議会での質問(詳細)

2009年3月26日

【2009年第1回定例会】「議員定数削減の条例改定議案への反対討論」 中島文雄議員(09.3.26)

 私は、日本共産党を代表して、議第15号および16号議案「横浜市議会議員定数条例の一部改正」に反対する立場から、討論をいたします。

 15号議案は民主ヨコハマ会から、16号議案は自民・民主・公明党の賛成により市会運営委員会名で提出され、それぞれ、横浜市議会における議員定数を92名から80人とする12減案と、86名とする6減案で、いずれの議案も議員定数を大幅に削減しようとするものであります。

議会での真摯な論議を足蹴にした自公民の3会派団長声明

 まず、この間の議員定数に関する議会での議論を振り返ってみます。
 前回の市会議員選挙を半年後に控えた2006年9月の市会で、自民党から11人の削減案が提出され、同12月の市会では、民主ヨコハマ会から3減案および公明党から3増3減案がそれぞれ提出され、いずれも賛成少数で否決をされました。翌2007年1月には、最終的に議長裁定による「3増3減」案が全会一致で可決され、現行の議員定数92人の維持が議会の総意で決定をされました。
 これらは、議員・議会の役割、市民意見の反映、地方分権における議会のあり方、議会への「不信感」への対応など、議会改革に向け真剣に議論された結果でもありました。にもかかわらず、その直後に、自民・民主・公明の3会派の団長は、定数の「大幅削減に向けて、改選後早急に具体的な検討に着手する」との共同声明を発表したことなどは、議会での真摯な論議を足蹴にしたもので、党利党略的な対応と言わざるを得ません。
 これら3会派団長声明を受けるかたちで、昨年秋から、議長の諮問として定数問題が、市会運営委員会の理事会という市民やマスコミに非公開の場において、市民の参政権や民主主義の重要課題にもかかわらず、市民は全く蚊帳の外で論議されてきました。そして、12月市会に市長が提案した「みどり税」導入を機に、これに賛成する理由として、自民、民主、公明、民主ヨコハマ会の各党は、市民負担増を気にしてか、口を揃えたように「議会も身を削るべき」等の主張を展開し、もっぱら「行政改革」や「経費削減」の観点から、今定例会で定数削減をゴリ押しをしようとしています。

多様な住民の意思を反映、行政の監視役としての議員・議会の役割

 私は、これらの経緯をふまえて、提出されている「議員定数削減」案の問題点について意見を述べるものであります。
 第1に、議会の役割とはそもそも何かということです。
 言うまでもなく、住民代表機関としての機能を持つ議会は、多種多様な住民意思を反映する複数の議員からなる合議体であり、議会に求められているのは、議論を通じて多様な住民の意思を反映し、それを統合調整して自治体の意思を形成することにあります。合わせて、それによって行政執行機関を監視することにもなります。また、個々の議員を通じて行政に住民の意思を伝え、住民の利益に反するような場合、行政執行機関を批判し、監視していくことも大きな役割であります。
 このように、重要な役割を担う議会の議員定数を削減することは、憲法と地方自治法によって保障された民主主義制度を揺るがす問題であると同時に、この制度によって期待されている多種多様な住民の意思を反映し、統合調整して自治体の政策・意思を形成する上で欠陥が生じることに通ずるものであります。
 これら、議会・議員の役割をわきまえず、「議会改革」などと称して、定数削減を叫ぶことは、あまりに暴論としか言いようがありません。

人口比で最も少ない議員数をさらに減らす根拠なし

 第2に、横浜市の現状から、さらなる定数削減には根拠がないことであります。
 365万人という本市の場合、地方自治法による議員定数、いわゆる法定定数は、人口比率計算によれば112人ですが、上限規定によって96人と頭打ちになっており、さらに条例で92人となっており、すでに法定定数から4人が削減をされています。その結果、横浜市の議員一人当たりの人口は3万9371人で、今でも、全国17の政令市の中で飛びぬけて多く、また逆に人口に対する議員数は、政令市平均の約2分の1、静岡市との比較では3分の1と極端に少ないのが現状であります。
 県内の市議会を見ても、人口約22万人の茅ヶ崎市、大和市、厚木市では、それぞれ30人、29人、28人の市会議員が活動する一方で、本市における同じ人口規模の神奈川区、港南区でみると各6人の市会議員しかいません。それだけ、多種多様な住民の意思をつなぐパイプが細いことを示しています。現行92人の議員定数でもこのような状態であり、これ以上の削減は根拠がないだけでなく、議会の役割、議会制民主主義の発展に障害となりかねないもので、議員定数の改定を言うならば、本市においては法定定数の96人に戻すべきであります。

自らの報酬削らず海外視察では「身を削る」決意とはいかに

 第3に、議会経費を削減するためとする議論についてです。
 横浜市における議会費は2008年度予算で見ると約30億円で、一般会計歳出総額1兆3600億円の0.2%、議員に関する費用は約23億円で、議員一人当たり約2500万円です。仮に、議員定数を10人削減したとしても2.5億円で、節減効果は僅かなものであります。住民代表機関として、機能の発揮、議会・議員の役割を果たす立場から、行政の無駄遣いを含め、経費の節減を検討すべきであります。
 しかも、定数削減を主張する会派・議員は、議会経費の削減のために「身を削る」覚悟などとしながら、自らの議員報酬・月額92万円のカットには言及をしておりません。
 わが党が、無所属クラブ5人の市議と共同して、議員報酬の一割カットを議員提案したのは、市民の負託に応えて、議員・議会の役割をしっかり果たすために、議員定数の削減によらず、6名の定数減に相当するに議会経費の節減を行おうとする立場からであります。
 定数削減を主張する会派・議員は、経費節減を理由にしながらも、私たちが提案した「議員報酬の一割カット」に反対するという態度、および市会議員の議員報酬削減を求める請願を不採択とする姿勢では、民主主義より自らの収入を優先しているとしか思えません。また、市民の厳しい批判があるにもかかわらず、依然として海外視察を行っている会派・議員が、議会経費の節減のために「身を削る」とする決意の程が知れるものであります。

地方分権の時代に逆行する「議会改革」議論

 第4に、地方分権の時代に逆行する「議会改革」議論についてです。
 地方分権の一定の前進によって、自治体の仕事のほとんどが、一部の法定受託事務を除き、原則として自治事務、すなわち自治体自らの権限で行う事務とされ、地方議会の権限の強化が図られています。住民の暮らしと権利を守るためにも、行政執行機関へのチェック機能を強化するためにも、議員・議会の役割は益々重要となっています。
 2006年2月の全国市議会議長会都市行政問題研究会の「調査研究報告書」では、分権時代における市議会の役割について「議会の執行機関に対する監視の役割が一層重くなり」、「議会の構成も都市全体を見渡すことのできる議員で多く構成されるようになることが求められる」こと、「執行部に負けないほどの政策論争を重ねることが必要」であり、「監視・政策立案機能の向上を果たす上においても相当の議員数は必要である」と述べられています。また、同研究会総会における「分権時代の市議会のあり方」と題した講演では、「地域の民主主義を代表する議員の定数が減り、代表率が低下している。これで本当に多様な意見を調整していくことが可能かという危機感がある。議員定数が削減されていく中で、いったい少数者の意見は誰が代表するのだろうか」と述べられています。
 このように分権時代において議会に求められているのは、議員定数の削減ではなく、むしろ逆に、より多様化した市民意思とニーズに対応できるだけの議員の数であり、議員・議会の質的向上とともに、住民のために働くことこそが求められているのではないでしょうか。
 にもかかわらず、自民・民主・公明・民主ヨコハマの各党議員は、「議員定数の削減など議会改革」などと主張しています。これらの言い分は、「議会改革」には値しないだけでなく、逆行するものと言わざるを得ません。

議員・市議会の質が問われている「議員が多すぎる」との声

 第5に、住民が期待する議会改革をどう進めるかについてであります。
 市民の中に「議員が多すぎる」という声があるとすれば、議員・市議会の質が問われている問題であり、加えて議員に対する不信感があるからです。市民の中には「高い給料をもらってどんな仕事をしているのかわからない」、あるいは「市民サービスを切り捨て、国民健康保険料や税金を上げるだけが議員の仕事か」「請願書や陳情書を出しても、『不採択』『採択』だけの意見表明だけで、理由を述べもせず、討論もしない議員では」などの声が聞かれます。いま必要なのは、単純な「議員定数の削減」ではなく、このような議員に対する市民の不信感を取り除くための議会改革であり、議会の質的な向上であります。
 わが日本共産党市会議員団は、今までも議会改革のために提案を積極的に行い、議会の同意を得ながら一つひとつ実現をしてまいりました。政務調査費の領収書添付と公開、交通費等の議員費用弁償の廃止など、一部の改善が図られてきたところです。今後も、本会議等における十分な質問時間の保障、委員会の直接傍聴や請願・陳情者の趣旨説明の実施、議員の海外視察の廃止・見直しなど、市民の強い議会改革への要望の実現に力を尽くす決意であります。

議員定数削減は、市民と議会とのパイプを細くするもの

 最後に、急速な景気悪化、格差と貧困の拡大など、深刻なくらしや雇用破壊が進み、市民の多様な意見、市政への切実な要望も山積している中で、地方自治体の本旨に則り、住民のくらしや福祉を守るために、議会が今こそ、その役割を発揮する必要を強調するものであります。そのためにも、議員定数を削減することは、市民にもっとも身近な議会とのパイプを細くするものであり、断固反対いたします。そして、他都市に比べても異常に少ない現行92人の議員定数を、法定定数の96人に戻すべきであります。その財源として、議員報酬削減や議員の海外視察の廃止・見直し等を行えば、十分賄えることが出来ることを提案して、私の討論を終わります。

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