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■環境創造局 宇佐美 さやか議員

現状のみどりを守り、失われたみどりを上回るみどりの創出を

宇佐美議員:日本共産党の宇佐美さやかです。党を代表し質問します。
 まず、はじめに、緑の保全と創出についてです。
 現在示されている線引き見直しの都市計画変更案では、40ヘクタールもの緑地や畑が市街化調整区域から市街化区域に編入されます。多くの緑が破壊されることについて、環境創造局としての見解を伺います。

大熊環境創造局長:今回の線引き見直しは、市街地の形成と緑のバランスに配慮しながら、魅力と活力にあふれる都市づくりの観点から、都市計画素案が策定されているものと認識しています。

宇佐美議員:バランスを取りながらといわれていますけど、やはり、編入されれば40ヘクタールもの緑地や畑、自然の生態系が無くなることになります。緑地を守る立場の環境創造局としては、矛盾していると思いますが、今後は、緑を守ることにも力を入れながら、さらにみどりを創りだすことにも力を入れなければならないと思います。特に、市街化区域での宅地開発が止まらない中で、本気になって失われるみどりを上回る緑を創りだす取組が重要です。そこで、2017年度のみどりを創る取り組みの内容と、予算額を伺います。

大熊環境創造局長:市民が実感できるみどりを創る取組みとして、民有地や公共施設の緑の創出、市民協働によるみどりのまちづくりを進めます。また、都心臨海部では、公園や街路樹などの公共施設を中心に季節感のある、みどりや花による空間づくりや質の高い維持管理を進めます。
 平成29年度のみどりを創る取組みの予算額は約16億円です。

宇佐美議員:では、みどり税を徴収して以来行ってきた、みどりを創る取り組みと、今後の、この予算で市街地にどれだけのみどりを創りだすことができるのか、伺います。

上原みどりアップ推進担当理事:平成26年度から平成27年度までに、区庁舎などの公共施設38か所、公立及び民間の保育園、小中学校など82か所において、緑化を行いました。また市民協働によるみどりのまち創りでは市内の26地区において市民のみなさまの緑化の取組みを支援しました。さらに都心臨海部の山下公園や港の見える丘公園など10か所で、緑や花による賑わいの創出を進めました。今後も横浜みどりアップ計画で掲げた5か年の目標を着実に達成できるよう取組みを進めていきます。

宇佐美議員:市民の皆さんが植えてくれるのを待つように聞こえるんですけど、本市の緑被率は、2014年度で28.8%です。2004年度31%から減少しています。
 現行の法体系のもとでは、市街化区域における開発を規制することはできず、みどりの破壊は、どんどん進んでいきます。みどりをつくることに力を入れなければ現状の維持すらできないことになります。なお一層の奮起されることを期待し、次の質問に移ります。

自ら決めた太陽光発電設備の導入目標を達成できる取組み強化を

宇佐美議員:次は、地球温暖化対策についてです。
 横浜市民が消費する電力は、電力自由化になったとはいえ、ほとんどが東京電力に依存しています。既存原発の再稼働を世論が認めない中、東電は、電源を、石油、石炭、天然ガスに依拠しています。それに伴い温室効果ガス排出が増大しています。市内の2010年度の温室効果ガスの排出量は1,929万トンから2014年には、2,137万トンと増加の一途をたどっています。この事態を放置しておくことは、地球温暖化を止めるうえで良いことはないと考えます。 
 昨年11月に発効し、日本政府も遅ればせながらも批准した「パリ協定」について、説明をお願いします。

大熊環境創造局長:パリ協定では、京都議定書に代わる2020年以降の温室効果ガス排出量の削減などを定めた気候変動にかかる新たな国際的な枠組みです。
 主な特徴ですが、歴史上初めて全ての条約締約国である197の国と地域が参加した合意で、削減目標を自ら定めて5年ごとに提出・更新をすること、産業革命前からの平均気温の上昇を2度未満に抑えること。各国は気候変動の影響に適応する取組みを進めることなどが盛り込まれたものです。

宇佐美議員:とても難しいように聞こえるんですけど、今世紀後半の温暖化効果ガス排出を実質ゼロにすることを目指すのがパリ協定です。日本が提出した目標は、2030年度までに2013年度比で26%減とするだけのもので、とても不十分ですが「パリ協定」を受けての本市の対応は、どうなるのか伺います。

野村温暖化対策統括本部長:パリ協定を契機といたしまして、国の動きと連動し、さらに温暖化対策を強化していくため、気候変動適応方針の策定や、地球温暖化対策実行計画の改定を進めていきます。合わせて本市自らの取組み強化や、市民、事業者、関係団体など様々な主体のみなさまと連携し、温暖化対策のさらなる強化を図っていきます。

宇佐美議員:本市は、2014年度に横浜市地球温暖化対策実行計画を策定しています。その中で、地球温暖化対策においてトップランナーを目指すとしています。では、この計画で掲げている太陽光発電設備の導入目標はどれくらいか伺います。

黒水温暖化対策統括本部副本部長:本市の地球温暖化対策実行計画において、平成32年度までに合計で約33万キロワットの太陽光発電設備を導入する目標としています。

宇佐美議員:2020年度までに33万キロワットを目指しているということですが、では一番近いデータで、太陽光発電の導入状況と今後の取り組みを伺います。

黒水温暖化対策統括本部副本部長:太陽光発電については、これまで約1万3,000件の導入補助を行い、また一定規模以上の新築、増改築を行う建築物に対して再生可能エネルギー導入の検討を義務付ける制度などを実施するなど普及に努めてまいりました。さらに国の固定価格買取制度が一般に浸透してきたことなどによって、平成28年10月末時点の推計で約2万6,000件、約12万7,000キロワットの太陽光発電システムが導入されています。

宇佐美議員:昨年の10月現在で約2万6,000件、12万7,000キロワットまで導入が進んでいるということですが、計画で掲げた2020年度までに33万キロワットですよね。このままでは目標を達成できるか心配になります。目標達成に向けて具体的な方針をお持ちなのか伺います。

野村温暖化対策本部長:平成27年3月に策定したエネルギーアクションプランにおいて、市民、事業者における省エネ行動や、太陽光発電など再生可能エネルギーの利用を位置づけて、取組みを推進しております。これまでも固定価格買取制度により、27年10月から翌年10月末までの直近12か月の導入状況は、約2,300件で約1万9,000キロワットと着実な導入が進んでいますが、委員ご指摘の通り、目標達成に向けてはさらに導入促進のための取組みを広めて行く必要があると考えています。
 このため、本市自らも再生可能エネルギー率先して導入するとともに、太陽光発電の導入によるメリットを分かりやすく伝えるなど、市民、事業者のみなさまの導入促進につながる普及啓発を協力に進めていきたいと考えています。

宇佐美議員:パンフレットいただいたんですけど、なかなか難しくて読み込めないので、ぜひ分かりやすくしていただきたいと思います。
市民が地球温暖化対策について真剣に考えるために、何が必要になるとお考えですか。お答えください。

野村温暖化対策本部長:温暖化対策は、二酸化炭素の排出量や使用中の電力量などが見えづらく、実感しにくい。この点が取組みの推進に向けた大きな課題だと感じています。だからこそ行政のみならず、企業、大学、NPOなど多くのみなさまと連携しながらそれぞれの立場から、分かりやすい普及啓発を推進して行くこと、これが重要であると認識しています。さらに省エネ、創エネなどの対策にとどまらず、集中豪雨による住宅浸水や、猛暑による熱中症の増加など気候変動の影響に対応する適応策と合わせてお伝えすること。こういった取組みを広げて行くことが、そして省エネ、創エネなど行動につなげて行く取組みというふうになっていきたいと思ってます。

宇佐美議員:ぜひ広げていただきたいと思うんですけど、パリ協定をふまえれば、より高い温室効果ガス削減目標を掲げることが本市にも求められています。目標達成には、更なる省エネと再生可能エネルギーの拡大が必要です。ここでも地方自治体の役割が決定的に重要です。この自覚のもとで、大都市にふさわしい創エネ施策を展開されることを要望して私の質問を終わります。