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【2009年度予算特別委員会】「行政運営調整局」 大貫憲夫

滞納整理は市民の事情をよく聞いて、非情な取立てはやめよ

大貫議員:共産党の大貫です。
 歳入確保の強化についてですけども、この問題は本市の経済状況・景気に大きく左右されると思うんです。この現下の状況というのを、局長はどのように捉えていられるのか、お聞きします。

大場行政運営調整局長:昨年来の金融危機に端を発した不況の影響ということが、市内の中小企業あるいは市民生活を大きく直撃をして、本市の財政状況もまさに危機的な状況にあるという状況であります。少なくとも22年度まで、通常の年度とは異なる市政あるいは財政運営を行っていこうということで、21年度の予算編成では、財源確保の工夫あるいは聖域ない事業の見直しを行ってきました。
 なお、経済情勢、一言だけ触れますと、予算案を発表した後も昨年10月から12月期の実質GDPの成長率もマイナス12.7%ということで発表されました。2月の月例経済報告でも景気の基調判断が5か月連続で下方修正ということで、景気の悪化が続いております。市税収入を初めとして本市財政への影響を懸念されておりますことから、今後とも動向を注視をしていきたいというふうに感じております。

大貫議員:一番、私、着目しなきゃいけないのは、そういう状況下で市民がどういう生活にいまなっているかということが、一番、この滞納整理でも重要だと思うんですよ。こういまおっしゃったなかで、実際市民の、いわゆる貧困と格差を含めて、それから派遣の問題も含めて、こういうような問題含めて、大変な状況になっているというふうに思うんですけど、その市民の生活についてはどういうふうに感じてますか。

大場行政運営調整局長:いま申し上げたいろいろな経済指標についても、我々はいろいろ市民のみなさんからのいろんな公聴の媒体を通じてご意見をいただいておりますので、特に経済対策ということでは経済観光局はじめ都市経営局とも連携しつつ、いろんな状況の見極め、また必要な対策を打っていく必要があるというふうに考えております。

大貫議員:市民生活のことなんですけどね、確かにいただいた資料によると、558億円ですか、08年度の決算ですね。中には、確かに意識的で悪質な人がいると思うんですね。こういう人たちについては徹底してやらなきゃいけないと思うんですけども、私はこの558億円の多くは、やっぱり本当にいま現状で困っているこういう姿が見えると思うんですけど。市民の姿が見えると思うんですけども、局長はどのように思っていますか。

大場行政運営調整局長:私たちも、資力がありながら残念ながらお払いをいただいていない方については、公平性という視点で積極的にこれを対応していかなければいけないと思っています。また、残念ながらいろんな事情で資力のないというような判断をなされる方については、執行停止等の措置も、これまでも税等を中心にやってきましたので、今後とも見極めをしていきたいというふうに考えております。

大貫議員:しつこいようですが、はっきりしておきたいんですけども、局長も市民の経済状況、苦しんでいるという立場で、このいまの事業をやろうと思っていると確認してよろしいですか。

大場行政運営調整局長:もちろん、いまのお話もその視点も大事ですし、また一方で560億円ほどの現実のお金の問題もあります。財政状況厳しいということもありますので、お払いをいただける資力のある方については、適切にぜひお願いをしたい。またそのための努力を我々もしていきたいというふうに考えております。

大貫議員:経済確保強化担当組織というのができたそうですけども、この基本的な考え方について、質問します。

大場行政運営調整局長:経済対策とおっしゃったんですけど、歳入確保担当ということで理解をしてよろしいでしょうか。
 この1月に歳入確保担当を設置をいたしました。先ほどからお話したとおり、公共のサービスを享受している社会の一員として、当然にお支払いをいただかなければいけないという税であるとか、お互い保険料を出し合って助け合う国民健康保険、これらについては、やはり厳しい経済情勢のなかではありますけれども、健全にこれらの制度の維持をしていかなければいけないということで、市税あるいは国民健康保険料を含めて、これまでの債権ごとに進めてきた収納業務、取組等について、債権回収の統一的な進捗管理を行っていこうということで、設置をいたしました。

大貫議員:いま間違いましたけど、歳入確保強化ですね。これのなかに、「統一的債権管理」というふうになってますね。これ、どうしてもこうみると、いわゆる強権的とはいわないんですが、かなり強硬な徴税が行われるんじゃないかと心配しているですけども、この統一的債権管理とはどういうふうなことがされるのか、説明してください。

大場行政運営調整局長:市税あるいは国民健康保険、介護保険料等いろいろ債権ありますけれども、これらについて、先ほど申し上げたとおり、これまで債権ごとに担当部署でそれぞれ収納業務を進めてきました。これらについて、統一的な進捗管理ということで、それぞれのノウハウをお互いに生かしあう、特にたとえば税についてもいろいろこれまで取り組んできた収納対策室の実績もありますので、こういうものを国民健康保険の分野の手法関係においても生かしていこうと、全体の進捗管理をしていこうということで、設置をいたしたものであります。

大貫議員:このイメージ図をみてみますと、全庁的に有効な滞納整理の手法の検討ということで、情報の共有化と書いてありますね。これ、私、非常に心配なんですが、これ法制部長にちょっとおききしたいんですけども、本市の個人情報保護条例にかかわって、担当が集めた情報を他の業務目的以外のところで使うことについては、条例ということから考えると、抵触するんじゃないでしょうか。

木村法制課長:情報の共有化にあたりましては、情報を取り扱う職員に課されている地方税法および地方公務員法の守秘義務と、それから横浜市個人情報の保護に関する条例を規定している規定がありますので、それとの兼ね合いになるかと思います。
 具体的には、国税徴収法とそれぞれ法令がございますので、それらの兼ね合いも含めて、慎重に検討していく必要があるかと思います。
大貫議員:そこまで聞いたわけじゃないんですが、要するに、いまいったように、担当が集めた情報を目的外に使うことは禁止されていますね。いかがでしょう。

木村法制課長:目的外、法令で認めている範囲では認められていると思いますけども、それ以外では禁止ということです。

大貫議員:それで、みてみますと禁止されているんですよ。ただし、例外規定として、認められているというふうに書いてあるんですね、いただいた資料ではね。例外規定で、あえてここでこの枠を広げて、こういうかたちで情報集めて、それを一般的には個人情報保護条例に違反するような状況でもやるということ自体が、非常に危険なにおいがしてならないんだけどね。
 それで、ひとつ例あげてみますと、実は私のところに鶴見区の方から業者の方からやはりこの苦情が届いたんですね。それの方は、実はこれまでさまざまな事情で201万3900円滞納しちゃったと。2月の14日の日に差し押さえの連絡がきたので、急いで区役所にいったら、5月まで200万もってらっしゃいと。でないとだめだと、こういうふうにいわれたと。滞納整理のために、いろいろいっても聞いてくれないと。そうしているうちに、3月になってから取引の会社に、いわゆる親会社ですね、そこに調査にはいったと。そのためにこの方、非常に困難ないま状況に追い込まれちゃっているんですよ。
 こういうことを考えたときに、おっしゃってたような、確かにいろいろやるといっても、局長がおっしゃったように本当に市民の立場にたつといいながらも、具体的にこういうふうな事例がでているのは、やっぱり債権、歳入確保のために、強権的なことが現実にはやられているんじゃないでしょうか。いかがですか。

大場行政運営調整局長:それぞれの方のご事情を十分見極め、いろいろご相談し、また個別に財産あるいは資力等ありますので、不動産等の関係、それら全体を含めて、きめ細かくご相談をするなかで、順次ご理解をいただき、収納をさせていただいているところでございます。

大貫議員:数年前に、私、同じような質問したんですね。毎年こういう話出てくるんですよ。やはり、そういった意味では本当に市民の立場に立って、分納です、分割ね、これ非常に大切な債権のために必要だと思うんです。
 それで、私、質問したいんですが、09年度の職員一人当たりの差し押さえ件数、債権取立て件数と譲渡額、それから差し押さえ件数全体のうちの債権の占める割合、伺います。

徳江主税部長:すいません、項目をすっかり聞き取れなかったので、もし漏れがありましたらまたご指摘をいただければと思いますが。
 滞納額がいま200億ございます。それに対する差し押さえの執行件数ですが、19年度の決算全体で1万9845件となってございます。
 20年度の滞納整理の目標のなかの項目でございます。滞納額につきましては190億円。それから収入の確保目標といたしましては、繰り越された滞納のなかから72億円ということでございます。

大貫議員:こちらからいいましょう。要するにノルマの話、この間もいったけどね。一人当たりの差し押さえ件数が50件。それから債権取立て件数が30件。400万円一人当たり集めなさいというノルマがかかっているんですよ。ノルマじゃないといっているけどね。
それと同時に、もうひとつききたいんだけども、区づくり推進費のなかで、財源配分についても、市税の滞納の率、収納率、これもかかわって区づくり推進費にプラスされますね。その仕組みについてちょっと説明していただけますか。

大場行政運営調整局長:ちょっといま私も正確によみがえらないんですが、区づくり推進費の方は人口であるとかいろんなデータのなかに、だいぶ前に以前入っていたように思います。もう1回ちょっと精査しますが、いろいろなデータのなかで、各区積極的な取組に反映していこうと、目標における仕事の管理ということで、これら、まあノルマということじゃなくて、年間にわたってそれぞれ目標設定をしていこうということで、取り組ませていただいているものであります。

大貫議員:これ小堀さんの答なんだけども、財源配分を行うことになると、職員の意欲向上のために、こういった税の回収をやはりやっていくようになるんですね。
 私はね、やっぱりこういった一連のことを考えると、やはりその強化ということがかなり市民生活をどうしても市民生活のなかでの市税徴収というのはかなり強くやられると。しかも市役所の職員の方も、そういったかたちでやらざるを得ない状況に追い込まれているんじゃないかと思うんですね。
 それで、数年前に私、同じような質問したときに、同じようなことがありました。ですから、市民生活を再建できる立場で、この滞納整理はやっていただきたいと要求して、終わります。