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■交通局(宇佐美さやか)

宇佐美議員:さやかです。日本共産党を代表して質問します。よろしくお願いいたします。

地下鉄駅のエスカレーター、トイレに音声案内装置の設置を早く

 まず、地下鉄駅のバリアフリー化について伺います。今回の予算概要の中に「バリアフリーの向上」という項目があり、そこには「さらなる乗り換え動線の円滑化等」と書かれております。主な取り組みとして「あざみ野駅下りエスカレーター増設」とあります。もちろん、エスカレーターをつけていただけるのは本当に助かりますが、交通局としてのバリアフリーについての考え方を伺います。

加賀交通局長:よろしくお願いします。ご答弁申し上げます。
 バリアフリー法などの法令に基づき、誰もが利用しやすい駅を整備していくことを基本的な考え方としています。これにより、グリーンラインでは20年3月の開業当初から基準に適合した駅としております。また、ブルーラインでは駅の改修工事等にあわせてバリアフリー化に取り組んでおり、全駅でエレベーターによる地上からホームまでの経路を1ルート整備いたしました。引き続き、オストメイト等に対応した多機能トイレなどの整備を順次進めてまいります。

宇佐美議員:では、地下鉄全駅のエスカレーターの台数と音声案内が付いているエスカレーターの台数を教えてください。

土屋技術管理部長:地下鉄のエスカレーターの設置台数でございますが、ブルーラインで124台、グリーンラインで50台の合計174台でございます。そのうちエスカレーターの進行方向をお知らせする音声案内が設置されているエスカレーターでございますが、グリーンラインでは開業当初から全10駅で50台が設置されております。また、ブルーラインでは22年度から老朽化したエスカレーターのリニューアル工事により音声案内装置付きのものに入れ替えておりまして、現在4駅7台が稼働しております。

宇佐美議員:ありがとうございます。では、今後のエスカレーターの音声案内の整備予定を伺います。

松田工務部長:中期経営計画では、30年度までにエスカレーターのリニューアル工事を3駅9台計画しておりますので、これによりまして音声案内装置付きのものに入れ替えてまいります。

宇佐美議員:ブルーラインのエスカレーターには音声案内が付いているところが少ないということですが、その前に40年経っているということ自体が、障害の有無に関わらず、健常者にも危険な状態なのではありませんか。局の方は、「必ず一つ動線を確保しています。障害のある方は、エレベーターのご利用をお願いしています」と言われますが、障害といっても一口でいっても、歩くことには不自由を感じない方もおられます。どんな手段で移動するかという選択肢を増やすということもバリアフリーの考え方の一つになるのではないかと思います。エスカレーターの更新にあわせて音声案内を付け、どんな方でも安心して利用できるようにしていただきたいと思います。
 次に、私は先月、横浜市が主催したガイドボランティア講習を反町で受講し、実際にアイマスクをし、白杖を持ち、公園や会場施設内の階段を登ったり、トイレに入ったりという体験をしてきました。目が見えないという時は、頼りになるのは聴覚になるようで、ガイドボランティアさんの声がないと、とても不安になりました。しかし、ガイドボランティアさんと一緒でも、異性のガイドボランティアさんだとトイレまでは一緒に入れません。そこで、音声案内でトイレの個数や場所をトイレの入口で聞くことが出来れば、一人でも安心してトイレを利用することができるなと思いました。そこで、トイレの音声案内の整備状況を伺います。

土屋技術管理部長:ブルーラインでは17年度からトイレのリニューアル工事にあわせまして音声案内装置の設置を順次進めております。現在7駅7か所で稼働をしております。また、グリーンラインでは開業当初から8駅8か所で稼働をしております。

宇佐美議員:ありがとうございます。ブルーラインの駅のトイレは、エスカレーター同様40年経っているため、臭いなどの苦情が多いと聞きました、利用者が気持ちよく使うことのできるトイレにするためにも、リニューアルを急ぐ考えはありませんか。

加賀交通局長:中期経営計画では、お客様の安全性・利便性の向上を図るため、エスカレーターやトイレなどのリニューアルを可能なかぎり実施することといたしましたので、今後とも、この計画に基づき、着実にリニューアル工事を進めてまいりたいと考えております。

宇佐美議員:ぜひ早く進めていただきたいと思います。

運転手不足にそなえてバス運転手の育成と確保対策の強化を

宇佐美議員:次に、地域貢献としてのバス路線新設について質問します。
南区役所庁舎移転・新築に併せてバス路線を新設してくださり、地域の方々はとても喜んでいると聞いております。これこそが、本来の地域貢献といえると思います。1年のお試し運行ではなく、続けていただければありがたいです。この南区役所行バスのように、住民の声が寄せられる要望の件数はどれくらいあるのか、教えて下さい。

津久井自動車本部長:25年4月から今年の2月までの約3年間に、165件のご要望をいただいております。

宇佐美議員:では、この165件中、に対応した件数を伺います。

津久井自動車本部長:過去3年間において、まずふれあいバス神奈川区の経路変更、それから260系統の新設、219系統の延伸、65系統深夜バスの延伸、そして南区総合庁舎シャトルバスの試験運行を行いました。なお、最近の事例といたしまして、磯子区で運行する路線の延伸に向けて対応を行いましたが、最終的に地域の方々の合意形成が得られず、ご要望が取り下げられたものもございます。
宇佐美議員:ありがとうございます。ではその前に、私が考える地域貢献との認識が違うと困るので、局の地域貢献の考え方を伺います。

加賀交通局長:交通局では、地域貢献として、地域の足を守る、地域のにぎわいの創出、沿線の魅力の発信、環境への配慮などに取り組んでおります。とりわけ、地域の足を守るという点では、現在のバスネットワークを将来にわたって維持し、地域のみなさまの移動手段を確保していくことが何よりも大切なことだと考えています。

宇佐美議員:現在でも多くの路線で、お昼の時間帯は高齢者でバスは満員だそうです。2025年度には、横浜では65歳以上が100万人を超えるというデータがあります。その頃には、免許を保有している人は、どれくらいになっているでしょうか。今後もっとバスが必要とされることは明白ではありませんか。今後増えるバス路線新設の要望にどのように応えていくのか、伺います。

加賀交通局長:交通局では約10年前に、運行が非効率で採算性が悪い路線廃止や大幅な減便、民間移譲など、市民のみなさまにも大きな痛みを伴う大規模なる路線再編を行いました。従って、お寄せいただいたご要望を検討する際には、地域貢献という視点とともに、運行の効率性や一定のご利用が見込めるかといったことも踏まえて、総合的に判断する必要があると考えております。

宇佐美議員:では、新たな路線を設けるにあたって、障害になるものがあるのか、伺います。

加賀交通局長:新たな路線の運行にあたっては、道路形態などの安全運行ができることはもとより、一定のご利用が見込めることや、採算性、さらに必要な車両や乗務員を確保できること、地域の合意形成などが得られることなど、さまざまな課題を解決する必要があります。

宇佐美議員::先ほどのご答弁で、必要な乗務員の確保とおっしゃいました。バス乗務員の確保も今後切実な課題となると思います。バス事故が相次いで起きている現状も鑑みて、まともな運転手を育てていくことも課題になるかと思います。そこで、2015年度の採用状況と研修の状況を伺います。

梅津担当理事(副局長兼総務部長):27年度に採用されたバス乗務員は4月に60名、10月に1名、12月に21名となっています。採用後の研修については、能力開発センターにおいて15日間の学科と6日間の運転教習を実施します。その後、営業所において、3日間の空車講習と指導員同乗の上で営業運転を行う見習い教習を21日間実施いたします。これらの研修を経た後、営業所の責任職によりまして、ひとりで営業運転をさせてもよいか見極める最終確認の試験を行っております。なお、教習の習熟度によりまして、補講の実施や見習い期間の延長など乗務員個々の特性に応じた指導・育成を行っております。

宇佐美議員:では、2016年の応募状況と採用予定数を教えて下さい。

梅津担当理事:27年度中に実施した採用選考では、募集人員30名程度に対しまして応募者は371名ございました。すでに27年12月に21名を採用しており、28年4月には13名を採用する予定となっています。また、大型二種免許を持っていない方を対象としたバス乗務員要請枠の採用選考には44名の応募があり11名が採用候補となりました。このうちすでに2名が免許を取得し、28年4月に採用される予定となっています。

宇佐美議員:現在でも、少子高齢化が進み、貧困の問題も重なり、免許を取得する若者が減っているのが現実です。2013年に国土交通省が調査をした結果、第二種大型免許の保有者は約1万人。40歳未満の保有割合は年々減少しており、全体の10%に満たないというのが現実です。このような現実を認識していらっしゃるとは思いますが、今後、将来に向けて乗務員をどうやって確保していくのか、そのための対策を考えておられるのか、伺います。

加賀交通局長:現在すでにバス業界全体で乗務員の人手不足が問題となっており、路線バス運転に必要な大型二種免許保有者の減少は、特に若い世代で顕著です。従って、将来、バス乗務員の確保は難しくなっていく恐れがあります。そのため、交通局では、これまでの即戦力を想定した職員の採用に加え、24年度から免許取得費用を補助するバス乗務員要請枠の採用選考を実施しております。今後も市営バスネットワーク維持のために、適切な採用方法を講じてまいりたいと考えています。

宇佐美議員:今が良ければ良いというのでは困ります。現在の路線の維持すら危ういことにならないように、今からしっかりと考えていただきたいと思います。

横浜駅西口再開発計画にあわせてバス運転手の休憩場所を

宇佐美議員:次に、横浜駅西口のバスの滞留問題について伺います。
2014年度予算特別委員会であらき議員が質問をしています。「横浜駅西口は待機場所がなくて、トイレに行くのも結局バスをどこに置いていいかわからないから、運転手さんたちはバスロータリーに入れるまでずーとハンドルを握っている」という内容でした、当時の局長は「改善すべき点は多々あろうかと思います。認識はしております。私どもも、市営バスに関しますと、乗務員が運行を担っているわけでございまして、安全運行を担っています。乗務員が現場を支えている第一線で、乗務員が気持ちよくといいましようか、働けるような環境改善につきましては、これからも全力を尽くしてまいりたいと考えています」とご答弁されていますが、その後改善されたのか、伺います。

加賀交通局長:横浜駅西口には周辺に11台分の待機場所がありますが、休憩時間は別の場所で確保するようにダイヤを今編成しております。なお、横浜駅西口は、各路線の起終点となっており、時間調整をする際にやむを得ず駅周辺のトイレを使用する場合があります。交通局としても駅周辺に待機場所を確保して休憩場所として位置付けたいと考えておりますが、駅周辺の状況を踏まえると、現状で対応せざるを得ないというふうに考えております。

宇佐美議員:労働環境を整えるのは、道路局として大事な仕事です。5分でもハンドルから手を放すことが出来れば、乗務員の気分転換につながり、それこそが次の安全運行につながるのではないでしょうか。横浜駅西口の現状からは、なかなか難しいことは理解ができます。でも、このまま仕方ないで目をつぶるのではなく、何かできることはないか、考えてみませんか。例えば、これから計画されているエキサイトよこはま22の計画の中に、民間のバスも含めて停めることが出来る場所をつくるよう都市整備局に要望するなどというお考えはありませんか。伺います。

加賀交通局長:市内最大の交通結節点である横浜駅の再整備においては、鉄道やバスといった公共交通機関をご利用される方の利便性の向上が図れることが重要だと認識しております。交通局としても、バスの停車場所も含め、バスターミナル機能が最大限高められるよう、他事業所とも連携して要望していきたいと考えています。

宇佐美議員:横浜市交通局の経営理念には、「私たちの決意」として「私たちは、市民のみなさまの足として、安全・確実・快適な交通サービスを提供し、お客様にご満足いただけるよう、経営力を高め、持続可能な改善に取り組みます」と書かれています。この理念を忘れることなく、利益ばかりを追いかけるのではなく、本来の公共交通としての役割を果たしていただきたいと思います。このことをお願いして、私の質問を終わります。