議会での質問・討論(詳細)
2015年10月7日

■市民局(北谷まり、古谷やすひこ)

横浜文化体育館再整備、PFI方式で市民が利用しにくくならないか

北谷議員:日本共産党の北谷まりです。党を代表して、質問いたします。
まず、横浜文化体育館の再整備事業についてです。
文体の再整備は、PFI事業を基本として検討を進めるとなっています。市の費用負担平準化のメリットはあるものの、本来は市民利用に資するべきで、横浜市の土地に民間施設を呼び込み、利益を追求していくというのはPFIの弊害であり、長い歴史を誇る文体を利用してきた幅広い市民の支持が得られるのか、疑問を感じざるをえません。
ユネスコ憲章によると、「体育・スポーツの実践はすべての人にとって基本的権利である」とされ、権利を実質化するためのスポーツをめぐる環境・基盤整備は、公的な責務であるとされています。横浜市はこれらの責務を十分に果たしているといえるのか、伺います。

西山市民局長:市の体育、スポーツの実践の場として、陸上競技場、野球場、また球技場、プールや、各区のスポーツセンター、学校の体育館やグラウンドなどがございます。また、大規模な施設として、日産スタジアム、横浜スタジアム、三ツ沢球技場、横浜国際プールなど、さまざまな施設があります。現在、横浜文化体育館や神奈川スケートリンクなどの再整備も行っております。今後とも市民に気軽にスポーツに取り組んでいただけるよう、スポーツのための場の確保に取り組んでいきたいと思っております。

北谷議員:文体再整備にとどまらずに、本市におけるスポーツ環境整備をさらに進めていくことを、要望いたします。
 長い間、文体は市民に愛され、利用されてきました。50年の歴史を誇る文体が生み出してきた価値は何か、伺います。

西山市民局長:横浜文化体育館は昭和37年の開業以来、古くは昭和39年の東京オリンピックのバレーボールの会場となるとともに、美空ひばりや小田和正、クイーンやエリック・クラプトンなどのコンサートが開催されるなど、日本を代表するアリーナとしてご利用をいただいてきました。また、スポーツと文化のさまざまな大会・行事にご利用いただき、開業以来50年以上にわたり愛されてきた市民のスポーツと文化の拠点としての高い価値を持っていると考えております。

北谷議員:文体は、単なるハコものを超えたものとして、さまざまな人々が訪れ、そこでつむぎだされた人的つながりを生かした地域づくりへの貢献など、さまざまな価値を体現してきたのではないでしょうか。利用者アンケートに、「横浜文化体育館で開催することに意味がある」との回答もあり、決して失ってはならない横浜の財産であることを強調したいと思います。
再整備にかかわって、何点か具体的に質問いたします。
平成26年度の業務委託報告書によると、調査の前提として、市が想定するメインアリーナの概要は、「事業者による興行利用を基本とするが、国際スポーツ大会等を開催するため、市が毎年一定数の利用券を買い取る」となっています。これは、市民は使えないということでしょうか。また、メインアリーナの運営はPFIのため民間の裁量が多いとのことですが、50年の歴史とこれまで市民が培ってきた文化をきちんと引き継げるのか、単なる興行施設にならないという担保をどのようにしていくのか、伺います。

西山市民局長:メインアリーナもサブアリーナも市民のみなさまにご利用いただける施設として計画をしております。国際的なスポーツ大会やコンサートなどが行われるとともに、市民のみなさまのスポーツと文化の拠点となっている、そういった横浜文化体育館の歴史をしっかりと継承した上で、関内駅周辺地区の活性化のリーディングプロジェクトとして、まちの賑わいづくりにも寄与する施設としていきたいと考えております。

北谷議員:市民利用の想定というのはないのでしょうか。

西山市民局長:先ほどお答え申し上げましたように、メインアリーナ、サブアリーナともに市民利用を想定した施設として計画をしたいというふうに考えております。

北谷議員:具体例をあげていただけますか。

西山市民局長:サブアリーナにつきましては、今でも市民利用を中心に大会を行われているところでございますが、今回メインアリーナにつきましても、たとえば現在横浜市立中学校総合体育大会など多くの参加者や観覧者が来場が見込まれるような大会では、メインアリーナをご利用いただくということも想定をしております。

北谷議員:市民利用という点からみて、再整備されたものが、今よりも利用が制限される、使い勝手が悪くなる、こういったことでは、何のための再整備なのかということになります。そういう観点から、利用権買い取りを想定した理由は何か、貸す・貸さないは誰が判断するのか、市民が希望する日、曜日はきちんとかなえられるのか、予約システム、料金、利用の許認可権は現在と同じ条件なのか、これらの点について、伺います。

西山市民局長:市民利用につきまして100日ということで想定をさせていただいております。横浜文化体育館を再整備することで、大規模な大会の新たなニーズが生まれるということなどをふまえて、設定をいたしました。ここでいう市民利用とは、市民のスポーツ大会や文化行事をはじめ、国際大会などの大規模なスポーツ大会、こういったものも利用を想定しております
貸す・貸さないについての判断ということでございますが、横浜市と施設運営者で調整の上、決めていくと、判断をしていくことになります。
それから、予約のシステムのその他につきましては、これは今、手法も含めて検討している段階でございまして、まだ公募をしてございません。ということで、具体的な事業手法の検討を進めておりますので、これらの利用状況をふまえてサービス向上に向けて検討していきたいと思っております。

北谷議員:市民利用施設となるサブアリーナは、1階は固定席500の武道ができる施設、2階は固定席500から1,000程度のアリーナとのことで、今の文体の固定席2,230から大幅な縮小です。しかも、アリーナは2階席とのことです。利用者アンケートでは、現在の文体のホールと観客席について、規模、使い勝手、設備環境、雰囲気ともに満足している割合が高く、利用者の満足度と機能が現状以下にならないと言えるのでしょうか。

西山市民局長:先生ご指摘のサブアリーナにつきましては、アリーナ面積が2,000から2,500で、固定席が500から1,000。確かに現在の文化体育館の2,230よりは少のうございますが、メインアリーナの方は同じくアリーナ面積2,000から2,500で、固定席が2,500から3,000、可動席が2,000ということで、非常に大きい、全体としては非常に面積ともに大きくなるというふうに想定しておりまして、今回の再整備ではメインアリーナとサブアリーナのこの2つ施設を整備することをしておりますので、この2つを活用することにより、現在の横浜文化体育館と比べ、市民サービスの向上が図られるというふうに考えてございます。

北谷議員:アリーナ部分についての市民利用料は、現行水準を維持すべきと思いますが、いかがですか。

西山市民局長:利用料金につきましては、これまでの利用料金や新しい施設の規模などを勘案し、今後検討を進めさせていただきます。

北谷議員:現在のサービス内容を下回ることがあってはならないと考えます。現在でも、「可能な限り利用料金を下げてほしい」という要望が多いわけですから、市民の要望には、しっかりと応えていただくようお願いします。
 サブアリーナ施設は市が所有し、指定管理者制度を導入すると聞いています。メインアリーナは民間事業者が所有する可能性があり、運営は民間事業者が行います。その事業者がサブアリーナの指定管理者となり、結果としてサブアリーナと一体運営することになります。民間事業者は利益追求が目的であり、収益事業を優先したいのが本音です。サブアリーナについて、管理・運営の公平性公正性の確保は、どう担保されるのか、伺います。

西山市民局長:PFIを基本に検討させていただくというふうにお話をさせていただいておりますが、このPFIの具体的な整備手法については、現在検討中でございます。メインアリーナは、市が施設を所有するBTO方式、ですから横浜市が所有する。それから、民間利用者が所有するBOO方式についての検討を行っているところでございます。いずれの方式にいたしましても、サブアリーナについては指定管理者施設として適切に管理・運営ができるよう検討をしていきます。

北谷議員:長きにわたって公の施設だからこそ、安心して学校、団体、多くの市民が利用してきました。新しくなったものの、管理・運営の民間事業者の都合が優先され、市民が使えないような施設になってしまうのではないかという不安を払しょくすることはできません。
 新国立競技場白紙撤回の議論の中で、サッカージャーナリストの後藤健生氏は、「多目的にすると、結局はすべて中途半端な施設になってしまいます。スポーツ施設として、使いやすくすることが一番だと思います。最も大切なのは、都民が利用できるものにすることです。ランニングコストを安くして、使用料を安くおさえてほしい。ぜいたくな施設より、使いやすく通いやすい施設の方が、最終的に愛されると思います。」と述べています。
市民利用施設として、さらに拡充できる方向で、再整備の方法を見直すべきだとの要望を述べて、文体についての質問を終わります。

区役所機能・権限の強化で区民サービスの一層に充実を

北谷議員:次に、本市広報と区役所についてです。
先日の資源循環局の審査でも、事業についての広報や周知について質疑、要望が出されましたが、今年の予算委員会でわが党の古谷議員が、本市施策の周知について全庁的に徹底していただきたいと要望しています。現在、主に、広報誌、ホームページ、自治会町内会を経由しての周知が中心だとのことですが、これだけでは不十分だと感じております。372万市民に伝えるため、どのような取り組みをされているのか、伺います。

西山市民局長:本市の広報については、市民のみなさまに対して隔年でアンケートを実施しております。25年の調査結果では、市政情報の入手先としてトップの広報よこはまをはじめ、回覧板、電車やバスなどの車内広告、新聞、ラジオ、テレビ、ウェブサイトなど、主に市が配布や掲示をしている広報媒体が上位となっております。この結果も踏まえて、広報よこはま、回覧板、テレビ、ラジオ、ウェブサイトなどの各媒体の特性を生かし、市民のみなさまに市政情報をわかりやすくお伝えしていきたいと思っております。

北谷議員:さらに広く伝えるには、メディアを通した周知だけでなく、市や区が職員を介して直接伝えていく必要があると考えますが、どのような取り組みをされているのか、伺います。

西山市民局長:市民のみなさまに本市の政策などをわかりやすく伝えるためには、職員一人ひとりが広報パーソンという広報マインドを持つことが大事だというふうに思っています。このため、広報マインドの一層の浸透を図ることを目的として、各区局の広報・報道担当課長はじめ、係長職員も対象にした研修を行っております。

北谷議員:全庁的に徹底していただくことを、再度、要望いたします。
 現在、区役所機能の強化、権限の強化について議論されているところですが、「的確な情報発信」、「わかりやすい区政情報の提供」などをはじめ、地域の実情にあった区役所、区づくりに取り組んでおられます。西区は、親しみのある区役所づくりとして、広報広聴の充実を掲げておられますが、具体的にどのようなことを実践されているのか、区長に伺
います。

大久保西区長:広報は、内容や対象に適した方法で情報発信することが大切であると考えております。広報よこはま西区版のほか、丁寧にお伝えしたい情報につきましては、回覧板でお知らせをしたり、防災情報など即時性が求められ、多くの方々にお伝えしたい情報はツイッターでも発信をしております。また、今年度は、日頃区役所の健康づくり事業に関わりの薄い働き世代、子育て世代を対象に、ホームページ上に健康ポータルサイトを開設するなどを行っております。
 公聴では、市民からの提案のほか、西区独自の公聴「なんでも提案箱」や地域の集いなどで広くご意見をいただく機会を設けております。

北谷議員:昨年、局長が区からの意見をしっかりと受け止めていくことが大事であると、予算についても区長と各局がよく話し合える体制をつくっていくことが大事であることを言われましたが、話し合う体制はどのようになっているのか、伺います。

西山市民局長:住民に寄り添ったサービスを行うためには、現場である区が把握した課題を日頃から区と局で共有しながら解決に向けた取り組みを進めることが基本であると考えております。たとえば、区を支援する市民局としては、区と局が課題を共有し、予算化などについて話し合う仕組みのひとつとして、地域ニーズ反映システムというものを運用しております。地域ニーズ反映システムは、区と局が連携して解決に取り組むための大切な場と考えておりますので、今後もしっかりと運用していきたいと思っております。

北谷議員:この地域ニーズ反映システムの中で、たとえば旭区ではこれまでどのようなことが話し合われてきたのか、伺います。

濱旭区長:具体例として3点ご紹介申し上げます。1つ目は、ズーラシア周辺の渋滞対策として、丸子中山茅ヶ崎線と三保街道を結ぶ園内の中央道路の整備促進、2つ目は、区内には適正な管理がなされていない空き家が多く点在することから空き家に関する庁内プロジェクトにおける検討の必要性、それから3つ目は帷子川旧河川敷の跡地活用としてプロムナードの早期整備などについて、提案をしてまいりました。

北谷議員:また、昨年、わが党のあらき議員の質疑の中で、区役所の総合力というものをしっかり発揮することによって、区民サービスをやっていくという体制をこれからもしっかり検討していきたいと答弁されていますが、その後どう検討されたのか、伺います。

西山市民局長:本市は区を地域の総合行政機関と位置づけ、福祉保健やまちづくりなどの機能を区に移管し、市民生活に密接な関わりのある行政サービスを区で提供できるようにしてきました。直近では27年4月に、乳幼児から学齢期までの切れ目のない支援を行うための体制の構築ですとか、生活困窮者自立支援制度への対応といった機構の改革を行ったところでございます。今後も区民サービスをさらに充実させるための区の体制を検討していきたいと考えております。

北谷議員:多様化する区民ニーズにきめ細かく応えるには、まずマンパワーがなければなりません。住民へ本市施策を周知させるにもマンパワーが必要であり、区役所の総合力を発揮するのもマンパワーです。正規の職員を増やしての区の体制強化を要望いたます。

犯罪被害者に寄り添った継続性のある手厚い支援を

北谷議員:最後は、犯罪被害者相談事業についてです。
この事業の設置の目的と、現在の体制について伺います。

中村人権担当理事:犯罪で被害にあった市民の方々が再び平穏な生活を営むことができるよう、必要な支援を途切れることなく提供するとともに、犯罪被害者の方の心情やおかれた状況を市民のみなさまにご理解いただくための広報・啓発を推進することを目的としています。現在は、社会福祉職2名が相談支援業務にあたっています。

北谷議員:2014年度に相談のあった犯罪被害の種別はどのようなものか、伺います。

中村人権担当理事:26年度は、傷害や性犯罪、強盗、そして殺人などの深刻な被害が上位を占めています。

北谷議員:被害者が平穏な日常生活を回復するには長い時間がかかると思いますが、どのように支援しているのか、伺います。

中村人権担当理事:犯罪被害にあうと心身に大きなダメージを被るほか、長期にわたる裁判への対応も必要となります。そのため、犯罪被害者の方々と定期的に連絡を取りつつ、弁護士や検察庁など関係機関との連携を密にするととともに、福祉保健の情報提供や精神的なケアなど、お一人おひとりに寄り添った適時適切な支援を行っています。

北谷議員:この設置の目的達成のために、ぜひがんばっていただきたいと思いますけれども、今後、抱える件数が増えていくことが予測されますので、現在2人で対応に当たられているということなんですが、拡充を求めたいと思います。特に、女性、高齢者に配慮した手厚い支援、被害者に寄り添った継続性のある支援を求めて、終わります。

鶴見川漕艇場の係留杭の腐食、予見できたのではないか

古谷議員:日本共産党、古谷やすひこです。北谷議員に引き続いて、市民局審査を行います。どうぞよろしくお願いいたします。

地元の鶴見川漕艇場の問題について、伺います。

市民局スライド1年間3万人の利用者があり、市内では代替施設のない、この鶴見川漕艇場が、6月下旬から川に浮かべている台船を係留する杭が、このスライド(スライド1)にあるように、腐食をしています。安全性が確保できないということで、利用の停止状態にあります。横浜市のボート協会さんが主催をする横浜市民体育大会も今年は中止になりました。また、市民のみなさんからもたくさん直接市に対して再開を求める声が寄せられています。市民局長のところにも届いているかと思いますが。代替施設が近くにないため、埼玉の戸田であるとか茨城県であるとかまで行っている人といるというふうに聞いています。
 そもそも、今回は杭が腐食したということが発端でこういう事態になっているわけなんですが、水中にあるものですから必ずこれは劣化します。これは当たり前だと思います。さらに、この杭が腐食したのは今回が初めてではありません。1988年にこの施設がオープンして、2000年に杭が腐食をして、その杭を継ぐかたちで今回修理したものを使い続けているということであります。今回は、それ以上のスパンで今、使い続けていた状態になっていたということになります。とすれば、今回の経年劣化、予見できたのではないかというふうに思いますが、見解、伺います。

金澤スポーツ振興部長:今回の係留杭はボートやカヌーに乗船するために必要な設備でございまして、損傷が認められたために、安全上の観点から漕艇場の使用を中止しているものでございまして、前回のとはちょっと違うというふうに思っています。

古谷議員:前回は12年で腐食したんです。今回は15年経っているんです。そういう意味では、これはぜひ予見できたのではないかというふうに思っています。
市民局スライド2これが、杭を上げた時のものなんですが(スライド2)、中身が、ちょっと暗いのでわかりませんけど、がらんどうになっているんです。ですから、こういう杭が継いで今度は作られるというふうになります。
こういったかたち(スライド1)で毎日毎日クレーンに釣り上げてこの台船がこの杭のところに上がっていくと。必ず擦れていきますから、こういう意味では必ず劣化します。どういうふうに点検されていたのか、伺います。

金澤スポーツ振興部長:営業時間に合わせまして、ボートやカヌーに乗り移るための台船を杭に係留、取り外ししておりますので、その際に目視で杭の状況を確認しているということでございます。

古谷議員:目視だけではちょっと足りないというふうに思うんです。そういうものは基準がつくられてたんでしょうか。

金澤スポーツ振興部長:基準といいますか、目視で安全性の確認をしていたというような状況でございます。

古谷議員:整備の基準があったのかないか、伺います。

金澤スポーツ振興部長:整備の基準ということで申し上げれば、どういうふうになれば整備をしなければならない、そういうふうにすれば、何年経てば整備をしなければならないといったものはございません。

古谷議員:整備の基準がないというふうに私も現場で聞いているんです。
 ぜひ、本当に先ほど言ったとおり、市内に代替施設がなくて、かつ利用人数も多くて、そういう意味ではしっかり管理する必要があったんではないかというふうに思います。本施設が使えないことによる影響、どう認識されているのか、伺います。

西山市民局長:先生ご指摘のように、今、安全性の観点から漕艇場の修繕が完了するまでの間、使用を中止しているところでございまして、6月から使用を中止しておりますので、この間ご不便をかけているというふうに認識をしております。

古谷議員:早急に対応していただくよう要望して、質問を終えます


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