議会での質問(詳細)

2015年9月25日

■「議案に対する討論」 白井まさ子議員(2015.9.25)

私は、日本共産党を代表して、6件の議案と4件の請願について討論を行います。

問題多すぎるマイナンバー制度から市民を守るのが市長の仕事

市第44号議案は、マイナンバー制度施行にあたっての条例制定で、国民健康保険や介護保険などの法定利用事務と一体的に行う本市独自事務のうち、マイナンバーを使用しないと事務が効率的に行えないとして、外国人への生活保護に関する事務を定めるものです。また、税や国保や介護保険などの所管課がマイナンバーを用いた情報連携を行うことを規定し、マイナンバーを含む個人情報を個人情報保護審議会で扱うことなどを規定するものです。市第47号・49号・50号議案も関連します。
反対理由の第1は、マイナンバー制度自体が用途や利用範囲の拡大を目指すものであり、本市として対策をとるとしても、拡大に伴い個人情報の漏えいや不正使用リスクが高まることは避けられないからです。
世界的に見ても、G7主要国首脳会議7か国で、日本のマイナンバー制度のように全員強制・生涯普遍・官民利用の制度を利用している国はありません。アメリカ・カナダは任意の社会保障番号、フランスは社会保障番号、ドイツ・イタリアは納税分野の番号を導入しています。イギリスは国民IDカードを導入しようとして反対にあい中止になりました。導入したアメリカや韓国では、銀行口座など大量の個人情報が流出して被害が発生し、見直しに追い込まれました。日本のマイナンバーは、世界の流れに逆行する時代遅れの制度です。
反対理由の第2は、住民や民間事業者の理解や支援が広がらず、行政窓口が対応で混乱することが予想されるため、制度を急ぐ必要はないということです。
来年1月からのマイナンバーの用途は行政の手続だけでなく、企業が給与事務に使用するため、従業員や家族のナンバ―が集められ、就職やアルバイトの際に提示するなど日常生活に密着するにもかかわらず、内閣府の直近の世論調査では、マイナバーの内容を知らない人が半数以上、情報保護に不安を感じる人も前回調査より増えており、国民の支持や理解が広がっていません。中小零細業者は、目的外使用や外部流出への罰則があり、管理の負担は大変ですが、対応は立ち遅れ、業務の煩雑さや出費の重さなどに頭を抱えています。
本市では、9月15日からコールセンターが開設されました。来年1月からは区役所に個人番号カード交付専用窓口を開設するとして、臨時職員150人の増員が予定されていますが、窓口での混乱は容易に想像できます。10月から簡易書留で送る通知カードが、施設入所中の高齢者などの世帯に届かないことも判明しています。届いても認知症高齢者等、個々に寄り添った対応にも限界があります。
反対理由の第3は、市長の主体的な意思が発揮されていないことです。今回のマイナンバー制度は法定事務であり、本市での実施はやむを得ないにしても、市長が住民を守る立場に立つのであれば、住民がハイリスクにさらされることが分かった現時点で、主体的に考えて、国に制度実施の延期を要請していただきたいものです。延期しても国民に何の不利益もありません。横浜市民のリスクを承知で国に追随するのでは、市民の納得は得られません。

競輪・競馬の場外券売り場と同じ建物に青少年利用スペースが

続いて、市第52号議案は横浜市青少年施設条例の一部改正で、西区にある青少年交流センターの廃止、市第85号議案は、代替策として民間ビルの「ぴおシティー」の6階フロア―を借り上げるための内装費用等の一般会計補正予算を組むものです。
建て替えには約10億円かかると聞いています。これを多額の費用と判断し、建替えはしないと決定し、条例から削除するものですが、費用抑制ありきで施設そのものを廃止することは、あまりにも乱暴です。
中でも、体育室は、思いっきり体を動かして遊ぶことのできる青少年利用に特化した屋内施設として市内唯一であり、予約なく利用できることで利用者も多く、また、青少年の健全な育成という当初の設置目的は、現在ますます意義があるにもかかわらず、廃止することは問題です。
代替策として使用する桜木町駅近くの「ぴおシティー」は7階は競馬の場外馬券売り場、8階から10階はオートレースと競輪の場外券売り場です。未成年者の入場を制限した営業が行われているビルの中に、あえて青少年の活動場所を設けようとする市長の神経は理解できません。
常任委員会では、廃止する交流センターの跡地利用に言及があり、所管局から、集客が見込める場所であることが説明されました。市長公舎の真向かいです。売却を視野に入れているとすると、とんでもありません。新市庁舎建設など大型開発優先を改めれば、青少年交流センター建て替え建設費の捻出は容易なことです。現在の場所に建て替えるべきです。

妻などの家族労働を認めない所得税法56条は人権侵害

次は、請願についてです。
請願第8号は、所得税法56条を廃止するよう意見書の提出を求めるものです。個人事業主が家族経営で事業を行っている場合、事業主が妻など家族や親族に働き分相当の金額を支払っても、それが必要経費と認められていません。すべて事業主の所得に合算されます。この所得税法56条の廃止を求めています。事業主の所得から控除される働き分は配偶者が68万円、それ以外の家族は50万円で、実際の労働単価に対し極めて低額に抑えられていることもあって、後継者へ商売を引き継ぐ展望が開けず、中小零細業者は廃業に追い込まれているとしています。
アメリカ、フランス、ドイツなどは自家労賃を必要経費として認め、家族従業者の人格・人権・労働を正当に評価しています。評価していない日本に対して国連の女性差別撤廃委員会から、「労働の対価が税法で事業主の所得とされるのは人権侵害ではないか」と取り上げられ、異議が出ています。まさに、憲法が保障する人権の侵害です。所得税の確定申告を青色にすれば特典として家族への給与を経費に算入できますが、単なる特典にしかすぎません。
国は、男女共同参画社会基本法に基づいて、新たな計画を策定中です。国が諮問する男女共同参画会議には林市長も議員として参加しておられます。その「第4次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」の(素案)には、次のような文言が盛り込まれています。「自営業等における就業環境の整備」として「商工業等の自営業における家族従業者の実態を踏まえ、女性が家族従業者として果たしている役割が適切に評価されるよう、税制等の各種制度の在り方を検討する」というものです。全国各地で開かれた素案に対する公聴会では、自営業者の家族として働いている女性から、「保育園入所時の書類や事業継承などで不当・不利益な扱いを受けることもある」と56条の実害が話され、廃止が強く求められたところです。また、全国では約400の自治体の議会が国に意見書を上げています。
ここ横浜市議会は、常任委員会では理由も述べず不採択とする委員が多数でした。国で、男女共同参画の観点から政策として前進し、市長策定の横浜市中期計画で「日本一女性が働きやすい、働きがいのある都市の実現」を掲げているときに、また、全国の地方議会が人権問題ととらえて意見書を上げているときに、横浜市議会が不採択では、あまりにも不見識です。

真に教育の質と教職員の意欲の確保のためにも35人学級の拡大を

請願第11号は、県費負担教職員の市費移管に際して、教育の質と教職員の意欲の確保についての請願で、請願の趣旨に関しては同じ立場です。
2017年度をめどに神奈川県が負担してきた義務教育小中学校、特別支援学校などの教職員給与と教職員配置基準の権限が横浜市に移管されます。現在、神奈川県と横浜市で給与や手当、年次休暇など勤務条件が異なっています。また、非常勤講師については、現在、病休を代替する非常勤講師は県費負担、児童支援専任教諭配置のための非常勤講師は市費負担となっており、市費移管にあたっては、条件を低い方に合わせると不利益変更となってしまう問題があります。労働条件の低下は、教職員の意欲に影響し、子どもたちの教育条件低下につながるため、あってはなりません。
また、教職員配置については、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づき、新たに本市の基準を作ることになります。請願者は、教育の質と教職員の意欲の確保を強調しておられますが、請願書を見る限り、35人学級について言及されていません。真に教育の質と教職員の意欲の確保を重視した環境整備を求めるのであれば、このチャンスを生かして、35人学級をより拡大すること、特別支援学級の教員配置を充実させること、また、教員の欠員を正規で配置せず、臨時任用教員での代替が数百人規模となっている現状を解消することなどを、行うべきです。

憲法違反の戦争法は廃止しかない

最後に、請願第7号、請願第9号です。国に安保関連法案廃止を求める意見書の提出を求めるものです。
2つの請願はともに、命を生み育てる女性ならではの感覚で、法案の中身は殺し殺される戦争であることを指摘し、横浜市議会から廃案の意見書提出を求めています。参議院での法案採決の直前で、市議会常任委員会での請願採決でしたので、国民世論に沿えば当然採択されるべきものでしたが、不採択としたことは市議会の存在意義が問われます。
安倍自公政権は19日、参議院で内閣安保関連法案の採決を行い、賛成148票、反対90票で、残念ながら成立しました。廃案を求めて国民一人ひとりが主権者として自覚的・自発的に声をあげ、立ち上がるという、かつてない規模の国民の運動と、6割を超す「今国会での成立に反対」という世論に背いての強行成立は、民主主義と憲法を破壊する暴挙であり、法は廃止しかありません。
憲法違反の戦争法を廃止するためには、衆議院と参議院の選挙で、廃止に賛成する政治勢力が多数を占め、国会で廃止の議決を行うことが不可欠です。同時に、昨年7月の安倍政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回することが必要です。この2つの仕事を確実にやりとげるためには、安倍自公政権を退陣に追い込み、これらの課題を実行する政府をつくることがどうしても必要です。
日本共産党は、戦争法廃止の国民連合政府をつくるという国民的な大義で一致するすべての野党が、来るべき国政選挙で選挙協力を行うことを心から呼びかけるとともに、その実現のために誠実に力をつくす決意を表明をして、討論、終わります。

  • 2017年 市民要望アンケート

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