議会での質問(詳細)

2009年2月17日

【2009年第1回定例会】「現年度議案関連質問」河治民夫

大量排出事業者に対して温室効果ガスの総量削減義務を

河治:私は日本共産党を代表し、今定例会に提案された議案のうち、3件の議案について、市長に質問いたします。
 最初は、市第130号議案 横浜市生活環境の保全等に関する条例の一部改正についてです。
 同条例では、地球温暖化防止策の一つとして、温室効果ガスの排出量の多い事業者に対して、排出状況や排出抑制目標など地球温暖化対策計画の作成と市長への報告を定めていました。
 今回の条例案は、国の法改正に沿う形で、計画事業者の対象を拡大するとともに、これまで事業者自ら行うとしていた同計画書の公表を、市長が一括して公表するなど制度改変し、温室効果ガスの削減施策を強化しようとするものです。
 そこで、今回の条例改正は、地球温暖化防止対策として、どのような効果が見込まれるのか、また温室効果ガスの排出削減効果はどれくらいになるのか、伺います。
 東京都では昨年6月、環境確保条例を改正しました。改正前は温室効果ガス大量排出事業者に、削減対策計画書の提出を義務付け、都が結果を公表するとしていました。しかし、削減目標はあくまでも事業者の自主性に委ねられたものでした。昨年、その条例を改正し、大量排出事業者に排出総量削減を義務付け、違反者には罰則も科すと規制強化をしています。また、排出総量削減の補完的措置として、排出量取引の仕組みも導入するとしています。
 一方、本市条例改正案は、削減対策計画は東京都の環境確保条例の改正前の到達にしかすぎません。東京都にならい、大量排出事業者に対して温室効果ガスの総量削減義務や、削減義務未達成の場合の措置命令など盛り込むべきと考えますが、見解を伺います。
 本市は、「環境モデル都市」に認定されました。また、温室効果ガス排出量の中・長期の削減目標達成に向け、横浜市脱温暖化行動方針ロードマップの策定を進め、太陽光パネル等再生可能エネルギーの10倍化を目指しています。条例案では、大規模・中規模建築物の建築主に、再生可能エネルギー設備の設置の検討についての報告を義務付けていますが、公的助成制度を拡充・強化し、設備の設置義務も含めるべきだと考えますが、伺います。
さらに、既存の大規模建築物へも再生可能エネルギー設備の設置を進めていくことが重要です。本市の既存建築物に対しては、改築・修繕と合わせて率先して再生可能エネルギー設備を設置するべきだと思いますが、見解を伺います。

中田市長:お答え申し上げます。
 まずはじめに、市第130号議案についてのご質問をいただきました。
 条例改正によって、地球温暖化計画書制度拡充策としての見込まれる効果、また温室効果ガスの排出削減効果ということでありますけれども、今回の条例改正においては、提出対象事業者の拡大であるとか、評価・表彰制度等の導入といったことなどによりまして、温室効果ガスの排出削減につながる事業者の自主的な取り組みということを、促進をするということをしてまいるわけであります。省エネ法においては、目標として年平均1%のエネルギー源単位の改善を努力義務というふうにしてございますから、それを上回る削減の取り組みを促してまいりたいと思っています。
 総量削減義務や削減未達成の措置命令を盛り込むべきということでありますが、東京都の例がございましたけれども、東京都においてはこれまで事業者指導の中において、個々の事業者排出特性を詳細に把握してきたということを踏まえて、昨年6月に条例改正を行って、大規模事業書に対する総量削減義務と排出量取引制度の導入を行ったわけであります。
 本市においては、今回の改正によりまして、事業者の取り組みを公表することや、目標設定や実施状況報告の際、削減事例を示して指導・助言を行っていくこと、取り組み結果を評価をして、優良事業者の表彰を行うということなど、いわば事業者の削減取り組みというものを促す、そうした取り組みというものをしていくわけであります。ぜひ、そうした観点から、事業者たちのモチベーションを高めていくということを、ぜひ私どもとしては意識をしてまいりたいと思います。
 大規模・中規模建築物の建築主に再生可能エネルギー設備を義務付けるべきということでありますが、今回の改正においては、再生可能エネルギーの拡大につなげるために、建築物を新築する際に、再生可能エネルギーの導入の検討・報告を求めていくものであります。まずは、市民・事業者に対して、再生可能エネルギーに関する知識・技術を普及させるということが必要であると考えております。
 公共施設の大規模修繕事業などにあわせて、再生可能エネルギー設備を率先設置すべきということでありますが、これは今後も私ども意識をしてまいりたいと思いますが、これまでも学校や区役所などに太陽光発電などの再生可能エネルギー等の導入を推進をしてまいりました。今後も引き続き、公共、私たち行政が率先をして再生可能エネルギーの導入に取り組みまして、再生可能エネルギーの飛躍的な増大・拡大ということにぜひ寄与してまいりたいというふうに考えております。

企業立地支援事業者に市内業者への発注と市内雇用の義務付けを

河治:次に、市第131号議案 横浜市企業立地促進特定地域における支援措置に関する条例の一部改正についてです。
 これまで、企業立地促進条例で誘致された44事業所の内訳は、件数で大企業が27件61%、中小企業は17件39%です。予定助成金交付額は167億円で、大企業が145億円87%、中小企業は22億円13%、税の軽減見込み額61億円は、大企業が55億円90%、中小企業は6億円10%となっています。助成額の87%は大企業が占めているという結果を直視するなら、立地条例の恩恵に欲しているのはほとんど大企業です。中小企業への支援策としては、その効果は少ないといわざるをえませんが、見解を伺います。
 条例では、「企業立地等の促進を図り、併せて市民雇用の増大および事業機会の拡大を図ることにより、横浜市経済の活性化に寄与することを目的とする」としています。この目的に照らせば、企業誘致により市内事業者の仕事起しや市民雇用の拡大に連動して、初めて評価できるものです。しかし、実態は大きくかけ離れています。例えばMM21地域では4か所のビル建設に支援をしていますが、その誘致事業者のビル建設等に「JVを含め、市内建設業界には1件も仕事が回ってこなかった」と、横浜市建設業協会の幹部が訴えておられました。また、日産自動車関連の4件には、助成金や税の軽減額は予定額を含め合計で50億7000万円の支援になるのに、その日産自動車が次々と労働者の解雇・雇い止めを進めています。
 それに対し、市の対応は及び腰です。本市は「財政が厳しい」と、常々主張していますが、誘致にかかる財政負担は大きくなるばかりです。しかも、誘致企業に市民の優先的な雇用を義務付けることもなく、あまりにもお粗末な対応です。誘致した大企業は条例目的の市内経済活性化のための雇用の拡大など、企業の社会的責任を果たしているといえるのか、見解を伺います。
 先日、党市議団で横浜ジョブマッチング事業の現地を視察し、懇談してきました。相談に訪れた若者への支援が実り、求人登録事業者に就職できた例など、直接伺ってきました。しかし、その登録事業者には立地促進条例の支援を受けた事業者は一つもありませんでした。
 そこで、誘致企業には本市発注工事に準じ、市内建設業者とJVを組んだ建設業者への発注や、市民を雇用する義務も要件に加えるべきだと考えますが、見解を伺います。

中田市長:次に、市第131号議案についてのご質問をいただきました。
 条例で誘致された企業の実態についてということでありますが、条例は、中小企業に対して支援対象となる投下資本額の要件を大企業の10分の1に設定をするということなど、当初から我々は中小企業を意識して、中小企業にとっても使いやすいという制度にしてきたわけであります。中小企業の投資規模というのは小規模のものが多いですから、その意味で支援額は低くなるわけでありまして、それはある意味では数字は当然そういうのを反映をしていると思います。
 しかし、件数でみますと、現在までに認定した44件のうち17件、約40%が中小企業となっているわけでありまして、多くの中小企業に活用されているというふうに考えるのが素直なとり方ではないでしょうか。
 市内建設業者の受注や市民の雇用についてでありますけれども、これまでの建設や設備投資における市内企業への発注率は件数で約80%、金額で約90%となっておりまして、市内企業の受注機会の拡大には確実につながっているというふうにいえます。また、企業が市内に立地するということは、雇用機会の創出に当然役立つものであります。日産本社や富士ゼロックスといったこうした大企業、また大企業ももちろんこの社会にとって重要でありまして、こうした大企業が今後移転をするということになれば、当然雇用機会も増大をしていくということも考えられるわけであります。これらのことから、条例の目的ということは十分に果たされているものと考えております。
 市内建設業者への発注や市民雇用の義務化など社会的責任ということについてでありますけれども、これまで条例認定した企業に対して、個別に建設および事業活動にあたっての市内企業への発注、市内企業からの問い合わせに対する窓口の設置、および市民の新規雇用について、といったことなどについて、要請をしてまいりました。また、認定企業には10年間毎年雇用状況や市内企業への発注状況について報告を求めるということとしておりまして、継続した取り組みを促しているところであります。
 その結果、これ、先ほどもお答えしたとおりでありますけれども、受注機会の拡大や雇用機会の創出ということには確実につながっていると考えられるわけで、引き続き誘致企業に対する要請というものを行ってまいりたいと思います。

在宅障害者手当は廃止ではなく、拡充こそ必要

河治:最後は、市第134号議案 横浜市在宅心身障害者手当支給条例の廃止についてです。
 現在、障害者の生活は障害者年金が基本です。本市都市経営局の統計資料では、2006年度の障害基礎年金は拠出年金で月額7万3300円、年間88万円です。無拠出年金は月額7万4500円、年間89万円です。その他に障害者の収入となる県・市による障害者手当がありますが、受給者にその使い道を問う市のアンケートでは、70%を超す人が、「衣食住費などの生活費に当てる」と答えています。
 先日、障害者団体の人から直接話を伺う機会がありました。「年額100万円に満たない障害基礎年金と在宅手当などで、生活保護基準にはるか及ばない生活を強いられている」と、悲痛な訴えを受けました。この間、障害者自立支援法により応益負担が導入され、障害者とその家族の生活は限界に達しています。障害者のこうした厳しい実態を市長はどのように認識しておられるのか、伺います。
 条例案は、障害者の厳しい生活実態を無視し、現金給付の仕組みを廃止するとしています。その理由は、障害者の高齢化や重度化などに対応した「将来にわたるあんしん施策」に制度変更するためだとしています。そして有識者や団体をはじめ、手当受給者等の意見を広く取り入れたとしています。
 しかし、昨年行った横浜市の「障害者手当見直し」の市民意見募集の結果は、1330件の回答の内、反対26.7%、どちらともいえないが32.8%、見直しに賛成の意見は3分の1強の37%しかありませんでした。しかも、回答者のうち手当を受給している人は973人で、全受給者5万5000人のわずか1.8%の意見にしかすぎません。これでは障害者・その家族の総意を汲み取ったとはいえません。当事者には郵送など直接意見を聞く手立てが講じられるべきでした。重大な制度変更が、こうしたごく限られた市民意見や、団体幹部等の意見で進めるべきではありません。見解を伺います。
 「将来にわたるあんしん施策」の具体的検討を2009年度から行うとしています。しかし、現在示されている障害者プランの「将来にわたるあんしん施策」には、例えば精神障害者への医療費助成は盛り込まれておらず、具体的内容も整備時期もこれからの検討で、明記されず、手当て廃止だけが先行しています。これでは、安心どころか生活不安が増すばかりであり、制度変更の進め方が逆転しています。見解を伺います。
 手当てに当たるわずか予算を「バラマキ」かのように考えるなら、本末転倒です。
 障害者は自立支援法に伴う重い負担が強いられています。県の在宅重度障害者等手当制度も縮小だと聞いている中で、さらに本市の在宅心身障害者手当の廃止は、障害者の不安に追い打ちをかけるものです。将来にわたる安心というのであれば、安心施策の拡充と同時に、手当支給制度は廃止せず存続させ、精神障害者も対象とするなど、拡充こそ行うべきです。見解を伺って、質問を終わります。

中田市長:最後に、市第134号議案についてのご質問をいただきました。
 障害者自立支援法以降の障害者の生活実態に対する認識ということでありますけれども、利用者負担額に1割の定率負担が導入をされたということによって、サービス利用にかかる負担が増大をしたというふうにいわれております。私も、この間、現場に足を運んだり、あるいは障害者のみなさんから、あるいは関係者からのご意見というものもいろんな機会に聞いてまいりましたけれども、確かに自立支援法の問題ということも感じるところはございます。
 だからこそ、本市においては自立支援法が施行された平成18年4月から、全国に先駆けて利用者負担額助成制度を実施をしてまいったわけでありまして、低所得の方が必要なサービスを従来どおり利用し続けられるように、支援を行ってまいりました。このことによって、サービス利用は着実に増えておりまして、生活への影響は他の地域と比べては、ある意味では少ないというふうに認識もしているところであります。
 制度の見直しについて、受給者すべての意見をきいたとはいえないというご指摘でありますけれども、今回の見直しにあたっては、障害者団体や家族会のみなさん、様々、広く議論に参加をしていただいて、進めてきたわけであります。なかには、反対という意見も当然あったわけであります。しかし、そうした様々な意見というものを、我々は聞いてきて、受け入れてきて、そして話し合いをしてきて、先ほど来ご説明をしてきたように、横浜市障害者施策推進協議会において議論を重ねて、新たな障害者施策へ転換をするという、いわば将来のために横浜として必要ではないかという提案をいただいてきたわけであります。これを踏まえて、今回廃止提案を行うわけであります。今後とも、受給者のみなさまに理解を得られるよう努めてまいりたいと考えております。
 制度変更の進め方についてでありますが、これ先ほどもご説明しましたけれども、昭和48年にこの制度が創設をされてから、現在までの在宅障害者福祉施策の充実などの状況というものを踏まえて、手当のあり方ということを検討をしてきた結果、手当の財源、これをむしろ活用して、将来に向けて、将来にわたる安心施策というかたちで転換をしていこうではないかというふうにしたわけであります。この将来にわたる安心施策でありますが、現在策定中の横浜市障害者プラン第2期、このなかで、現時点で可能な限り具体的に掲示をしているものでもございます。今後、安心施策のさらなる具体化については、障害者やその家族、支援者など関係者のご意見というものもさらにお伺いをしながら進めてまいりたいと思います。
 手当支給制度の存続・拡充ということでありますが、いまいろいろ申し上げてきた答弁のなかですべてご理解をいただけると思いますが、様々な在宅障害者福祉施策が充実をしてきた、そうした現在においては、在宅心身障害者手当制度の当初の目的は果たされたと考えておりまして、そのあり方を将来のために私たちは見直そうというふうにしているわけであります。今後は、障害者やその家族が切実に求めている将来にわたる安心施策、これを私たちとしては全力をあげて取り組んでいくということによって、障害者福祉施策の拡充を図る、質的な転換を図るということを進めてまいりたいと思います。
 以上、答弁申し上げます。

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