議会での質問・討論(詳細)
2015年10月16日

■選挙管理委員会(古谷やすひこ)

古谷議員:日本共産党、古谷やすひこです。どうぞよろしくお願いいたします。委員長、スライドの許可、お願いいたします。通告の質問の順番を変えて、2番目から行きたいと思います。

古谷議員:大学内に期日前投票所設置で、大学生の投票率アップを

まず、18歳選挙権の実施について、伺います。この18歳選挙権、来年の参議院選挙から実施されるということなんですが、初めて選挙を行く時に、それを行くか行かないかいうのは非常に重要な、その後の投票行動にも関わる重要な問題だというふうに思いますが、事務局長の見解、伺います。

山田選挙管理委員会事務局会:よろしくお願いいたします。
 これまでの選挙において、おしなべて選挙をみますと、初めて選挙権を得ます二十歳だけをとらえますと投票率が高い傾向にありますが、その後の21歳以降の20代の投票率ということになりますと落ちてしまいまして、30代の前半になってようやく二十歳の時と同程度の投票率が回復すると、そこまで低い状態が続いてしまうという状況がございます。そこで、このような状況をなんとか好転させるために、お話にございました今回の選挙権年齢18歳以上への引き下げを絶好の機会としてとらえまして、初めての選挙への積極的な投票参加はもちろんですが、その投票参加、投票経験、その後の選挙においても永続的な選挙にぜひ定着させるように、その基礎作りとして学校教育における主権者教育、これをしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。

古谷議員:学校教育でやられる啓発も非常に大事でありますし、そこもしっかりぜひやっていただきたいというふうに思います。しかし、その先の実際、当事者になる大学生、これ大学での対応なんですが、スライド(スライド1)をご覧ください。
選挙管理委員会スライド1
この4月のいっせい統一選挙で、大学キャンパス内で期日前投票所を設置した大学、これは朝日新聞で書いたと思うんですが、12大学、全国であります。もちろんこの時は18歳選挙権ではありませんから、大学の中に設置をしても対象の方というのはそれほどもしかしたら多くないかもしれません。ただ、そこを押して、期日前投票所をわざわざ大学の中に設置したという意義は、私は大きいというふうに思っています。
本市でも、ぜひ大学での期日前投票所の設置、この問題について検討もされているというふうに聞いていますが、その利点と課題、何か伺います。

山田選挙管理委員会事務局長:大学における期日前投票所につきましては、その打ち出し方にももちろんよりますが、若年層向けの効果的取り組みとして注目を集めることによる投票率のアップに加えまして、その立地条件によりましては一般の有権者の利用促進にもつながるなど、相乗効果が期待できるものと考えております。
一方、課題でございますが、従事職員の確保あるいは大学側のスペースの確保などがあるほかに、住民票を出身地に残してきてしまう学生には、そのまま投票所としてご利用いただけることができないといった問題がございます。ただし、この点につきましては、選挙前に住民票のある市町村選挙委員会に投票用紙を請求して、不在者投票として大学の投票所で投票を行うといた方法もございますので、これを機に不在者投票制度のピーアールを積極的に行うなど、そういうことも含めましてさまざまな視点から検討してまいりたいというふうに思っております。

古谷議員:ありがとうございます。
 期日前投票所の設置、1か所当たりだいたい250万位かかると、金額的には聞いております。民主主義のコストをどうみるかという問題だというふうに思います。また、いろいろな課題はあるんですが、私はぜひ期日前投票所の大学での設置、ぜひ設置していただきたいというふうに思います。
これは、ここにある松山大学っていうところが、全国で大学キャンパス内で期日前投票所を初めて設置をしました。その中で、松山市の選挙管理委員会は、2013年の参議院選挙から設置をして、その時に市内の20代前半の投票率が2.72%アップするという成果あったんだというふうに書かれています。それを見て、次のこの中にもあります山梨大学の学生さんが、それを見て、これはすごいことだということで、ぜひ大学でもやれないかということで、山梨大学でもこういうかたちで大学と選挙委員会さんといろんなかたちで粘り強く交渉して、キャンパス内で設置されたというふうに聞いています。
自分たちの、ぜひ身近な場所で投票所を設置されれば、必ず意識は変わるというふうに、私は思います。また実際の不在者投票だけではなくて、先ほど事務局長もいわれたような名簿登録地以外での不在者投票の案内であるとか、あるいは市内の他の投票所の案内であるとか、これ以上にない啓発の機会になるであろうというふうに思います。幸い、今、投票率をあげようとして啓発しているNPO団体もたくさん、今あります。ぜひ市内の大学内の不在者投票所の設置、ぜひ来年の参議院選挙で実施して行えるように要望しています。

投票所、施設内投票、郵便投票制度などの改善で、投票しやすい環境整備を

古谷議員:次に、投票率の向上に向けた施策について、伺ってまいります。
まず、この投票率の問題、もちろん選挙管理委員会さんそのものだけが問題だというふうに思っていません。私たち政治家の問題も大きく問題だというふうに思っています。
まず、最近の選挙における投票率の低水準について、見解を伺います。

山田選挙管理委員会事務局長:いろいろと言われておりますが、民主主義の健全な発展のためには、その基盤でございます選挙に有権者が積極的に投票参加をしていただくことが望ましいというふうに考えまして、これまでも投票率アップのために、実にさまざまな啓発運動に取り組んできただけに、昨今の投票率の状況、非常に残念なものと受け止めております。そこで、本市のひとつの強みでございます市内3,000人を越えます各区の明るい選挙推進委員というのがございますが、その推進委員のご協力もいただきながらきめ細かな啓発事業に取り組むとともに、もう一点は投票所などの投票環境の向上、これにも努めてまいりたいというふうに思っています。

古谷議員:その投票環境の向上っていうのは非常に大事な課題だと思います。
 次のスライド(スライド2)をご覧ください。これは選挙管理委員会さんからいただいた資料で、4月の統一地方選挙で投票の案内、送られるんですが、投票の案内が届いて、それが区役所に戻ってきたという数であります。1万5,991通、戻ってきています。こういうことも非常に問題だなあというふうに思いますし、改善も必要なところかなというふうに思っています。これ、指摘にとどめます。
選挙管理委員会スライド2
 また、実際に、投票する意思はあるけれどもご自分のからだの状況でその意思を行使できないというふうになれば、環境の整備がそれはぜひ必要だというふうに思います。こういうように、投票意思があっても身体の状況によって投票をあきらめてしまうと、こういったことも直接、私たちも選挙の運動の中でお聞きします。こんなこと、あってはならないというふうに思いますがどうか、伺います。

山田選挙管理委員会事務局長:主な原因としましては、投票所が遠かったり、あるいは高低差があるなどというお話であろうと思いますが。私ども横浜市では、当日の投票所につきましては、どのようなかたちで選んでいるかと申しますと、複数の選挙が同時に実施できるだけの広さがある、あるいは施設確保が毎回確実に行えるなどを前提としておりますけれども、施設区域内の全ての有権者にとって利便性が高くなるように、高低差ができるだけ少なく、また極端に遠くなってしまう有権者が出ないように、投票区域内の中心にある施設、これに設置するように努めております。引き続き、投票所の適した施設が新たにできた場合などには、地域のみなさまのご意見を伺いながら、その利便性の高い場所に設置できるように努めてまいります。

古谷議員:投票所の場所については、本当にさまざまなご意見、根強い要望がありますので、ぜひ工夫していただきたいというふうに思います。
 通常の投票所やあるいは期日前投票所以外に、おからだが不自由でも投票ができる制度があります。そのうちの一つ、施設内投票制度について伺います。
次のスライド(スライド3)ご覧ください。これが、横浜市内で期日前投票所を設置する施設の登録状況であります。この制度、有権者にどの程度認知されているというふうに思いますか。伺います。

選挙管理委員会スライド3
山田選挙管理委員会事務局長:本市では、今の件に関しましてお答えさせていただきますと、統一地方選挙や市長選挙などのたびに投票参加状況調査というこのような冊子で調査をまとめておりますけれども、その調査を実施しておりますけれども、たとえば平成23年、前回に市議会議員選挙の後に行った調査では、この制度について知っていると答えた方は26.6%、これに続く平成25年の市長選挙後の調査では27.5%と、若干は増えておりますものの、まだまだ低い状況にございます。

古谷議員:これまでも努力はされてきたんだろうと思います。これまで施設内投票所制度が普及するためにどんな取り組みされてきたのか、伺います。

山田選挙管理委員会事務局長:不在者投票制度の指定施設につきましては、法令により県の選挙にその指定権限がございまして、市の選挙管理委員会にはその指定に向けた情報収集あるいは情報提供などの橋渡し役を務めるということになっております。このため、指定を受けるにあたってその手続を申しますと、指定の基準を満たす病院等があるかどうかということについて年1回、これに加えまして任期満了の選挙がある場合にはその期日の3か月前にも同様に新設された施設がないかどうかということについての確認を、各区の選挙管理委員会が区役所の所管場所に行い、その施設に対して指定のご案内を行っているところでございます。

古谷議員:この表をみると、横浜市内の施設は621あるということで、その中で期日前投票所設置しているのが467ということですから、154施設が投票できる施設になっていないということだろうというふうに思います。ぜひ、こういうなってないところも実際に自分が投票したいという意志は持っているというふうに思うんです、そこにいる方は。それは、ぜひ、今まで施設内投票所を設置していなかったようなところにも積極的に出向いて行って、施設側の支援もぜひしていただきたいというふうに思いますし、それぐらいやってでも、施設にいる方の投票権、保障すべきだと思いますが、どうか伺います。

山田選挙管理委員会事務局長:ご指摘のように、指定を受けていない施設がまだまだ残っているということについてでございますが、さまざまな事情もございます。1点、施設管理者側には投票を行う場所あるいは事務従事者の確保が難しいといった事情があり、一方指定権限を有する県の選挙管理委員会の側にも施設内で投票の不正防止を確実に行えるかといった懸念が残念ながら根底にあり、その後の指定の働きかけにやや積極性を欠いたものというふうに考えております。しかし、投票権の確保は非常に重要なものと考えておりますので、県選管と連携を図りながら、先ほどの新規施設の確認事務とあわせまして、今まで指定をいない施設について再度確認を徹底するなど、施設の指定に向けて進めてまいりたいというふうに思っています。

古谷議員:体制が大変多分厳しい中でやられているだろうというふうに推測しますので、ぜひご努力いただければと思います。
施設内投票制度と同様に、郵便投票の制度というものもあります。郵便投票の制度っていうのはどういう制度なのか、またこういう制度がなぜあるのかっていう制度の設置目的、あわせて伺います。

山田選挙管理委員会事務局長:郵便投票制度につきましては、からだに重度の障害があるなどの理由で、選挙当日に投票に行きたいけれども投票所に行けないということができない選挙人の選挙権の行使を確保することを目的として、選挙告示日の翌日から選挙前日までの間に自宅などで郵便による投票を行うことができるという制度でございます。

古谷議員:この郵便投票の制度、これも、どの程度認知されているという認識でしょうか。

山田選挙管理委員会事務局長:これも先ほどの同様の投票参加状況調査によりますと、23年の市議会議員選挙後の調査では、この制度について知っていると答えた方は22.1%、25年の市長選挙後の調査では23%と、同じく若干増加をしておりますが、まだまだの状況でございます。

古谷議員:スライド(スライド4)をご覧ください。これが、郵便投票制度の対象者にあたります。先ほどの施設内投票もそうですし、郵便投票も、啓発の努力はされているというふうに認識しています。しかし、まだまだ足りてないだろうなというふうに思っています。この資料によれば、郵便投票の対象になっている方が市内には5万3,157名を超える方がいらっしゃいます。そのうち、この制度を実際に使っているのは一番下の1,165名であります。これは単純には計算できませんが、単純に計算すれば2%程度しか投票に行っていないということになります。これについての所感、伺います。

選管スライド4
山田選挙管理委員会事務局長:制度の利用者数については、ご指摘のとおり2%程度と、本市では2%程度という少ない状況にございます。この状況は全国的な傾向でございまして、昨年のたとえば衆議院議員選挙では全国平均の利用率が1.2%と、本市よりも低い結果となっておりまして、このように利用者が少ない理由については、一般的に言われておりますものは、一般の有権者と同様にそもそも投票する意志がない方がいらっしゃること。また、残念ながら郵便投票もできないほどの症状が重い方がいることなどといわれておりますが、今後とも制度の対象者やその家族への周知を重点的に進めてまいりたいというふうに思っております。

古谷議員:これは、非常に対象の障害面をみると、非常に重いんです。しかも一番下みると要介護5ですよね。要介護5っていうのはほとんど寝たきりだと思います。こういう方が日常生活をするだけでも大変な中、わざわざこの制度自体は前に申請しなきゃなんないということですから、非常にハードルが高いんだろうなというふうに思います。そういう個々人にも、投票する意志があれば、投票する意志がない方はもちろんそれはもちろん自分の意志ですから、投票する意志があれば、ぜひそういう個々人にも対応していただきたいというふうに思っているんです。そういう丁寧な対応、必要だと思いますが、どうか伺います。

山田選挙管理委員会事務局長:手続きとして事前申請によって証明書を得て、実際の選挙の前に投票用紙を請求するという実は二段構えの手続きがございます。そこで、事前申請がぜひ必要であるということを予めお知らせすることが必要と考えまして、たとえば健康福祉局が発行する障害福祉の案内や介護保険の総合案内パンフレット、あるいは市民局が発行しておりますくらしのガイドなどの中に、制度のご案内を掲載をしているほか、区役所の福祉保健センターの窓口に対象者の方などが来庁された際には、市独自の実は作っている啓発リーフレットがございますが、それによって職員に制度の周知をしてもらうと、制度の説明をしてもらうということなど、関係部署と連携して制度の周知に努めているところでございます。また、さらに取り組みを補完するために、選挙の際には全世帯にお配りをしている投票のご案内に同封をする啓発チラシにもご案内を載せているところでございます。

古谷議員:私は、先ほど投票所の場所の話はしたんですが、実は身体の状況によって、これから高齢化社会がどんどん進んでいく中で、本当に郵便投票の仕組みっていうのはベターな方法じゃないかなというふうに思っています。郵便投票の仕組み自体をもっと進化させるべきですし、また対象の緩和ですね。これは公職選挙法に基づいて定められていますから、ぜひ国に求めるべきだというふうに思いますが、どうか伺います。

山田選挙管理委員会事務局長:おっしゃられるように、障害者や重度の在宅療養者などのみなさまが選挙権を行使する環境を整えるということが大変重要なことというふうに思っております。そこで、郵便投票の対象者については、たとえば今お話のございました要介護5であるその要件を要介護4に引き下げるなど、範囲を拡大するよう、これまでも全国20ある指定都市選挙管理委員会で構成する連合会といたしまして、国に法改正要望をしておりますが、今後も引き続きしてまいりたいと考えております。

古谷議員:これからの高齢化社会の中で、一人ひとりの投票権、どう保証していくのかという観点で、投票のあり方そのものをしっかり考えていく必要があるというふうに思います。不断の見直しが必要だと思います。その中で、身体状況に関わらず誰もが使える制度という点では郵便投票っていうのはベターな制度だと思っています。その欠点を補って、公平公正さをしっかり担保できるような仕組みにさらに進化して、さらに今の限られた対象を大きく広げるようにぜひ改善を図っていただきたいというふうに思います。

選挙管理委員の選出方法・報酬は適切か

古谷議員:最後に、本市の選挙管理委員会をめぐるいくつかの問題について、伺います。
 まず、市選挙管理委員会の体制について、地方自治法の182条の5項には「委員又は補充員は、それぞれのその中の二人が同時に同一の政党その他の政治団体に属する者となってはならない」とあります。
今の市選挙管理委員会の体制について、4人全てが元議員OBで、所属政党も明らかで、同一政党から複数出ているように思えます。自治法の解釈の問題はもちろんあろうかと思いますが、それにしても何よりも公平公正でなければならない市の選挙管理委員会が議員OBの天下り先のようになってしまっているのは、市民理解は到底得られないのではないかというふうに思います。全国的に見れば、都市部にはこういった傾向が強く出ているというふうに出ています。また、都市部の中でも、千葉市などは市選管の委員長は弁護士会から選出されております。
市の選管への信頼性をより高めるには、こういった現状について是正が必要だと考えます。党議員団は、これまで候補者を擁立せず、結果として賛同してきましたが、このたび、現行の選出方法については改めてゼロベースで検討する時期にあるという認識に至っています。この立場から議会側からの真摯な検討も求めていきます。
 また、あわせて、選挙管理委員会を含む行政委員会の委員の報酬のあり方について、行政としてもしかるべき見直しの検討を迫られているんじゃないかなあと思います。現在、市の選挙管理委員会では、委員長が月額約33万円、委員も27万円となっています。政令市の中で、月額制の熊本市などは9万円、広島市、新潟市などは月額制と日額制を組み合わされています。日常的な選挙管理委員会の定例会は月に1回で1時間程度と聞いています。もちろん、緊急の議題があれば臨時会も開かれるというふうに聞いています。
神奈川県の選挙管理委員会は、5年前から日額制に変更して改善を図っています。当時の知事は地方自治法の趣旨は改善を図ったということですから、行政サイドでの見直しの検討、副市長の所感、伺います。

渡辺副市長:選挙管理委員会は市長とは独立した機関でございますので、副市長として私が意見を申し述べる立場ではないと思いますけれども、私の所感の範囲で申し上げさせていただければ、選挙管理委員のみなさんの職務につきましては、選挙の執行以外にも選挙に関する啓発でありますとか、選挙の効力に関する意義・申し出への対応など、広範・多岐にわたっておりまして、これらの一連の業務を遂行するため、事前の検討を行うなど、実質的な負担も多いと、事務局から聞いております。さらに、選挙執行に関して、たとえば直近の相模原の例などにありますとおり、不祥事などが発生した場合などは最終的に責任を負うという非常に職責の思い立場にもあるということを考えますと、選挙管理委員の方の報酬について、一概に現状では多いとかあるいは少ないとか、そういうことを申し上げることは、これはなかなか難しいというふうに考えております。


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