議会での質問・討論(詳細)
2008年12月12日

市第87号議案 横浜みどり税条例の制定にたいする各会派の討論

12月12日の本会議において、各会派の横浜みどり税条例にたいする賛成・反対討論が行われました。
各会派の討論を、モニター中継から、当事務局の責任で文章に起こしたものをご紹介いたします。なお、実際に討論を行った順番ではなく、人数の多い会派の順に記載いたします。

自民党(鈴木太郎議員) 賛成

私は、自民党横浜市会議員団を代表して、本定例会に上程されました市第87号議案 横浜みどり税条例の制定に、賛成の立場から意見を申し上げます。
討論に入ります前に、正直申し上げまして、数日前までまさかこの私が今日この場で自民党を代表して本議案に賛成の立場から討論を行うとは、努々考えておりませんでした。それはまさに、国民政党であるわが自由民主党の包容力とダイナミズムの賜物と痛感しているところであります。
さて、本議案は、将来の横浜の緑を保全・創造する一連の政策パッケージである横浜みどりアップ計画新規・拡充施策の財源にあてる目的税として、横浜みどり税を制定するものであり、個人市民税均等割超過課税方式で徴収する税としては、北海道夕張市に次ぐ例となります。きわめて重要な議案であることはいうまでもありません。限られた時間のなかで判断を下すことがむずかしいのは当然といえます。今定例会中、常任委員会が連日開催されたのも、自然な流れであり、わが党においても連日この議案について議論がなされてまいりました。わが党内の議論においても、当初から賛成でまとまっていたわけではなく、様々な課題や問題点が指摘されてきたなかで、最終的に苦渋の決断を下したところです。
5年間で総事業費約603億円に上る横浜みどりアップ計画新規・拡充施策については、本市緑地の減少傾向に歯止めをかけ、将来の横浜の緑を保全・創造するためには必要不可欠な政策であると考えており、わが党内には異論はありませんでした。
問題は財源です。この財源として新たな税負担を市民にお願いすることについては、しっかりとしたプロセスを経て、慎重をきすべきとの意見が数多く出されました。このプロセスについては、次に3つの問題意識があります。第一に市民への周知の問題、第二に経済情勢を見据えたタイミングの問題、そして第三に新税以外に財源は捻出できないのかという問題です。
まず、第一の市民への周知の問題ですが、わが党の議員はそれぞれ日ごろの政務調査活動の一環として市民との意見交換の場を数多く設けております。そうしたヒアリングを繰り返して感じていることは、横浜みどり税の是非以前に、いま横浜市でこのようなことが検討されていることすら知られていないということです。同じ政策パッケージを進めるにしても、新たな税負担を市民にお願いをして進める場合と、そうでない場合とでは、市民に対する周知とご理解を得る努力について、その程度に格段の差があってしかるべきと考えます。この点について当局は、2回にわたる1万人を対象とした市民アンケート、70回以上にわたる各種団体への説明会、広報誌を作成し、市内502箇所で配置してきたことを強調しますが、まだまだ十分な周知徹底が図られたとはいえません。
次に、第二の経済情勢を見据えたタイミングの問題ですが、今年9月のアメリカの名門投資銀行の破綻に端を発した世界的な景気の失速と先行き不透明感が広がるなかで、新たな負担を市民にお願いできるのかという問題です。もう少し様子をみて、経済情勢が安定した段階から実施することは考えられないのでしょうか。
最後に、第三の新税以外の財源の問題ですが、これはすなわち、本当に新税以外に財源はないのかということです。既存の一般財源から捻出することは本当に不可能なのかどうかということです。本来であれば、すべての内部経費や事務事業の見直しを改めて行い、無駄を省く努力を徹底したけれども、財源を捻出することができない、だから新たなご負担をお願いしますということがすじではないでしょうか。
当局はすでに相当の見直しを行った結果、過去6年間で合計906億円の歳出削減を実現したと説明されましたが、わが党の佐藤茂議員が常任委員会で指摘したように、たとえば労働組合等に対する事務所スペースの提供などの便宜供用についても見直しを検討するなど、まだまだ不要不急の事業の見直す余地はあるのではないでしょうか。
一方で、将来の横浜の魅力や都市の価値を考えると、緑を保全・創造していく横浜みどりアップ計画を実行していくことはまさに喫緊の課題であり、一刻の猶予も許されません。いまこの時点でも、現実に相続税をどうやって捻出するか悩んでいる市民もいらっしゃると思います。緑を犠牲にしても相続税に充当する決断を余儀なくされている方もいることでしょう。緑の減少を食い止めるには、政策を実施に移していくスピードも同様に重要です。
わが党内で決断に苦慮したのは、まさにこの点です。すなわち、新税導入に向けて必要なプロセス、これに対してみどりアップ計画を実行に移していくスピードの間で葛藤が続きました。我々は議論に次ぐ議論を重ねてまいりました。同時に11月下旬から12月初旬にかけて、複数名の所属議員が政務調査活動の一環として実施したアンケートでは、64%の回答者が緑地保全について応分の負担をすることに賛成という結果も得てきました。
これらの状況も踏まえ、最終的には6項目の附帯意見を附して、我々が必要と考えるプロセスを補うことで、本議案に賛成する苦渋の決断を全員一致で下したところです。この決断は、市長以下行政当局を信頼しているからこそ下せた決断でもあります。つまり、我々は、附帯意見で指摘した6項目については必ず履行されるものと信じて疑っていないからこそ賛成するということを、特に中田市長におかれましては十分にご認識をいただきたいと思います。
この決断に対して、我々自身も覚悟を決めなければなりません。市民にも行政にも新たな負担を求めるわけですから、我々議会も身を削る努力を行わなければなりません。わが党は過去に、大幅な市会議員定数の削減を提案しましたが、残念ながら当時は実現することができませんでした。このたび新たな税負担に賛成することを機に、わが党としては改めて市会議員定数の削減を出来るだけ早期に提案したいと考えております。どうぞ各会派のみなさまのご理解とご協力をお願いをいたします。
さらに、事務事業の見直しについては、行政に任せるだけでなく、我々自身が自ら取り組んでいくことも検討を始めました。自民党本部政務調査会には、非営利独立の政策シンクタンクである構想ニッポンと協働して、無駄撲滅プロジェクトチームが設置されました。すでに文部科学省、環境省、外務省などいくつかの中央省庁の事業見直しに着手したところです。我々自民党横浜市会議員団も同種の組織をつくり、横浜版無駄撲滅プロジェクトともいうべき活動を展開してまいりたいと考えております。
以上、本議案についてわが党が賛成にいたった経緯と理由、横浜みどり税実施に際し履行すべき6項目の附帯意見、さらに我々自身の取り組みの方向性を示してまいりました。改めて我々が苦渋の決断の結果、附帯意見を附して本議案に賛成し、他の会派のみなさま方にもご賛同をいただくことで、50年先いや100年先の横浜の魅力・価値を創造していきたいと考えております。そのためには議会が市長に負けていてはいけません。議会が強くならなければいけません。議会が力をつけなければいけません。ぜひとも多くの議員のみなさまも同じ志を共有していただくことを期待して、自民党横浜市会議員団を代表しての意見とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

民主党(松本敏議員) 賛成

松本敏でございます。私は、ただいま議題となっております市第87号議案 横浜みどり税条例の制定につきまして、民主党横浜市会議員団を代表いたしまして、賛成の立場から討論を申し上げます。
わが国はいにしえより瑞穂の国といわれ、谷は瑞々しい稲穂が実り、山には青葉、鮮やかな木々が溢れる緑多き国でありました。横浜も、その昔は豊かな緑につつまれ、市内のあちらこちらに野鳥が飛び交う山林がありました。しかし、高度経済成長期を経て、都市基盤整備と人口集積が進み、365万人を越える大都市へと発展する一方で、宅地開発が急速に推し進められたことなどにより、緑は年々大きく減少し続けてまいりました。改めて申し上げるまでもなく、緑は我々の生活に潤いや安らぎを与えるばかりでなく、都市の魅力を支える重要な要素であり、また地球温暖化防止のうえでもなくてはならないものであります。このため、緑の減少に歯止めをかけることは、本市において最重要かつ喫緊の課題であると考えます。
その一方で、現在残されている緑地の多くは民有地であり、日常の維持管理や相続に伴う負担など、土地所有者の負担が非常に重いことから、その協力に頼るだけでは樹林地や農地の減少に歯止めをかけることはむずかしいという実情もあります。
こうした緑を守っていくためには、土地所有者に一層の協力をお願いすることはもとより、行政による効果的な支援も必要であります。市内に残された貴重な緑を市民共有の財産として、その保全を市民全体が支えていくことが必要であります。
このような背景のもと、今回の横浜みどり税条例は、緑の保全と創造を図る横浜みどりアップ計画新規・拡充施策を着実に推進するための安定的な財源確保を目指して、提案されたものであります。
わが団といたしましては、緑の保全・創造を確実に進める、緑豊かな環境を次の世代へ継承していくことはきわめて重要であり、いまを生きる我々の責務であると考えております。
一方、これまでの議会審議のなかで再三にわたり指摘してきましたように、中小企業を初めとする企業経営が危機的状況におかれ、雇用環境も著しく悪化するなど、市民生活は大変厳しい環境におかれているなかで、新たな負担を求めることが本当に適切であろうか。また、市が実施した市民意見募集については、期間も短く、また広報誌の配分・配付方法や、地域での説明会なども十分とはいえないのではないか。こうしたなかで、市民への周知が十分になされ、その理解が得られているといえるのか。さらに、緑が減少してきた大きな要因のひとつには、相続税や首都圏の開発を進めてきたことに対する国の責任もあるが、国の支援策も含めて税以外の財源の確保をまず図るべきではないのか。あるいは、市民に新たな負担を課するという大変重い議案であるが、市民の意見を十分に反映した議論はなされているといえるのか。さらに慎重な議論が必要ではないのか。など課題も多くあります。
わが団では、こうした観点を含め、これまでの議会審議を踏まえて、様々な角度から慎重かつ密度の濃い議論を重ねてまいりました。その結果、様々な課題はあるものの、少しでも早く緑の減少に歯止めをかけることが何よりも重要であるとのことから、苦渋の決断ではありましたが、本議案について賛成することにいたしたものであります。
横浜みどり税を導入し、新たな負担を市民に求めることとなる以上、市民の十分な理解が得られるよう、さらなる取り組みが必要でありますし、事業の推進にあたってはその効果が最大限に発揮されるよう、確実な推進が求められます。そこで、今回の決断にあたり、附帯意見として、横浜みどり税の目的・内容について引き続き法人も含めた市民への周知徹底を図ること、横浜みどり税以外の財源確保に積極的に取り組み、とりわけ国からの支援策の早期実現を働きかけること、土地所有者も含めた広範な市民協力の輪を広げ、緑を守り育むための協働の取り組みを推進すること、いわゆる欠損法人に対する2年間の課税免除について免除期間経過後も経済状況等に十分配慮し、必要に応じ柔軟な対応を検討すること、横浜みどり税の使途についてはそのすべてについて市民に広く積極的に公開し、事業の進捗について常に市民に明らかにすることなど、6項目を附すことといたしました。これらについては、ぜひとも確実に進められるよう、強く申し述べておきます。
個人には年間900円、法人には年間4500円から27万円という新たな負担をお願いすることは、市民生活や市内経済がおかれている大変厳しい状況を考えますと、きわめて重い決断でありました。市長におかれては、私どもの苦渋の決断をしっかりと受け止め、確実に緑の保全と創造に向けた取り組みを推進するよう、強く要望いたします。
私どもは、この横浜みどり税が子どもや孫の世代にしっかり緑を残していく世代を超えた後世につながる事業の礎になるものであると信じております。
また、市会としても、こうした厳しい状況のなかで市民の方々に新たな負担をお願いするということを重く受け止め、議員定数の削減など議会改革に一層取り組む覚悟とともに、この横浜みどり税を活用した市の取り組みをしっかりと注視し、その効果を検証していく仕掛けを工夫し、引き続き市民の附託に全力で応えていく決意が必要であります。この点を強く申し述べて、私の賛成討論を終わります。

公明党(手塚静江議員) 賛成

私は、公明党横浜市会議員団を代表いたしまして、ただいま議題となっております市第87号議案 横浜みどり税条例の制定につきまして、賛成の立場から意見を申し上げます。
わが党では、横浜みどりアップ計画新規・拡充施策の素案、税制研究会の最終報告が提出されて以来、各議員による公聴活動を通じて、多くの市民の方々からのご意見を頂戴をし、それを踏まえ、この間、団会議、団公聴集約会議等で徹底的に議論を尽くしてまいりました。
先の議案関連質疑において、わが党の牧島議員から、50年前開港100周年の当時、横浜の緑被率は50%強と想像され、まさに緑あふれる街並であったと述回がありました。横浜開港150周年を明年に控えた今、横浜市の緑被率は、約31%となり、その大きな要因として、人口の急増と都市の発展に伴い、自然が損なわれたことあげられます。いまを生きる私たちの大きな責務として、後世の市民に横浜のみどりを送り届けるために、横浜みどりアップ計画新規・拡充施策の取り組みは、多くの市民の方々もその必要性を認めているところであります。
横浜みどりアップ計画新規・拡充施策には、樹林地について、相続等の不測の事態に対応した買い入れや、さらには社会問題化しつつある都市農業の保護・育成という大きな課題に対して、具体的な対策が盛り込まれており、そのためにも安定的な財源が必要であることを理解するところであります。
本年5月と8月の2回にわたるアンケートの結果をみても、緑の保全・創造について、市民のみなさまが強い関心をお持ちであることを改めて認識するとともに、その財源としての税負担についても前向きなご意向が伺われたところです。
しかし、その後米国のサブライムローンに問題に端を発して、世界経済不況がわが国を飲み込み、10月末に実施された本市の景況経営状況緊急調査でも、市内企業の多くが円高や株価下落により、経営を圧迫されていると回答するなど、市内経済の状況は大変厳しいものとなっております。また、先行きについても、不透明な状況は依然として続いています。このような大きな状況変化を受け、10月から11月にかけて行われた市民意見募集では、みどりアップ計画新規・拡充施策には引き続き賛同があったものの、税負担については大変厳しい意見も寄せられました。
しかし、緑を保全し創造することは、いまを生きる私たちの責務であり、みどりアップ計画新規・拡充施策の一刻も早い着手と、着実な取り組みによって、将来に向け、緑の環境保全対策を推進することと同時に、大変厳しい経済状況という現実も十分に考慮していく必要があり、そのバランスをどうとっていくか、市民のみなさまの思いを真摯に受け止め、わが党としても、積極的に議論を尽くしてまいりました。
その結果、みどりアップ計画新規・拡充施策を着実にやるための財源確保の重要性を十分に認識する一方で、市民に過大な負担をかけないために、税制研究会の最終報告での資産額である、個人で年間一律1300円を大幅にさげ、900円と設定したこと、さらにわが党が提案をしていた市民税が非課税となる低所得者の方々や利益計上していないいわゆる欠損法人に対しては課税しないことなどを踏まえ、上程された議案について、大枠のサインを持ちながら、議論に望んだところであります。
本会議の議案関連質疑においては、市民税額による算定される国民健康保険料が超過課税と連動し、増加されることがないよう、対応を求めたところ、市長より影響が及ばないよう来年横浜市国民健康保険条例の改定についての考え方が示されてところではあります。
また、これまでの委員会等において、いくつかの重要な指摘をしてきました。まず、市民のみなさまに新たな負担を求める以上、何よりも行政による弛まぬ財源確保への努力が必要であり、こういった観点から行政改革を一層推進することが極めて重要なことであります。
さらに、法人に対する特例措置は2年間とされており、本市の経済状況によっては、3年目以降も柔軟な対応をとっていく必要があることから、免除期間経過後の経済状況等に十分配慮をし、必要に応じ柔軟な対応を検討すべきと考えます。
また、みどりアップ計画新規・拡充施策を実りあるものとし、成果をあげていくためには、市民のみなさまに理解され、協働で取り組みを進めていくことが欠かせません。こうした観点から、緑の重要性、役割の大きさを多くの市民が共用できるよう、土地所有者も含めた広範な市民協力の輪を広げ、横浜の緑を守り育むための協働の取り組みを推進する必要があります。
合わせて、横浜みどり税の目的、内容について、今後も引き続き法人を含めた市民の方々への周知の徹底を図ることも円滑な執行のために重要であります。
以上のことを附帯意見としてふすことで、今回の議案に賛成いたします。これからの附帯意見の趣旨を十分踏まえ、広く市民のみなさまの理解を得て、みどりアップ計画新規・拡充施策が着実に実施されていくこと、その結果を市民のみなさまが実感できるような取り組みが進められることを期待するとともに、市民のみなさまに負担をお願いする以上、議会としても定数削減等を含めた議会改革に向け、さらなる取り組みを進めていく決意であります。
以上で、公明党横浜市会議員団を代表して、賛成討論を終わります。

民主党ヨコハマ会(今野典人議員) 賛成

私は、民主党ヨコハマ会市会議員団を代表して、本定例会に上程されている市第87号議案、横浜みどり税条例の制定に賛成の立場から、討論いたします。
横浜みどり税は、横浜市域の緑の減少に歯止めをかけ、緑豊かな横浜を次世代に継承することを目的としてつくられた横浜みどりアップ計画新規・拡充施策を着実に推進していくために提案されています。課税の内容は、市民税均等割超過課税方式とし、個人には年間900円、法人には年間均等割額の9%相当額を新たに課税するものです。なお、個人について、低所得者は非課税とし、法人については当初2年間は利益計上のない法人は除くなど、配慮がなされています。
横浜市は、このたびの条例提案にあたり、昨年9月には市街化調整区域の農地・樹林地所有者へのアンケート、本年5月には横浜の緑に関する意識調査、同じく7月には横浜の豊かな緑を次世代につなげるためにと題してのシンポジウム、8月には横浜緑の保全・創造施策と税源確保に関する市民意識調査、そして10月には横浜みどりアップ計画新規・拡充施策の推進に向けた税制案に関する市民意見募集を実施するなど、市民意見の把握に努めてきました。これらのアンケート結果や寄せられた意見をみると、横浜市内の緑を増やしてほしい、維持してほしい、またそのために緑地を持ち続けられるような支援、場合によっては買い取って保全すべきとする意見が90%以上になるなど、緑の価値をきわめて高く評価する一方で、10月実施の税制案に対する意見募集では、新たな税制の導入に対しては否定的な立場からの意見も多く寄せられています。
今日、温室効果ガスの削減など、地球レベルの環境問題を論ずることが多くなりました。横浜市においても、身近な樹林地や農地が、ヒートアイランド現象の緩和、都市型水害の防止、生物多様性の確保、新たな景観・癒し効果など、多面的な機能を持っていることは、多くの人に認識されているといえます。しかし、一方で、その緑が1年間に約100ヘクタール、日産スタジアムにして14.5個分も減少していることは、あまり知られていなかったのでないでしょうか。
その結果が、1970年の緑被率50%から2004年の31%に大幅に減少して現れているのです。高度経済成長や首都圏への人口の集中などにより、横浜市域においても都市化が進みました。これまで、そこに暮らす私たちは近代的な都市の利便性など、その恩恵を受けてきたといえますが、少子高齢化が進行し、右肩上がりの経済成長が望めなくなった現在、新しい価値観に基づく都市の創造が求められているのではないでしょうか。そして、その新しい価値観の中核に緑、すなわち自然環境との調和をおくべきと考えます。緑にあふれ、自然と調和した都市づくりは、横浜市の都市の魅力を一層高める要素としての価値があると考えます。
近隣の川崎市や東京都との都市間競争においても、緑は横浜市の重要なセールスポイントとなると考えます。基準の違いはありますが、緑の率は川崎市では12%、東京の区部では24%と、横浜市の緑被率31%には及びません。横浜市がいまある緑を大切に保全することは、新たな都市ブランドの価値になり、今後も市民はもとより市外の人々をもひきつける魅力を持ち続けることにつながると考えます。都市の緑を保全し育むことは、選ばれる都市をつくるという点で、都市経営上においても重要な意味を持ち、具体的な経済的価値にも結びつくものと考えられます。
また、緑には市民や地域を結ぶ市民文化創造の価値もあります。身近な樹林地を守る市民の活動の場が出来たり、子どもたちの遊びや学びの場になったり、市民が憩い集う場として、緑の存在価値は計り知れないといっても過言ではありません。このように考えると、都市における緑の保全はこれからの都市の重要な社会インフラのひとつといえるのではないでしょうか。
横浜みどりアップ計画は、上下水道整備や学校建設、道路整備と同じように、横浜都市の基礎を形成する事業であり、その財政的基盤となる横浜みどり税は、未来への投資であると考えるべきです。しかしながら、緑を守るための税とはいえ、市民の負担は増えることになります。したがって、新たな税の導入ではなく、内部努力で緑を守るための財源を生む出すべきとの声を聞かれます。横浜市はこれまでに5年間の目標として掲げた1900人の職員削減目標を2年前倒しで達成し、その間の人件費は183億円の削減になり、また特殊勤務手当ての廃止、毎年200億円を超える収支不足への対応など、事業の見直しと歳出の削減に意欲的に取り組んできたことは高く評価いたしますが、横浜みどり税条例を審査する常任委員会で会派の同僚議員が指摘したように、市民や法人に新たな負担を課す以上、さらなる民間活力の導入や、これまで当たり前のように支出してきた国・県およびその所管する独立行政法人に対する毎年の負担金や外郭団体への補助金、委託金の見直しなど、新年度予算編成を通じてこれまで以上の行財政改革の取り組みを具体的に示すなど、行政全般の覚悟が必要です。
私たち民主党ヨコハマ会としては、議員定数の削減を初め、議会改革に徹底して取り組む決意です。
市民意見の中には、景気後退、金融不安、物価上昇、雇用不安など、社会的な不況の中で、なぜいまなのかなどの声もありました。私たちも、当然このような状況の導入はできることなら避けたい思いはあるわけですが、一方で毎年約100ヘクタールという緑の減少に歯止めをかけるためには、ただ単に導入を先送りするとか、土地の所有者にこれまでどおり負担を押し付けるとか、市職員や市幹部の人件費でとの声もありましたが、一部の人の負担に依存して保全するようなことは決してよい方法とはいえず、避けなければならないと考えます。むしろ、開港150周年を迎えるいまこそ、私たちが将来の横浜を考え、緑を守り育てるために、景気や社会情勢に左右されにくい財源として、横浜みどり税の導入に勇気をもって決断することが、真に緑の保全と創造に向けた市民・企業との協働の輪を広げる大きな一歩を踏み出すことにもなると考えます。
なお、導入後5年間の横浜みどりアップ計画の進捗や行政当局の今後の行政改革の姿勢にも注視することをお伝えし、民主党ヨコハマ会を代表しての賛成討論といたします。

無所属クラブ(伊藤大貴議員) 反対

私は、市第87号議案に反対の立場から討論をさせていただきます。
将来の横浜市のために緑を保全すべきという意見は、おそらくここにいらっしゃる92名の議員のみなさん、一致することだと思います。しかし、今回の新税の施策に関しては、中身の面からも実施時期の面からも問題点が残るために、反対の立場を取っております。
まず、施策の中身についてですけれども、増税による税収の40%以上を費やして樹林地を買うわけですけれども、買う面積は年間に減少している緑のわずか5%でしかありません。本当にこれで市民のみなさんが納得してくれるでしょうか。費用対効果の面から考えたときに、どう説明をすれば市民に理解をしてもらえるでしょうか。本気で緑の減少を食い止めるためには、植樹のような別の方法を取るか、あるいは本気で樹林地を全部買っていくんだとすれば、私は現実的ではないと思いますけれども、大幅な増税をしていく以外にないだろうと思います。
それともうひとつ重要なことは、なぜ横浜市から緑が減ってきたのか、その根本原因は何か、この根本原因をしっかりと取り去っていかないことには、横浜市の緑の減少を食止められないだろうと思います。改めて指摘するまでもなく、他都市から人口流入があり、そしてその結果大規模な宅地開発、マンション開発等が行われてきた結果、横浜市からどんどんと緑が減ってきたのは、みなさんもご存知の通りだと思います。
そういう意味では、市長ご自身も市長選のマニフェストで掲げられておりましたけれども、新税の導入をするのであれば、この宅地開発に歯止めをかけていく何らかの施策がセットにいなければ、私は本当の意味で緑地の減少は食い止められないだろうと思います。
そして、今回の新税では金額が1300円から1100円、そして900円と減っていったわけですけれども、常任委員会で自民党あるいは民主党の中からも大変厳しい反対意見が出ておりまして、私も本当にその通りだ、増税ありきの感がどうしても否めない。このように思いました。ですから、緑を守るのは大賛成なんですけれども、あまりにも施策としてちぐはぐで、到底これでは市民の理解が得られないだろうと思います。
そして、次にこれは時期の、タイミングの問題もあります。先の議案関連質問で、無所属クラブを代表して太田議員が質問しましたけれども、昨今のこの経済状況下のなかで、横浜市だけがおそらく一生懸命増税のことを議論しているんだろうと思います。今朝の読売新聞にも出ていましたけれども、国では与党税制改正大綱に住宅減税、自動車減税が盛り込まれ、昨日はたばこ税の増税も見送られました。すでにみなさんもご存知のとおり、この2008年4月から9月期の日本の経済成長は、マイナス1.8%です。10-12月期はこれよりさらに数字が悪くなり、2009年来年の年間の経済成長はマイナス3%だといわれています。この数字は、みなさんもすでにご存知のとおり、日本がバブル崩壊後最も経済が厳しかったときでさえ、経済成長率はマイナス2%台だったんです。ということは、来年、この日本、そして横浜の経済に何が起きるかというのは、非常にみなさんもご想像いただけるだろうと思います。
先日ソニーが正社員8000人を含む1万6000人のリストラを発表し、今日もシャープが、あるいはこれからキャノン、いすゞ自動車、トヨタ自動車、非正規社員のリストラという話がどんどんと毎日連日のようにニュースで流れています。この企業は、先ほど私が申し上げましたように、この4月から9月期の経済状況から判断していまのリストラ策を打ち出しているんです。そうすると、来年もっと経済の状況が厳しくなるわけですから、世間の雇用に対する不安というのは、おそらくいま創造している以上に国民・市民の間に、雇用に対する不安というのは大きくなっているだろうと思います。
日銀の景気判断も6年7か月ぶりに悪化していると変更になりましたし、工作機械の受注額、過去最大の下げ幅、街角景気判断指標は過去最低更新、企業倒産件数は5年ぶりの高水準、企業物価は過去最大の下げ幅と、どの指標をみても非常に厳しい数字が出ています。間違いなく、来年はいまより厳しくなっているんです。経済学者に話を聞くと、ビルトインスタビライザーが働くまでに3年は要するだろう、このように言っています。
本当にこのタイミングで、この後お話しますからぜひ聴いていただきたいんですけれども、本当にこのタイミングで増税に踏み切って、市民が理解してくれるのか。私たち市会議員というのは、行政のチェック役のはずなんです。よって立つところは何なのか、それを考えたときに、せめて今回は見送るべきじゃないかと思います。
冒頭申し上げましたように、施策の中身もまだ審議すべき点が残っているなかで、しかもこれだけ経済が厳しいなかで、それでも緑地保全を一分一秒争う事案でお金が必要だとすれば、私は市職員の人件費カットと市会議員の報酬削減で望むべきだと思います。横浜市の人件費は年間2200億円ですから、1.5%カットで30億円です。1.5%は月でいえば、課長さんクラスでも1万円にもいかない数字です。これを経済が回復するまでの3年限定でやればいいんです。それが、市民の行政に対する、政治に対する信頼が増すのだろうと思います。そして、この3年間に、まだまだこの審議、残っている部分を議会で一生懸命やればいいじゃないですか。
附帯意見でも、議員定数の削減がのっていますけれども、議員定数の削減は次の改選時ですから、あと2年半、これから国民が本当に厳しくなっていくこれからの2年間の処置にはならないんです。私が無所属クラブのなかで唯一議員定数削減に賛成派ですけれども、それでも議員定数の削減は今回の新税の議論に関してはあまり意味がないと、私は思うんです。
ぜひ、そういう意味で、心ある議員のみなさまに今一度ご再考いただきたい、このように思います。以上で、私の反対討論を終わります。ありがとうございました。

日本共産党(関美恵子議員) 反対

(日本共産党は他の議案についても討論を行ったため、当該部分のみ記載します)
次に、市第87号議案についてです。これは、横浜みどりアップ計画新規・拡充策の推進に向けて、年間、個人900円、法人、均等割額の9%相当額の新たな税として「横浜みどり税」を市民税に超過課税、導入しようとするものです。
緑を守り育てることは、地球温暖化対策からも最重要課題といえます。今回の「横浜みどりアップ計画、新規・拡充施策」素案は、緑の保全・増加に向けた意欲を示しており、一定の評価をするものです。みどりアップ計画の事業費は約600億円です。うち新税で、当初案では年38億円、5年間で190億円、第二次案は、年32億円、5年間で160億円、最終案は年24億円、5年間で120億円と税負担を縮減させましたが、縮減分の補てん財源も示さず、みどりアップ計画の見直しもされておらず、計画の実効性に疑いをもたざるを得ません。
議案に反対する理由の第一は、個人181万人、法人9万5000社という納税義務者に対して税金を課すという、きわめて異例で重大な問題にもかかわらず、市民へ周知徹底もせず、意見もよく聞かずに、あまりに拙速に進めたことです。我が議員団には、連日電話やメールでみどり税に対する意見が寄せられていますが、特徴を大別すると、一にはじめて知った、二に開発を野放しにした市の責任追及、三に開発業者に税負担をというもので、はじめて知ったと言う人がほとんどです。
意見募集の際に発行した公報よこはま特別号の発行部数が、通常規模の156万部の全戸配布規模の1割以下のわずか11万部であり、しかも23日間の意見募集期間の短さからも、市民意見を聞くという真摯な姿勢はうかがえません。
市長は、10日の記者会見で、来年度の市民意識調査で導入の是非を聞きたいと述べられましたが、順序が逆です。導入前に聞くべきです。
第二は、大不況と言われている今、なぜ新たに課税するのかということです。市は、今議会で「緊急借換特別資金」を創設して、不況にあえぐ中小業者を支援しようとしていますが、そういう時期にあえて新税を設けることは、緑の保全が喫緊だとしても、許されると考えるのは間違っています。
第三は、緑の減少の原因を明らかにすることなく、分割開発など乱開発を容認したままにしていること、池子の森の米軍住宅建設容認など市自身が緑を破壊していること、農地の保全に欠かせない農業施策が不十分などの問題です。
第四は、不要不急の公共事業などを見直すことなく、新税を導入することです。緑の保全・創造を喫緊の課題と位置づけるならば、予算の上での優先順位をあげるべきです。
なお、委員会での議案の採決にあたって、賛成会派による附帯意見についても一言申し上げざるをえません。それは、市長に行政改革の一層の推進と事務事業の徹底した見直しを最初にあげていることについてです。市長に対し、これまで以上の市民サービスの切捨て、公務部分の縮小を迫るものであり、市民の願いに背を向けるものです。


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