議会での質問・討論(詳細)
2015年10月8日

■道路局(岩崎ひろし)

道路整備費は高速道路優先ではなく、生活道路優先に

岩崎議員:スライド使用をお願いします。よろしくお願いします。
このスライド(スライド1)は、決算の推移を示しています。

道路局スライド1

日本共産党が、予算の配分が横環(高速横浜環状道路)事業に偏っていると主張する根拠の一つです。平成21年度、約100億円が、平成27年度予算では3倍超の約300億円に跳ね上がっています。私の調査では、他の政令市で道路関係事業費の3分の1も高速道路に配分しているところはありません。一方、生活関連道路費は、増加が見込まれる事業にもかかわらず、毎年、不当に低い水準で抑えられています。
道路事業は、さまざまな事情で事業完了期日の延期措置を繰り返します。横環は平成32年のオリンピックに間に合わせようとしており、そのため、財政面、工期等で、無理むちゃが生じています。結果、生活道路が冷遇されることになるのです。
そこで伺いますが、28年度以降、横環関連事業費はどう推移するのか、伺います。

池本横浜環状道路担当理事:28年度以降の関連街路や本市が支出いたします直轄の負担金、支出金を含む南線、北線、北西線の金額は、合計で約1,700億円となります。南線は32年度、北線は28年度の完成を目指しておりまして、北西線は33年度の完成の前倒しを今、検討している状況でございます。それぞれの路線の完成年度は異なりますため、事業費の推移も異なってまいります。

岩崎議員:次に、生活関連道路費が冷遇されている状況を、戸塚区でみていきたいと思います。
このスライド(スライド2)は、交通安全施設整備の全市の事業量の推移です。戸塚区内で26年度実施した事業ごとの箇所数、事業量を伺います。

道路局スライド2

新倉道路部長:26年度の戸塚区の交通安全施設等整備費としましては、防護柵を6か所で204メーター整備し、道路照明灯2灯の新設などを行いました。

岩崎議員:事業ごとに答えてください。

新倉道路部長:防護柵といたしまして204メーターです。それと、道路照明灯といたしまして2灯の新設、それ以外につきましては、区画線につきまして約30キロメーターを行っております。2,130万で行っております。

岩崎議員:そういっているんじゃなくて、この5つの項目ごとに、戸塚区でどれだけやったかというのを聞いているんです。

新倉道路部長:歩道設置につきましてはやっておりません。防護柵につきましては、先ほど述べましたとおり204メーターでございます。標識につきましてはやっておりません。照明灯につきましては2塔です。誘導用ブロックについてもやっておりません。以上でございます。

岩崎議員:やってないっていうのをちゃんと言ってくれないと、予算使ってるのかどうか、わかんないんですよ。
次に、県道大船停車馬線(矢部線)について伺います。事業目的を伺います。(スライド3)

道路局スライド3
新倉道路部長:県道大船停車馬矢部の上倉田町から下倉田町にかけましては、幅員が6.5メーターから7メーターと狭く、歩道のない区間がありますので、道路を9.5メーターに広げることで、歩行者の安全確保と交通の円滑を図ってまいります。

岩崎議員:県道大船停車場線は、昭和59年から30年間事業中のままです。区間750メートル中、完了は400メートルで、まだ道半ばであります。この写真(スライド4)のように狭い歩道に電柱があります。からだを横にしないと通れず、車いすは通れません。地元の住民は、長い間不便と危険に耐えています。事業年度は28年度までとなっていますので、これまでには開通すべきですだと思うんですが、見解を伺います。

道路局スライド4

手塚道路局長:今、先生言われたように、事業区間750メートルのうち、戸塚駅側の400メートルが完成している状況でございまして、残りは350メートルでございます。残りの区間につきましては、28年度の完成を目標にしてはいますが、用地取得にあたりましては、本路線が都市計画道路ではなく、また事業認定の要件にも該当しないことから、任意の用地交渉を行う必要がございます。そのため、今後も土地所有者のご理解を得られるよう交渉を継続し、早期完成を目指してまいります。

岩崎議員:次に、桜木東戸塚線および権太坂和泉線について、伺います。(スライド5)この2つの路線の事業目的を伺います。

道路局スライド5

菅澤建築部長:ただいまご質問いただきました2つの路線の3地区を整備することによりまして、桜木東戸塚線のすでに許容している区間や環状2号線、国道1号などとの道路ネットワークが構築することが、事業の目的でございます。

岩崎議員:桜木東戸塚線の起点である平戸地区の状況ですが、ここの写真(スライド6)のように、あとはトンネルを掘るだけで全体が通ります。しかし、この状態がもうすでに10年このまま放置されています。
道路局スライド6

 もうひとつ(スライド7)は、桜木東戸塚線の名瀬地区なんですけど、これはようやく完成しそうですが、そこのところにあります羽根沢橋は、この写真ではっきりしていますが、平成11年に完成しています。ところが、この橋は完成して、私も完成式に出たんですけど、それから15年間一度も通ってないと、通れないという状況が続いています。事業開始からすでに20年経っています。
道路局スライド7

先ほど事業の効果を言っておられましたけれども、そういう大事な路線なんです。事業認可が32年度になってますので、それまでには通すべきだと思うんですが、どうでしょうか。
手塚道路局長:桜木東戸塚線の平戸地区におきましては、未取得用地が2割以上ございまして、事業期間の大部分がトンネル区間となっております。権太坂和泉線の名瀬・岡津地区におきましては、未取得用地が約5割ございまして、未整備区間ではトンネルや橋梁、道路擁壁などの大型構造物の建設を計画しています。そのため、両路線の両地区ともに用地取得や工事期間が長期におよぶことが考えられます。今後、事業を促進するためには、まずは用地を取得しまして、その後本格的な工事に着手し、できるだけ早期に完成にするよう努めてまいります。

岩崎議員:市長は、「高速道路と生活道路のバランスは取れている」といつも答弁されるんですけど、以上みてきたように、生活道路は後回しです。バランスは取れていません。横環に偏重した予算配分を改め、生活道路を重視した配分にする必要があります。見解を伺います。

手塚道路局長:現在事業中の横浜環状道路は、市民生活の利便性向上や横浜経済の活性化にとって欠くことのできない道路でございます。また、都市計画道路や生活道路の整備も適切に行い、道路ネットワーク全体として機能させていくことも重要でございます。横浜環状道路の工事の最盛期には集中的な投資が必要となりますが、必要な時期には必要な投資を行い、整備を進めるとともに、生活道路の整備や維持管理、保全にもしっかりと取り組んでまいります。

横環南線工事、進める限りは住民合意を前提に

岩崎議員:次に、横環南線について伺います。
 スライド(スライド8)は、左の上が都市計画決定の図面、左下が事業認定申請の図面、右側はそれぞれの断面のイメージです。
道路局スライド8

日本共産党は、南線事業は、完成期日、道路の構造・規模等を抜本的に見直して、住民合意で事業を推進することを求めています。また、南線でいえば、強権的な土地収用法の手続きは中止、撤回することを求めています。しかし、事業者である国・ネクスコは、6車線の過大な道路を32年度完成目指して強引に工事を進めています。
日本共産党の横環計画の白紙撤回を含む抜本的見直しの基本的立場は変わりません。しかし、工事が強行されている以上、事態を見過ごすことはできません。地域住民への被害、損害、負担等が少しでも軽減できるよう、全力を尽くす決意です。その立場で、以下いくつか伺います。
まず、庄戸トンネルです。分岐部における本線トンネルが6車線から4車線に変更されると聞いていますが、事実を確認したいと思います。

池本横浜環状道路担当理事:パネルにございますが、南線が横浜横須賀道路に接続する釜利谷ジャンクションにおきまして、南線本線から横浜横須賀道路に接続するランプが分かれてから合流する区間につきましては、当面暫定的に4車線で整備するものと事業者から聞いております。

岩崎議員:スライドで示している2つの図面は、本来、同一の図面でないといけないものです。しかし、違っています。どこがどう違うんですか、これは。

池本横浜環状道路担当理事:釜利谷ジャンクションの都市計画決定の範囲は本線部だけではございませんで、分岐するランプ部も含めまして一番外側の線で囲まれた面的な区域で定められております。上段の図は、都市計画決定図に片側3車線、往復6車線で示されておりますが、下段の事業認定時には、当面の道路ネットワークを前提とした推計交通量に対しまして往復4車線での対応は可能であるため、申請図では往復4車線で示されてございます。

岩崎議員:それでは、6車線を4車線にする理由は何か、伺います。

手塚道路局長:本線の合流してから庄戸側、上郷に行くのは、ランプ、ジャンクションと合流しますので、交通量が増えます。その部分ではやはり道路構造令の基準からいくと6車線が必要になってくるということで。その逆に、釜利谷ジャンクションと本線が、本線は金沢支線の方に行きますけれども、この部分では本線の部分が交通量が減りますので、暫定的には4車線で対応が可能だと、そういう意味でございます。

岩崎議員:暫定どうのこうのっていう話は、あとでまたやりたいと思うんですが。
 次に、高速道路のトンネル工事は、それ自体が大きな土木工事です。6車線から4車線への変更は、小さな変更ではなく、大きな変更だと思いますが、この点、局長、認識どうですか。

手塚道路局長:今も申し上げましたけれども、今回の事業認定の申請をした時の図面というのは暫定的ということで、4車線で示したものでございます。将来的には6車にするという考えでございますので、そういった面からすると、あくまでも暫定型ということで。これまでも湘南桂台の下を通るトンネルをナトム工法からシールドトンネルに変えたというようなレベルと同じようなレベルの計画というか大きさだと思います。

岩崎議員:丁寧に説明していただいてありがとうございます。
 私が聞いているのは、こういう変更というのは土木工事として大きな変更だというふうに私は思うんだけど、どうかって聞いているんです。

手塚道路局長:土木工事としては、やはり非常に深いトンネルを掘ってさらにそれを拡張するということは、実績があるというふうに聞いておりますけれども、日本の中でもですね、工事としてはやはり大きな工事の変更だというふうに思います。

岩崎議員:ところで、私、この話はごくごく最近聞いたんですよ。車線数を変更するなどという大きなことを、だいたい当局はいつ、わかったんですか。

池本横浜環状道路担当理事:26年の事業認定の準備をする段階で、釜利谷ジャンクション部分について暫定的に整備をすることを事業者から聞いております。

岩崎議員:1年前ですよね。2つの図面が違ったまま、入札公示はまだやってないわけですけど、認定の手続きとかそういうことや、それからいろんな説明会も開かれてますよ。だからいろんな手続きが取られているんですよ。本来一緒でなくちゃいけない図面が違ったまま諸手続きが取られるというのは、適切といえるのかというふうに私は思うんですが。
 そこで、3点から伺いたいと思います。いろいろ、私、疑問たくさんあるんですよ。だけどここでは3点だけ聞きます。
1つは、私も参加しましたけれども、昨年3月に事業説明会がありました。戸塚インター方面の2車線化は説明されましたが、庄戸トンネル方面4車線化、つまり今説明のあったことですね、は説明がありませんでした。説明に瑕疵または不十分さはないと言えますか。
手塚道路局長:説明会の中では、それと合わせまして、事業認定申請において必要な図面の縦覧等が行われております。その中ではこれは記載されてございますので、今後構造の変更等に関しましては今後の工事説明会で説明するよう、事業者と調整をしてまいりたいと考えております。

岩崎議員:たいへんな変更をそういうふうに内緒でやっちゃだめですよ、これは。
それから、6車線から4車線への変更は、公費を含む事業費の額にも影響する重要なことです。議会へは報告されていますか。
手塚道路局長:先ほど私が工事としてどうかという話があったので、大きな変更だよというお話をしたんですけれども、内容的には都市計画の範囲の中で暫定的な整備をすると。将来的にはそれをもとの都市計画どおりにやっていくというかたちになります。そういう意味で、変更として、議会に説明するような大きな変更ではないというふうに考えております。

岩崎議員:これはだめですよ。
 最後ですけどね。わが党が、計画の見直しを求めて、何回も質問しています。ところが、当局は「計画の変更はない」と繰り返し言ってるわけですよ。この計画の変更はないというのは予算も含むんですよ。6車線から4車線への変更は大きな変更であす。10月2日に事業も認可されています。状況は大きく変わっています。議会や市民に、正確に報告するべきです。報告するのかどうか、ちゃんと答えてください。

手塚道路局長:先ほどもちらっと言いましたが、これまでの同様な案件につきまして常任委員会には、南線だけではございませんが、報告はしておりません。今後、節目節目で南線の状況をお知らせする機会には必要なものについてはご報告していきたいというふうに考えております。

岩崎議員:次に、桂台トンネルについてです。
トンネルは住宅街の地下を通る計画です。この地域は、盛土造成地です。住民が、「トンネルを掘れば、地盤沈下が起こる」と不安に感じています。「掘削前に地盤沈下等の調査をしてほしい」との要望が出るのは当然のことです。ところが、事業者は住民要望に応じていません。
市には、市民の命と財産を守る責任があります。事業者に要望を伝えることにとどめず、市として事業者に実施を求めるべきですが、見解を伺います。

池本横浜環状道路担当理事:今、先生お話がありました桂台トンネルの周辺は、宅地造成された地域でございまして、当該トンネルは盛土層の下の砂岩等の硬い地層の中に築造するものでございまして、工事に際しましては周辺地盤への影響が少ないシールド工法を用いまして、地表部の変動設定や地下水位の測定を行いながら施行することとしております。このため、トンネル施工による地盤の変動は非常に小さく、硬い地盤に築造されることから、今回のトンネル工事により盛土層に悪影響を及ぼすことはないものというふうに考えております。このことにつきましては、桂台トンネルの説明会、8月にございましたが、工事説明会におきましても事業者より地質想定図を示しながらご説明をしておりまして、本市としても工事の安全性については確保して、なされているものというふうに考えております。今後とも地域のみなさまの不安解消に向けまして、事業者と連携し、丁寧なご説明をするように努めてまいります。

岩崎議員:南線事業を強引に進めれば、「無理が通って、道理が引っ込む」となります。土地収用法の手続きを中止し、計画の見直しを事業者に求める、市としてですよ、事業者に求めるべきと思いますが、見解を伺います。

手塚道路局長:南線は、事業化以来28年にわたり、事業者とともに本市が地域のみなさまと説明会や話し合いなどを行い、インターチェンジのコンパクト化やトンネル構造の採用、さらに神戸橋の橋梁部の概ね3分の2程度を蓋空きにするなど、地域のみなさまの意見や要望をできるだけ事業に反映できるよう、事業者と調整して現在の計画となったものでございます。今年の3月には相模縦貫道路が全線開通し、南線と横浜湘南道路が圏央道の西側区間で唯一の未整備区間となりますので、計画的かつ着実に事業を進めてることが必要だというふうに考えております。

戸塚駅東口のバリアフリー化、バス混雑解消を進めよ

岩崎議員:最後に、戸塚駅東口のバリアフリー化、バス混雑解消について、これはもう何回もやってます、いつまでに何を実施するのか、明快に回答をお願いします。

手塚道路局長:バリアフリー化につきましては、土木事務所や関係部署と連携しながら、課題解決に向け、エレベーターの新設・改良等も含め、対応の方向性について検討を進めております。課題のひとつとなっているバス降車場のバリアフリー化につきましては、現在エレベーターの設置位置などの検討をしており、引き続き詳細設計に向け、今年度は測量など具体的な検討を進めてまいります。また、バスターミナルの混雑緩和につきましては、東口と西口に発着するバス路線の再編に向けた検討を進めています。具体的には、路線の行き先や経由地などをふまえ、ふさわしい発着場所や再編する路線の案などについて、バス利用者の利便性確保の観点やバスターミナルの混雑緩和への効果など考慮しながら検討を進めており、今後は計画の具体化に向け、年内に交通管理者やバス事業者との調整を始めていきたいと考えております。

岩崎議員:丁寧に回答ありがとうございました。ぜひ、長いこと待っていることですから、ぜひがんばってやってほしいと思います。以上で終わります。


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