議会での質問・討論(詳細)
2016年3月3日

■水道局(宇佐美さやか)

宇佐美議員:宇佐美さやかです。日本共産党を代表して質問します。よろしくお願いします。

神奈川県内広域水道企業団に引き続き水道料金引き下げを求めよ

 まず、神奈川県内広域水道企業団について伺います。
横浜市水道局は、給水量の約半分を神奈川県内広域水道企業団から受水しています。今回、企業団は、水道用水供給料金を4月1日から改定する予定と聞きました。今回の改定内容と本市への影響を伺います。

栗谷経営部長:本市のほか、神奈川県、川崎市、横須賀市で構成される神奈川県内広域水道企業団では28年度を初年度とする5か年の財政計画の策定にあわせて、水道用水供給料金の改定を行いました。構成団体全体でみますと、平均改定率はマイナス7.9%、単年度で約31億円の減額となります。この改定による本市への影響ですが、企業団受水費が単年度で約13億円、マイナス9%の軽減となる見込みでございます。

宇佐美議員:横浜市への料金改定率はマイナス9%ということですが、では企業団はなぜ料金の引き下げができたのか、その理由を伺います。

栗谷経営部長:本市をはじめとする企業団の構成団体は、水道料金収入の減少が続くことから、従来より企業団に対して料金の引き下げを強く要望してまいりました。これを受け、企業団はこれまでの経営改善によるコスト削減などにより水道用水供給料金を引き下げたものでございます。

宇佐美議員:予算概要によりますと、この料金改定では基本料金は下がり、使用料金は上がっています。そこで、基本料金は下がり、使用料金が上がった理由について伺います。

栗谷経営部長:企業団の料金ですが、構成団体が使用できる1日最大給水量に対して支払う基本料金と、実際の使用水量に応じて支払う使用料金の合計額ということになってございます。企業団が基本料金を引き下げた主な理由ですが、企業債の償還が進んだことに伴う元利償還金の減など固定費が減少したことによるものです。一方、使用料金を引き上げた主な理由ですが、電力料金値上げに伴う動力費の増など変動費が増加したことによるものです。

宇佐美議員:今回の料金改定は、構成団体である横浜市水道局にとっては大きな財政負担の軽減につながったと思いますが、系統別生産原価は自己水源と比べて高く、依然として大きな財政負担であることは間違いないと思います。共産党は、負担軽減策として以前から企業団受水割合を減らすようにと言い続けてまいりました。この受水割合が構成団体との約束事だとしたら、現実的な軽減策として、今後も企業団にさらなる料金の引き下げを求めていくべきだと考えますが、企業団に料金引き下げを要望していく考えはありませんか。伺います。

土井水道局長:企業団からの受水量は本市の28年度予算における給水量の約49%を占めており、財政面に与える影響は大きくなっております。このため、今後も引き続き、さらなる経営改革の推進などについて、他の構成団体とともに働きかけてまいりたいと考えております。

宇佐美議員:ぜひ、構成団体と取り決めて、早く引き下げていただけるように要望してください。

市民の安心安全を守るためにも水道局職員をこれ以上減らすな

宇佐美議員:続きまして、水道局としての職員定数の考え方について伺います。
 2016年度の予算概要には「資産の有効活用と経費削減」と書かれています。水道事業を取り巻く経営環境は、水道料金収入の減少傾向が続き、厳しい状況であることは私も認識を一致させることができますが、私は2014年度の決算特別委員会の質問の最後に、「支出の削減というのは、人員削減につながらないことをお願いします」と申し上げました。しかし、予算概要には38名の削減とありました。この38名の削減の理由を伺います。

伊藤副局長兼総務部長:削減の主な理由でございますけれども、水道管路の情報を管理するラッピングシステムのデータ管理業務と水道料金の口座振替に関わる情報の入力関連業務における委託範囲の拡大でございます。この他に、事務職員しかいなかった地域サービスセンターにおきまして、給水装置などの技術的なアドバイスを行うために配置した職員の役割が、事務所統合により終了したことなどにより、削減してございます。

宇佐美議員:今回削減されるほとんどの職員が再任用で、65歳をむかえ退職をされる職員と、委託化によって担っていた業務自体がなくなっての削減ということですが、中期経営計画の期間内で削減された職員数は、何名ですか。伺います。

伊藤総務部長:現行の中期経営計画では約250人の定数削減を目標としてございました。4年間の実績としまして247人の職員定数削減を行い、概ね目標を達成いたしたところでございます。

宇佐美議員:かなりの職員が削減されたことが良くわかりました。このような職員削減は、現場職員の業務量が増えたことにより、心と身体への健康被害が出るのではないかと想像することができますが、こういった不安や不満を水道局が聞く仕組みはあるのか、伺います。

土井水道局長:毎年、全職員を対象に職員満足度調査、ストレス診断を行っておりまして、結果を分析し、各所属長にフィードバックすることで、所属毎の改善につなげております。また、局長の職員との意見交換会、部長をはじめとする各統括課の責任職による事業所等の訪問を実施しております。これに加え、27年度は、局の管理部門である総務部及び経営部の責任職が部を越えて各事業所を訪問するなど、職員から直接意見等を聞く機会を設けております。

宇佐美議員:毎年聞きに行っているということですが、以前は3人で請け負っていた業務を2人で担うような状況になるのではないかと思うんです。1人で1.5倍の業務をこなさなければならないということですよね。心と身体の疲れがひどくなることで、けがや病気、心の病気で長期休職をせざるを得ない職員が出ているのではないでしょうか。現時点で、長期休職をしている職員は何名いるか、伺います。

土井水道局長:27年度の職員定数1,660人に対しまして、休職となった職員は20人、そのうち1年以上の休職者は8人となってございます。

宇佐美議員:20名いるということですが、長期休職者のいる職場には、どう対策を講じているのか、伺います。

土井水道局長:職員が休職した場合、休職開始時期や休職期間などをふまえまして、その都度、職場の必要性に応じてアルバイトを雇用して調整しております。28年2月現在、この対応によりまして8人のアルバイトを雇用しております。

宇佐美議員:今後は、経費削減としての職員定数の削減を行わないでいただきたいと思います。水道局職員の方々が持つ技術を守ることこそが、横浜市の安心で安全、美味しい水を守ることにつながるという認識をもって下さい。やはり、災害時に人手が足りないということも考えられますので、対応の遅れで市民生活に支障をきたすことのないようにしていただきたいと思います。

水道料金未納者には福祉的な対応を

宇佐美議員:次に、検針業務と料金整理業務について伺います。
 水道料金未納の方には、一定期間の督促を行った後、給水停止を行っていると当局から聞いていますが、昨年度の水道料金未納者に対しての給水停止の件数を伺います。

川崎お客さまサービス推進部長:平成26年度の未納件数の実績でございますけれども、年間で延べ約28万4,000件でございます。このうち給水停止件数は約4万4,000件となっております。

宇佐美議員:すごい件数ですが、問題は局が委託業者から給水停止をした件数だけの報告を受けていることです。件数だけの把握では、料金未納の実態をつかめないと思います。経済的に困窮している家庭で水道料金をどうしても支払うことできない方などには配慮するべきだと思います。そのためには、未納の理由を局としてつかむ必要があると思います。局の考え方、伺います。

土井水道局長:水道料金の請求を行い、納入期限が過ぎてもお支払いいただけない場合は、委託事業者が未納者のお宅を2回訪問し、給水停止のお知らせをお渡し、料金の督促を行っております。その後、支払期限を過ぎてもお支払いがない場合は給水を停止しますが、その際には水道料金未納の方から特に理由は確認しておりません。従って、個々のお客様の生活実態を直接に把握することはできませんが、水道料金の支払についてご相談等の申し出があれば個別に対応しております。

宇佐美議員:長期の料金未納は、その世帯が発しているSOSと受け止めて、健康福祉局などとも連携して、福祉的な対応に努めるべきと考えますが、局の見解を伺います。

土井水道局長:料金のお支払いについては、お客様から相談があった際に、経済的支援などの相談や、申し出があれば区の窓口などをご案内しております。また、個々のお客様の状況につきましては、個人情報保護の観点から健康福祉局や区から情報を入手することは基本的にできないこととなっております。

宇佐美議員:貧富の差が広がる中で、経済的な困難を抱えている方が増えているのが現実です。その方々の気持ちに寄り添った対応をしていただきたいと思います。

価格競争だけにならないような委託業者選定を

宇佐美議員:続いて、業務委託についてです
 現在、検針や料金整理業務の委託事業者は、市民のみなさんのお宅を訪問した際に異常を感じた時には、水道局や区役所に連絡をする「緩やかな見守り」に協力していただいているということを聞きました。この業務を担っている方々は水道局の最前線として仕事をしてくださる、このことは直営だった頃と何ら変わりありません。自分の受け持った地域を覚えるだけでも時間を必要とする仕事です。やっと覚えても、慣れてきたころに契約期限が切れて競争入札で委託業者が代わってしまえば、本人にも業者にも技量が身につかないし、「どうせ代わるから」と思ったら仕事への熱意も薄れてしまうのではないでしょうか。そこで、金額だけではなく、仕事の内容を評価するなどの総合的な配慮が選定には求められると思います。委託業者契約に関しては、今後も価格競争だけにならないような選定を行うべきと考えますが、見解を伺います。
土井水道局長:ご指摘の点も含めまして、検針・料金整理業務につきましては、平成27年度契約分から総合評価落札方式を導入しております。この方式は、価格に加えまして、価格以外の要素も評価し、落札者を決定するもので、事業者には個人情報の適切な管理、事務処理ミスの防止、地域貢献など、お客様サービスに直結する提案を求めております。この提案の確実な履行を担保することで、確実な業務の履行や一層のサービス向上が期待できるものと考えております。
宇佐美議員:ぜひそれを続けていただきたいと思います。
 委託化した当時は、業者によって低額な賃金で問題になったと聞きました。最低賃金制度を下回ることはないと思いますが、委託業者が支払っている賃金が適切であるかどうか等は、水道局としても見守る必要があると思います。そういう意味からも、公がお願いしている仕事を担っていただいているのですから、事業者と従業員のみなさんの生活と仕事を保障していくために、公契約条例を本市でも制定するべきだと考えますが、見解を伺います。
渡辺副市長:公契約に従事する労働者の方の労働条件を確保するということは重要でありますので、横浜市では低価格競争対策や社会保険未加入対策などに積極的に取り組んでおります。
先日の市会本会議で市長からもご答弁申し上げましたが、公契約条例に関しましては、労働者の労働条件は労使間での自主的な決定が原則といった国の見解をはじめ、さまざまなご意見がございますので、引き続き国の動向を注視するとともに、他都市の取り組み等の研究を行ってまいります。
宇佐美議員:他都市はもう始めています。ぜひ検討をお願いします。これで私の質問を終わります。


新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP