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■環境創造局(宇佐美さやか)

設置目的が異なる公園プールと学校プールを一緒に?

宇佐美議員:日本共産党の宇佐美さやかです。よろしくお願いいたします。
 私の地元、神奈川区にある入江町公園プールは、1995年に開設され、1981年に鋼鉄プールに更新し、長い歴史を経て、今でも近隣住民のみなさんが大事に利用している夏場の憩いの場です。
環境創造局スライド1 こちらのスライド(スライド1)をご覧ください。緑豊かな公園にあるプールは、25メートルプールと子ども用のひょうたん型をしたプール、幼児用にゴムプールもあり、1時間当たり大人100円、子ども60円で、大人から小さいお子さんまで楽しめる娯楽場です。その憩いの場である入江町公園プールを廃止して、移転・新築する子安小学校のプールにまとめるということになっていますので、今回質問をさせていただきます。
 まず、基本的な考え方を伺います。設置の経緯や目的など公園のプールのあり方について、伺います。

大熊環境創造局長:公園プールは、都市公園法に基づき、公共の福祉の増進を目的として、設置しています。なお、公園プールの一部には、戦後の人口急増期に不足した学校プールの補完的な役割で整備されたものや、埋め立てに伴う代替施設として整備されたものもございます。

宇佐美議員:福祉の増進が目的ということですが、では学校プールのあり方を伺います。

大熊環境創造局長:学校プールは、水泳授業等の学校教育を目的として設置をしています。なお、横浜市では、学校プールに関しては、小学校の建て替えや大規模改修を契機として、徒歩等で容易に移動でき圏内に公園プールがある場合には、学校のプールへの集約用利用が可能となるに設計および管理主体を工夫して、集約を検討していくという方針となってございます。

宇佐美議員:今伺ったこのあり方、教育から利用の用途が違うということもわかりましたが、あとで聞こうと思っていたことまでの言ってしまいましたね。 学校プールへの集約を強行した今回の入江町公園プールの廃止の理由を伺います。

大熊環境創造局長:横浜市では、厳しい財政見通しの中で、公共施設に効率的な運営、学校施設の地域コミュニティの核としての機能充実を図る観点から、学校の建替え等の機会をとらえ、学校プールと屋外公園プールの集約について検討する方針としています。この方針に基づき検討した結果、現在、移転新築を計画を進めております子安小学校で新たに整備される学校プールの市民利用が可能と判断し、近隣の入江町公園のプールを廃止をして、子安小学校に集約することといたしました。

入江町公園プールは決して評価が悪いわけではない

宇佐美議員:私が調べた2011年11月22日に出された「横浜市公共施設あり方検討委員会意見最終取りまとめ」の中で、市内プール施設別コスト一覧には、こう示しています。それによると、入江町公園プールの年間の運営費は指定管理費と上下水道費を含めて約900万円となっています。今年もほぼ変わらない指定管理料と上下水道料をあわせて871万円です。
 環境創造局が所管する公園プール27か所の平均運営費は約900万円です。入江町公園プールが突出して高い訳ではありません。入江町公園プールが全体の足を引っ張ってはいないのです。
 現に、2015年10月30日に出された「プール及び野外活動施設等の見直しに係る方針について」の中にある「プール施設の評価結果」でもコスト・収支ともに△の評価で、☓は一つもありません。これで廃止と言われても市民が納得できないのも当然です。
 それでも、入江町公園プールを廃止するというのは、やはり学校の移転・新築だけが理由というのでは市民の理解は得られないと思いますが、いかがですか。

大熊環境創造局長:プールおよび野外活動施設等の見直しに係る方針では、公園プールについての方針が3つございまして、先ほど先生がご指摘の☓の評価がないということにつきましては、これは公園プール同士の評価についてでございます。その3つのうちのもう1つの方針では、屋外公園プールは徒歩等で容易に移動できる圏内に立地する小学校の建て替え等の際に学校プールへの集約について検討することとなってございます。この方針に基づき検討を進め、再整備検討専門会議を経て、入江町公園プールを子安小学校プールに集約することといたしたところでございます。

宇佐美議員:すいません、何度も同じことを言わせてしまいました。

年間約50日間、約1万5,000人が利用

宇佐美議員:それでは少し視点を変えてみたいと思います。過去5年間の入場者数と利用日数を、伺います。

橋本公園緑地部長:入江町公園プールの入場者数は、24年が1万6,296人、25年が1万5,164人、26年が1万465人、27年が6,713人となっており、28年は速報値ですが1万1,615人の利用がありました。入江町公園プールの利用日数ですが、24年が48日間、25年が50日間、26年については25メートルプールが老朽工事による休場のため39日間、子ども用プールが50日間となっています。また、27年は51日間、28年は52日間となっています。

宇佐美議員:では、学校プールに移ってからの想定利用日数はどうなりますか。私が何度も聞いても「利用期間が延びるんです」と言われました。改めて、想定利用日数は何日ですか。伺います。

橋本公園緑地部長:教育委員会からは、6月中旬から9月上旬の小学校のプール利用期間にあわせて利用できるよう検討していると聞いております。

宇佐美議員:私は、日数を聞いたんです。
 学校のプールは児童のみなさんが体育の授業で使用することをメインとしている施設です。授業で使用しない日というと土日祝日だけとなり、今年開場した52日間と比較すると、明らかに市民・住民のみなさんが利用できる日数が減るのではありませんか。
 そして、こちらのスライド(スライド2)は子安小学校の仮の設計図ですが、みなさんにもおなじみのよくある学校プールになると思います。少し違うのは、25メートルプールの脇につける幼児用のプール、幼児用として使うプールがあるくらいです。このスペースに、土日祝日、入場者が集中した場合、安全管理の面で大変危惧されますが、おそらく教育委員会から「しっかり対応してまいります」というお答えを用意していると思いますが、代読してくださるだけだと思いますので、伺いません。
環境創造局スライド2

地域住民への説明・周知は不十分

宇佐美議員:本市は、不要不急の高速道路の建設や港湾整備などの大型開発には湯水のように税金を使うのに、住民のみなさんの夏のささやかな楽しみを税金の無駄遣いだとでも言うのでしょうか。私は、大型開発中心の税金の使い方に納得ができません。
 そして、もう1つ私が納得できないのは、近隣住民のみなさんへの周知についての方法です。今回のプールの廃止を近隣住民のみなさんへどのように周知されたのか、伺います。

大熊環境創造局長:まず、入江地区連合町内会など5地区の地区連への説明のほか、自治会町内会を通じた回覧、これ2度やっております。子安小学校の保護者を対象とした説明会、これも2回やっております。地域にお住まいの方を対象とした説明会、これらを通じまして、周知を図ったところでございます。あわせて、入江町公園プールでの掲示、これは3回行っておりますけど、公園利用者への周知を図ったところでございます。

宇佐美議員:私は、2回とも説明会には参加しているんですけれども、1回だけは学校の概要の説明だけだったと思います。プールの説明は今年やられたと思いますが。
 私は、昨年11月16日に当局から入江町公園プールの集約について説明をしたいということで、聞かせていただきました。その際、「この集約というかたちをとるのは、横浜で神奈川区が第一号となります」と言われました。その後の説明を聞き、私は「住民のみなさんには説明をされたのですか」と聞くと、「はい、連合町内会のみなさんには説明をしておりまして、概ねご賛同いただいております」と言われました。私が「連合町内会の方々にだけ説明をしたのですか。住民のみなさんには説明しないのですか」と3回ほど聞くと、「いやいや先生、住民全員というのは無理ですよ」と言われました。
 私は、本市がこのまま近隣住民のみなさんにプールの廃止を知らせることなく、なくしては大変だと思い、独自に入江町公園プールの廃止問題についての集いを、今年3月30日と4月3日の2回開催しました。参加された方から、「自治会の役員をしており、当局からの説明があったが、資料は何もなく、そうですかとしか言いようがなかった。もう決まったことだというような言い方だった」と話されました。他にも、「PTAとして係わったけど、プールについての説明はない」という方もおりました。これでは、住民のみなさんへの説明をしたことにはならないと思いますが、説明は十分だったと考えておられるのか、伺います。

大熊環境創造局長:先ほど申し上げましたとおり、地域のみなさまや公園プールを利用されているみなさま、また子安小学校の保護者のみなさまにご理解をいただけるように、回覧や掲示、説明会の開催を行ってきておりまして、きちんと説明・周知をしていると考えてございます。

宇佐美議員:その子安小学校のPTAの方が聞いていないと言っているんです。

「採算があわないから減らすなど心が冷たい行政だ!」

宇佐美議員:住民のみなさんの声が環境創造局と教育委員会事務局を動かしたんだと思いますが、5月の29日に「入江町公園プールと子安小学校のプールの集約について」の説明会がやっと開催されました。30名ほどが参加し、発言した、私の記憶では、10名全員がプールを廃止することに反対の意見でした。この説明会で出された意見はどのようなものがあったのか、具体的にこの場で読み上げていただけますか。

大熊環境創造局長:幼児が水遊びできる場が必要だというご意見や、学校プールは利用しづらいのでないかなどのご意見もございました。今後、いただいたご意見を踏まえまして、公園プールの跡地利用や学校プールの運営についての検討を進めてまいります。

宇佐美議員:私は、入江町プールの話をしております。
 私は聞いた、同じみなさんと同じ場所にいたと思うんですけど、説明会にも行きまして、わりとソフトなご意見だけを採用されたと思いますが、私が聞いて覚えているのは、「公園のプールは、そもそも福祉目的に造られているもので、学校プールとは用途が違う。年少の子どもたちが使いやすいように造ってある。それなのに、財政の観点だけでなくして、小学校のプールに替えることは反対です」という意見や、「難しい集約という言葉が気に食わない。2つある物を1つにまとめて、その方が採算があうという思いつきだけで考えたもの。横浜市のやり方には問題がある。バスでもお年寄りが通えて助かっている。採算があわないから減らすなど、心が冷たい行政だ」という方。子安小学校に上の子を通わせているママは「上の子が学校に行っている間に下の子をプールに連れていかれるのがいいのに、なくされると困る。学校と公園のプールは用途が違うのだから、1つにするには無理があると思う」と話されておりました。
 ここにおられる何名か、先ほども申し上げましたが、職員の方、説明会におられたと思います。覚えておられることだと思うんですが。
 神奈川区では、5月の11日に「子安小学校移転と入江町公園プールの集約を考える会」という会が立ち上がり、真夏の暑さの中で署名を呼びかけ、1,147筆を集め、9月20日に林市長宛てに「入江町公園プールの存続を求める要望書」を提出しています。このみなさんのプールを残したいという声は、みなさんに聞こえておりますでしょうか。今日、うしろに傍聴に来られたみなさんも署名に参加された方々です。この方々に顔向けできますか。
 私は、住民無視の入江町公園プール廃止に反対し、プール存続を要望して、質問を終わります。