議会での質問(詳細)

2009年6月5日

【2009年第2回定例会】「議案関連質問」 関 美恵子

赤字覚悟の政策医療分野に指定管理者の公募はなじまない

関議員:私は、日本共産党を代表し、市第15号及び市第17号議案に関わって、中田市長に質問いたします。

 市第15号議案は、病院協会の元経理担当理事主導による補助金不正受給問題が、市民の医療に対する信頼を損ない、市民世論の批判の高まりのなかで、病院協会が指定管理者を辞退したことにより、横浜市救急医療センターの指定管理者に横浜市病院協会に代わって横浜市医師会を指定しようというものです。
 問題は、後継の指定管理者選定に関わる2度の「公募」が不調に終わり、市民に大きな不安を与え、重ねて信頼を裏切ったということです。このような異常な事態を引き起こしたのは、市長が「原則公募」にこだわったことが最大の原因だと考えます。この指摘に対する市長の見解を伺います。
 4月に発表された選定報告書によると、2度の「公募」が不調だった主たる理由について、「医師確保の困難性」初期救急医療のみを提供する場合の「高い経営リスク」があげられています。このことは、専門性が高く、赤字覚悟の政策医療など医療分野では、採算性や効率性を競う「公募」は馴染まないということです。こうした施設では「原則公募」による指定管理者の決定は見直す必要があると思いますが、伺います。
 横浜市病院協会の一連の問題では、協会の元経理担当理事が代表を務める神奈川健康福祉経営協同組合が介在した救急医療センター研修室改修工事、ホームページの作成管理費、医療品購入事務などにおいて不透明な取引が行われていたことが発覚しています。再発防止のため「コンプライアンス」が指定管理者の評価基準に新たに追加され、市も関与をしていくとのことですが、今回の事件で明らかされていない問題に、市側の指定管理者に対する日常的な指導におけるコンプライアンス意識の希薄さがあります。そもそも、未然に防ぐことができなかったのは何故か、コンプライアンスの問題を含め、明確にすべきです。改めて市長に伺います。
 選定委員会の選定報告書には、指定管理者が市と協働して、地域の初期救急医療の維持向上を図っていくために、市に対して、患者数の減少や医療制度の変更など指定管理者の責任でない経営リスクに対して、支援や、運営と経営への関与、市民への積極的な情報公開を望む意見が述べられています。そこで、市として、指定管理者と本市との間の具体的な支援と関与の内容をどのように取り決めるのか、伺います。

中田市長:お答え申し上げます。
 まず初めに、市第15号議案についてのご質問をいただきました。
 新たな指定管理者の選定についてでありますけれども、本市の指定管理者の選定に当たって、これは公正性・透明性を確保するということのためにも、公募を原則とすべきものというふうに考えております。今回も公募を原則としつつ、しかし市民に大きな不安は与えないようにしてきたわけであります。結果として応募が1社だけだったものなどはほかにもありますが、そのことをもって直ちに公募がいけないということにならず、施設の性格や個別の事情を考慮して、適切にこれは判断をしていくべきものと考えております。
 今回は選定に時間を要しましたけれども、現指定管理者である病院協会の取り消し期限はあらかじめ延伸して、市民に不安を与えることがないように、救急医療を継続することに万全を期しているところであります。
 原則公募の見直しということでありますが、公募の実施によって、競争性の導入によるサービスの水準の向上や、選定過程の透明性の向上等が期待をされるため、医療分野のH施設だからといって一律に非公募とするのではなく、今後とも公募による選定が原則であると考えております。むしろ、これは今日的に重要な観点だということであります。ただし、個々の施設ごとに、施設の特性や実情などをふまえて適正に判断を行うことが必要であるため、現在策定を行っています指定管理者制度運用ガイドラインにおいて、公募・非公募の決定の考え方ということについて、示してまいりたいと思います。
 神奈川健康福祉経営協同組合が介在した取引についてでありますが、指定管理者制度の趣旨はその施設の設置目的を達成するために効果的効率的な施設運営を行うことにありまして、どの業者とどのような取引を行うかということについては、指定管理者の裁量によることが基本となります。一方で、指定管理者には公の施設を運営をする上で、公共性の重視が求められておりまして、市民から理解が得なれないような行為がある場合には、市として適時適切な関与を行って、指導・勧告などを行っていく必要がございます。
 本件については、本市の調査により事実が明らかとなった際に、病院協会に対して改善のための指導等を行っておりまして、協会においても関係規定の整備や契約方法の見直しなどすでに行っているところであります。
 関与と支援の具体的な内容についてでありますが、関与については、質の高い医療サービスを健全な経営のもとに持続的に提供していくために、コンプライアンス遵守の徹底も含めて必要な場合に適切な助言・指導を行っていくものであります。支援につきましては、あらかじめ見込んだ患者数より減少したというような場合など、指定管理者の責任によらない事情によって、経営上のリスクが発生をした場合に、損失補てんなどを行うものであります。これらの取り組みは適時、情報を公開し、透明性を確保いたしてまいります。詳細については、議決をいただいた後に、市と指定管理者との協議によって定める指定管理基本協定に規定をしてまいりたいと思います。

中小零細業者の命綱である融資制度の弾力的な運用を

関議員:次に、市第17号議案、一般会計補正予算第一号についてです。
 まず、「セーフティネット特別」「緊急借換支援資金」に関わって伺います。
 「売り上げが4割から5割減少したが、辞めるにやめられない」「2年前、息子が継ぎ、新しい機械も揃え、これからというときに、300万から400万の売り上げが70万から80万になり、家賃やリース代の支払いと借入返済が出来ない。工具も買えない」「月3000円の時もあり、家賃もでない。周りでは廃業も出ている」など、中小・零細企業のおかれている状況は深刻さを通り越しています。
 こうした状況の下では、「セーフティネット特別」「緊急借換支援資金」の活用は、中小・零細企業の命綱とも言えます。
 ところが、「税を滞納していることで融資を受けられない」という相談が寄せられています。理由は、市の融資の要件が、申し込み時に、納期の到来している市民税を完納していないと受けられないとなっているからです。ところが、このところの中小・零細企業の実態から、国税については政府も「税・保険料の滞納だけで、融資を断ることはしない」と答えるなど、変ってきています。
 中小企業・零細企業の実態を優先し、弾力的に運用するのが「セーフティネット」融資の趣旨とも聞いています。緊急事態に融資を必要とする人が活用できてこそ意味があり、川崎市では、「セーフティ」は納税証明は不要としているとも聞いています。本市においても弾力的な運用に改善する考えはないか、伺います。
 市は、金融機関がもっている融資の申し込み件数や、はねられた件数、その理由など、全く把握しておりません。中小・零細企業の置かれている実態について把握することは、融資を進める前提と思います。実態について把握するとともに、書類審査で止まって融資が受けられないという人が直接相談できる仕組みを作り、融資を受ける支援を強めることが必要です。あわせて伺います。
 市独自の「緊急借換支援資金」は、今年度だけの時限措置です。「景気回復に3年はかかる」とも言われています。延長する考えはあるのか、伺います。
 また、融資期間を15年、据置を3年に延長したり、鎌倉市は据置期間の利子を自治体負担にしています。本市において実施する考えはないか、伺います。

中田市長:次に、市第17号議案についてのご質問をいただきました。
 中小企業金融事業についてでありますけれども、セーフティネット特別資金の市民税の対象要件については、セーフティネット特別資金を含む制度融資は、これは市税等によって運用されているわけであります。その意味においては、社会的公平性の観点から、市民税の滞納がないということは、現段階においてこれは要件というふうに考えております。
 金融機関のレベルでの状況把握や相談窓口の設置についてでありますが、金融機関の所管官庁は金融庁になっておりまして、本市には融資審査に関する権限は当然ございません。その意味においては状況を把握するということは、これはなかなか困難であります。なお、融資条件等に関する相談については、本市または横浜市信用保証協会などで対応をしているところであります。
 緊急借換支援資金の実施期間の延長についてでありますが、緊急借換支援資金は現下の厳しい経済状況を考慮して、借入金の返済負担の軽減を図るために、緊急対策として創設をしたというものでありまして、本年度末までの時限措置によって実施をしているものでございます。融資期間や据え置き期間の延長については、昨年10月にセーフティネット特別資金について、融資期間を延長して、本年4月には同資金と、緊急借換支援資金について据え置き期間を延長をいたしたというところであります。本市においては、金融機関への預託金によって金利低減ということも図っているところであります。

1290人の保育所待機児に対して緊急対応を

関議員:次は、子育て支援整備に関わってです。
 本市は、待機児解消に努めてきたところですが、3年連続で待機児が増加するという深刻な事態になっています。特に、2009年度は1290人となり、前年比で1.8倍に急増しています。
 日本共産党市議団が最近実施した「市民アンケート」に、今日現在で8895通の回答が寄せられています。その内の4200通の集計結果では、市の施策に保育所の増設と入所待機児の解消を求めるというのが1338通にものぼっています。港北区の30代女性は、「保育園を探していましたが、認可はもちろん、無認可もいっぱい。少し遠い所でやっと見つけましたが、今度は仕事がなかなか」と、厳しい実態を訴えています。
 中期目標は、2010年度末で3万8000人です。前倒しで整備を進め、今回の補正分も加えると、目標の残はあとわずかということで、とても待機児解消の水準ではありません。川崎市が、2009年度中に計画を見直し、待機児解消に取り組むという新聞報道がありましたが、本市においても、中期目標を見直し、整備計画を引き上げることは急務です。市長の見解を伺います。
 市は、一定の条件のある公立と民間の保育園に定員外入所を進め、待機児解消に備えました。その結果、2009年度公立・民間合わせ210か所、1505人に達しています。しかし、入所がない場合人件費の持ち出しになり、どの園もというわけにいきません。入所の有無に関わらず、予め人件費と運営費等について安定的に保障することが必要ですが、その気はあるのか、伺います。
 横浜保育室は、市の0歳児から2歳児保育の3分の1を担い、特に、途中入所児の受皿として顕著な役割を果たしています。しかし、基本助成費は、1997年の事業スタート当初、1人当たり7万7900円で、いまも殆ど変わらず、2003年の1人当たり8万2500円をピークに、2009年は7万9100円に下がり、苦しい経営を強いられています。また、認可園と比べ、園児1人当たりの公費負担も、横浜保育室・無認可保育所連絡協議会の調査によると、2008年度比較で、0歳児で8万1000円から8万9000円、1歳児で4万8000円から6万円、2歳児で2万6000円から3万8000円の差があります。横浜保育室設置への支援と同時に、基本助成費を引き上げ、認可園のように所得別保育料に変更することで、保護者の負担を軽減し、対象も全年齢に拡大するなど、安定した経営ができる見直しが必要ですが、伺います。
 待機児解消の緊急策では、使用可能な公共施設や学校の空き室等を利用し、本市直営で緊急に保育所を確保する取り組みも検討すべきですが、伺います。
 待機児の保護者に対し、保育ニーズにあった専門的な相談と入所を望む保護者へは空き状況を適時知らせ、入所まで責任を持つなど、きめ細かな支援が必要です。区の相談体制の強化や仕組み作りを求めますが、見解を伺って質問を終わります。

中田市長:次に、保育所整備費についてのご質問をいただきました。
 保育所整備計画の見直しについてでありますけれども、本市においては15年に子育て支援事業本部を設置をして、市有地対応や改修費補助、賃貸料補助ということなど、あらゆる手法を用いて、保育所の整備を積極的に進めてまいりました。本年度は、輝け横浜子ども青少年プラン、このプランの後期計画の策定年度ということになりますから、経済状況の変化や多様な保育ニーズなど、これらはよくよく分析をして、総合的な待機児童対策について検討をいたしてまいりたいと思います。
 人件費と運営費について、安定的な保証を図るということについてでありますが、入所児童が増えた場合には、定員内定員外を問わず、入所児童数に応じて保育所運営費を助成するという、こうした制度になっておりますから、この制度の中で対応をお願いをしていきたいと考えております。
 横浜保育室の施設運営の安定化や保護者負担軽減についてでありますが、横浜保育室は特に需要の高い3歳未満児の待機児童解消を図るということを目的に行っている事業でございます。平成9年の制度開始以来、障害児保育加算、保育料軽減助成、こういったことなども、各種助成の拡充を行っているところであります。今年度は認可保育所と同様、第3子目以降の保育料無料化を行って、保護者の負担軽減を図ったところでございます。
 公共施設や学校の空き室などの利用による本市直営で緊急に保育所を確保するということについてでございますけれども、公共施設については、施設の設置目的に沿った利用が日常的にされていなければならないわけでありまして、そういう意味では基本的にこれはされているわけであります。そういう意味で保育所整備に必要なスペースの確保というのは、いま困難だという状況にございます。学校の空き教室の活用ということについては、これまでニーズと条件が整ったというような地域5か所で、整備はしてまいりました。しかし、本来学校の空き教室が生じている地域は、未就学児が減少しているということにもなるわけで、保育ニーズが比較的少なくなっているわけですから、緊急的に保育所を整備する必要性が低くなっているというのが現状でございます。
 保護者の入所希望に沿った相談体制と仕組みをつくることについてでありますが、保育所入所待機となった保護者に対しては、保留決定通知を送る際に、認可保育所の入所状況や空き状況、横浜保育室などの案内を同封をしております。また、子ども青少年局ホームページ上で、各保育施設の入所状況を公表をするということもいたしているほか、区の窓口において専門職員がご希望の地域における保育資源の情報提供など、随時行っているところでございます。
 以上、答弁申し上げます。

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