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【2009年度予算特別委員会】「道路局審議」 河治民夫

30年以上前に計画された都市計画道路は必要か

河治議員:日本共産党を代表して、質問させていただきます。
 最初に都市計画道路網の見直しについてです。
 現在の都市計画道路の多くは1975年頃までに都市計画決定されたもので、今回初めて全市的な見直しが行われ、そして今後、個別の路線や区間の都市計画変更に進んでいくことになるということなんですが。そして、事業化の着手時期を第1期、第2期、未定としています。都市計画道路が計画されている場所は建物の建築制限がかけられ、長期にわたり地権者が不利益を被るものです。
 そこで、都市計画手続きにおいて「市民の意見を踏まえつつ、個別路線・区間の都市計画素案を作成します」とありますが、対象地域の住民への周知はどのように徹底されるのか、伺います。

山下道路局長:これまで都市計画道路の見直しに着手いたしました平成16年度より、節目ごとに市民の方々への幅広い周知に努めてまいりました。最近では、見直しの素案の案でございますが、この公表に際して道路局からのお知らせを世帯配付いたしましたし、見直しの試案の公表では自治会町内会による世帯回覧を行うとともに、道路局のホームページでも情報提供、あるいは説明会、市民相談会を開催してまいりました。

河治議員:計画どおり存続候補の計画道路であっても地権者の利害に直接関わるわけで、こういう時期に地権者がそういうふうな見直しが行われているんだ、ここはどうなんだろうなと問題意識を持つことも含めて、ダイレクトも含めてメールなど送る考え、ないのか、伺います。

山下道路局長:全体の都市計画のご説明を16年度からしてきたということと、これから個々の路線の話になりますので、個別のことでございますけれども、都市計画法に基づく手続きに先立ちまして、権利者を含めました関係者へこれまで同様さまざまな方法といいますか、もう少し細かく対応をとってまいりたいというふうに考えてございます。道路局のホームページ、こちらの方にも掲載いたしますし、土地所有者をはじめとする関係者の状況はそれぞれでございますので、回覧、個別配布など複数の方法を組み合わせて、効果的に実施してまいりたいというふうに考えております。

河治議員:道路局宣伝資料では「都市計画道路網は、長期的な視点に立って計画するものですが、一定の期間が経過するごとに見直しを行う」と示しています。一定の期間とはいつ頃ですか、個々の路線の局地的な見直し等、変更はあるのか、また、これまであったのか、伺います。

山下道路局長:いまお話にございましたけれども、都市計画道路網は長期的な視点にたって計画するものでございまして、早期に着手できない路線も、あるいは早期にできるところもございます。途中途中では、一定の見直しをするというふうになるわけでございます。
 一定の期間という幅でございますけれども、いままでは確かに30数年間、40年近く大きな見直しされなかったわけですが、個々の見直しにつきましてはこれからもそれぞれの対応をとってまいりたいというふうに考えてございます。

事業着手前の都市計画道路の用地買収はおかしい

河治議員:つぎに、都市計画道路、横浜駅根岸線に関連して伺います。
 中区の横浜駅根岸線は、現行計画のまま事業着手時期は未定となっています。現在、その計画道路に重なる既存道路の改良工事が山元町4丁目5丁目で行われていますが、都市計画道路との関係はどのようになるのか、伺います。

山下道路局長:ただいまご質問ありました横浜駅根岸線でございますけれども、見直しの素案のなかで、事業の着手時期が未定となってございます。将来の都市計画道路整備に先立ちまして、この地域で交通安全上緊急性の高いバス塀あるいは歩道の設置など設置するため、工事名でございますけれども「山元町地区道路改良事業」を進めているところでございます。

河治議員:都市計画道路において、用地買収は事業が着手してから行われるというふうに聞いています。すでに現在工事中の区域の一角に買収された用地がありますが、この用地は今回の道路拡幅にかかってない。これでは横浜市は必要のない用地を買ったことになりませんか。

山下道路局長:ただいまご質問ありました用地の買収につきましては、都市計画路線を基本的に用地買収させていただいたところでございます。ただ、都市計画線のなかに、緊急を要する部分を、内側になりますけれども、そちらの方の歩道設置を現在してございますので、将来的にはもちろんその土地は使うという予定にしてございます。

河治議員:先ほど確認したんですけれども、事業が着手する都市計画道路において初めて測量し、そして買収もやるということなんですが、ちょっと矛盾がありませんか。

山下道路局長:都市計画道事業の実施時期の未定のなかでございますけれども、地域の方々からかなり強い改良要望がございまして、当地では地域の安全性の確保を認定しまして、必要な線形改良、あるいは先ほど申し上げました歩道設置の事業を行ったものでございます。もちろんこちらの方は、都計線のなかでございまして、将来的には都計線で都計道路をつくるというふうにしてございます。

河治議員:かみ合ってないんですけど。いま改良工事をやっているのは、まったく買収した土地はかかわってないんですよ。

山下道路局長:取得当時の山元町でございますが、取得当時は都市計画線の内容で整備する予定だったんでございますが、事業用地が全線買うには相当な時間を要すると当時判断しまして、内側だけをとにかく緊急な対応が何ができるのかという判断したところ、バス塀と歩道設置ということで、もちろん買い取り場所もあったんすけれども、線としてはその仕事を先にやると。将来的には都市計画道路ですから、その都市計画道路で将来はつくるというふうになってございます。

河治議員:盛んに都市計画道路っていわれますけどね、その事業着手は未定なんですよ。まだずっと先の話なんですね。それでいまやっている工事が、まったくその土地を用意していない。財政が厳しい厳しいといいながら、つじつまの合わない管理運営になっていると思わないんですが、どこで責任を負うのですか。

山下道路局長:将来的に都市計画道路になる土地を買ってございまして、ただいま工事しているところは内側であるというのも事実でございます。
 ただ、その買った土地をどうするのか、将来無駄になるのではないかということはありません。都市計画道路にいたします。それではその空き地を当面どうするのかというお話がありますので、それは土木事務所で現在資材置き場にも使っていますし、町内会で何かお話があればそちらの方の可能性も残っているということでございます。

河治議員:見直しの素案では、先ほどいったように「事業着手時期未定」となっていますが、何故でしょうか。

山下道路局長:先ほど若干だぶって申し訳ないのですけど、優先整備路線を選定するにあたりましては、まずバス通りでございます横浜駅根岸線は、道路改良事業の進捗、そして歩道設置などの状況につきまして、ただ同じバス通りで歩道がない未着手の路線と比較いたしますと、若干歩道の半分くらいができていたという場所もあるんです。事業中路線との連続性あるいは区毎の整備率といったことも考慮いたしまして、着手時期を未定としたところでございます。なお、事業着手時期が未定の路線につきましては、先ほど来申し上げてございますけども、必要性に応じまして局所的な改善につきましては、引き続き行ってまいります。

河治議員:計画道路は2車線で、すでに既存道路は必要自動車通行量を満たしていると聞いています。必要とされる歩道や右折レーンも、局所的な改良・改善工事で十分対応できると思いますね。あえて地権者に20年以上も建築制限をかけることが妥当なのかどうか、いかがでしょうか。

山下道路局長:都市計画道路がその地域での利便性向上はもちろんのこと、横浜全体のなかでネットワークを形成しているという側面もありますので、地元の方々にはこの工事に入る前もきちんとそこらへん説明いたしまして、当面の処置としてすべて歩道設置させていただきますけども、将来は土地計画道路になりますというなかでのご説明をし、工事着工してございますので、将来は将来としてきちっと都市計画道路ということを進めてまいりたいというふうに思ってございます。

河治議員:金田副市長に伺いますが、既存道路はすでに都市計画道路の機能を満たしている。必要もない用地を買った。なおかつ、既存改良工事は擁壁など含めて1億円も使っている。それが都市計画道路に生かされない。税金の無駄遣いではないか、こんなふうに思います。そしてまた、着手時期もはっきりしない。こうしたことがあるなかで、この見直しの時期に、廃止すべきじゃないか、いかがでしょうか。

金田副市長:都市計画道路は、都市の基盤として全体的なネットワークのもとでつくっているわけですから、これは廃止だとかそういうことは簡単にきめることではありません。それで、先ほどから局長の方も申し上げておりますけれども、都市計画道路の指定用地をあるところ、まず緊急性の強い道路からバスベイ塀として使っていくということは妥当なことであると思いますので、いまお答えしたとおりでございます。

河治議員:私が確認したところによりますと、事業着手して初めて買うんだというふうにきいていますから、そこの矛盾があるというふうに私は思ったわけであります。

工事で被害が出たら原因究明まで工事のストップ、被害補償を

 つぎに、岸谷生麦線の整備についてです。
 都市計画道路岸谷線と岸谷生麦線は近接する道路です。岸谷線は計画されて50年以上も経過し、すでに住宅密集地化としています。国道1号線を結ぶ道が仮に必要だとしても、600メートル区間に都市計画道路が何故2本も必要なのか疑問です。いかがですか。

山下道路局長:現在事業中でございます岸谷生麦線は、横浜環状北線と接続いたしまして、広域的なネットワークを形成するとともに、臨海部と内陸部を連絡する路線でございます。一方の岸谷線でございますけれども、鉄道によります地域分断の解消、あるいは地域防災性の向上などに資する地域交通を担う路線でございまして、両路線はそれぞれが交通機能を分担する必要性の高い重要な路線というふうに考えてございます。

河治議員:道路の交通量という点では、それを進めるという点ではなにも都市計画道路でなくてもいいというようなことも考えられると思うんですよ。こうした見直しの時期に本当に「岸谷線」、これも廃止すべきじゃないか、こうした意見もありますが、どうでしょうか。

山下道路局長:都市計画道路でございますけれども、基本的にその地域の利便性、繰り返しで大変申し訳ないんですけども、その地域での利便性の向上もちろんでございますけれども、鶴見全体、横浜全体というなかで、ネットワーク化するのが、ひとつの大きな重要な役割ということでございまして、それぞれに役割分担持っている2路線でございますので、それぞれ都計決定を残すということになります。

河治議員:岸谷生麦線のトンネル施工に伴い、周辺家屋や学校の校舎・体育館の壁などに多数の亀裂等が発生した。2007年11月には、地域住民が道路局、それから首都高速道路株式会社の担当者と一緒に、現地調査を実施し、その時点で30軒を超える被害が確認された。そうしたことから、2本目のトンネルは施工工法を再検討すべきであり、また被害の原因が究明されるまでトンネル工事は保留すべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

山下道路局長:平成19年8月に完了いたしました国道1号から生麦方面に向かう1本目のトンネル工事では、地域関連の計測を行いながら慎重に施工した結果、基盤沈下による家屋被害は発生してございません。ただ一部工事の振動等によります被害が発生しておりますけれども、こちらの方は速やかに応急処置を行いました。なお、全工事完了後にはもちろん現状復帰することで、了解を得てございます。
 今後工事を実施する生麦地区の国道1号方面に向かう2本目のトンネルでございますが、1本目と同様、安全性経済性に優れたナトム工法によりまして行ってまいります。

河治議員:私の聞くところによると、先ほどはなされた応急処置、11件対応されたということなんですけどね。
 問題は、いまだ原因について首都高速道路は認めようとしないと。工事完了後に、工事が終わった後に建物等の調査をするということなんですけどね。被害者の要望に応じて、その被害補償を直ちに行うよう、首都高速道路株式会社を指導すべきと思います、どうでしょうか。

山下道路局長:工事を実施するにあたりまして、地元の方々へ工事着手前に事前調査を行うこと、そして工事完了後に事後調査を行うこと、そして事後調査の結果、家屋被害が判明した場合には、事業者が誠意を持って対応させていただくという説明をしてございます。また、工事期間中であっても、申し出があった場合には随時調査を行いまして、日常生活に支障のある場合は応急対策をとっております。
 なお、工事によります被害が発生した場合の事業者の対応方法につきましては、地元のみなさまにこちらの方で、先ほど申し上げました着手前の対話会、工事説明会でご説明したと同時に、定期的にも地元の方々へ配布してございます工事のお知らせ等でお知らせをいたしました。
 今後工事に際しまして、これ以上の被害が発生しないよう、最新に注意を払って進めてまいりますけれども、被害が発生した場合には適切に保証を履行するよう、工事を行っている首都高速道路株式会社に対し、引き続き指導をしてまいります。

河治議員:答弁があったようですが、申し出があったときだけなんですね。だから、全体的に事実がどうなのかというのは調査する必要があるんじゃないかな。そしてまた、工事が完了したあとに全体を調査する。こんなことではいけないというふうに私は思うんですね。引き続き調査をするよう、それから保証するよう指導していただきたいと思います。終わります。