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【2009年第2回定例会】「一般質問」 白井 正子

 実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

新型インフル対策に医師・看護師など医療職の充実を

白井議員:私は、日本共産党を代表して中田市長に質問いたします。

 はじめに、新型インフルエンザ対策について伺います。
 市民からの相談を最初に受け付ける本市の発熱相談センターは、市役所健康福祉局の保健所と区の福祉保健センターに設置されています。5月末日までの相談件数は、全市で2万件を超えました。局発熱相談センターでは24時間体制で受け付けており、党市議団が視察した5月22日は、昼間は14人体制、夜間は5人体制がとられていました。1日1200件の相談が寄せられる中、10人が電話を受け、相談内容により医師1人を含む4人の職員が発熱外来受診の判断をするなど、忙しく働いておられました。電話受付には派遣会社から看護師など専門職を受け入れようとしたが難しいということで、8人は一般のオペレーターの方でした。発熱相談センターはどの自治体でもはじめての設置で、急ごしらえで職員体制を整えるのに苦労された様子ですが、今後想定される秋冬の大量発生にも対応できるよう機能強化する必要があります。局発熱相談センターの電話受付は一般のオペレ-ターではなく、看護師など専門職が担うべきと思いますが、伺います。
 あわせて、区の発熱相談センターで行われている保健師・職員の対応に看護師など専門職を加配し、機能強化をすべきと思いますが、伺います。
 2007年に市内18区の保健所を1か所に統合し、各区の保健所は支所となりました。医師の数は、保健所は5人から11人と6人増えているものの、区では35人から17人と18人減っています。今回の新型インフルエンザ対応では、区の医師が局発熱相談センターに動員され、その間、区には医師が不在となっています。統合にあたり、緊急時には保健所の医師が区の支所を応援するから大丈夫と言っていましたが、実際には逆の状況になっています。局と区の医師が少ないということが明確になりました。局では、ホ-ムペ-ジや厚労省のホ-ムペ-ジで、常時医師を募集しているが応募がないと聞いています。市大や県内の大学との連携をとるなど、より具体的な医師確保策を講じて、早急に局保健所の医師を補充すべきと思いますが、伺います。
 また、区の福祉保健センター長は保健所支所長の役割を担っていますが、区によってはセンター長が医師でないところがあります。行政と地域医療機関との連携を強化する意味で、センター長は専門職であり権限のある医師を配置すべきと考えます。また公衆衛生の啓発をより推進する上で、また新型インフルエンザのどんな状況にも対応できるよう、区に複数の医師配置を検討すべきではないかと考えますが、伺います。

中田市長:お答え申し上げます。まず、インフルエンザ対策についてのご質問をいただきました。局の発熱相談センターのオペレーターへの看護師の配置ということでありますけれども、発熱相談センター、現在オペレーターが相談シートに基づいて電話で相談を聞き取って、その内容を基に医師・看護師を含む職員が判断を行うということにしているわけであります。職員は、医療相談や発熱外来受診についての判断、医療機関との調整などを行っており、適切にこれは対応できているというふうに思います。
 お聞きの方、誤解はなさっておられないと思いますが、オペレーターが聞いているのは、たとえばどこにお住まいですかから始まって年齢はおいくつですか、どんなところに出かけましたかというその聞き取りをやって、そしてその判断、これからのアドバイスというのは、これは医療職のものがやっているわけでありまして、そういう意味においてはむしろ、白井先生、これから先、仮に本格化した場合に、もっとそういうケースというのは必要になってくると思いますね。すなわち、看護師とか医師をその度に増やすということの方が、むしろ難しいわけでありまして、そういう意味では、聞き取りをやって、そしてその後に医療職がしっかり判断するということのための最初のことを聞いていくということなどを、もっとある意味ではうまくマネージメントしていくのが、これから先、今度より拡大をしたときなどは必要になるんではないだろうかというふうに思いますので、ご理解をいただければというふうに思っております。
 各区に発熱相談センターに看護師を配置することについてでありますけれども、各区の発熱相談センターに電話連絡をいただいた市民のみなさまの状況をお聞きをして、発熱外来の紹介が必要な場合など、専門的な助言や指導が必要な相談については、各区の保健師などの医療職によって、これも適切な対応を図っているところであります。
 局の医師の補充についてでありますけれども、局の発熱相談センターは現在24時間開設をしております。これは区福祉保健センターの応援も含めて全市的な取組ということで行っているわけであります。保健所体制としては、健康福祉局に保険行政医師を配置し、新型インフルエンザなどの感染症や大規模な食中毒発生等の健康危機管理など、保険事業部門を中心に政策立案や区福祉保健センターの支援策を行っているなど、必要な対応はこれも図られていると考えております。
 区の福祉保健センター長への医師の配置についてでありますけれども、区福祉保険センターはセンター長が医師以外の職種となった区もありますけれども、そのような区についてはセンター長が健康危機管理などに的確な対応が出来るようにというふうに考えまして、保険行政医師を配置して、医学的支援などを行う、そうしたかたちを取っております。また、健康福祉局の医師も、健康危機管理等必要に応じ、区福祉保健センターの支援を行っているところでございます。

(第2質問)白井議員:各区の保健センターへの医師の複数化の必要性について、お答えがありませんでしたので、この点についてお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

中田市長:お答えを申し上げております。区福祉保健センター、これはセンター長が医師以外の職種になった区もあるわけでありますが、それに対して必要な措置を講じて、横浜市としての対応を取っているということでございまして、この点、すでに答弁を申し上げているところでございまして、今後もそうした体制で、しっかりとサポートしてまいります。

小児医療費無料化を小学3年生まで所得制限なしに拡充せよ

白井議員:続いて、子育てに係る経済的支援について伺います。子育て支援・少子化対策は、子どもの医療費や妊婦検診、出産費用の引き下げなど経済的負担の軽減、保育園の増設や小児救急医療の整備など子育て環境の整備、子育てと仕事の両立支援、若い世代の雇用改善、賃金引上げ、働き方の改革など、総合的継続的に打つことなしには解決できないと言われています。横浜市の合計特殊出生率は全国平均よりも低く、その対策が待ったなしです。
 本市の子育て支援策を考える場合、経済的負担を解消し、社会全体で支えるという視点に立って、国とともに本市としてできることはすべてやるという立場に立つことが何より重要であると考えますが、市長の考えを伺います。
 私たち党市議団が政務調査で行った市民アンケート調査で、施策で実施してほしい項目の中で、20代30代で最も多かったのが、小児医療費を小学校卒業まで無料化してほしいというものです。小学生と幼稚園に通う子どもを持つ港北区内の母親は、次のように声を寄せています。「子どもは2人ともアレルギーを持っていて、1週おきに通院しています。幼稚園の子は無料ですが、小学生の子は毎月6000円かかり、家計を圧迫しています。下の子が小学校に上がれば2人分の医療費がかかるので、たいへん心配です」と。経済的負担の軽減には小児医療費助成制度の拡充がいかに効果的かを、裏付ける声でもあります。
 本市の制度拡充については、2006年7月に所得制限が緩和され、2007年4月に対象年齢が就学前までに引き上げられましたが、残念ながら所得制限の廃止には至っていません。
 本市の試算では、約7億円あれば、所得制限は続けるとしても小学3年生まで年齢を引き上げることができ、また22億円あれば、所得制限を廃止し、対象年齢を小学3年生まで引き上げることができると聞いています。
 昨年の本会議で市長は、年齢引き上げ・所得制限撤廃は財政状況を見ながら検討すると答弁されています。これまでの健康保険法の改正で窓口負担が3割から2割になり、また県の助成制度が就学前まで拡大されたこともあり、県内では就学前から小学3年生までにした相模原市、6歳から9歳までにした厚木市など、対象年齢の引き上げが広がっています。
 本市では、「子育て支援は緊急を要する重要な課題」と捉えていると聞いています。この課題が解決されるのかどうか、小児医療費助成制度の拡充は、国と自治体の子育て支援に対する姿勢を測るバロメーターとして、市民も注目しています。県内では小学6年生までが5自治体、小学3年生4年生までが8自治体など17自治体が本市の水準を上回っています。これらの自治体は財政に恵まれているわけではありません。本市も優先順位の考え方を変えて、対象年齢をせめて小学3年生まで引き上げて、所得制限撤廃に踏み出すべきと思いますが、伺います。

中田市長:次に、子育てにかかる経済的支援についてのご質問をいただきました。
 子育ての経済的負担の解消についてでありますけれども、国においては、児童手当制度の拡充、子育て応援特別手当の支援・支給などを実施して、経済的負担の軽減を行ってきました。こうした経済的負担の軽減でありますが、多額の経費を要するということになるわけですけれども、本市においても財政状況は当然厳しいということは多くのみなさんに共用していただいているわけですが、そのなかにあって、たとえば今年度は妊婦健康診査における受診費用の補助の拡充、認可保育所などにおける第3子以降の保育料の無料化ということなど、具体的にいくつか申し上げましたけれども、経済的負担の軽減については実施をしているところでありまして、今後も私どもとしての様々な観点からの検討はしてまいりたいと思います。
 小児医療費助成制度についてのご質問をいただきました。
 制度の拡充についてでございますが、子育て世代の経済的負担を軽減をして、子どもを産み育てやすい環境づくりを推進するというそうした観点から、これまでも段階的な拡充を図るというふうにしてまいりました。さらなる拡充については、先ほども申し上げましたけれども、大変厳しい財政状況もあります、そのなかで優先順位を考えながら検討をしていく必要があるというふうに思っております。

開港博Y150不振の責任をどう果たすのか

白井議員:最後に、開港150周年記念事業について伺います。
 5月末現在、入場者数は25万人という不振ぶりです。この事態は、前売り券の目標が300万枚に対し、到達が134万枚の販売状況を見れば、十分想定できたはずです。その時点で市民に販売状況を公開し、打開に向けて、協会の事業費の過半を負担する本市として、市長を先頭に事前に手を打つべきでしたが、それもなく本番に突入しました。
4月28日~5月6日までのゴールデンウィークの有料入場者数は約10万9000人で、1日あたり1万2000人でした。市長は、「まずは無料会場に来て様子を見ている人もいるようだ。十分これからにつながる数字と思う」と、事態を問題視することなく静観を決め込まれました。
 5月末までの有料入場者数は500万人目標の5%です。目を覆いたくなる数値です。この場に及んでも市長は27日の記者会見で、不振かどうか「判断すべき時期ではない」とした上で、「決定的なのはインフルエンザ」と出足の悪さを新型インフルエンザに転嫁しています。有料入場者数の不振を認め、その原因や要因を多方面から分析して、協会まかせにすることなく、打開策を講ずるべきです。最終責任者として、市長がそのイニシアチブを発揮するチャンスは今です。どうイニシアチブを発揮して責任を果たされようとしているか、伺います。
 主催者の横浜開港150周年協会が、生バンド付きビアガーデンの開設や夜間割引入場券の積極的PRなど打開策を打っても、小手先の感は否めません。収入の先行き見通しは極めて厳しいとみるのが自然です。本市からの協会に対する補助金だけで、83億円にも上ります。これ以上の市税等の投入は、到底市民の合意は得られません。収支計画の見直しは避けられないと考えます。どう見直しを図るのか、伺います。
 以上で、質問を終わります。

中田市長:次に、開港150周年記念事業についてのご質問をいただきました。
 入場者数の打開策ということでありますけれども、開国博Y150の入場者数については、これはもう当然多くの方が共有していただいていると思いますけれども、新型インフルエンザの影響は当然出ているわけですね。そのことはもちろんあったり、それから、中身ということについてのことも、いま様々新たなものを追加したりとか、こうしたことも行っているわけでありますから、入場者数の伸びというのはこれから先夏場においては増えていくということは、これは期待ができるというふうにも思いますし、その上での努力ということには私から協会にも伝えていくということでありまして、そうしたことを市役所としてもやっていくということになります。
 150周年協会では、ラ・マシンへ一般客の搭乗や、あるいは夜間プログラムを充実させたりなど、対策を順次実施をしているところでございます。
 開国博Y150の収支計画についてでありますが、開国博Y150の収入、これは市費のほか協賛金や入場料収入と、こうしたもので見込んでいるわけであります。協賛金についてはほぼ目標を達成しているわけでありまして、入場料収入についても目標を達成できるように、集客策や広報・宣伝活動の充実ということに今後も取り組んでまいります。
 以上、答弁申し上げます。