議会での質問(詳細)

2009年3月26日

【2009年第1回定例会】「請願不採択に対する反対討論」 白井正子議員(09.3.26)

 私は、日本共産党を代表して8件の請願不採択、また1件の請願採択に対する反対討論を行います。

地球温暖化対策を推進する「気候保護法」の制定を

 最初に、請願第92号は「気候保護法」の制定について国への意見書提出を求めるものです。
 昨年から「京都議定書」の第一約束期間が始まりましたが、日本の対策は進んでおらず、CO2など温室効果ガスの排出量は増え続け、このままでは生活の安全や経済活動の基盤にも深刻な影響がおよびかねません。請願内容は、気候変動による悪影響に対し、温室効果ガス排出削減数値目標を法律で掲げること等を求めているもので、不採択になり、意見書は提出されませんでした。
 別件として今定例会に、「地球温暖化対策の推進に関する意見書」が提出されました。この意見書の内容は、温室効果ガス削減目標を制定することとしており、請願の趣旨に沿ったものです。同じ趣旨の意見書を提出するのであれば、請願を採択すべきでした。

改正国籍法の運用は子どもの福祉や利益が最優先という立場で

 つぎに、請願第99号は、改正国籍法における厳格な制度運用を要請する国への意見書提出を求めるもので、常任委員会で採択され、意見書が提出される流れとなっています。
 昨年の国籍法の改正で、日本人の父と外国人の母との間に生まれた子どもは、日本国民の父から認知されていれば、父母が婚姻していなくても届出によって、子どもは日本国籍を取得できるようになりました。これまで日本国籍を取得できないために、戸籍や住民票、健康保険などがないという差別を受け、基本的人権の保障の上で重大な不利益を被っていた実態に対して、「法の下の平等」を保障するという意味で、法改正は一歩前進の内容です。
 これにより、偽装認知等の違法行為や不正行為を懸念する声があることは承知しています。この偽装認知を防ぐために、法務省は、法務局の窓口に国籍取得の届出に来た母親や関係者によく事情を聞き、関連書類と矛盾はないかなど十分に審査するとしています。
 請願では、改正国籍法の厳格な制度運用を求めていますが、運用については、子どもの福祉や利益が最優先という考え方で運用されるべきです。どういう経過で生まれようが、生まれた子どもは等しく扱われるべきです。出生の違いによって、子どもを差別してはいけないのです。改正国籍法の厳格な制度運用を求めることは、犯罪防止に名をかりて、国籍法そのものを棚上げにし、結果として法改正を否定することになりかねず、採択とした態度は人権の立場から容認できません。

保育所待機児解消の受け皿に重要な役割担う横浜保育室

 請願第101号は、横浜保育室への助成の拡充を求めるものです。
 経済不況のもと、職を求める子育て世代が増えているなかで、認可保育園待機児童解消の受け皿として横浜保育室は、重要な役割を担っています。認可保育園と同じ処遇ができるよう、基本助成の増額と、所得に応じた保育料軽減のための助成、アレルギー食への補助新設を求める請願は、待機児童増加が想定されるこの時期だからこそ、採択すべきです。

教育費の保護者負担軽減はまさに今日的要求

 続いて、学校教育に関するものです。
 請願第87号は、すべての子どもにゆきとどいた教育実現のための条件整備などを求めるもので、請願書では、家庭の経済状況で子ども達の教育を受ける権利が、制限される状況が広がっていると述べています。奨学金制度、授業料減免制度を拡充して、教育費の保護者負担を軽減してほしいと求めており、まさに今日的要求です。

この不況時に定時制高校の給食費値上げとは

 また、請願第93号は、定時制高校の夜間給食費値上げ反対についてです。
 私は、市内にある横浜総合高校と戸塚高校に出向き、生徒と一緒に夜間給食を食べました。生徒同士が、給食を通して交流している場面を見ることができました。
 現在、1食300円かかる食材費のうち、県と市の補助があるため生徒負担の食材費は1食120円で、1か月では1900円となっています。新年度予算では市の単独補助1500万円を廃止するとともに、全員に提供していた給食を希望制に切り替えられます。いままで通り毎日食べようと申し込む場合、月々6000円ほど払い込むことになります。年度末に県の補助分が生徒に戻りますが、負担増は相当なものになります。
 また、請願第95号は定時制高校の生徒が使う教科書代負担の中止を求めるものです。
 現在、定時制高校に在籍する生徒全員に県と市の補助とで無償で教科書が支給されています。県では、職をもっていることが無償の条件となっていますが、いままで本市は、学校長の判断で生徒全員に無償で支給されてきました。新年度から本市も県の制度に合わせた運用を行うとしていますが、生徒全員が職をもっているわけではないので、教科書代を負担しなければいけない生徒が出てきます。
 請願の内容にもあるように、保護者の収入が減り、失業などで高校中退に追い込まれたり、高校進学を断念せざるを得ない生徒がいるような状況の中で、夜間給食費値上げや、教科書代の新たな負担となる生徒がでることは、定時制に通う生徒達から一層高校生活を奪うことになるのではないかと思います。教育費の無償化が世界の流れになっている今、これらの請願は採択すべきです。

国保料引き上げでは滞納世帯増すばかり

 つぎに、請願第94号は国民健康保険料の引き上げの中止を求めるものです。
 新年度の予算では、国民健康保険料が全世帯で値上げされます。65歳の単身者を例に取ると、年金収入245万円の人は、2007年度年間8万5180円だったものが、2008年度は9万4060円上り、さらに2009年度は10万2450円となります。また、収入額245万円の年金者2人世帯では、2007度8万9160円だったものが、2008年度11万250円にあがり、2009年度は11万7540円にはね上がります。この年金者2人世帯は、2年間で1.3倍の増加です。
 これに増額された介護保険料も加わるために、負担は増すばかりです。払いたくても払えない人が増えるのは当然です。横浜市の資料からも、国保料の未納発生者がここ5年間続けて年間10万人以上を推移し、資格証・短期証の合計発行数は、去年から今年にかけては、加入世帯の1割にもなっており、「払える保険料」とは、程遠い実状が明らかになっています。
 新年度予算では、保険料を減額するために一般会計からの繰入額は86億円となっています。現在、この一般会計からの繰入額は、見込み医療費総額の5.5%を基準としていますが、4年前の2005年度は総額の6%を基準として97億5000万円が繰り入れられていました。基準を6%に戻して繰入額を増やし、保険料引き下げに当てるべきです。
請願者が指摘するように国保料引き上げになれば、滞納世帯が増え、資格証の発行がさらに増えることになります。安心して払える保険料に設定して欲しいという請願は採択すべきです。

7政令市で値下げの介護保険料、横浜市では値上げ

 つぎに、請願第90号は、介護保険料の引き下げを求めるものです。
 3年毎の制度見直しの年にあたる新年度は、保険料が基準額で4150円から4500円と、350円の値上げになります。これは9年前の制度導入時の保険料3150円に比べると1.4倍の増加です。
 政令指定都市の調査を行ったところ7市が値下げとなっており、北九州市で300円、京都市で250円、名古屋市で249円の値下げとなっています。据え置きしたのが3市です。値上げをしたのは横浜市を含めて6市です。
 そもそも介護保険制度は、保険サービスが増加すれば保険料も増加するシステムになっています。しかし、このシステムに起因する増加だからといって、住民に負担を強いるのではなく、住民負担をいかにおさえるかが、自治体としてその力量が問われているところです。
 今回本市が介護保険給付準備基金全額の61億5000万円を取り崩したこと、保険料区分を11段階に増やして負担の平準化を図ったことは、評価します。
 請願書は、「昨年の後期高齢者医療制度の実施による医療保険の負担増と、度重なる住民税の控除の削減による実質的な引き上げなど、高齢者の生活は厳しさ増しています。このうえさらに介護保険料が上ることは、高齢者に苦汁を強いることになる」と述べていますが、私も同感です。保険料を払えないため、高齢者が介護を受けたくても受けられないという状況を招かぬよう、一般会計から繰り入れ等による介護保険料の引き下げが、求められます。

墓地紛争の解決への道を閉ざした横浜市の斡旋打ち切り

 最後に、請願第96号は、都筑区牛久保町墓地計画における斡旋への事業主の出席等についてです。
 厚生労働省は2000年に、墓地について永続性と非営利性の観点から指針を出しています。これによれば、墓地の経営主体は地方自治体が原則であり、これによりがたい事情があっても宗教法人または公益法人に限定されています。それだけ公的性格が強いものです。墓地計画を推進するにあたっては、誰もが納得する調査や進め方が求められ、それを指導する本市の責任は大きいものです。
 ところが、今回、事業主である宗教法人と川崎市に隣接する墓地近隣住民との紛争を本市が斡旋中のところ、事業主が「斡旋打ち切り」の申し出を行いました。本市は、「今後、斡旋によっては紛争の解決の見込みがない」と一方的に判断し、事業主の申し出通り斡旋を打ち切り、紛争の解決への道を本市自ら閉ざしてしまいました。しかも、この請願が常任委員会で審議された直前に斡旋打ち切りが行われたことは異常であり、議会軽視も甚だしい対応です。この経過の中で川崎市は本市に対し、関係者同士が充分な話し合いをするよう要請しましたが、本市の進め方は真摯な対応とは思えないものでした。
 斡旋の場に、事業主の出席を求めるべきですが、代理人の出席でよしとした本市の姿勢は、住民に対しあまりにも無責任といわなくてはなりません。請願不採択は認められません。
 以上で、討論を終わります。

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