議会での質問・討論(詳細)
2017年2月23日

■「予算代表質問」 大貫憲夫議員(2017.2.22)

◎実際には、質問と答弁がそれぞれ一括して行われました。

憲法及び地方自治制度の役割を市長は認識せよ

大貫議員:私は日本共産党を代表して市長に質問いたします。
 先ず初めに市長の政治姿勢について伺います。今年2017年は憲法及び地方自治制度施行70周年の年です。そして、市政は、個人の尊重、幸福追求権を謳う憲法13条に則り、市民一人ひとりの幸福で豊かな生活を追及し保障するものでなくてはなりません。地域に根ざし、平和に生活することができる。それが市民の幸せであり、豊かさです。それを実現するために市民と市が共に努力をする、それが地方自治制度の精神ではないでしょうか。
 この70年という節目の年に当たって、憲法、地方自治制度がはたしてきた役割について、市長の認識、そして、市長在任中、その認識を市政にどのように反映させたのかをうかがいます。

林市長:大貫議員のご質問にお答え申し上げます。市政運営についてご質問いただきました。憲法、地方自治制度がはたしてきた役割についての認識及び市政への反映ですが、国民主権の理念のもと、地方行政の民主化を実現するため、憲法においては地方自治が制度として保障されています。この事により、地方と国が役割を分担し相互に補完しあいながら、市民生活の安全安心と経済の活性化を図るなど、地方自治が推進され国全体の成長につながったと考えています。横浜の今を支え、将来にわたり発展させる責任をもつ基礎自治体として、子育て、教育、福祉、医療、防災、減災、経済の活性化から街づくりまで、あらゆる分野において市民企業の皆様とともに施策を進めてまいりました。今後もしっかりと取り組んでまいります。

国追随の市政は地方自治制度の精神と対峙するもの

大貫議員:市長は2017年度予算案発表にあたって、国が推進する一億総活躍社会の実現などの取り組みと緊密に連携して、施策を推進するとしています。そして、戦略特区制度など国の成長戦略は、本市の施策を後押し、加速するものとしています。
 国は田中角栄首相の日本列島改造計画以降、これまで全国総合開発計画など5次に渡り国土開発を推進してきました。横浜市は、第4次全国総合開発計画に基づき1988年制定された多極分散型国土形成促進法において、業務核都市構想が打ち出されことを受け、業務核都市の育成・整備の支援制度である税制面、資金面等各種の助成措置が本市の施策を加速し、まちづくりに追い風になるとして業務核都市に手を挙げ、指定を受けました。その結果、国際総合競技場や戸塚駅西口再開発ビル、上大岡駅前再開発ビルなど身の丈を超えた、過大な需要見込みに基づいた大規模施設を、業務核都市の中核施設として官民合わせて35も整備しました。現在、全会計で4兆2000億円の借金を負う羽目になる最大の原因を作りました。その借金が現在、市民生活向上のための政策実施の手かせ足かせになっています。
 税制面、資金面等各種の助成措置が得られるとして、戦略特区制度などをはじめとする安倍政権の成長戦略の波に乗って、中期4か年計画で謳っている2025年に向けての都市戦略、本市の「未来のまちづくり戦略」を展開することは、これまでの業務核都市構想での本市の経験からも、現在と未来の市民に財政的困難を強いることになると指摘せざるを得ません。この、国追随の市政は、国と地方自治体は対等という関係が成り立たず、地方自治制度の精神から真っ向に対峙するものです。この指摘に対する市長の見解を求めます。
 林市長:国の動きと連携した施策の推進についてですが、急激に進展する高齢化や、東京への一極集中の加速など、横浜を取りまく状況が厳しさを増す中で、将来に渡り市民のみなさまの暮らしをお守りしていくため、中期4か年計画にもとづき、本市にとって必要な取り組みを進めております。一億総活躍社会の実現などの国の取り組みは、こうした本市の施策を後押しするものです。国と連携して取り組んでまいります。

市民生活・地域経済に根差した施策への大胆な予算の組み替えが必要

大貫議員:中期4か年計画は、「未来のまちづくり戦略」の初動として位置づけられています。それは、まちづくりに大胆な投資を行い、本市の経済を成長させ、法人市民税収入を増し、市民の福祉充実の財源を確保するという戦略です。この大胆な投資が、「都市インフラ・住宅ストックの老朽化」「自然災害への対応」「環境・エネルギー問題」「医療・介護」など、今、解決すべき課題解決の手を縛り遅らせています。
373万市民は今を懸命に生活し、子どもたちは日々成長し、高齢者は老後生活を送っています。今の課題に重点を置きながら、その課題解決が未来を豊かにする戦略ではなりません。
 市長は、混沌とした社会経済情勢のもとで、先の読めない状況だからこそ、横浜市は基礎自治体として、市民生活・地域経済に根差した施策を着実に進めていかなければならないとしています。その考えが真から出たものであるならば、今、抱えている課題の解決のためにも、同時に、横浜経済を発展させ法人市民税収入を涵養し、増やすためにも、市内建設業をはじめ中小企業が参加できる、市民生活・地域経済に根差した施策への大胆な予算の組み替えが必要ではないでしょうか。如何でしょうか。

林市長:予算の組み替えの必要性についてですが、基礎自治体には、子育てや福祉など市民の皆様の暮らしに直結する施策の充実や、市内経済の活性化、将来を見据えた都市基盤整備への投資など様々な役割があります。29年度予算についても、こうした考え方に基づいて編成をおこなっておりまして、道路や学校施設の修繕維持費の確保や、IOT等の産業活用への取組など、市内中小企業への支援のための必要な予算をしっかりと計上しています。

池子・上郷の緑地を市の責任で保全せよ

大貫議員:次に、緑地保全の問題についてです。2017年度に予定されている線引き変更によって、西区に匹敵する面積の市街化調整区域が市街化区域に編入され、多くのみどりが破壊されようとしています。
中でも、これまで県の都市計画区域の整備・開発及び保全の方針では、開発が規制されていた栄区の土地9.5㌶が今回の線引き変更で市街化調整区域から外され、同地域を含む31.9㌶の上郷町・猿田地区の一部として開発されようとしています。
 ことし1月17日、東急建設からの都市計画提案を受け、上郷町・猿田地区開発計画の市素案に関する公聴会が500人以上の参加者のもと開かれました。公述人11人のうち5人が賛成、6人が反対の立場で意見を述べたと報じられています。また、この開発計画には、11万筆を超える開発反対署名が市に提出されています。
 同地域の開発計画はこれまで2度、東急建設から出され、バブルの崩壊による事業の破たんや地元の反発などにより、頓挫しています。それにも関わらず、線引き変更を機に今回3度目の計画が出されています。
なぜ、今回、市は線引き変更までして同地域の開発を認めようとしているのかが問題です。それは、一番最初に計画が出された際の本市の誤りに、その原因があります。
 横浜市は1988年、東急建設に対し、通知書で「上郷開発計画にかかわる基本条件」を提示しました。その際、市は、東急建設に、4車線の都市計画線舞岡・上郷線、舞上線の整備を開発条件に加えています。しかし、開発許可を出す前に2車線で舞上線を東急建設に暫定整備させ、1990年に供用開始しました。そして、市が開発の許可申請を受理したのは2年後の1992年でした。このように、暫定整備として行われた舞上線整備は、結果として開発条件の前倒しであり、当然のこととして本来は開発許可後に行われるべきものでした。もし、このまま、その誤りに頬かむりして、開発に協力することは、みどり税を負担し、緑地保全に協力している市民に対する背信行為以外の何物でもありません。市長は舞上線整備にかかわる過去のいきさつにとらわれず、上郷開発計画の容認をすることなく、2017年度の線引き変更での同地域を市街化区域編入から外すべきです。市長の見解を求めます。
 そして、同地域をみどり税で購入することなどによって、何としても、市民の貴重な緑を保全しなければなりません。
 市内の緑の保全では、もう一つ大きな問題は、池子米軍住宅建設予定地で削られる36㌶の緑地の問題です。池子への米軍住宅建設について国は、家族住宅の不足をその理由として挙げていました。しかし、2004年の日米合同委員会では約700戸の建設が合意されましたが、その後2011年には385戸、2014年には171戸とその整備計画が変更されています。すでに住宅不足は逼迫した事態になっていないことを示すものです。さらに、2015年には根岸住宅地区のすべての居住者が退去しています。この事実は、米軍の地域同化作戦等により借り上げ住宅などで、住宅不足は解消されていることを示しています。池子への米軍住宅建設への理由はなくなりました。この機になぜ、政府に池子米軍住宅建設の白紙撤回を申し入れないのか。その理由を伺います。
また、日米地位協定第2条第3項に従い、すでに使用されていない根岸住宅地の返還を求めるよう国に申し入れるべきです。市長の見解を伺います。

林市長:緑地保全問題についてご質問いただきました。上郷開発の市街化区域編入についてですが、魅力あるバランスのとれた街づくりを推進するために都市計画道路である舞岡上郷線の北西部は、市街地の一体性の強化に向け、市街化区域に編入します。また、瀬上沢一体は市街化調整区域のままといたしまして、特別緑地保全地区や公園などとのすることによりまして、約20ヘクタールの豊かな自然環境を将来に渡って保全してまいります。今後は都市計画法に基づく縦覧などで広く市民の皆様からご意見をいただいた上で、都市計画審議会にお計りいたします。
 池子米軍住宅建設についてですが、米軍住宅建設などの安全保障については、国の専管事項でありますが、本市は平成15年に国から住宅等建設等、施設返還を一括のものとすると申し入れを受けました。これに対して、市会、市民の皆様からの様々なご意見をふまえて、16年に住宅等の建設について、国と具体的協議に応じるという方針を出しております。今後もこの方針に基づき国からの協議に対応していきます。
 根岸住宅地区の返還についてですが、根岸住宅地区は、平成16年に返還方針が合意されている施設区域であることから、本市はこれまでも市民、市会、行政が一体となって早期全面返還を求めてきており、引き続き粘り強く取組んでまいります。

原発避難生徒いじめ問題で、教育行政の信頼性を損ねた現教育長にその進退を問うべき

大貫議員:次は、徹底した検証と対策を求められている原発避難生徒いじめ問題についてです。
 いじめを受けた生徒から2月13日、市長あてに手紙が届きました。被害生徒は市長に直接会って、話を聞いてほしいといっています。今回、被害生徒側から市長に面談を申し入れた経緯は、「これ以上、横浜市教育委員会とのやり取りを続けていても、いたずらに被害生徒を傷つけることばかりであることから、被害生徒の訴えに耳を傾けていただきたい。市長に面談を申し入れた次第」としています。すでに被害者側と教育委員会との信頼関係は壊れてしまっているのです。被害者の生徒は、金銭授受は「いじめ」と認定されたものの、生徒の抱く「なぜ」のすべてが解消しないかぎり、つらく不安な気持ちを抱えたままだと思います。早急に被害生徒と会い、話を市長自ら聞くべきです。何故、すぐに市長は会おうとされないのか、明確にその理由を、市長ご自身から明らかにしていただきたいと思います。
 何よりも、訴えから1年7か月の間放置してきたことが最大の問題です。第三調査委員会の報告書でさえ、教育委員会の今回のいじめの対応は〝教育の放棄〞としています。その上、昨年11月15日、12月9日、そして、1月10日と三度にわたり被害生徒は、苦しく辛い心情を訴えてきたにもかかわらず、教育委員会は、そのすべてを無視しました。今回の市長あての手紙でも「どうして、お金を出せと言われたことを黒塗りにしたのか」「どうして、不登校について支援せずに放置したのか」など教育委員会に対し「どうして」を繰り返しています。いじめ防止対策推進法の成立過程と法自体を理解できす、まったく子どもに寄り添っていないかったことは明白です。この間の経緯をみれば、失われた信頼を回復し、市民に開かれた教育行政をめざすことは、現教育長のもとでは困難であると断言せざるを得ません。そして、今回のいじめ問題は、本市市民のみならず全国に、子どもに寄り添わない教育行政を行っている本市教育委員会を、現教育長のもとで事実をもって晒し出し、本市、教育行政のそのものの信頼性を完全に失墜させました。そして、その教育長を任命したのは市長です。市長はどのように責任をとるおつもりなのか、明らかにしていただく必要があります。事ここに至れば、市長は、現教育長にその進退を問うべきではないでしょうか。市長の見解を求めます。
 各地で、原発事故の避難先で、子どもたちに対するいじめが起こっています。これは、子どもいじめの問題だけではなく、国と東電が加害責任をあいまいにし、福島の切り捨てを進めるもとで、帰れる故郷を奪われ、困難な避難生活を送っている深刻な被害の実相が、社会に隠されているからではないでしょうか。その背景のもとで、本市の原発被害生徒へのいじめが起きたものと考えます。原発事故によるすべての被害者への二重の侵害を起こしてはなりません。その立場に立ち、市長の迅速な対応を重ねて望むものです。

林市長:原発避難いじめ問題について、ご質問いただきました。お子様との面会についてですが、わたくしとしても、お子様に大変辛い思いをさせてしまったことに対するお詫びと、再発防止に向けてしっかりと取組んでいくことをお伝えしたいと考えております。どのような形でお伝えするかは、お子様の気持ちを一番大事にしたいので、具体的なことは、お子様が望む形となるように調整をしております。
 教育長の進退についてですが、教育長は未来を担う子ども達の健全な成長と、教育を担うリーダーとして、このようなことが二度とくり返されることがないように、強い使命感をもって、再発防止に向けて最優先で取組むことで責任を果たすべきと考えております。
わたくしも総合教育会議を開催いたしまして、本市全体で再発防止策を取りまとめ、しっかりと取組んでまいります。

市長は法を破ってもIRを誘致するのか

大貫議員:次にカジノ誘致問題について質問します。
 カジノ誘致は、ギャンブル依存症患者の増加と同時に、さまざまな問題を抱えています。
市長はこれまで「カジノを含めた統合型リゾート施設IR導入は、横浜の持続的な経済成長のためには必要」と強調されてきました。しかし、IRの本質はカジノ収益を使って様々なエンターテイメント施設やモールなどでのサービスを安価に提供し、それによって大量のお客を呼び込み、囲いこみ、客を外に逃がさないというシステムです。IRに来た客は、ほとんどその周辺には足を運びません。
 世界のカジノ大手が日本進出を狙う目的は、カジノでの収益はもちろん、IR施設の大部分を占める劇場やショッピングモール、レストラン、展示場や会議施設などでの収益を上げることです。アメリカ・ネバダ州の調査では、ホテルや、物販、劇場などの2016年の売り上げは、112億ドルとカジノの倍近くになっています。カジノ大手のラスベガスサンズは、2011年以来5年間で134億ドルを株主に利益還元しています。世界のIR市場後発となる日本のIR型カジノは、必然的にカジノ運営のノウハウを持つ外国資本が担うことになります。米国のカジノ資本が日本へ上陸を虎視眈々とねらっているわけです。まさにカジノ解禁はカジノを核としたホテル、物販、劇場の総合施設IRによって日本人の懐からお金を吸い上げ、海外への流出を起こすということは、必至ではないでしょうか。この点についての市長の見解を求めます。
 さらに、カジノ推進法にかかわる国会審議では、日本人のカジノへの入場を禁じない方針が示されています。国際カジノ研究所によるとカジノへの入場者は年間約4400万人。そのうち約9割を日本人が占めると推定しています。しかも、1997年にオープンしたメルボルンのIRクラウン・リゾートの実績では、利用者の60%がIRから1時間以内の地元の客です。IRという巨大な、何もかも吸い込むブラック・ホールが山下ふ頭に誘致されれば、周辺地域のマネーが吸い込まれ、周辺や横浜全体の経済は混乱に陥ることは必至です。それでも市長は、IRは横浜の持続的な経済成長のためには必要とされるのか、明快な回答を求めます。
 さらに、シンガポールのギャンブル依存症対策協議会NCPGは「カジノに通う10名のうち4名が依存症になる可能性があるといわれている」としています。また、カジノに通いやすい環境にある住民の依存症率が、高いことが米国の調査でも明らかになっています。市内の高齢者がギャンブルを通じて、老後の生活資金を失う危険性はないのか。この点についてもお答えください。
 地方自治体には、精神保健福祉法第2条で「精神疾患の発生を防止する義務」が課せられています。市長が誘致しようとしている山下ふ頭の敷地の70%は、市有地です。そこにカジノを含むIRがつくられることになれば、ギャンブル依存症患者を発生させ、この法律に真っ向からぶつかります。市長は法を破ってもIRを誘致する考えなのか伺います。
 共同通信の調査によれば、カジノ解禁に約70㌫が反対しています。市民生活と地域経済に重大な影響を及ぼすカジノ誘致についてアンケートを実施し、市民の賛否を問い、市民の意見を聞くべきだと考えますが、この点での市長の見解を伺います。

林市長:IRについてご質問いただきました。海外への資金の流失についてですが、昨年10月に成立交付されたIR推進法では、IRの整備の推進が、観光および地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものなどと定められております。具体的な内容については、今後国会等での議論を経て、国から示されるものと考えております。引き続き国の動向を見極めながら、横浜市は調査研究を進めて行きます。
 横浜の持続的な経済成長のための必要性についてですが、今も申し上げましたけど、IRの整備の推進が観光および地域経済振興に寄与するというふうに、そして財政の改善に資するというふうに国では定められております。しかし、わたくしとしては、前提として、依存症などの懸念事項への対策がしっかりと講じられるべきと考えております。地域経済の振興に関する具体的な内容、今後、国等での議論を経て、国から示されるとお思います。わたくしどもとしては、この依存症の懸念事項への対策をしっかりと研究してまいりたいと思います。国もそれを最優先に進めていると思います。
 高齢者の老後の生活資金への影響でございますが、依存症等の対策に対する具体的な内容、今、国もしっかりと検討検証しております。横浜市としても前提となる、依存症等の懸念事項への対策が最優先であるというふうに考えております。
精神保健および精神障害者福祉に関する法律との見解についてですが、他の法律等との整合性には、今後の国の回答での議論を経て、国から示されるものだと考えております。
市民の意見を聞くべきとのことですが、具体的な手続きについては、今後国会等の議論を経て、国から示されるものと考えておりまして、くり返しますけど、依存症等の懸念事項への対策をしっかりやっているというところでございますので、それからという形でございます。具体的な手続き等、また国からも示されるかと考えております。

ヒバクシャ国際署名に率先して応じよ

大貫議員:最後の質問は核兵器廃絶への取り組みについてです。
 昨年第4回定例会で、わが党は、平和首長会議の一員である林市長自ら「ヒバクシャ国際署名」に署名し、市のホームページなどあらゆる媒体を駆使して、市民に署名への協力を訴える署名の推進役を務め、積極的に来年、つまり今年8月9日に長崎で開催される第7回平和首長会議に市長自らが出席し、その取り組みを発言するべきだと市長の核兵器廃絶にかかわる対応を求めました。そして、その答弁は、「核兵器廃絶の国際署名は、国連において禁止条約の交渉が始まるので、今後の動向を見守る」という、まさに主体性のないもので、平和首長会議の参加については、現在、調整中として、この問題での後ろ向きな姿勢を示されています。
 ロシアのプーチン大統領がウクライナ・クリミア半島併合をめぐり、核戦力を臨戦態勢に置く可能性があったと発言し、米国は「核能力を大いに強化・拡大する必要がある」とツイッターで発言したトランプ氏が米大統領になりました。核兵器や戦争、環境破壊などを原因とする人類の「終末」が発生する時刻を午前零時とし、それまでの「残り時間」を象徴的、仮想的に表した世界終末時計は、残り時間2分30秒を示しています。
 しかし、同時に核兵器廃絶の大きなうねりが起きています。市長もご存じのとおり、昨年12月国連総会で、核兵器禁止条約締結交渉を開始する決議が113か国での賛成で採択され、今年3月27日、その決議を受け、核兵器禁止条約の交渉会議がニューヨークで開催されます。
核兵器禁止条約は、核兵器保有国が欠席しても国連加盟国の多数が賛成し条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて違法化されることになります。これが核兵器のない世界への現実的な取り組みです。核兵器保有国は、法的拘束力は受けなくても、政治的・道義的拘束を受け、核保有国による生産・保有・使用だけでなく、他国への核兵器配備や核兵器搭載艦船の入港もできなくなる可能性が広がります。本市に核の脅威を与えている、横須賀への原子力艦船入港を阻止することも可能になります。核兵器廃絶への新しい段階に来ています。その立場から、市長は、市民運動の先頭に立っていくべきです。

林市長:核兵器廃絶に関する姿勢について、ご質問頂きました。国際署名については3月下旬から、国連において、核兵器禁止条約の交渉が始まることもありまして、引き続き動向を見守ってまいります。4年ぶりに開かれる総会に横浜市として出席したします。出席者は現在調整中でございます。今後もピースメッセンジャー都市として核実験を実施したあらゆる国に抗議していくとともに、国際平和をテーマとしたイベントや核兵器廃絶にむけた市民活動の支援などの取組みを進めてまいります。
以上、大貫議員のご質問にご答弁申し上げました。


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