議会での質問(詳細)

2015年3月20日

■「横浜市教育委員会の教育長任命について質問」 大貫憲夫議員(2015.3.20)

大貫議員:日本共産党を代表して、市第219号議案「横浜市教育委員会の教育長の任命」について、質問します。
今回の教育長人事は、法改正による新教育委員会制度の具体化です。今回の人事案は、岡田現教育長を新教育長に任命するものです。

不当な政治介入防止のために教育委員会の独立性をどう担保するか

教育長の任命にあたって危惧されるのは、不当な政治介入を防ぐために、教育委員会の独立性をどのように担保するかという問題です。
法では、地方自治体の教育政策の方針となる大綱を首長が決定することになっており、この大綱には、排他的な愛国心教育を助長する教科書採択など、本来、教育委員会の権限に属することまで盛り込むことが可能です。
市長は、一昨年の市長選挙で推薦を受ける際に自民党と結んだ協定項目に、教科書の使用についての項目があったと、新聞2社が報道しています。この教科書採択に関わる協定は、明らかに教育への政治介入です。
今回の教育長任命にあたっては、この協定内容の実施を、よもや任命の条件にはされていないと思いますが、いかがでしょうか。また、この協定内容が今後策定される大綱に反映されることはないと考えてよいのか、市長の見解を伺います。

一部議員の教育への介入に対して毅然とした態度を取れなかった

横浜市の教育行政が、一部議員の言動に振り回され、その結果、子ども達に犠牲を強いる事態になったことが、過去に何度もありました。
その典型が、竹島を扱った絵本の作者による読み聞かせです。昨年6月、鶴見区の小学校1校の6年生と青葉区の小学校1校の4年生に、国語の読書活動の授業の一環として実施されたことです。市教育委の説明によれば、5月中旬に自民党の市会議員から、絵本「メチのいた島」の作者が横浜に来るので小学校で読み聞かせをしたいと要請があったとのことです。
この絵本の前半は、ニホンアシカ、通称メチが村民と仲良く生息する竹島の様子等を描いていますが、絵本の後半でいきなり「竹島に近寄ることもできなくなりました」と書かれ、昔も今も日本固有の領土である竹島が「今日も私たちを待っています」と結ばれています。
竹島を巡っては日本と韓国が互いに領土権を主張していますが、学習指導要領では、日本の領土については小学5年生で北方領土だけ学び、竹島については中学校の地理と公民で扱うとされています。今回「メチのいた島」の読み聞かせをしたことは、竹島についての領土教育が行われたことであり、学習指導要領に反しています。
竹島の歴史的経過について学習しないまま行った作家の読み聞かせは、子どもたちに、近寄れないのは韓国のせいだ、韓国は許せないという感情をいだかせるだけです。他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことを教育の目的としている教育基本法にも反します。
市内でも特に韓国につながる子どもが多い鶴見区の小学校が、読み聞かせの対象校に選定されたことも問題です。反韓国感情によるいじめや不登校などの懸念が大いにあったはずです。
市教育委は、この間、領土教育の徹底を求める自民党の主張に照らしてみれば、「メチのいた島」の読み聞かせを求める自民党議員の意図が当然組み込まれたはずです。子どもへの教育的配慮よりも、市会議員の意向を優先させるものと言わざるを得ません。
日本共産党市議団は、このような子どもへの配慮をせずに、読み聞かせを実施したことについて、子どもが抱いた一方的見方を是正する措置とともに、二度と政治介入に屈して、子どもたちの利益を損なうことのないよう、市教育委に強く申し入れをいたしました。
教育長の任命にあたり、こうした一部議員の教育への介入に対して毅然とした態度を取れなかった市教育委と岡田教育長の対応は、教育の政治的中立の保持という原則と、教育に関する識見を有するという教育委員の条件、多文化共生を掲げ、日中韓の文化交流として東アジア文化都市事業を行っている横浜市の教育委員会として、適切な対応とは到底いえないと思いますが、市長の見解を伺います。

就学援助の認定基準をもとに戻せ

今年度、市教育委は、就学援助の認定基準となる収入額を、生活保護基準額引き下げに連動して、3年間の引き下げ計画をたてて、実施しました。その結果、今年度977人が就学援助の対象から外れ、そのうち762人がそれまで受けていた就学援助を打ち切られました。今年1月20日の時点で1,039人が対象外となっています。国は、生保基準の切り下げにあたり、出来る限りその影響が他の制度に及ばないよう対応することを政府方針とし、市町村に適切な対応を求めてきました。これに関し、安倍首相は1月28日の参院本会議で、「子どもたちの教育を受ける機会が妨げられることのないよう取り組んでいく」と表明されました。
厚労省の発表では、日本の子どもの相対的貧困率は16.3%です。子どもの貧困対策法が2014年1月に施行され、同8月にはその大綱が策定されました。本市は、新年度に、こどもの貧困対策計画を策定します。こうした情勢の中で、就学援助の認定基準については、横浜市は新年度予算で3か年計画の2年目の切り下げを見送りましたが、当然の措置だと思います。
新教育長の任命に当たり、この切り下げの3か年計画そのものを中止し、もとの基準に戻すよう教育長に求めることは、国の意向に沿うものであり、中教審委員に就任される市長にとっても必要なことだと考えますが、市長の見解を伺います。

事前資料の変更説明ないのは議員と市教委との信頼を損なう

市教育委は、中学校昼食として配達弁当方式を導入するにあたり、その成案が昨年11月10日開催の常任委員会に提出されました。この成案は、事前に常任委員に説明されたものとは似て非なるものでした。
委員会当日に提出された成案は、事前説明の資料から、市教育委内部で真剣な検討を経てできた成案の柱部分をすべてカットし、いわゆる給食要素を骨抜きにしたものでした。全く別の案に変わったともいえる大幅変更にもかかわらず、事前に議員にはなんの報告もありませんでした。
事前に提示された案が、審議前に変更されることはありうることですが、その場合にはその旨の説明が必要です。今回、時間がなかったという理由で、担当議員に変更の経過と内容を審議前に伝えることを放棄した市教育委の態度は、議会軽視そのものです。この問題を3月3日の予算特別委員会教育委員会審査で私が取り上げましたが、教育長は、審議前に変更説明をしなかったことに対して反省の言葉はありませんでした。過ちを一切認めない態度に終始されました。
これでは、議会と議員と市教育委との信頼関係は成り立ちません。教育長に任命するならば、常々二元代表性の尊重を言われる市長として、この教育長の誤った態度について、改めて反省を求めるべきだと思いますが、市長の見解を伺って、私の質問とします。

林市長:大貫議員のご質問にお答え申し上げます。
市第219号議案について、ご質問いただきました。
教育長の任命についてですが、人格が高潔で、教育行政に関し執権を有することはもとより、教育行政の責任者としてのリーダーシップを十分に発揮できるなど、その職責を担うにふさわしい人物を熟慮した上で人選いたしました。
なお、政策協定に関することについては、控えさせていただきます。
大綱の作成についてですが、昨年12月に、第2期横浜市教育振興基本計画を議決していただきました。この計画を基本として、総合教育会議において教育委員会のみなさんと議論し、未来を担う横浜の子どもたちが、人を思いやる優しさと、豊かな感性、自立して生きていく力、世界で活躍できるグローバルな視点を持つ市民として育つよう、策定していきたいと考えております。
なお、政策協定に関することについては、控えさせていただきます。
読み聞かせへの教育委員会の対応についてですが、絵本作家による読み聞かせは子どもたちにとって価値のある教育活動でありまして、教育への政治介入とは捉えていないと、教育委員会から聞いております。新たな教育委員会制度における教育の政治的中立性の保持や多文化共生への考え方は、私は重要であると認識をしております。
就学援助の認定基準についてですが、教育委員会では、生活保護基準の所得額を就学援助の認定基準としています。生活保護基準の引き下げについて、3年間の激変緩和措置が設けられたことや、本市の引き下げ後の認定基準額が政令指定都市の中でも高い水準であることから、生活保護基準に準じて就学援助の認定基準も見直すことにいたしました。28年度以降の認定基準につきましては、国や他都市の動向、申請状況などを注視して検討するよう、教育委員会へ伝えているところでございます。
教育長の議会への対応についてですが、今後、教育長には議会や議員の先生方に対して丁寧な対応を心がけてもらいたいと思います。
以上、大貫議員のご質問にご答弁申し上げました。

(第2質問)
大貫議員:答弁、ありがとうございました。
まず、政策協定について答えられないというふうにおっしゃっていましたけども、市民に対してどんな政策協定をやるのかということは非常に重要な課題ですから、これはやはりきちっと、その教育に関わる内容については、その協定の内容についても明らかにすべきだと、私は思います。それについて、市長、どう考えているのか、伺います。
それから、市長は、二元代表制についてはきちがえているんじゃないかと思うんです。とにかく、この二元代表制については、政策についてはやはり議会と、そして市長側とが、議会を通じて積み上げて、政策をつくっていく、これが二元代表制です。アンダーグラウンドでつくる問題じゃないんです。この点は、やはり市長は知るべきだとは思います。
最後にです。教育委員会制度の法改正にあたって、参議院では附帯決議がされましが。それによりますと、「教育長の権限および責任が従来に比して重くなることから、これを直接任命する首長の責任はもちろん、任命同意に際し、新教育長の資質、能力をチェックする議会の責任も重くなることを踏まえ、議会においては、所信聴取等、丁寧な対応をとること」という内容になっています。本来は、この附帯決議を踏まえて、本会議において候補者の所信聴取と質疑を行うべきでした。今回は、これまで教育長であったことから、候補者の所信を書面で提示することにされましたが、これを前例とせずに、次回の教育長の任命については、本会議場での候補者の所信聴取と質疑を行うこと、これが必要だということを申し添えて、私の質問とします。

林市長:大貫議員のただいまのご質問にご答弁させていただきます。
先ほどもお答えさせていただきましたが、政策協定に関することについては、差し控えさせていただきます。以上、ご答弁申し上げました。

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