議会での質問・討論(詳細)
2017年3月16日

■水道局(あらき由美子)

水道料金の値上げにつながらない取組みを

あらき議員:日本共産党を代表して質問いたします。
 まず、西谷浄水場再整備事業について伺います。西谷浄水場は、施設の耐震化進めるとともに水源や水質に適した浄水処理方法を導入するため、再整備事業を10か年で約250億円かけて行うこととし、処理能力が増えると聞いています。その量は、全市で一日平均給水量に対する自然流下系浄水場からの給水量の割合が現状の36%から約50% へ増えるとあり、その結果、神奈川県内広域水道企業団からの受水量は減ることになると聞いています。では、削減される量はどのくらいなのか伺います。

平本施設部長:再整備により浄水場からの給水量は、1日あたり約9万立方メートル増える計画です。しかしながら、市内の安定給水を確保するため、西谷浄水場の増量分を全て企業団からの取水量を削減に充てることはできません。充てられる量としては、最大で1日あたり6万立方メートル程度になると見込んでおります

あらき議員:でも結果的には、この神奈川県内広域水道企業団からの受水量が減ることにつながるわけですから、県内広域水道企業団に負担する金額、さっき、約2億円コスト削減ということもおっしゃっていました。局の水道料金の支出を抑制することになります。そうなれば水道料金値上げを検討することは、先にのばせることになると思いますけれども、この点の見解を伺います。

山隈水道局長:西谷浄水場の再整備は、長期的に見れば支出の抑制につながる取り組みですが、この事業だけで状況が大きく好転するということではないと思っております。そこで現在局内でプロジェクトを立ち上げまして、基幹施設や管路の更新事業費の縮減平準化、それからより有利な財源調達手法の検討、それからより一層の局内の業務改革、これらについての検討を進めておりまして、ご指摘の西谷浄水場再整備による企業団受水費の縮減も、その一つと捉えております。こうした様々な検討をしっかりおこなった上で、水道局の現行中期経営計画の最終年度であります、平成31年度までに、料金体系のあり方の考え方を取りまとめたいと考えております

あらき議員:水道料金収入が減少する経営環境の中で、水道局として水道料金値上げを回避する努力をされていることは評価します。県内広域水道企業団に支払う給水料金については、昨年4月から直営事業で基本料金は40.5円から36.8円、寒川事業は22.3円から17.3円に引き下げられ、使用料金については、直営は12.5円から14 円、寒川事業では17.5円から19.5円と値上げとなっています。その結果、今年度企業団に支払う額は、約13億円の減となっています。企業団としても基本料金単価を引き下げていることから、今後企業団に対してさらなる基本料金や使用料金の引き下げを要望することをできると思いますけど、この点をどう考えているのか伺います。

山隈水道局長:まず企業団から今、先生お話いただいた通り、5年間ですね、そういう割合で下げると、いうことを今やっていただいておりまして、それについては、私ども引き続きですね、その下げた額で行っていただけるようにそれはお願いをしてまいりたいというふうに考えております。

あらき議員:県内の広域水道企業団のそこの収支状況も調べてみたんですけど、2014年度で累積欠損金もゼロになったということで、これからはその収支の不足についても神奈川県内広域水道企業団も、かなりその収支のことについては努力をしてる背景が見えます。そういう中で、使用料の引き下げとか、今後の私たちがかかわる広域的な水道事業の点でも、努力をされているわけですから、是非引き続き経営努力をしていただくように申し入れていただきたいと思います。最終的には、私たちの水道料金値上げにならないように、ここは何としても努力していただきたいということを要望しておきます。

直結給水への切りかえは、局間で連携して情報提供を

あらき議員:次に直結給水への切り替えについてです。水道局が進めている直結給水のメリットについて説明お願いします。

牛久保給水サービス担当部長:直結給水のメリットとしましては、受水水槽での滞留時間がなく、より安全で良質な水が飲めること、受水槽のスペースが不要となり、土地を有効に利用できること、受水槽の清掃やポンプの定期点検などの維持管理費の低減化が図れること、配水管の圧力を有効利用できるためポンプで使用する電力量が削減でき、省エネルギー効果が期待できることなどございます。

あらき議員:2015年度末での市内における受水槽から給水してる戸数どのくらいあるか示してください。

牛久保給水サービス担当部長:平成27年度末現在では、市内の給水戸数約182万戸に対して、受水槽から給水してる戸数は、約49万戸、26.8%になっております 。

あらき議員:受水槽があるマンション、どういう機会に直結給水に切り替えているんでしょうか。
牛久保給水サービス担当部長:給水管内の錆による赤水や漏水が発生した場合など、老朽化した給水管の更新時に合わせて、直結給水への切替を行うケースが多くなっております。また当局が配布している直結給水切替に関するパンフレットなどをご覧いただき、直結給水に切替えるというケースもございます。
あらき議員: 2015年度に受水槽から直結給水に切替えた件数は、どのくらいあるでしょうか。
牛久保給水サービス担当部長:平成27年度に直結給水に切替えた件数は、約380件で、戸数は約1万6,000戸でございます。

あらき議員:これ、なかなか戸数と件数との差があるので、単純ではないんですけれど、私たち、給水戸数と直結給水件数との差で48万8,166という数字をちょっと引き出してみたんですけど、これ件数と戸数でちょっと若干違うので正確ではないかもしれません。なかなかその件数と戸数を引き上げていくっていうことは簡単ではないとお聞きしてるんですね、直結給水の切り替えは、効果が理解できても、費用負担が原因で躊躇することが考えられます。そこで補助金等の導入を検討してみてはどうかと思いますが、見解を伺います

山隈水道局長:マンションなどの給水管は、お客様の所有でございますので、直結給水に切り替える工事についても、お客様の費用負担で施工していただくものというふうに考えております。現在水道局では、直結給水化をご検討のお客様に対し、現地の水圧調査を実施した上で、直結給水への切り替え工事に関する技術的なアドバイスを行うなどの支援をさせていただいておりますが、補助金等は難しいのではないかと考えています。

あらき議員:補助金は簡単に行かないと、これは十分承知してるんですけれども、そのタイミングってあると思うんですね、私が住んでる団地も築40数年経っています。常にこの直結給水の切り替えについても、検討の課題にはのっています。ぜひお願いしたいのは、建築局と連携をして、そのマンションの管理組合などに、こういうタイミングで直結給水に切り替えることを検討されてはどうかという、そういうアドバイス的なことも、水道局が一緒になって、提案するってことは、できると思います。この点はいかがでしょうか。

山隈水道局長:これまでは、衛生面から受水槽を所管する健康福祉局と直結給水のパンフレットを配るなど、そういった連携はやってまいりました。ただ、ご指摘の通り建築局との連携ということでは、これまであまり意識しておりませんでしたので、例えば建築局が委託をしております、住まいに関する相談窓口、こういったところを活用しまして、いま先生ご指摘のようなですね、水道局、建築局からの提案というか、周知というか、そういうことができないか、建築局と検討してみたいと思います。

あらき議員:情報提供は、ぜひお願いしたいと思います。

「下水が直らなければ水道は通らない」熊本震災で分かった課題の解決を

あらき議員:次に、熊本地震で得た課題等について伺います。
 水道局として熊本や益城町に行き、漏水調査や応急復旧などの支援活動を行い、昨年12月にその活動を通じて把握した様々な課題に対する取り組み状況などを報告しています。その主な内容について説明してください

栗谷総務部長:熊本地震で把握した課題につきましては、支援に関する課題、それから受援に関する課題とに分けまして、それぞれ解決に向けた対応を進めているところでございます。支援に関する主な課題として4件、受援に関する主な課題として17件、合計21件の課題を抽出いたしましたが、現時点で対応済みの課題が11件、対応中の課題が10件という状況でございます。

あらき議員:私が注目したのは、震災時の水道復旧と下水道復旧との連携、これがとても大事だということです。水道が復旧しても下水道管の亀裂や管の詰まりがないことなどを確認した上でないと水道の栓を開けることができないという事例があったと聞きました。今横浜市でも下水道の普及率は99.9%と素晴らしい数字になっているわけですね。ところが水道管が通ったとしても下水が詰まっていたら、こないだ私も南区防災塾というところで勉強してきたんですけど、トイレが詰まると大変なことになるということをお聞きしました。そうなると結局衛生面の問題、それから、女性の40代50代が我慢をして、その結果、死亡にいたる例もあったということを NPOのトイレ研究家の方からお聞きしたんですね、ということでは、ぜひ今後その環境創造局との連携大事だと思うんですけど、この点水道局に伺います。

山隈水道局長:今、指摘いただいた通り、今回の熊本地震で得た大きな一つの教訓だと思ってまして、これまで水道局と環境創造局の双方の復旧手順などについて情報共有を行ってまいりましたが、上水道は、配水池を起点とした上流から復旧する一方、下水道は地域防災拠点を優先するという考え方を今持っております。そこで水道局が、配水ブロックごとに復旧作業を行う順番を示した図面を作成しまして、それを確認しながら下水道の復旧を行う地域防災拠点を選定するなどによって、少しでも早期の上下水道の復旧につなげられないかということを、今現在協議を進めているところです。また仮に、今先生からお話ありました通り、上水道復旧しても下水道の復旧がまだであれば、お客様の水道利用に制限が生じるため、そうした場合の周知の方法などについて調整を進めております。

あらき議員:ぜひこれは最優先の課題として取組んでほしいと思います。明日3.11を迎えますけれども、やはりその下水道が使えないという前提は、あまり私たちも思ってないところがありますから、ぜひ防災訓練でもトイレパックの必要性も水道局がセットで教えていただくと、非常に効果的だと思いますから、ぜひ災害拠点での訓練などでも、その点を強調していただければと思います。
 次に遠方から応援隊が来た時、一時宿泊地の確保があると効果的だと聞いています。この点について説明してください。

山隈水道局長:熊本地震の際もですね、横浜市水道局からの応援隊は、途中大阪のホテルで一泊をしております。このように全国から応援隊が派遣されるような大規模災害の場合は、移動の途中での宿泊を必要とする隊が必ずあると思っております。また、その宿泊場所で、正確な被災地の情報を入手することができれば、より安全で効率的な応援活動を行うことが可能になるというふうに考えました。
 そこで、様々な場所への途中宿泊地となり得る関東エリアで、そうした一時宿泊場所を確保することは、大変有効と考えまして、関東地方内の各水道事業体に提供可能な施設の照会を行いました。現時点で89事業体から136施設の提供が可能との回答を得ておりまして、今運用方法などについての検討を進めているとこでございます。

あらき議員:これも非常に画期的な制度だと思います。応援体制が来た時に、先ほども来たけれども何もできなかったっていうのは、やはり情報が入っていないとそういうことが起きるということですから、ぜひ、この点の情報連携もさらに強めていただいて、水道局として支援を行ったことを検証して課題解決にこうやって取り組んでいただくことは本当に大事だと思っています。大地震はいつ起きるかわかりません。ぜひ引き続き研究していただくようにお願いします。


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