議会での質問(詳細)

2008年11月27日

【2008年第4回定例会】「決算反対討論」白井正子議員

 私は、日本共産党を代表して2007年度一般会計歳入歳出決算および事業費会計決算等計13件の決算の認定に反対し、討論を行います。

市民負担、福祉・生活サービス切捨て、貧困と格差の拡大に追い討ち

 反対する具体的な理由の第一は、格差と貧困の拡大に追い討ちをかける市民負担と福祉・生活サービス切捨ての問題です。
 2007年度の住民税の定率減税の全廃により、広範な市民が大幅な負担増になったにもかかわらず、低所得者への減免制度の改善はなされませんでした。住民税減免制度の周知の改善は一定行われましたが、通り一辺倒のもので不十分です。
 2006年、改悪された介護保険法のもとで、要介護1以下の軽度者が車いすや介護ベッドの貸与を受けられなくなり、取り上げられる事態となりました。福祉用具を自費で購入したりレンタルする場合の市独自の助成制度を設けることなどの対応が求められていたにもかかわらず、2007年度でも市として何ら手だてをとらなかったことは問題です。
 貧困の広がりの中で、払いたくても払えない高い国民健康保険料のために、保険料の滞納を余儀なくされている世帯に対して、情け容赦なく保険証を取り上げ、2007年10月1日現在35,740世帯に資格証明書を発行している本市の対応は、他都市に比べて余りに異常であり、医療を受ける権利を市民から奪うもので、容認できるものではありません。
 とりわけ2007年3月末現在3692人の小・中学生が事実上無保険状態になっていることは、テレビでも取り上げられ、大問題です。子どもには無条件に児童福祉法の立場からも国保証を発行すべきです。
市営バスへの任意補助金が2007年度から全額カットされ、路線の廃止等再編が行われ、市民の足を奪ったことは、公営交通の役割を矮小化したものとしか思えません。公共政策の専門家によれば、「交通にはビジネスだけでなく福祉の視点が必要」との指摘があることから、救済措置である暫定運行路線を2008年度末で廃止する方針は止めて、運行を継続すべきです。
 高齢者の社会参加の大切な制度である敬老パスの見直しが行われ、市民運動の高まりで、一定額の負担で乗車できる現行の応能負担制度を当面維持することとなりましたが、負担額が1.3倍に引き上げられたことは問題です。

ますます求められる教育・子育てへの市民要求に背をむけたまま

 反対理由の第2は、次世代を担う子育て・教育行政が、市民要求に応えたものになっていない問題です。
 学童保育の分野では、40万筆近くの署名にこめられた「小学校の数だけ学童保育を作ること、不十分な運営費を増額すること、対象学年を6年生まで引き上げること」など、市民の切実な要求に沿った改善は、図られませんでした。
 教育の現場では、いじめ、不登校、学級崩壊、学力・体力の低下など、児童や生徒、教師にとっても深刻な事態が続いています。これら問題の解決の重要なひとつに、一人一人の児童に目が行き届く30人以下学級などの実施が叫ばれている中で、本市として手立てが全く見られません。
 教員の配置については、2007年4月の入学式の時点で学級担任が決まっていない小中学校が20校を超えました。あってはならないことです。
 その上に、5月1日時点で本来正規教員として配置されるべき435人が配置されておらず、非正規の臨時的任用教員などが配置されていました。
 また、突然の病休や産休代替となる臨時的任用教員が直前になっても決まらない事態があったことは、教員の確保策に大変問題があります。
 定年退職者数や、それ以外の退職者数、児童生徒の増加によるクラス数の増、採用予定者の辞退など勘案して、新規採用者を増やすことが必要です。このような手だてがとられないのは、大変問題です。
 中学校給食の実施という市民の願いにも背を向けたままです。
 また、市立大学において、2年次から3年次への進級要件として英語能力テストTOEFL500点以上という制度で、約3割の学生が進級できないという異常な事態を引き起こしました。さらに、進級できない学生の奨学金が打ち切られ、なんの救済措置も取らない市と大学の対応は、容認できません。
 子育て・教育行政は、次世代にむけた市民の財産作りです。必要な予算付けを含め、30人以下学級の実施、学童保育などの施策の抜本的な拡充を強く求めます。

民営化を無反省のまま推進

 反対理由の第3は、弊害が出ているにもかかわらず、民営化が無反省のまま推進されたことです。
 市立保育園の民営化では、新法人への引継ぎ期間は今まで半年でしたが、今般1年に延ばされました。半年という短期間では引継ぎが不十分だった、保育に弊害があったということを実質認めたということです。
 また、ワーキングプアが社会問題になっている現在、本市の業務委託先でも同様の問題が起きています。西部水再生センター場内清掃点検業務の年間委託費は、2112万円の予定価格に対し、876万円で落札され、それまでと同様5人の業務作業員で計算すると、年収は175万円、月収は14万5000円になります。委託にかかわる経済性を追及した契約制度の弊害により、官製ワーキングプアを作り出す結果になっています。
 また、カン・ビン・ペットボトルを選別している横浜市資源選別センターが、業務を再委託した民間事業者の作業員の賃金は正社員で19万円前後です。再雇用は16万円に満たない額で、生活できる水準になっていません。

生活密着型公共事業を削減する一方で
150周年事業名を冠した大型開発を推進

 反対理由の第4は、生活密着型公共事業を削減する一方で、大型開発を推進している問題です。
 新市庁舎整備は、市長の公約にも中期計画にもなく、市庁舎整備基金への積み立ても2003年度から中止したままでしたが、突如、候補地を選定することを視野に入れた整備検討費として500万円が予算計上されました。矢継ぎ早のアンケートの実施、新市庁舎整備構想のまとめ、パブリックコメントが行われ、2007年現年度補正予算で、UR都市機構が隣地で再開発を進めている北仲通りの土地を購入するため、市庁舎整備基金135億円の取り崩しと都市整備基金32億8000万円が当てられました。
 この計画は、数百億円規模の巨大事業です。当然、市民合意や市民の納得を得る手続きは、欠かせないものです。にもかかわらず、そうした手続きをとらないままの推進で、容認できません。
 また、開港150周年記念事業の一環としてのマリンタワー再整備事業に4億1700万円を投じています。この事業は、市長の周辺にいる市長に政治献金を行う特定の人物が複数介在していることで、透明性が疑惑視されております。開港150周年記念事業に泥を塗るようなものといわざるを得ません。
 また、高速横浜環状道路南線建設のための栄区庄戸3丁目4丁目の市所有地売却についてです。庄戸町会と事業者・横浜市の間で、庄戸区間のトンネルなどの構造や工法・環境対策の協議の場が設定され、検討することが合意されたものの、トンネル等の構造・工法が決まっていない時点で、土地を売却したことは問題です。
 他方、公営住宅整備費や、河川改修、学校施設営繕費などの市民生活に直接関わる生活密着型の公共事業が削減されました。生活密着型公共事業こそ、最優先に進めるべきです。

みせかけの「協働」、掛け声だけの「分権」

 理由の第5として、「協働」や「分権」を進めるに当たっての必要な財政支援が不十分なことなどです。
 協働のパートナーと位置付けている自治会・町内会への補助金の制度が2006年に変更され、活動実績や防犯灯保有数に応じた算出方法に変わりました。この変更は、激変緩和措置を取らざるを得ないほど、一部のところで補助金が激減しました。
 単位町内会で、盆踊りなど長年地域で作り上げてきた行事を取りやめざるを得なかったところもあります。今まで通りの活動を続けるには、災害時などの積立金を取り崩さざるを得なかったところもあります。また、活動費を捻出するため、資源回収などの新たな財政活動が加わって、高齢者が多い役員にとって、重荷となっているところもあります。2年間の激変緩和措置が2007年で打ち切られたことは、市政への一番の協力者である自治会・町内会の行政への信頼を著しく低下させました。
 各区の区作り推進費の配分については、税・国保料の収納率により配分するという成果主義が持ち込まれています。区民要望に答えるだけの充分な予算措置がないまま、成果主義による配分では、区の権限を充分発揮することが期待できません。かけ声だけの分権といわざるを得ません。

市民の市政への信頼を大きく損なった一年

 最後に、2006年の町田市長選挙をめぐる政治資金規正法違反事件が起こり、市長はコンプライアンスの強化をしたにもかかわらず、2007年に市長自身の政治資金パーティで消防署員がパーティ券購入事務手続きに関わった問題が発覚しました。
 消防団以外にも市から補助金などを交付されている団体で同様なことが起きていなかったのか調査しないまま、自らの減給などだけで問題を終わらせた市長の態度は容認できません。
 市民の市政への信頼を大きく損なった一年でした。
 これらの点から、2007年度13件の決算の認定には反対し、討論を終わります。

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