ふ頭沖に新規ふ頭建設を市は国と一体となって強行します。横浜港の輸出入貨物が低迷するなか、大水深のMC-3、MC-4にさらに加えて、新たな大水深コンテナターミナルをつくることに合理的根拠は全くありません。
また、体力のある大企業に目に余る優遇も問題です。企業誘致のための助成金の上限を20億円引き上げ50億円とし、テナント誘致の賃貸ビル建設の支援を再導入します。企業誘致は必要だとしても、助成金を用意すれば企業を呼び込むことができるという認識自体が誤っています。横浜で経済行政を長年担ってきた市職員OBは、「著明な企業を呼び込むことを目的化しても成長は望めない。誘致した企業の知的財産を活かし、いかに市内中小企業と連携できるかが市内経済発展の鍵」と指摘しています。
また、都市計画区域の整備、開発、保全の方針、及び線引き等の見直しが行われますが、活力ある市街地を形成するとして市街地拡大路線です。栄区上郷の森の豊かな緑が開発事業者の都市計画提案によって破壊の危機に陥っています。人口減少に伴い、市街地も縮小が当然ですが、当局の方針は逆です。横浜の緑の減少に歯止めはかけられません。これでは、何のためにみどり税を課しているのかわかりません。

大型公共事業偏重、福祉の増進が希薄

問題点の第二です。自治体予算の基本は、自治体の本来の仕事、「住民の福祉の増進」を進めることですが、希薄な予算と言わざるを得ません。
高齢者福祉では、特別養護老人ホームの整備に、建設費補助単価の引き上げはあるものの、着工は220床だけで、第6期介護保険事業計画の年300床を大きく下回っています。入所待ちは5,000人です。せめて申し込んで半年以内に入れるように、整備水準の引き上げが必要です。2016年1月から要支援1・2の方の訪問介護、通所介護が、介護保険事業から市の地域支援事業へ移行です。町内会にもサービス提供を担わせる方法での検討は、サービス低下につながり、やめるべきです。また、介護保険料の基準額は、わが党の主張で当初計画から210円引き下げがありますが、990円引き上げの5,990円となり、減免の拡充のないまま大幅な値上げです。
子ども・子育て支援では、待機児童解消のために小規模保育所整備に力点をおき、547人増しますが、小規模保育事業B型、C型については保育士配置に問題があり、保育の質からいっても推進すべきではありません。
放課後キッズクラブは新規46か所を見込んでいます。そもそも、午後5時以降の利用者数が平均10人と少ない実態があります。これの改善がないまま、ニーズをこの施設で満たすことは困難です。そのあり方を根本から見直すことが不可欠です。
子どもの貧困対策推進法と大綱に基づき、本市で、子どもの貧困対策計画が策定されます。安倍首相は、「子どもの未来が家庭の事情で左右されることはあってはならない」として、子どもの貧困対策の国民的議論の必要性を述べ、各界の代表者に協力を呼びかける会合を開くとしています。自身が進めているアベノミクスによって労働者の賃金が減り続け、税と社会保障の負担増によって貧困と格差が拡大していることに目を向けず、国民的議論を呼びかけること自体、無責任極まりないと思います。世界一高い高校・大学の学費、不十分な奨学金、子育て・教育が過度に家庭責任とされている問題など、子育て世帯の貧困を生み出す社会の仕組みがあり、特にひとり親家庭での生活費不足が深刻になっています。ここを抜本的に見直さない限り、家庭の事情は深刻になるばかりです。
お隣、川崎市で起きた中学1年生の殺害事件に心を寄せてみますと、お母さんのコメントによれば、「亮太が学校に行くよりも前に私が出勤しなければならず、また、遅い時間に帰宅するので、亮太が日中、何をしているのか十分に把握することができていませんでした」と。ひとり親家庭にあまりにも重い負担を負わせている社会の仕組みがあります。
本市での計画策定にあたっては、本市の現行制度を検証し、抜本的に引き上げることが必要です。就学援助制度の認定基準を生活保護基準の引き下げに伴って引き下げましたが、直ちに引き下げ前の2013年度基準に戻すことが必要です。中学校給食が未実施であることにより、給食費が生活保護や就学援助の対象になっていません。このことからも中学校給食実施の大きな意義があります。
高校の奨学金を学力条件で対象を狭めていること、きめ細かな気配りができる35人学級を拡大していないこと、小児医療費助成制度の対象年齢が小学校3年生にとどまり、所得制限があることも問題であり、中学校卒業までに引き上げ、所得制限をはずすことが求められます。

自治体の本来の仕事である「住民の福祉の増進」が希薄

問題点の第三は、大型公共事業偏重、福祉の増進が希薄なため、くらしの願いがないがしろにされていることです。
市民が願っているのは、中学校給食実施です。20の政令市で実施計画もないのは、横浜だけになりました。学校給食法、食育基本法に基づく栄養バランスのとれた暖かい給食実施が必要です。
身近な生活道路や歩道の整備が応えきれていません。高速道路ではなく、優先すべきです。また、がけや住宅密集地の防災対策、防災行政無線の設置も急がれます。

不要不急の大型開発の浪費をやめて市民の願いかなえよ

これらの願いは、不要不急の大型開発の浪費をやめ、大企業向けの支援策や、カジノ誘致に当てる予算と職員体制を見直せば、費用と人が確保できます。予算の一部を組み替えるだけで可能です。さらに市内経済活性化や生産年齢人口の増加など、市税収入を増やす政策を実行できれば、これらの政策にかかる財源は十分確保できます。
2015年度政府予算は、軍事費拡大を推し進め、大企業を優遇する減税で、社会保障をいっそう削減し、国民生活を犠牲にするものです。消費税10%への増税、社会保障は自然増削減路線で医療も介護も国民負担増、ブラック企業を規制せず雇用のルールが壊され、原発再稼働、沖縄の新基地建設、集団的自衛権行使を容認し海外で戦争する国づくりが強行されています。ことごとく民意にそむき、暴走する安倍政権です。
本市で、「人も企業も輝く横浜」の実現を目指した中期4か年計画の実質初年度となる2015年度予算は、自民党言いなりで、暴走する安倍政権の経済政策アベノミクスの横浜版であり、福祉の増進が希薄で、くらしの願いがないがしろです。横浜市政が「住民の福祉の増進」という自治体本来の役割を発揮し、370万市民の期待に応えて前進することを願って、予算案に反対する討論を終わります。

  • 2017年 市民要望アンケート

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