市政ニュース ・ 視察報告
2015年11月27日

日本共産党横浜市議団が第2回市内ウォッチング

日本共産党横浜市議団は11月20日、マイクロバスをチャーターし、横浜市内の市街化調整区域から市街化区域に変更が予定されている3地域、民間会社が指定管理者になっている山内図書館、今年日本に返還された旧上瀬谷通信基地、市民病院移転予定地および現市民病院を視察しました。その概要をご紹介いたします。

1.市街化区域変更予定地

横浜市では現在、都市づくりの基本的考え方である「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」(以下「整開保」)等と「線引き」の見直しに向けた検討を進めています。「線引き」とは、市街化区域と市街化調整区域に区分する区域区分のことで、整開保の方針に沿って行われます。
 編入を行うことが望ましい区域(鉄道駅・インターチェンジ周辺などで戦略的・計画的な土地利用を進める区域)として、川向(27.6ha)、川和(8ha)、恩田(5.8ha)、南本牧(73.5ha)の合計約115haが挙げられています。そのうち、南本牧(埋め立て地)を除く3か所を訪れました。
(1)都筑区川向町
 川向町の農業振興地域の看板現在工事中の高速横浜環状北線・北西線と第三京浜道路が結節する(仮称)港北ジャンクションのすぐ近くで、農業振興地域となっています。
 農地が広がり、市民農園として使われているような畑もありました。耕作されていない土地はあまり見られませんでした。
 この地域の約20 haには地権者を中心に土地区画整理組合設立準備会がつくられ、物流・工業系の土地利用が計画されています。

農振地域の看板をみながら現場を確認する市議団
川向町の耕作地

(2)都筑区川和町
 市営地下鉄グリーンライン川和町駅に接している地域で、谷本川と住宅地に囲まれた耕作地です。

川和町の果樹林。「貸地」の看板がありました。
川和町の野菜畑。

(3)青葉区恩田町
 東急電鉄長津田車両工場として使われている土地です。三角形の土地を囲む2方は住宅地、1方には畑が広がっていました。

2.山内図書館(青葉区)

山内図書館の正面 横浜市内で唯一民間企業に指定管理者を任せている市立図書館です。東急田園都市線あざみの駅から徒歩約3分の地区センターと合築です。
 指定管理者は、株式会社有隣堂と三洋装備株式会社との共同事業体です。有隣堂の職員である古川たか子館長が館内を案内してくれました。
 館内は児童フロアと一般フロアに分かれており、図書資料総数は約20万冊です。約4万4000冊を団体貸出用として区内の学校などに貸し出すサービスを行っています。
 この図書館の独自サービスとして、1件あたり350円で本を宅配する有料宅配サービスを行っています。当初、高齢者を利用対象として考えていましたが、実際にはじめてみると30~40代の利用者が多く、なかなか本を借りに来れない子育て世代が多く利用していることがうかがわれるということでした。
 本屋である有隣堂らしいサービスとしては、「ミニミニショップ山内堂」という文房具などを販売するコーナーがありました。

古川館長から説明を受ける市議団

入り口から入った床に、左が児童コーナー、右が一般コーナーというわかりやすい表示

和室を赤ちゃん休憩室として利用。

ミニミニショップ山内堂。

3.旧米軍上瀬谷通信(瀬谷区・旭区)

旧上瀬谷通信施設で稲葉幸保基地対策課長らから説明を受ける市議団。左側に野球場が見えます。 米軍上瀬谷通信は、今年6月に日本に返還されました。政策局の稲葉幸保基地対策課長と片川智文担当課長から説明を受けました。
 同施設の面積は約242haで、国有地と民有地がそれぞれ約110ha、市有地が約
22 ha、ほぼすべてが市街地調整区域です。施設内には米軍の建物、農地、野球場などがあります。また、環状4号線(通称「海軍道路」)が施設内を南北に貫いています。
 国有地には、旧米軍の司令部があった建物やレストランなどの施設、住宅60戸がありますが、この部分には入れませんでした。その他の多くは畑で、来年6月までの利用が認められています。また、地下で行われているウドの栽培は2年間の暫定利用が認められています。3か所ある野球場は、現在横浜市が借り入れ、近隣の野球チームが利用しています。国有地は木柵で囲まれ、除草や日に2回の巡回警備が行われています。
 なお、民有地は農業専用地区で、その約8割が農用地区域となっています。現在、地権者250人が月1回の話し合いを持ち、市とともに跡地利用の検討を行っています。

旧上瀬谷通信施設内にある耕作地。

4.横浜市立市民病院建設予定地と現市民病院

 医療局の植木八千代総務課長兼医療局病院経営本部病院経営部総務課長らの案内で、市民病院建設予定地と現市民病院を視察しました。
(1)市民病院建設予定地(神奈川区・西区)
 現在の横浜市立市民病院の建物は建設から既に30年近く経ち、施設や設備の劣化が進むとともに、医療の高度化や医療環境の変化に対応するためなどの理由で、再整備計画が進められています。今年度中に基本設計を行い、2020年に開院予定です。
 建設予定地はニッパツ三ツ沢球技場の裏手で、三ツ沢公園の野球場と古河電工社宅を壊して建設される予定です。古河電工社宅は4、5、6階建の鉄筋コンクリート造の8棟で、現在まだ社宅として使われています。
 日本共産党市議団は、今年の予算委員会で古河電工社宅の買取価格に問題があることを指摘しました。

新市民病院建設予定の三ツ沢公園の野球場(手前)と古河電工社宅(向こう側の白い建物)。

古河電工社宅の案内板。案内板に示された社宅と野球場の部分に新病院が建設される予定です。

古河電工社宅。現在も社宅として使われています。

(2)横浜市立市民病院(保土ヶ谷区)
 市民病院は、33の診療科、救命救急センターや消化器病センターなど8つのセンターを有し、病床数は650床です。
 職員の説明では、建物の老朽化が進んでいるとともに、狭くて診療や治療の支障をきたしているということでした。

災害時などの司令室になる部屋。災害時にはここに主要な管理スタッフが集まって対応を協議するには狭いという説明でした。

市民病院の外壁。壁のタイルの一部が崩れたり、鉄部に錆が出たりしています。


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