議会での質問(詳細)

2016年3月25日

■「予算に対する討論」 かわじ民夫議員(2016.3.25)

大型公共事業で市民の暮らしを後回しにするな

 かわじ民夫です。日本共産党を代表し、市第161号、平成28年度横浜市一般会計予算案等に対する反対討論を行います。
 予算案の最大の問題は大型開発が最優先だということです。まさに、アベノミクスの忠実な実行者の姿を示したものです。それも2020年東京オリンピック・パラリンピックに照準をあわせた大型開発です。高速道路や国際コンテナ戦略港湾、山下ふ頭整備、みなとみらい21地区MICE施設、新市庁舎整備はその典型です。こうした大型開発の優先によって、市民の暮らしに関わるインフラ整備や保全、子育て施策に大きな遅れを生じさせています。
 今、国民はアベノミクスの恩恵はなく、生活も厳しく、子育てや高齢者支援が強く求められています。こうした時だからこそ、地方自治としての住民の福祉や暮らしへの責任が問われています。不要不急の大型開発を改め、市民生活関連事業を最優先に進めるべきであり、以下、問題点について順次述べていきます。

コンテナ貨物量増えない港整備に莫大な投資は凍結すべき

 まず、南本牧ふ頭整備事業についてです。
 昨年4月MC―3の供用開始から1年が経ちます。しかし、横浜港全体のコンテナ貨物取扱量は279万TEUで増えておらず、中期4か年計画の目標値400万TEUへはほど遠い状況です。港湾局長はコンテナ量を増やすため、「航路を持ってくることで扱い量を増やしていく」と述べています。しかし、横浜港の2016年1月現在では、昨年2015年1月との比較で、航路数では1航路、月間寄港数は20減少しており、これが実態です。
 コンテナ扱い量の減少の理由に中国経済の後退があげられます。しかし根本には、日本の大企業を中心とした生産拠点が次々と海外に移転し、現地調達・現地販売がますます強まっていることです。このことは、横浜港から輸出品が大きく増えることは、将来にわたってないということです。さらに、日本では非正規雇用の拡大や社会保障の後退などを起因に、消費需要が後退しています。日本の絶対的消費の縮小は、背後圏の輸入品物流の後退につながり、新たな高速道路の必要性も低下しています。新たな大水深バースや高速道路整備への莫大な投資は凍結すべきです。

住民の暮らしを犠牲にする巨大ビル建設を優先するな

 また、横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業も、アベノミクス成長戦略の先鞭役として、大幅な規制緩和で住民利益を損ねるものです。
 グローバル企業の誘致に貢献するとして計画されている再開発ビルは、国家戦略住宅整備事業及び国家戦略都市計画建築物等整備事業として、国から承認され、容積率が7割増しの延床面積8万㎡、高さ2割増しの180メートルの巨大高層ビルです。地域住民から「日照阻害地域が大きく広がることは許されない」との声に、当局は「周辺地域の住環境に影響ない」と事業者の声をうのみにしています。また、「青木橋付近は今でも渋滞するのに、環境アセスによると、さらにひどくなることが指摘されている。運送業に携わる者として死活問題だ」との声に対し、「交通管理者との協議が整っている」と述べるだけで、まともに受け止めようとの姿勢が感じられません。再開発ビルは国家戦略方式として、アベノミクスの目玉とするものでありますが、これほどひどい計画はありません。横浜市はやめるべきだと、強く主張します。

総事業費524億円もの新たなMICE施設は中止に

 さらに、みなとみらい21地区20街区MICE施設整備事業も看過できません。
 この事業も東京五輪に間に合うように、土地代を含め、総事業費524億円もの巨大プロジェクトです。文化観光局は、同施設でのMICE開催による経済波及効果を年間440億円と試算されていますが、事業そのものの収支見通しは明らかにされていません。
 さらに、施設整備をするために、耐震岸壁とつながる緊急物資搬入拠点地の緊急輸送道路の港湾2号線が廃道です。文化観光局長は、2号線の廃止・中止を求めるわが党の質問に対し、「その緊急輸送路を何らかのかたちで確保できるような不安のないかたちにしていきたい」との答弁です。これは廃道に無理があることを認めたことではないでしょうか。そうであるならば、この際きっぱりと現計画を中止すべきです。

カジノと一体のIR導入の山下ふ頭再開発はやめよ

 山下ふ頭の再開発も問題です。
 人々を惹きつける拠点づくりにするとした山下ふ頭の再開発は移転補償費だけでも370億円、基盤整備はその一部だけで120億円で、総額は示されていません。この再開発も、東京五輪までに一期工事を完了させるとしています。都心臨海部再生マスタープランでは、カジノと一体のIR導入を明記しています。市長はIRの導入は前提ではないといいながら、選択肢の一つだと断言です。ギャンブル依存症や地域経済が疲弊するとして、市民から非難されているカジノを含む統合型リゾートIRと同様の施設を立地させる山下ふ頭開発基本計画に基づく事業に、莫大な予算をつぎ込むことは、市民を欺く暴挙です。

緑地を失う、乱暴な手続きの線引き方針は見直しを

 「線引き見直し事業」も再考すべきです。 
 新たに市街化区域に編入予定の区域は、全市で185地区、約637ヘクタールであり、これは西区の面積に匹敵する規模です。その中には、市内の貴重な緑地である栄区上郷地区の約10ヘクタールも含まれます。
 これだけ大きく緑地が失われる線引き見直しですが、手続きの進め方があまりにも乱暴です。
対象地区の青葉区恩田町の地権者からは「市長宛に自治会として意見書を提出しているが素案には反映されていない」、「上から一方的にこれが案だと言ってきた」、また上郷地区の住民からは「今まで説明もほとんどないのに、いきなりこの案でいきますとの説明会は乱暴だ」などの意見が噴出しています。
 都市計画法第16条、第77条で規定されている「公聴会の開催等住民の意見を反映させるための必要な措置を講ずるものとする」との丁寧な扱いが求められています。「土地所有者その他利害関係を有する者の意見を求める」努力が不十分なまま、「線引き見直し」の手続きの強行は許されません。

特養ホームへの入所はせめて6ヶ月以内に

 特別養護老人ホーム等、介護施設整備の遅れも深刻です。
 安倍政権が第3の矢として「介護離職ゼロ」を掲げています。超高齢化社会を迎える中で、介護を理由に離職する人は国内で年間10万人とも言われています。それをゼロにするには、低所得者でも入所できる特養ホームの整備の加速が不可欠です。
 今、本市では入所待機者が約5,000人。病気などで他の施設を利用している入所希望者を含めれば、さらに多くなります。市では毎年300床の整備予定で、2017年までに1万5,584床を整備するとしていますが、これを達成しても待機者の解消はできません。市長は「入所待ち期間は12か月を維持」しているとしていますが、入所まで1年間待つのは、高齢者本人も家族にとっても大変です。
 ここにこそ視点を当て、せめて6か月以内に入所できるよう、整備目標を改めるべきです。

低い予算額では貧困の子どもに支援の手が届かない

 次は、子育て施策のうち、子どもの貧困対策についてです。
 厚生労働省の国民生活基礎調査では相対的貧困率は16.1%で、6人に1人が貧困ライン以下で、1985年の調査開始以来最悪となっています。
 本市は、「横浜市子どもの貧困対策に関する計画」を策定します。市長は今年度予算で、ひとり親家庭等の自立支援事業として約1憶7,100万円を計上しましたが、前年比でわずか627万円の増にとどまっています。市の調査では、貧困ラインを下回る水準の子どもの割合は7.7%、約4万4,000人で、特にひとり親世帯の貧困率は46.6%です。市長は「ひとり親家庭への支援の拡充や、寄り添い型学習支援の全区展開、生活支援の拡充などを図る」と述べたにもかかわらず、国の施策の範囲を超えるものはほとんどないのが実態です。予算額では、支援を必要としている市民に行政の手がかからないのは明白です。

小児医療助成の拡充は市長のやる気しだい

 子育て施策では、小児医療費助成制度が不十分であることです。
 子どもの医療費は本来国の責任で無料にすべきですが、自治体任せになっています。現在、全国の過半数の市町村では中学3年生までの医療費が無料です。神奈川県内では、新年度予算案によれば、中3までが14自治体、小6までが15自治体です。残念ながら横浜市は小3までで、県内33市町村中、最低水準のままです。新聞報道では小6まで引き上げるとされていますが、年齢などは明らかにしていません。
 逆に、年齢引き上げと引き換えに、制度の持続可能性を理由に、一部負担金導入を検討するとしています。県内には一部負担金を課している市町村はなく、本市の方向は異常です。もし、受診のたびに一部負担金の導入となれば、子どもの貧困対策に逆行です。
 本市の子ども医療助成制度を1学年増の予定支出は5億円。一般会計が1兆5,100億円の本市の財政規模からすれば、市長がやる気にさえなれば十分できるものです。

「ハマ弁」では子どもの貧困対策にならない

 中学校昼食についても、子どもの貧困対策の視点は見えません。
 横浜市は中学生の「ハマ弁」を、新年度より順次始めるとしています。実施に当たっての課題は、お昼を持ってこられない生徒をどのように支援するか、生徒のプライバシーに関わる問題です。教育長は、学校現場からの意見を聞きながら、ガイドラインの作成に向け、検討を進めているとの答弁でした。しかし、このようなやり方では本当に必要な生徒への支援ができるとは言えません。
 現在、市内で約1万3,000人の就学援助を受けている中学生がいます。給食が実施されていれば、給食費が就学援助の対象とされます。残念ながら給食でない「ハマ弁」には、経済的に大変な家庭の子どもたちに対して、基本的な食べることへの支援が全く欠如していることに、憤りを感じます。

平和・友好・交流を掲げる国際戦略を

 最後に、政治姿勢について、平和についての立場の欠如です。
 「横浜市国際戦略」が議決されました。地方自治体の国際戦略は、友好・交流・平和を高く掲げ、海外都市との互恵平和の関係を築くことを目標にすべきです。
 国際局の新年度予算は約11億円。そのうち、国際平和推進事業費は職員の出張旅費や消耗品を除くとわずか27万1,000円でしかなく、具体的な事業はないに等しいものです。平和を掲げるとするなら、2001年に採択された「横浜アピール」や「よこはま子どもピースアピール」を活用した交流等、国際平和に関する事業を拡充すべきです。
 安保法制という名の戦争法は3月29日施行です。わが党の代表質問で「市民の命と暮らしを守る責務を担う市長として廃止を国に求めるべき」との問いに、市長は「そうしたことは考えておりません」との答弁でした。非常に残念です。
 今、安保法制は廃止、平和憲法守れ、そのために野党は共闘との国民運動が大きく広がっています。その力に後押しされ、5つの野党の党首が、戦争法廃止等を共同の目標とする、安倍政権の打倒をめざす、国政選挙で現与党を少数に、国政選挙協力の4項目の確認事項で合意しました。日本共産党は、安倍暴走政治を食い止めるために、野党共闘と市民との共同を広げ、全力で奮闘する決意を表明し、一般会計等の反対討論を終わります。

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