議会での質問(詳細)

2016年12月9日

■「一般質問」 宇佐美さやか議員

◎質問と市長・教育長の答弁は次の通りです。なお、実際には質問と答弁がそれぞれ一括して行われました。

災害時避難所となる地域防災拠点での実践的な訓練を

宇佐美議員:日本共産党の宇佐美さやかです。党を代表して質問します。
 まず最初に、災害時避難所となる地域防災拠点での炊き出しと訓練についてです。
 党市議団は11月14日から16日にかけて、熊本地震の被災地を視察しました。
 熊本市でも、国の計画に基づき地域防災拠点訓練マニュアルを作成し、リーダー等の役割を決めていたものの、実際には、多くの拠点で、水の配給に2、3時間待ってももらえず、給水車が空になったことを聞き、がっくりとひざを落とす人が出たり、炊き出しを貰うのに何時間も家族総出で並ぶなど、混乱が続きました。
 自らも被災・避難しながら避難所の開設・運営に携わり、リーダーとして活動された熊本学園大学の高林教授にお会いし、「プロパンガスだった家庭科室をフル稼働させ、炊き出しで温かい食事を提供することで、元気が出る避難所を目指した。実際、避難者に『お元気ですか』と尋ねると、『はい、ここの食事がいいから』と答えてくれることがあった。」と、当時の経験と教訓を聞きました。そして、「地震の死者は、直接死より関連死が多いことに着目すべき」と、話されました。
 11月29日現在で、143人の犠牲者のうち関連死が88人です。その原因は、避難所での劣悪な生活環境と、長引く避難生活によるストレスや持病の悪化などとされています。地震や風水害で助かった命を避難生活中に失うということなど避けなければなりません。
 本市で避難所となる地域防災拠点での生活の質の向上、とりわけ手作りの温かい食事を炊き出しすることがとても重要だということを、認識しました。
 そこで、まず、本市の地域防災拠点での炊き出しについて、都市ガスが止まった時の備えと、炊き出し訓練について、伺います。
 本市の「地域防災拠点訓練マニュアル」では、当面、灯油を燃料とした屋外で使用する稼働式の釜が小学校に、またプロパンガスを使用する釜が中学校に、それぞれ二つずつ600人分を想定し用意されているそうですが、発災時に想定以上の避難者が地域防災拠点に集中した場合、必要となる炊き出し設備としては不十分です。
 高林教授が避難した熊本市立尾ノ上小学校では、ピーク時で1,300人もの避難者が殺到したそうです。文部科学省が、地域の避難所となる学校施設のあり方」の中で、止まる可能性が高い都市ガス用の給食室のコンロを、プロパンガスでも利用できるように、ガス変換器を整備することが一例として示され、世田谷区や所沢市では整備を進めています。熊本の尾ノ上小学校の教訓を生かし、本市の拠点となる小学校の給食室と、給食室がない中学校には家庭科室に、ガス変換機を整備することを検討してはどうか、伺います。
 また、阪神・淡路大震災のように、大都市部での巨大地震では、長期の避難生活が避けられません。相模原市では、小学校の給食室を使用した炊き出し訓練が行われました。本市でも、小学校にある自校方式の給食室を活用し、給食調理員がリーダーとなってボランティアとともに温かい食事の提供ができるよう規定し、市の調理員も民間委託の調理員も普段から炊き出し訓練をしておく必要があると考えますが、どうか、伺います。
 本市の地域防災拠点訓練マニュアルでは、支援物資や水、情報は、拠点へ行かなくては得られないことになっています。自宅の倒壊等は免れ、自宅にいることを選んだ被災者は、自らが備蓄していた3日分がなくなった後は、拠点へ行かない限り情報も支援物資も得ることができません。すべての被災者が避難所へ行かれるとは限りません。地域防災拠点から、温かい炊き出しを運び、ご近所の安否確認をしながら回ることを、拠点の役割として持たせてはどうか、市長の見解を伺います。
 地域防災拠点の運営委員の多くは、自治会長や学校長が担っていると聞いています。訓練は、年1回から2回、それ以上行っているところもあるそうです。地域によって訓練内容はそれぞれ違い、参加人数が少ない所や、同じメンバーしか集まらないなどの課題もあるそうですが、やはり最大の課題は「実践的な訓練ができていないこと」と、関係者から聞きました。これでは、地域任せの状態です。毎年行われる訓練が発災時のパニック状態を想定した、より迅速に動ける訓練になるように、横浜市防災計画を作成した危機管理室と地域防災拠点と連携しなければならない区役所がイニシアチブを発揮してはどうかと考えますが、どうか、伺います。

林市長:宇佐美議員のご質問にお答え申し上げます。
 地域防災拠点での炊き出しと訓練について、ご質問いただきました。
ガス変換器の小中学校への整備についてですが、地域防災拠点の小中学校等における炊き出しは、学校の給食室や家庭科室などの配管などの設備にも被害がおよぶことを想定しております。よって、ガス変換器ではなく移動式炊飯器等を、備蓄をしているわけでございます。
 小学校の給食室を活用して、給食調理員がリーダーとなって、暖かい食事が提供できるよう規定すべきとのことでございますが。本市の学校防災計画では、震度5強以上の地震が発生した場合、給食調理員についても原則として学校運営の再開の業務を最優先としております。そのため、リーダーとして位置づけることは難しいと考えますが、災害の状況によりまして、学校再開業務に支障のない範囲で、拠点の炊き出しによる温かい食事の提供について協力してまいります。
 炊き出しをしたものを周辺に配りながら安否確認を行う機能を、地域防災拠点に持たせるべきとのことですが、地域防災拠点の運営は地域住民のみなさまが中心となった拠点運営委員会が、避難者の受け入れや炊き出し等を行うことになっております。発災後の混乱の中で、これらに加え、拠点の周辺にまで炊き出した食べ物を配り、安否確認を行うことは現実的には難しいと考えております。
 なお、在宅要援護者の安否確認については、自治会町内会や地域住民のみなさまなどのご協力を得て、区本部が行うこととしております。
 地域防災拠点訓練の実施に際し、危機管理室と区役所がイニシアチブを発揮すべきとのことですが。これまでも各地域防災拠点では、地域と区役所、消防署などが協力し、発災時のさまざまな状況なども想定した、避難所の開設・運営訓練を実施しています。今後、熊本地震から得た避難所運営などの課題を踏まえ、必要なマニュアル修正を行うとともに、訓練の実施については危機管理室と各区が連携し、的確に地域防災拠点運営委員会にアドバイスを行うなど、訓練の充実を図ってまいります。

社会福祉法人夢工房でパワハラ、投票強要、不当労働行為の数々

宇佐美議員:次に、社会福祉法人夢工房の不正への本市の対応について、伺います。
 本市で認可保育園3園を運営する、兵庫県芦屋市に本部を置く社会福祉法人夢工房の不正が発覚しました。法人理事長とその妻による私的流用と、補助金不正支出の総額は1億8,500万円です。本市の独自監査では、理事長妻による不適切支出、私的流用が判明した事案です。
 夢工房とは、社会福祉事業を、北は北海道札幌、南は沖縄と全国展開し、保育園20園、認定こども園を4園と、特養(特別養護老人ホームの略)などの介護施設を運営している法人です。このうち、運営を品川区から委託されているひろまち保育園は、2016年末で、5年の契約を1年で委託契約が解約される予定です。
 夢工房は、同法人に決まっていた鶴見区の公有地貸与型の保育園開設事業を辞退し、市は選定をやり直したため、開園が1年遅れる事態となっています。本年10月1日時点で鶴見区の待機児童数は34人、保留児童数で659人と、ともに18区中ワースト3に入っています。事態は、なおさら深刻です。
 兵庫県の指示で、法人内部に設けられた第三者委員会は、夢工房が全国で展開しているすべての事業所を調査対象にし、関係自治体へのヒヤリングを行い、調査報告書をまとめました。その結びで、「働く女性や住民を裏切った行為は許されない。待機児童ゼロ作戦で悩む自治体と保護者を手玉に取り、理事長らが今回の事件を起こしたことは許されない。」と、法人を厳しく非難しています。自治体と保護者が手玉に取られたことは、まさに本市への指摘と受け止めるべきです。
 鶴見区での新設にあたりこういった法人を選定したことは、結果的に誤りであったといわざるを得ません。夢工房の2012年度決算報告書によると、市内3園平均の人件費率は、全国の全法人の平均75%程度と比べて55%と著しく低く、一方で事業収益率は40%で金額にして2億3,000万円という異常さです。この年度は、3園だけで3億5,500万円を本部に持ち出しています。この高収益は、保育現場での必要以上の経費節減によるものであり、その結果、職員待遇や子どもの保育内容の貧困さを招いていることは必至です。選定にあたってこの点を見落としていた本市の責任は重大です。待機児童ゼロを掲げている市長として、夢工房を選定した結果、開園が1年遅れる責任をどう感じているのか、伺います。
 本市は、法人内部の問題はあっても、市内3園では保育サービスは問題なく提供できているとしています。しかし、報告書は、「組織の拡大を目指すがために、見学者や実習生を増やすことに重点を置き、新卒保育士確保のために保育士を母校に派遣してリクルート活動をさせるなど、保育士に保育以外のところに目を向かせた結果、保育士たちも疲弊している。このような保育士が疲弊しきった状況では、いい保育ができるはずもない。」とまで断定しています。
 さらに報告書は、夢工房で理事長やその妻によるパワハラや公職選挙法違反、不当労働行為の数々の事実を指摘しています。1.身体的な攻撃として、「職員の身体や机をたたく」「ファイルを投げつけられたことがある」、2.精神的な攻撃として、「実習生、ボランティア、受験生が減ると脅される」「研修に行かせてもらえない」、3.個の侵害として、「選挙での投票行為の強要をし、投票画面を理事長に送ることを強要された」「無料通信アプリLINEの加入の強制やスマホに買い換えを強制された」、4.経済的抑圧として、「残業をせざるを得ない状況でも、残業代が支払われない」「体調不良の有休は、いったん出勤しなくては休めない」などの不当労働行為が列挙してあります。
 市長は、調査報告書をご覧になっておられるでしょう。この報告書をどう受け止めたのか、伺います。
 このような実態が明かされた以上は、本市の3園において保育サービスが問題なく提供できているとの認識は、改めるべきです。見解を伺います。
 本市の3園において、報告書が指摘する「子ども保育の切り詰め」「子どもを育む姿勢の欠落」「職員へのしわよせ」「保育士の疲弊」「パワハラ・労働法違反・人権侵害」という事態が起きていないのか、早急に調査する責任が横浜市にあると思います、どうでしょうか。
 法人経営者の社会福祉を食いものにした行為が明るみに出たことによって、働く保育士らの仕事への意欲が低下していることが危惧されます。「子どもの最善の利益」を守るために、3園の保育士への支援強化と本市の監査体制の抜本的強化が必要と思いますが、それぞれ伺います。

林市長:社会福祉法人夢工房の不正について、ご質問いただきました。
 鶴見区で開園が1年延期された件ですが、夢工房の選定そのものは適正に行われておりまして、29年4月に向けて予定通り開園される見込みでした。法人が整備を辞退したことにより開園が1年延期されましたが、開園を心待ちにされている市民のみなさまにご心配をおかけしないよう、周辺の代替整備を進めていくなど、しっかりと対応しています。
 法人の所轄庁である兵庫県が法人へ設置を指示した第三者委員会の調査報告書についての見解でございますが、報告書では、理事長一族が法人を私物化したことで、架空勤務や私的流用などの不正行為が多数あったとあります。そして、宇佐美先生が細かく今ご説明をなされましたけれども、本当に、全くあってはならないなということでございます。特に、不正を正さなかった組織全体に問題があると、委員会では指摘しております。再発防止策として理事長の退任や理事会の一新などが提言されています。
 社会福祉法人の公益的性格から、一部の者によるこういう私物化は、とうてい許せるものではございません。そして、パワーハラスメントのところなどは、本当に私としては胸が痛くなるところです。こういった仕事をしているところのトップがこのようなことをするというのは、全く私も怒りでいっぱいでございます。第三者委員会報告書の提言がしっかりと今後、行われるべきだというふうに考えております。
 横浜市内3園の保育に問題がないという認識についてですが、定期の指導監査で一部軽微な指摘事項の改善を求めましたが、職員配置や施設環境などは適切に施されておりまして、保育士や子どもの様子に問題はなく、保育内容に不適切なものは確認されませんでした。なお、理事長一族の不適切な関与については、今後、法人が計画している組織の一新などで改善が図られるものと考えております。
 第三者委員会が指摘している子どもを育む姿勢の欠落について実態調査すべきとのことでございますが、保育に携わる方には子どもを育む姿勢を持っていただくことが重要だと考えます。定期の指導監査や特別指導監査、その後の運営指導を通じて、保育内容に不適切なものはなく、保護者と保育園の間で信頼関係が形成されていることを確認しております。今後も監査や特別指導のほか、適宜ヒアリングを行うなどによりまして、状況の把握に努めていきます。
 勤務している保育士への支援と監査の強化ですが、法人においては保育士に対して今後、園運営の改善に取り組むことを説明するとともに、就業継続の意向や処遇に関するアンケート調査を実施し、改善点の洗い出しに向けて取り組んでおります。アンケート結果を受け、今後体制が一新される法人理事会のもとで、改善を図って行く予定ということです。本市としても、法人による改善状況を注視するとともに、保育士の意欲低下による保育への影響がないように、運営指導や監査の中で指導を行ってまいります。

原発避難生徒へのいじめ問題での対応は“教育の放棄”

宇佐美議員:次に、原発避難生徒へのいじめ問題についての本市の対応についてです。
 現在中学1年生の男子生徒が、福島原発事故後、市内に避難した小学校2年生の時からいじめを受けたため、不登校を繰り返し、保護者の訴えで初めて表面化した重大な事案です。
 被害生徒が小学校5年生の時、「賠償金あるだろ」などと金銭要求された事実が、学校側から教育委員会に知らされたのは2014年6月。保護者の要求でいじめ防止対策推進法に基づく調査委員会を立ち上げたのが、2016年1月でした。被害児童と保護者の訴えを、何と実質1年7か月も放置していたことになります。
 いじめ防止対策推進法は、本人が心身の苦痛を感じたものを「いじめ」と規定し、心身や財産に重大な被害が生じた疑いのある場合は「重大事態」と定義し、学校や教員に事実関係の調査を義務付けています。ただでさえ原発避難者の子どもたちは、慣れ親しんだ地域や学校、親しい友達と離れ、全く知らない地に避難するという辛い思いをしています。その生徒が、原発事故による放射能放出と、国の避難者支援策に起因した、いじめを受けていたのです。心ない言動で苦しめられた親子の胸のうちを思うと、やりきれなさや怒りがこみ上げます。
 1年7か月という長期にわたって放置し、親子を苦しめたことは、教育委員会に原発避難者への寄り添う姿勢が欠如していたといわざるを得ません。傷ついた心に気付いてあげられない、寄り添うこともできないような教育委員会になっていたのではありませんか。教育長の見解を伺います。
 教育委員会が立ち上げた第三者委員会の報告書には、教育委員会に対して「学校と保護者との関係が良好でない状況下のいじめの調査は、速やかに教育委員会に諮問がなされ、調査を実施すべきであった。さらにもっと早い時期に調査を実施していたら、被害児童および加害を疑われている児童などに対して、教育的配慮に基づく適切な指導や支援をアドバイスすることも可能であった。いじめに関しては、早期発見、早期対応が何よりも大切であり、主観的推測や憶測を通じての対応は極めて危険である。」と指摘しています。そして、「教育の放棄」とまで断じています。さらに、教育委員会は、個人情報保護を理由に、報告書の事案の経過と事実関係を叙述した部分についてはいっさい公表していません。
 教育委員長(教育長の間違い)が、反省の弁を市民に向けて述べられたのは、12月3日開催のいじめ防止フォーラムの場でした。報道されて1か月が経過しています。児童・生徒・保護者も含め、世論も、学校と市教委の対応について不信感を募らせています。
 調査委員会からその対応が「教育の放棄」とまで指摘され、その上に事実関係を市民には知らせず、反省とお詫びがあまりにも遅すぎた教育長のもとでは、失われた信頼を回復し、市民に開かれた支持・信頼される教育行政をめざすことは困難と思われます。教育長の任命権者である市長の考えを伺います。
 幸いにも、被害生徒は生きることを選びました。この決断は11月29日現在、全国で同じ境遇にある13万4,000人の避難者や周りの大人を勇気づけた反面、放射能への無理解から、偏見や差別意識が社会にまん延していることも浮き彫りにしました。そもそも、避難生活を強いられるような事態を生みだした原発を全て廃炉にし、再稼働など止めるべきです。誰もが、本当に安心して暮らすことができる社会にしていかなければならないと思います。

林市長:いじめ問題について、ご質問いただきました。
 任命権者としての考えですが、教育長には第三者委員会からの指摘を誠実に受け止め、今回の事案の検証と再発防止の検討を着実に進めるように指示いたしました。大変に、私自身も反省をしております。任命権者としても、教育総合会議のリーダーとして、絶対に二度とこのようなことがないようにということで、決意をしているところでございますが。教育長につきましては、今は、この大変申し訳ないことでございましたけれども、この厳しい経験をもとに、真摯に捉え、これから二度とこういうことがないようという体制づくりをつくる、教育長がまさにリーダーシップを発揮してもらって、学校と教育委員会が一体となって、再発防止に取り組む、教育委員会の代表者の責務を果たすことが大事だというふうに考えております。よろしくお願い申し上げます。

岡田教育長:いじめ問題について、ご質問いただきました。
 教育委員会の対応についてですが、福島から避難されて横浜の学校に通うことになった児童が不登校となり、この間、十分な支援ができなかったことについて、大変申し訳なく思っています。なぜ、十分な対応ができなかったのか、対応が遅れたのか、どうすればよかったのか、しっかり検証し、再発防止に生かしていかなければならないと考えています。
 児童・生徒一人ひとりが内面にかかえている課題を理解し、子どもたちに丁寧に寄り添った支援を行えるよう、教育委員会と学校が、これまで以上に協力して取り組んでまいります。
 以上、ご答弁申し上げました。

南スーダンからの自衛隊撤退と核兵器廃絶を国に求めよ

宇佐美議員:最後に、平和首長会議の一員としての市長の今後の平和への取り組みについてです。
 戦争法ともいえる安保法制による新任務「駈け付け警護」などが付与された、陸上自衛隊の先発隊130名が11月20日、南スーダンに向けて青森空港を出発しました。南スーダン情勢を国会で問われた安倍首相は、「永田町よりは危険」「戦闘ではなく衝突」などと答弁しています。
 しかし、今年7月11日に南スーダンの首都ジュバで発生した大規模戦闘では、政府軍の兵士80人から100人が、国連職員やNGOの職員の宿泊するホテルを襲撃し、殺人、暴行、略奪、レイプを行うなど、国連に対する政府軍の攻撃が繰り返されています。国連の報告書には7月以降、政府軍と反政府軍との内戦が激化し、PKOや人道支援活動に対し執拗な妨害を繰り返していると明記されています。報道では、政府軍も反政府軍も子どもたちを拉致し、少年兵として訓練し、次の戦闘に備える動きや、今後、南スーダンは乾季をむかえ戦闘がさらに激化するとも言われています。このような状況においても、「停戦合意がなされているから安全だ」という政府の見解は誤りです。新任務付与により自衛隊が政府軍と交戦する事態も起こりかねません。政府軍との戦闘は、憲法9条が禁止する海外での武力行使そのものです。
 4月に起きた熊本地震でも被災地での救護活動や救援活動に奮闘された自衛隊員のみなさんの命を、海外の戦闘地域で危険にさらすことを、ピースメッセンジャー都市の称号を持つ横浜の市長が何も言わず見過ごして良いのでしょうか。国の専権事項ではすまないことです。市長は、自衛隊の南スーダンからの早期撤退を国に求めるべきです。見解を伺います。
 今年10月、軍縮・安全保障を扱う国連総会第一委員会で、2017年に核兵器禁止条約の交渉を開始するという決議が、123か国の圧倒的多数で採択されました。広島・長崎に原爆が投下されてから71年。世界は今、核兵器廃絶に向かって大きな一歩を踏み出そうとしています。核兵器のない世界を求め続けた被爆者の声が、世界と世論を動かし、いよいよ核兵器禁止条約を作るための交渉が開始されようとしています。条約が成立すれば、核兵器は人類史上初めて「違法化」されることになります。
 日本政府は、これまで棄権という態度でしたが、今回はアメリカからの圧力を受け反対に回ったとされています。これでは、世界で唯一の被爆国としての道義的な地位を失うでしょう。年内開催予定の国連総会本会議の場で、政府が反対を撤回した上で交渉会議に参加するよう、本市から政府に要望するべきです。見解を伺います。
 世界の平和への取り組みと同時に、国内でも大きな一歩が踏み出されました。11月に111自治体が参加し開催された第6回平和首長会議総会で、「被爆者国際署名に賛同・協力する」とした総括文書が採択されました。平均年齢が70歳(80歳の間違い)を超えた被爆者のみなさんは、世界中から核兵器をなくすことこそ次の犠牲者を出さないことにつながると、核兵器廃絶のために運動を続けてこられました。この被爆者のみなさんの運動をさらに発展させるために、埼玉県富士見市や千葉県佐倉市は、市のホームページで『ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名』を紹介し、市民のみなさんに署名への協力を呼び掛けています。
 本市でも、平和首長会議の一員である林市長自ら署名し、市のホームページなどあらゆる媒体を駆使して、市民に署名への協力を訴えるなど、署名の推進役を務めるべきです。そして、積極的に取り組んでいる都市のように平和の取り組みを充実させ、来年8月9日に長崎で開催される第7回平和首長会議に出席し、その取り組みを発言するべきです。この点についての見解を伺い、質問を終わります。

林市長:今後の平和への取り組みについて、ご質問いただきました。
 南スーダンについてですが、国に対して意見を申し上げることは考えておりません。
 核兵器禁止条約の交渉の決議についてですが、国連総会第一委員会での決議では、29年に交渉を開始されるとされておりまして、外務大臣は、核兵器のない世界に向けて前進を図る態度で議論に臨んでいきたいとコメントされています。今後、国が適切に対応すると考えております。
 核兵器廃絶の国際署名についてですが、国連において禁止条約の交渉が始まることもありまして、今後の動向を見守ってまいります。また、平和市長会議の参加については、現在、調整中でございます。
 残りの質問については、教育長より答弁させていただきます。

 

  • 2017年 市民要望アンケート

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