議会での質問・討論(詳細)
2017年3月8日

■港湾局 大貫憲夫

まず計画ありの道路は、事前の調査や数字よりカジノ誘致優先と思え反対

大貫議員:共産党の大貫です。臨港幹線道路の件でお話し聞きたいと思うのですけれども、新聞報道などによりますと山下公園の前に海底トンネルを造ると、という新聞報道がありましたけれども、あれは臨港幹線道路の一部として位置づけられていると思うのです。まず、臨港幹線道路というのはだいたいどのようなものなのか、概念、コンセプト、現状どうなっているのか、更に今、途中で止まっている理由は何なのか、その点についてまとめてお願いします。

伊東港湾局局長:まず位置づけでございますけど、計画策定したS57年当時、市街地の道路は、一般車両、それから大型の貨物車による渋滞が引き起こされておりまして、港湾機能の円滑な発揮を図る上で大きな支障となっておりました。このことから港湾施設の整備ですとか臨海部の再開発などに伴う発生交通の円滑な処理を図ることを目的として位置づけたものでございまして、現在の整備状況は計画中の新本牧ふ頭含めますと全長約12キロメートルになります。現在供用しておりますのが、瑞穂地区から新港地区に至る約3.2キロメートルでございまして、最後の質問の整備が途中止まっているのかというお話しですけれども、これは止まっているわけではなくて、臨港幹線道路、臨海部の各地区における基盤整備の進捗状況など将来の交通需要、周辺道路網の整備状況、これを踏まえまして必要性の高いところから順次整備を進めております。まずみなとみらい中央地区から整備を始めておりまして、引き続き新港、山ノ内、瑞穂地区、こういったところを整備したということでございます。

大貫議員:スライド使用の許可をお願いします。(スライド1)

港湾局スライド1

 これは港湾計画ですけれど、今おっしゃったように各ふ頭をつなげるというのが、この臨港幹線道路の目的です。おっしゃったように交通量、市街地に行く大型港湾関係の車を中に通すということだと思うのだけれども、私は今なぜ、現実見るともう市内の特に海岸道路と言われた道路ついては、いわゆる大型港湾の車両はもう通ってない、余り、だから目的は果たしているのではないかと思うのですがいかがですか。

伊東港湾局局長:ご指摘の通り、例えば国道357号、こういったものも開通しましたので、物流動線については一定の整備が図られたのではと考えております。一方で先ほど位置づけで申し上げましたけれど、臨港幹線の整備目的、臨海部の再開発、並びに今後の土地利用に伴う発生交通に伴う円滑な処理という目的もございまして、先ほど来申し上げているMM地区から瑞穂地区、開発の状況に合わせて整備を行ってきました。今後山下ふ頭の再開発に合わせて整備を進めていきます。実際に357号が開通したH16年ですけれどコンテナ車両7割減ったのですが、総量では一般車両が増えてしまって約6%増えている、そういう現状でございます。

大貫議員:先ほどお話になっていたコンセプトはこれですね。(スライド2)赤いところですね。

港湾局スライド2

 先ほどお話があったように大型貨物が入らないようにと、それはもう一定クリアしたと。しかし一番最初の臨港幹線道路は、そのために造ったというのが一番最初のコンセプトであって、そういった意味では臨港幹線道路そのものは初めのコンセプトから考えると必要なくなったと、という認識に立つ必要があるのではないか。

伊東港湾局局長:先ほど申し上げた通り物流動線については確かに357ができたことで、ただ臨港幹線道路を当初計画した時には国道357号つくるという計画はございませんでしたので、ベイブリッジの…計画はありましたが、こんなに早くできるということではありませんでしたので、そういったことをやりましたけれども、一方で都市再開発のための道路でもあったということで、そこに概要にも書いてございますけれども、下の臨海部再開発並びに今後の土地利用に伴う発生交通の円滑な処理を図る、そういったことも目的になっています。

大貫議員:その読み方だけれども、あくまでも市街地に大型車両を入れないと、そのために各ふ頭間の連絡が必要なのだ、としか書いていないです、臨港幹線道路は。だから臨港幹線道路の目的は終わったのだという認識が必要だと思うのです。それからまたスライド映します。(スライド3)

港湾局スライド3

 先程局長が言ったように、357が出来たから既にはっきりしているように、完全に357を使って港湾関係の車は外に行ってしまうと、そのようになった時に初めのコンセプトから考えた時の臨港幹線道路というのは、改めて必要なかったのだ、その上でさらに違った目的で必要になったのだというようにしていかなければいけないのではないか。

伊東港湾局局長:何度も申し上げますが、S57年当時は確かに一番の課題は、大型車両が市街市道、特に本町通り、コンテナ街道と言われるようなことがございましたので、それが一番の目的だったことは間違いないと思います。それが357によってだいぶ改善したことは事実です。ただ一方で当初から計画としてはみなとみらい地区をはじめとした都市開発に伴う、円滑な交通計画、これを作るための計画でもあったわけでございます。

大貫議員:今お話になっている、円滑な交通体系とおっしゃているのは、はっきりできるのは、この時一番最初はそれは無かったというのははっきりしたと思う。その上で今おっしゃったような円滑な交通体系が必要なのだということで、今度は山下公園の前に海底トンネルを造るということなのでしょう。そこをはっきりさせた方が良いと思うのです。その上でその海底トンネルの話しが、今どうなっていますか。

伊東港湾局局長:現在国におきまして、H28年度の検討内容ということでございますけど、本牧から新港ふ頭まで、この区間につきまして道路本体の構造ですとか、本牧ふ頭にございます、国道357号との接続、あるいは山下ふ頭における出入口などについて検討をおこなっております。本市でも新港ふ頭における臨港幹線道路、本線への出入口ですとか、将来臨港幹線が357や山下ふ頭に接続された際の瑞穂地区周辺の既設道路との接続など、そういった検討をおこなっている、そんな段階でございます。

大貫議員:そうすると、この道路を造る案にあたって、大きなお金がかかります。私もその当時30年前議員でしたから、この問題大きくなったのです。沈埋でやるのか、掘るのか、相当お金がかかるわけです。そういった財政をかける以上はこれが本当に必要なのか、という調査が事前にあってしかるべきだと思うのですけれども、それはただ単に必要だからと言うのであれば、何でも必要なわけで、具体的にこの道路を造るために事前に交通発生量はどれくらいあったのか、それが今後どうなるのか、それから山下ふ頭の再開発によってそれがどんなように関わってくるのか、全部調査をした上で考えることではないですか。

伊東港湾局局長:確かに事業費、かなりな金額をかけてこれまでも造ってきておりますけれども、港湾計画におきまして計画交通量というものは、積算という調査をしております。だいたいH37年頃には側道を含めますと1日5万1,000台ぐらいが交通量が発生するだろうと。現状は2万台程度なのですけれども、そういったことで臨港幹線を整備しない場合には申し上げた5万台、ないしは本線部分は3万5,000台なのですけれども、これが既設の一般道でさばく必要が出てまいりまして、交通渋滞を招くのではないかというふうに思っています。それから山下ふ頭に関しましては、H27年度に策定しております、都心臨海部再生マスタープランこれで道路インフラの強化拡充と臨港幹線道路を位置づけておりまして、MM地区と山下ふ頭を直接道路で結ぶことによりまして、二つの地区が一体的に機能し大きな相乗効果が期待できる、そういうふうに考えております。

大貫議員:先程357が出来て市内の交通量が6%増えたとおっしゃっていたけれど、あれはあくまでも県警の前の道路でしょう。そういったことを考えるとその県警の前の道路というのは決して港湾関係に関わる発生とは限らないわけですから、それで今おっしゃったように確かに今後は山下ふ頭の再開発の中で必要な道路だとおっしゃっていますけど、実際にそれが何回も言うようだけれど多額のお金を掛けてやる以上は今おっしゃっていた発生交通量だってきちっといつやったのか我々わからないので、いつやったのか、そこもそしてそのデーターというのは明らかにする必要があると思うのですが、いかがですか。

伊東港湾局局長:先ほど申し上げました交通量調査は、これはH26年の港湾計画の改定時に行っております。それにつきましては、ちょっとどこまで公開しているかはわかりませんけれども調べますが、港湾計画の改定した内容については公表しております。

大貫議員:私考えるのだけれども、必要でなくなった臨港幹線道路の理由で、山下公園の前に海底トンネルを造るというのは、本当にそれが必要であるのかどうか、市民的にははっきりしないと思うのです。おっしゃっているように将来は必要だと言うのであれば、どんな道路だって便利なものは必要になってくるわけだから、どうしてあそこが必要なのかということをはっきりさせないといけないと思っています。この問題で言えば、最後ですが、私は山下ふ頭に今IRを誘致しようという動きがあります。そのための事前の道路を造ること、道路計画を造ることによって事前の下準備をして行くのではないかというふうに思われても仕方がないと思うのです。そう言った点ではこの問題については、やはりきちっとしたデータと市民に対しての説明が必要だと、決して将来のIR、これを入れるための下準備であってはならないと言うことを言っておきます。

国の言うままでなく、横浜の港が後世に残るような計画、方向性の模索を

大貫議員:もうひとつ、コンテナの問題です。
 コンテナについては、マースクラインが昨年(欧州航路)休止しました。その経緯について説明してください。

伊東港湾局局長:今ご指摘頂いたのはマースクラインが今南本牧についておりますけれども、ヨーロッパの各港と横浜港を結ぶAE1というサービスでして、2Mアライアンスによって運行されていたのですが、これがH28年6月末をもって休止しました。理由としては、横浜港からヨーロッパ欧州へ向かう貨物は、非常にヨーロッパ航路、寄港地も多いですし距離が非常に長い、日本はヨーロッパからすると一番遠い、最遠地ということで非常にリードタイムも長いので、運ぶ輸送日数が。ということで横浜港と南アフリカ航路を結ぶ航路を生かした積み替えに変えまして、引き続きヨーロッパ向けの荷物はそれで輸送している、そういう状況です。

大貫議員:荷主の反応はいかがですか。

伊東港湾局局長:その休止をしたのが6月末なのですけど、それ以降AE1というサービス、これを利用していた荷主企業を我々も訪問しております。日本寄港休止について色々なヒアリングもしてまいりましたけれど、先ほど申し上げたように輸送日数の延長や積み替えによる貨物の損傷、そういったことがないということで欧州航路の休止による影響はおおむねないといった回答を頂いております。

大貫議員:そうすると荷主さんは直航でなくてもいいよと、正に今言われていたようなこれまでの横浜欧州の直航はなくても途中トランシップであったとしても、問題はないんだという荷主さんが多いということですね。それと同時に、今回のこれ、幕末明治以来の外国籍による欧州直航便が最後はマースクだったわけですね。それがなくなってしまったということについて、休止したということは、非常にショックだと思うのです横浜としては、そのことについてはどのように考えていますか。

伊東港湾局局長:確かに、AE1がなくなったというのは大きいのですけれど、ただご指摘の通り、やっているのはマースクラインと日本の船会社がアライアンスでひとつやっているだけということで、もう世界のすう勢としては直航便というのは欧州航路はないということだと思いますけれども、ただあったことに越したことはないというふうに私は思っておりまして、ただ貨物輸送が確実に、先ほど荷主企業の見解申し上げましたけれど、やはり便利になってヨーロッパ向けの荷物が行くっていうことは、それは一方で非常に大事なことだと思っておりまして、実はAE1が廃止休止をしたのですけれど、その後AE6というサービスが、その後ですけど、できまして、それは振り子サービスのような形で北米に行ってまた横浜に戻って、それからヨーロッパに行くと、そういう航路も寄港しだしましたので、今後状況を見ながら船会社、だいたい半年から一年くらいで航路の再編というのを良くやりますので、引き続きマースクラインにそういう働きかけをまたして行きたいと思います。

大貫議員:先ほど局長はリードが長いと色々な問題があると、それが理由だとおっしゃっていたけれど、そうではないでしょう。要するに世界は大型船がどんどん入ってきて、2万TEU系がこれが主流になってくると、そうするとより寄港が絞られてくると、絞られた中で横浜が外されたのだ、こういうことでしょう。

伊東港湾局局長:それはそうだか、どうかはちょっとわかりません。要するに大型船が寄港できる港は確かにまだ少ないかも知れませんけれども、南本牧では当然18メートルございますから2万TEUの船も停められますし、そういったことで誘致も引き続きしていきたいと思っています。

大貫議員:韓進(はんじん)が2月に清算されます。その韓進、韓国最大です。海運業界の動きが大きく再編になっているではないですか、基本的なものとしては大型船というのが一番、2万TEUがこれが主流になっていると、そこから横浜に来なくなったということは、それだけの理由があるのではないですか。

伊東港湾局局長:今回のマースクの件はあくまでもヨーロッパ航路と我々は認識しておりますので、一方でやはり基幹航路の一翼である北米航路、これ非常に重要な航路でございまして、どちらかと言うと北米航路の方が横浜にとっては非常に地政学的には有利だと思っていますので、それも含めて誘致をしていきたいと思っています。

大貫議員:北米がいいか、ヨーロッパがいいかと言っているのではなくて、横浜は2万TEU系の大型船が来るには荷が少なくて、寄らなくなってしまったのだと、残念ですよ、でもそのような事実があると思うのです。実際に大型船になれば、これはいっぺんに運ぶことがあれば、単価が下がります。単価が下がればそれなりに海運業界として良いわけだけれども、荷が色々な所に行っていたら荷が集まらないと、一か所で集めてそれを運んでいくというのが一番効率的だとなれば、これは正に今後の日本の港には、神戸も含めてこの2万TEU級の船は来ないのだとなりませんか?

伊東港湾局局長:あくまでもヨーロッパ航路の問題ということで、世界全体では1万8,000個積み以上の超大型船、これは30隻以上は就航しています。発注済み、今、建造中のものも100隻を突破しておりますので、これはヨーロッパ航路に限らず大型化の流れというのは益々進展して行きます。ですから船会社としては、当然貨物量の問題ございますけれども、中小の古い船を要するにやめて大型船に変えていくということですから、それについては先程のアライアンス、その2M、マースクだけではございませんけれども、横浜港に寄港しておりますから、それはどんどん大型化してくると、その受け皿もきっちり作っていくと、そういうことです。

大貫議員:今言った話しはコスコですね、今度12月から北米がこっちへ来ると、そう今おっしゃっていた直航ができると、あれは8500TEUです。要するに2万ではないのです。でも今横浜は国の政策によって2万TEUの対応の岸壁をどんどん造っているのです、世界の流れは確かに大きな2万TEU系の流れだけれども、横浜に来るのはむしろそう言った1万以下の、そういったものが主流になってくるという可能性がありますし、しかも今まである本牧だとか含めた、その水深のバースで十分だというのは私の考えですけれどいかがですか。

伊東港湾局局長:先程マースクがサービスを中止したという船も2万個ではありません、1万3千から1万7千個積みということでございました。北米航路についても先程8,500個積みという話しございましたけれど、これも水深16メートル以上が必要になります。さらにそれが大きくなってくるというのが世界のすう勢ですから、1万8,000個積みも登場していますので、十分大きい船の対応は必要になると思います。

大貫議員:そのようにおっしゃっているけれど、どれだけコンテナを集めるのに努力されているのか知っています、集荷策とか。それは要するに水が流れている流れの中で自分のところに荷物を入れようと思って、ポンプで水を上げているようなものだから、決してそれがずっと長続きするとは限らないのです。そう言った意味では一番横浜に荷が集まって、横浜の荷がきちっと出て行く、そこに無理をしない、そこの中で横浜の後世をつくっていくようにした方が、今のやり方だと無理やり荷をよそから金出して集めて来て、それでやるやり方というのは、これからの時流に合わない、これからの横浜のやり方では合わないと思いますがいかがですか。

伊東港湾局局長:当然、基幹航路以外の船は、わりと中型の船、これへの対応もきっちりと必要だというご指摘だと思いますけれども、やはり基幹航路、これは横浜港やはり北米向けのいわゆるファーストポートであり、アジアからのラストポート、その地理的な優位性というのは持っておりますので、やはり基幹航路があって近海航路も生きてくると、その相乗効果だと思いますので両方整備してまいります。

大貫議員:国指導で、国の言ったとおりやれば大変なことになるということだけ指摘しておきます。終わりです。


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