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■健康福祉局(みわ智恵美)

みわ議員:日本共産党のみわ智恵美です。党を代表し、質問いたします。提出しています質問が前後いたしますが、よろしくお願いいたします。

障害者の移動支援を強化せよ

 はじめに、健康福祉費の決算年度の主な不用額の内訳を示してください。

妻鳥健康福祉副局長:主な不用額の内訳としては、障害者福祉費が16億3,186万円で、これは主に障害者地域作業所型の地域活動支援センター等運営事業費の残によるものです。次に、社会福祉費が15億7,591万円で、これは主に臨時福祉給付金給付事業費の残によるものです。また、健康福祉施設整備費が10億9,601万円で、これは主に認知症高齢者グループホーム整備および消防用設備設置等事業費の残によるものです。

みわ議員:不用額の第1位が16億円を超えた障害者福祉費に関わって、質問いたします。
先ほど説明ありました不用額を大きくしたものではありませんが、横浜市が、障害者の移動支援施策の推進として中期4か年計画にもあげ、全区展開を目指している移動情報センターについて、その機能と設置計画について示してください。

齋藤障害福祉部長:現在12区で開設をしております障害者の移動情報センターでは、ガイドヘルプ等の支援制度のご案内や、サービス事業所等の紹介、支援の担い手の確保などを行っております。
 29年度末までに全区で開設をする計画でございまして、28年度は、鶴見区、磯子区、瀬谷区の3区で、来年1月に新たに開設をいたします。合計で15区で開設をするということになります。

みわ議員:障害者や家族にとって頼りになる、頼りにしたいところだと考えますが、移動情報センターにおける決算年度までの相談件数の推移と相談内容の内訳を示してください。

齋藤障害福祉部長:初年度であります22年度は、1区でモデル実施をいたしまして、この時は40件でございます。23年度は3区に拡大をいたしまして171件、24年度は6区で339件、25年度は9区で929件、26年度は同じく9区でございますが1,375件、27年度は12区で1,647件と、着実に伸びてきております。
 相談内容の内訳でございますが、27年度実績といたしまして、多い順に、通学および余暇等社会参加のための外出、これがそれぞれ全体の24%、次に通所の際の移動支援に関する相談が19%でございました。

みわ議員:資料もみせていただきしたが、本当に切実に求められている場所だということを実感する相談件数の増加だというふうに思います。
 今も、通学、社会参加、通所、それから通院などの不可欠な外出、これらの相談の内容あわせますと84%が当然の欠くことのできない移動支援ということがわかります。この相談要望には応えきれているのでしょうか。断るものもあるのでしょうか。

齋藤障害福祉部長:ご相談をいただいたものについては、基本的にはこちらの方で対応をしていくということで考えております。なお、人的資源と申しますか、時間的にかなわない部分も当然ございますが、なるべくご相談に沿った対応をさせていただきたいというふうに考えております。

みわ議員:私は、2年前から同じ小学生の通学支援についての相談を受けていますが、いまだに解決していません。相談者の子どもさんは、普通校の個別支援学級に通学していますが、ガイドボランティアさんが毎日はお願いできない。ボランティアさんの援助がない時は家族が通学支援を行っています。しかし、雨の日には、障害一級で電動車いすでの移動をしている母親は行けないので、学校を休むこともあります。
 また、この小学生の通学支援を行っているボランティアさんは、特別支援学校に通学する高等部の学生さんの通学支援も行っていて、学校へ朝行く時は時間差があるので2人の支援ができますが、帰りの時間は同じような時間帯になるので、小学生ははまっこ(はまっこふれあいスクール)でボランティアさんが迎えに来るまで待っている、または障害児放課後デイサービスを利用するなどしています。母親が家にいるので、本来は利用しなくてもよいのですが、このような事態は、先ほども人的な問題や時間の問題でと言われましたが、こういう問題がただ1人の問題ではないというふうに思います。
 この点で2つ問題があると思うんですが、1つは、ガイドヘルプの通学支援が普通校を対象外としているので、ボランティアさんに頼るしかないという事態です。この点について、見解を伺います。

齋藤障害福祉部長:25年度から実施をさせていただいておりますガイドヘルプによる通学支援でございますけれども、ヘルパー不足等の状況もあることから、この時点でまずは重い障害のある方が通う特別支援学校・養護学校を対象とさせていただいております。また、その25年度の制度拡充をつうじまして、ガイドボランティアはガイドヘルプを補完し、地域生活を支える仕組みと位置付けまして、重層的な支援体制を図る中で、比較的自宅から近い場所にある普通校への通学支援のついては、ガイドヘルプではなく、地域のつながり・助け合いであるガイドボランティアによる支援を基本とするという整理を行っております。

みわ議員:ただいまの説明ですと、特別支援学校の通学支援が実施された、その趣旨があるわけですけれども、普通校の通学支援にもガイドヘルプは基本的にはできるということでよろしいですか。

齋藤障害福祉部長:ただいまお答えをいたしましたとおり、25年度の制度の変更に伴いまして、重層的な支援体制を図るということで、ガイドヘルプにつきましては基本的には特別支援学校・養護学校を対象ということで拡大をさせていただいております。ガイドボランティアの方で普通校については基本的には対応するというような仕組みにさせていただいております。

みわ議員:ぜひガイドヘルプも普通学校で利用できるように拡大を求めますが。
2つ目は、ガイドヘルパー、ガイドボランティアなどの付き添い支援の担い手確保です。圧倒的な担い手不足があるということだと思いますが、市の確保策はどうなっていますか。

齋藤障害福祉部長:まず、ガイドヘルパーにつきましては、資格を取得する際、研修受講料を2万円を上限に助成をしております。ヘルパー業務に興味や理解を深めていただくために、案内チラシを作成して、ハローワークとか市民利用施設等で配布をさせていただいております。
 また、ガイドボランティアにつきましては、横浜移動サービス協議会等の実施団体や移動情報センターで年間を通じて養成研修や講座を開催をしております。さらに、講座の参加者がボランティアとして登録する機会を逃さないよう、本年1月から移動情報センターを設置している区の社会福祉協議会にもこの実施団体を担っていただくなど、体制の強化も図りながら、担い手の確保に努めております。

みわ議員:2013年にガイドボランティア奨励金の引き下げを行いました。1回4時間以内1,600円、これでも決して高いなどといえる金額ではないと思いますが、これを500円に、3分の1以下に引き下げました。引き下げの理由を述べてください。

齋藤障害福祉部長:地域の住民活動であるガイドボランティアにつきましては、気軽なボランティア活動となるように、それまで3つに分かれておりました奨励金の金額を統一することで、報告書への記載を簡素化をいたしました。その上で、地域に根ざした身近なボランティア活動を想定をいたしまして、金額もそれにあわせた謝金ということで、1回500円。利用者宅まで交通費をかけて行う場合は1回1,000円ということになりますが、このような設定に変えさせていただいているところでございます。

みわ議員:障害者の移動支援は、個人の方の自主的な、障害者の普通のくらしを支援したいとの思いがなければできるものではないと思います。それでも、以前と同じ程度の一回1,600円程度の引き上げは最低でも行うべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

齋藤障害福祉部長:25年度、奨励金を引き上げたこの時の年度末、25年度末のボランティアの登録数でございますけれども、24年度末とほぼ同数で登録をしていただいております。大きな影響はなかったのではないかというふうに考えております。その一方で、ガイドボランティアにつきましては、地域生活を支える重要な担い手として、より一層の確保が必要だと考えておりますので、まずは移動情報センター等による担い手確保の取り組みをしっかりと進めていきたいと考えております。

みわ議員:副市長、ひとりの小学生の通学に対応できるボランティアが2年間見つからない事態です。義務教育を受ける権利が阻害されている事態ではないでしょうか。視覚障害者などの同行援護での費用負担の問題もあります。障害者差別解消法の施行から半年。通学・通院・社会参加・余暇を楽しむなど、障害なく普通に保障されることが求められています。
 中期計画に掲げられた全区展開の移動情報センターが果たす役割は大きいと実感しています。障害者・家族が利用しやすい環境づくり、そしてそれを支える人材確保には多くの方が参加しやすい環境をつくることが必要だと考えます。見解を求めます。

柏崎副市長:通学支援ということは当然その教育を受けるというようなことに関わるわけでございますが、条件を整えるということで、大変重要なことだというふうに思っております。そういう意味で、特別支援学校・養護学校を対象に、25年度から横浜市としては取り組みを始めたということでございますので、まずはそこのところを、われわれ人材の確保も含めて、しっかりやっていきたいというふうに思っております。
 その中で、今ご質問がありましたガイドヘルプの普通校へのさらなる拡大については、ただいま申し上げたヘルパーの確保の状況等も踏まえて検討する必要があるとは思っております。

みわ議員:よろしくお願いいたします。

重症心身障害者が利用する多機能型拠点の整備を急げ

みわ議員:次に、医療的ケアが必要な方の地域での暮らしを支援する多機能型拠点について伺います。多機能型拠点は、中期4か年計画、第3期横浜市障害者プランにもその充実を図るものとしていますが、その設置目的と設置計画について伺います。

齋藤障害福祉部長:多機能型拠点では、診療所を併設し、相談支援および短期入所などのサービスを一体的に提供している施設でございます。痰の吸引や経管栄養など医療的ケアを必要とする重症心身障害児や障害者とその家族の地域での暮らしを支援するための施設でございまして、本市独自の取り組みでございます。
 当該施設は、市内方面別に6か所整備する予定でございまして、現在2か所が開所に、1か所が29年4月に開所予定ということになっております。

みわ議員:現在、市内には医療的ケアが必要な重症心身障害の方が約1,000人いらっしゃるというふうに伺っています。現在2施設あるということですが、施設の整備されている場所、そして利用登録者数はどのようになっていますか。

齋藤障害福祉部長:本年9月末時点の登録者でございますけれども、1館目に開所した栄区の「さと」でございますが、こちらでは登録者数173名、2館目に開所した都筑区の「つづきの家」では164名、合計で337名となってございます。なお、送迎サービスの範囲は、それぞれの施設からの範囲である程度限られますけれども、当該施設への登録および自家用車を使用しての通所等は市内全域から可能ということでいたしております。

みわ議員:横浜市が補助を出して、医師・看護師・社会福祉職の人件費を出していて、多機能型拠点は、始めて成り立っているというふうに思います。こういう中で、利用者ご家族の方の声を聞いておられたら紹介してください。

齋藤障害福祉部長:多機能型拠点のご利用者やそのご家族からは、一つの施設で様々なサービスの提供を受けられるため便利である、いつでも相談できるので困った時にはありがたい、専門医がいる診療所があるので安心であるなどのお声をいただいております。

みわ議員:先日、私も、栄区にある「さと」に伺いました。就学前の2人の幼児さん、特別支援学校の放課後に来ている高等部3年生、そして特別支援学校の訪問学級の小学部2年生の4人でした。2歳から58歳までが登録されているということです。ご本人にとってもご家族にとっても切実な施設であることが実感されました。
 中期計画では2017年度末までに4か所整備となっていますが、今の予定では3か所と聞いています。整備を進める上での課題は何でしょうか。

岩渕健康福祉局長:多機能型拠点の整備に必要な用地は、容積率にもよりますが、概ね1,000から2,000平方メートルとなっております。また、重症心身障害者の方々は自らでは移動が難しいことから車でのアクセスがしやすい立地、敷地内に高低差が少なく、車いす等が利用しやすい形状が求められております。事業用地につきましては、市有地の有効活用を原則としておりまして、現状では未整備エリアにはこれらの諸条件を満たす適地が見いだせないことが課題となっております。

みわ議員:重症心身障害児・者のご家族にとっては、子どもが学校卒業後の日常活動の場や、親亡き後の子どもの居場所が切実な要求ですが、日常的には居住地に近いところで、医療的ケアが必要な方に対する生活介護がある事業所や多機能型拠点の整備が切実です。副市長、市内方面別に整備を着実に進めていくための取り組みとして、市内に公有地は各地にあります。広すぎて使えないなどということではなく、一部有効活用などで推進できるのではないでしょうか。見解を伺います。

柏崎副市長:所管ではその整備に向けて様々な観点から利用できる分についてはいろいろ検討していると思います。今、先生おっしゃられたように大変重要な施設ですので、これからもその整備というにはその土地がひとつの大きな条件だとすれば、幅広く国有地の活用なども含めて、幅広く検討してまいりたいと思います。

みわ議員:よろしくお願いいたします。

高齢者施設のスプリンクラー設置計画を確実に行え

みわ議員:次に、健康福祉局の不用額の中で3番目に多い健康福祉施設整備費についてです。この中で不用額の大部分を占めるのが負担金補助および交付金です。この中で認知症高齢者グループホーム等へのスプリンクラー設備等整備費補助について伺います。この事業の内容とスケジュールについて伺います。

細川高齢健康福祉部長:スプリンクラー整備等整備費については、消防法施行令の一部改正により義務化された施設を中心に補助を行っております。主な改正内容は、認知症高齢者グループホームについてはスプリンクラーの設置義務が従来延べ床面積275平方メートル以上の施設から、改正により原則として全ての施設に拡大されました。小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護に関しましても、避難が困難な要介護者が主として宿泊しているものはスプリンクラー等の設置が義務付けられました。既存施設については、平成30年3月31日までの3年間猶予期間が定められております。

みわ議員:ただいまご説明いただきましたけれども、設備別の補助件数について、決算年度の計画および実績について、伺います。

細川高齢健康福祉部長:認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護において、スプリンクラー設備は予算26か所に対し実績12か所、スプリンクラー設備用の消火ポンプユニットは予算10か所に対し実績1か所、自動火災報知設備は予算6か所に対し実績5か所、消防機関へ通報する火災報知設備は予算12か所に対し実績8か所、予算8,928万円に対し計2,463万円を執行し、6,465万円の不用となりました。

みわ議員:大変、計画にあわない大きな不用額となっていると思うんですけれども、その理由を述べて下さい。

細川高齢健康福祉部長:事業者アンケートにより把握した未設置の事業所について、猶予期間の3年間で全て設置することになるため、27年度予算では3分の1の事業者が設置を行うという考え方で計上いたしました。しかし、より工事が簡易な設備が開発中であったため事業者が設置を保留していたことや、猶予期間の終了までにまだ時間があると事業者に認識されたことなどにより、取り組みが進まなかったものというふうに考えております。

みわ議員:今は、そういうことだということですけれども。3年間で整備計画を達成させるための取り組みがあれば、示して下さい。

岩渕健康福祉局長:事業者を対象とした集団指導講習会におきまして、消防局と連携して消防法施行令の改正やスプリンクラー設備等の設置義務等について周知しているほか、事業者連絡会における周知、補助金の申請勧奨等を行っております。これらにより、対象となる全事業者がスプリンクラー設備等を設置するよう働きかけを行ってまいります。

みわ議員:3年間で計画完了とみてよろしいでしょうか。

岩渕健康福祉局長:期限内に設置するよう、引き続き消防局と協力してまいります。

みわ議員:利用者・家族・地域住民の安全安心のためにも、ぜひ取り組んで、しっかり計画完了をしていただきたいと思います。
 今回、決算年度、一般会計で黒字額が60億、健康福祉局の不用額が58億ということで、今回不用額に着目して、質問をいたしました。障害者福祉、また市民の安心安全のために、着実な計画の推進を求めまして、質問を終わります。ありがとうございました。