議会での質問(詳細)

2008年12月4日

【2008年第4回定例会】「追加議案関連質問」大貫憲夫議員

 実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

大貫議員:私は、日本共産党を代表して市第87号議案 横浜みどり税条例の制定について、中田市長に質問します。

何ゆえ市民に知らせきるための努力をしなかったのか

 横浜みどり税条例案は、横浜みどりアップ計画新規・拡充策の推進に向けて、新たな税を導入しようとするものです。その提案の前提として求められることは、市民に新税導入の必要性を周知徹底し、理解と納得を得ることです。ところが、今回実施された新税案に対する意見募集の結果では、新税に対して「市民の大多数は知らない」「農村地区で誰一人知らない」、町内会役員では「聞いていない」、そして「期間が短く、本当に市民の意見を聞く気があるのか」などの声が寄せられ、わが団にも同様のファックスやメールや電話が連日のごとく届いています。
 意見募集に際し、市は、ホームページへの掲載や広報よこはま特別号を約11万部発行し、市内のPRボックスや11の緑化イベント会場等に配布したとしていますが、これではとても周知徹底したとはいえません。
 市長は、本市のパブリックコメントの例にならって市民への周知を実施したとしていますが、新税は本市の全ての納税義務者に対し均等割超過課税を課すという極めて異例で重大な問題です。個人181万人、法人9万5000社の納税義務者の全てに周知徹底することが当然ではありませんか。この点で、基本的な市政の情報媒体である広報よこはま特別号を通常規模の156万部の全戸配付とせず、11万部でよしとした理由は何か。何ゆえ市民に知らせきるための基礎的な努力さえしなかったのか、伺います。

中田市長:お答え申し上げます。
 まず初めに、市民意見募集に関する広報誌の配布についてのご質問をいただきました。ご案内の通り、ご質問の中でも触れていただいた通り、広報よこはま特別号というものを作成をし、市民のみなさんにもお伝えをし、意見募集に先立って2回の市民アンケートなどによって、みどりアップ計画新規・拡充施策の内容や市の税制案に対する市民意向の把握を行ってきたわけであります。
 今回の市民意見募集というのは、条例案の作成にあたって今回の市民のみなさまのご意見を伺うために実施したものであり、具体的な実施方法などについては、パブリックコメントの例を参考にもいたしました。その結果、税制案に留まらず、施策への提言なども含めて多くの項目にわたってたくさんのご意見をいただくことができたわけであります。

市民に周知徹底しないのは行政による権力の横暴そのもの

大貫議員:徴税という権力を行使する上で、議会に諮るだけで、市民に徹底して理解を得ようとしないのは、行政による権力の横暴そのものだと言わざるを得ません。
 市長は、2回の1万人アンケートやシンポジウム、今回の市民意見募集、各種団体説明を行い、市民の意見を聞いたとしていますが、それでよしとするのはあまりにも勝手な言い分です。市民には事前に詳しい説明もせず、限られた市民に対しての突然のアンケートや、わずか23日間の意見募集では、横浜市税制研究会の報告が随所で強調しているように「今後市民に詳しい説明と市民の理解をうるための努力を継続して行うことを強く求める」との要求を満たしたものと言えません。もし言えると強弁するならば、その根拠を示していただきたいと思います。

中田市長:市民に対する説明を果たすべきだということでありますけれども、18年12月に作成をした中期計画において、横浜みどりアップ計画やその財源確保についての検討を盛り込んだのをはじめとしまして、税制研究会の設置以降は逐次検討状況を公表してまいりました。また、2回にわたる1万人を対象にした市民アンケートのほか、シンポジウム、各種団体への説明会など、様々な機会を捉えて、説明に努めてまいりました。
 また、具体的な税制案については、広報誌を作成をし、10月18日から実施をいたしました市民意見募集で周知を図るとともに、経済団体や地域への説明を行ってきたところであります。

急いでなぜいま超過課税か

大貫議員:景気後退、金融不安など不況が深刻化する今、なぜ増税かという当然の疑問に対して、市長は、緑の保全・創造に取り組んでいくことは市政にとって喫緊の課題だからとするのみで、問題をそらしています。喫緊の課題は緑の問題だけではありません。
 市長は、市民意見募集で出された疑問に答えることなく、単に税額を1100円から900円に引き下げ、その積算根拠も示すことなく、この時期に議案を追加提出までして、新税導入にこだわっています。これは、環境保全のために超過課税を導入した全国初の市長を目指すという、中田市長の個人的な思惑があるのではないかという批判を裏づけるものではありませんか。あまりにも拙速だというそしりを受けながらも、なぜこの12月議会に追加までして議案を提出したのか、改めてその理由を伺うものです。

中田市長:第4回定例会に提案をした理由でありますけれども、緑の保全・創造に向けた取り組みは、これは何度も申し上げてきたとおり、本市の重要課題であり、横浜みどりアップ計画の新規・拡充施策を21年度から着実に推進する必要があることから、その安定的な財源として横浜みどり税を創設し、21年度を初年度として導入をしてまいりたいと考えているわけであります。特に、これは新たな税負担でありますから、21年度の施行前に、法人も含めた市民周知を着実に行っていくという必要があることから、今回の市会に提案をいたしたものでございます。

乱開発を許しておいて、いまになって緑の保全といわれても

大貫議員:適切な緑の保全を図るには、横浜の緑の減少の原因を、正確にしかも全面的に捉えることが必要です。確かに、横浜市は首都圏の中で好立地条件を持っています。同時に、横浜市が首都圏一極集中という国策を是認して、開発を推進・容認してきたことが、開発圧力を後押しし、樹林地・農地の宅地化を促進してきました。
 今回の市民意見募集でも、「乱開発を許しておいて、今になって緑をといわれても納得できない。現在でも緑をつぶす開発が散見される」など、市の責任が追及されています。これに対し、市長は「都市計画制度を効果的に活用するとともに、緑施策・農業施策など様々な取り組みを進めてきた」と自らを免罪し、緑の多くは民有地に依存しており、土地所有者が相続など様々な理由で開発業者に土地を売却したことが主たる原因として、責任を土地所有者に転嫁しています。これでは開発は抑制されません。
 事実として、いま現在、南区の永田北では、分割開発の手法で開発調整条例の網を潜り抜けた開発業者が100戸の宅地造成工事を行い、約1.2ヘクタールの斜面緑地が消えようとしています。全市では05年から07年の3年間だけでも、このような分割開発が35件に及んでいます。また、本来、既成市街地の再開発が目的の都市計画提案制度を市街化調整区域まで広げ、上郷開発計画を誘発させるなど、横浜市が開発を規制するという確固とした姿勢がないばかりか、開発を誘導し脱法行為を見過ごしてきたことが、これ程まで緑を減少させてきた原因ではありませんか。市長の見解を求めます。

中田市長:開発を容認してきたというご指摘でありますけれども、これまで振り返ってみますと、横浜市の人口が急増するなかにおいて、昭和45年の都市計画法の施行にあわせて、市域面積の約4分の1を市街化を抑制すべき区域である市街化調整区域に指定をし、開発を規制をしてまいったわけであります。また、市街化区域においては、開発許可の中で道路・公園などの整備を誘導するとともに、開発調整条例などによって、緑化を図ってきたわけであります。さらに、緑化地域制度を導入するほか、斜面緑地での開発行為について景観に配慮した緑化基準を定めていくこととしております。従いまして、議員のご指摘は当たらないものというふうに思います。緑の保全・創造を進めるということのためには、開発は規制をする、そのことも必要ですが、それだけでは不十分なのであって、今回横浜みどりアップ計画を推進をするということを着実にしていきたいわけであって、そのためにはということを考えたときに、財源確保ということを真剣に向き合って考えないと、一向に緑は保全をすることが歯止めがかからないということでお諮りをしているわけであります。

池子の森の米軍住宅建設中止を国に求めよ

大貫議員:さらに重大なのは、横浜市自身が緑を破壊しようとしていることです。その典型が、オオタカなど絶滅危惧種の生息する池子の森約18ヘクタールを米軍住宅建設で破壊しようとしている問題です。市長は、新税を導入してまで緑を守る決意があるなら、今からでも米軍住宅建設中止を国に求めるべきです。明快な答弁を求めると同時に、開発規制の立場に立ちきることを要求するものです。

中田市長:池子住宅地区および海軍補助施設の横浜市域における住宅等建設についてのご質問ですが、この事業は横浜市の事業ではもちろんありません。16年10月の日米合意によって、防衛省が建設事業を進めているものであります。本市の要請というものも繰り返ししてまいりまして、造成などを行う改変面積を2分の1以下に抑制をし、自然環境の保全等に配慮するということを要請に応えて、現在守ってもらうようにしています。今後も引き続き緑地の保全や緑の創造・再生などに十分配慮するということを、国に対しては働きかけをしてまいりたいと思います。

農地を守るために農産物の価格保証や新規就農者に財政援助を

大貫議員:農地を守る施策には市民の大きな期待がかけられています。市民意見募集でも「農地は私たちに『いのちの糧』を供給してくれると同時に良好なみどりの空間を形成して、いやしの場にもなっている。災害時には避難場所としても考えられる」「地産地消の食材確保のためにも宅地化を防ぎ、農業が魅力のある職業と思える施策が必要」という意見が寄せられ、農家からも「農業だけで一般の人と同じ生活の出来る政治を行ってもらいたい」との意見が出されています。日本全体の食糧自給という点でも、農地の保全は重要です。
 農地を守るには農業振興が決めてです。天候や相場に左右される農産物に対する価格保障や、農業の担い手育成対策、新規農業就労者に対する財政的援助などが必要です。いかがでしょうか。

中田市長:農産物の価格保証や農業の担い手支援等についていかがでしょうかというご質問をいただきましたけれども、わが国の経済体制とか世界の貿易関係とかを考えれば、価格保証というのは現実的に取り得るものではないというふうに、そもそも思いますね。
 本市の農業においては、農産物の販売収益を高めて、農業経営の健全化を図るということが基本であります。このため、みどりアップ計画の一環として、直売や収穫体験など生産者と消費者が結びついた地産地消を中心とする農業振興を図っていきたいと考えております。また、新規就農者を含めた農業の担い手に対しては、意欲ある農業者が希望を持てるように、実態をよく踏まえたきめ細かい支援を行ってまいりたいと考えています。

大型開発事業の見直しで緑を守り育てる財源に

大貫議員:わが党は、緑を守り育てることは、地球温暖化対策からも重要課題であり、時代の要請だと考えています。今回の横浜みどりアップ計画新規・拡充施策素案は、みどりの保全・増加に向けた意欲を示しており、一定の評価をするものです。同時に、わが党の提案を取り入れ、さらに効果の上がるものになるよう、期待するものです。
 問題は、その財源をどのように手当てするかということです。市長は、緑の保全・創造の財源を新税で捻出するために、昨年8月横浜市税制研究会を立ち上げました。このことは、1兆3000億円という規模の一般会計の中で工夫し、税金の無駄遣いを改めて、その財源に充てることを、はじめから放棄したものです。多くの市民は緑の保全が目的の新税導入に反対しないだろうという希薄な理由によるものにほかになりません。あまりにも安易な考えです。
 本来、緑と環境保全の問題を市長が喫緊の課題として位置づけるなら、予算の上でその優先順位を上げ、まず財源を確保することです。限られた予算の中でみどりアップ計画の予算を倍加すれば、ほかにしわ寄せが来るのは当然です。
 この際、具体的に伺います。現在、約700億円の事業費を見込んで建設中の南本牧のMC3・4の水深20メートルという大水深コンテナふ頭は、超大型コンテナ船がどれだけ寄港するか全く目途が立たないのに、寄港してほしいという願望で事業を進めています。さらに、新市庁舎整備、羽田空港の国際化への支援のための無利子貸付事業、横浜環状道路建設など大型開発事業と、横浜みどりアップ計画のどちらの方が優先度が高いと考えているのか、明確にお答えしていただきたいと思います。そして、これらの大型開発事業を見直しすれば、横浜みどりアップ計画の予算は十分に確保できると考えます。市長の明快な答弁を求めて、私の質問を終わります。

中田市長:他の公共事業と比較したみどりアップ計画の優先度ということでありますが、現在進めている社会資本整備については将来のあるべき横浜の姿を見据えた上で、市民生活の利便性向上や活力ある経済活動を支えていくために、真に必要な事業について重点的に取り組んでいるわけであります。厳しい予算状況を毎年抱えるなかで、本当に必要なものというものを考えて措置をしているわけであります。
 横浜みどりアップ計画については、急激に失われつつ緑の保全により、市民の潤いのある生活空間を創出し、豊かな自然環境を次世代に引き継ぐということのために、市民のみなさまのご理解のもとに、横浜みどり税という安定的な財源を活用して積極的に取り組んでいこうとするものであります。
 安易な考え方で出していると、こういうふうにいわれましたけれども、そんなに気楽にできるものではありません。いつもひとくくりで大型公共事業というふうにおっしゃいますが、今日は南本牧コンテナターミナル、新市庁舎整備、羽田空港の国際化、横浜環状道路と具体的にお出しをいただきました。いずれも大切です。そう思いませんか。まさに、その優先度を考えたときに、簡単に優先度をつけられるはずもなく、それぞれの違う分野のなかにおいてそれぞれ優先度が高いものではないでしょうか。横浜のこれからを考えたときに、南本牧のコンテナターミナル、これは横浜の経済の根本でもありますし、横浜のまさに歴史を振り返ったとき、これからを考えたとき、国際競争力のある港をつくるというのは、何よりも大事な施策だというふうにいえます。羽田空港の国際化、これは横浜のみならず日本のためにも必要なことであります。横浜環状道路、これもこれから先の、それこそ環境問題を考え、さらには経済を考え、購買地とつなぐ港の機能を考え、こういったときにも、重要な施策であります。こうしたことをしっかりと優先順位として踏まえなければ、議論にならないと思います。
 以上、答弁申し上げます。

(第2質問)
大貫議員:「由らしむべし、知らしむべからず」という論語の言葉を市長に送りたいと思います。江戸時代の悪代官がやっているような、市民に対して、の当時の農民に対して課税をするようなやり方、これはいけないと思います。ぜひ、市長にそれは改めることを要求して、私の質問を終わりにします。

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