議会での質問(詳細)

2017年3月24日

■「予算に対する反対討論」 白井まさ子議員(2017.3.24)

安倍政権に追随する予算では、市民生活は守れない。

白井議員:日本共産党を代表して、市第102号議案 2017年度横浜市一般会計予算に反対し、討論を行います。
新年度予算に反映された施策のうち、次のものについては、市民要望の前進として評価できます。子どもの貧困対策としての「子ども食堂」創設支援、区役所に引きこもり等の若者の相談窓口開設、児童相談所の専門職員増員、放課後児童クラブの分割・移転支援費の増額、日本語支援拠点施設の開設、防災ベッド・シェルター補助数の引き上げ、地域防災拠点での炊き出し機材の更新、がん検診個別勧奨数の大幅増などです。
全国的に、安倍自公政権のもとで、格差と貧困がさらに拡大しています。「成長戦略」としての「首都圏国際競争力強化」「東京オリンピック・パラリンピックの年に外国人観光客4000万人の訪日」の掛け声で、地方自治体に、大型開発・大型公共事業と「規制緩和」を押し付けています。市長は「国が推進する1億総活躍社会の実現などの取り組みと緊密に連携する」と言明しているように、安倍政権追随する予算となっており、これでは市民生活は守れません。

大型開発偏重により、くらしにかかわる予算にしわ寄せがきている

白井議員:具体的な反対理由の第1は、大型開発・大型公共事業偏重により、くらしにかかわる予算にしわ寄せがきていることです。
これまで推進してきた、高速横浜環状道路の北西線・南線、国際コンテナ戦略港湾の南本牧MC-4、新市庁舎整備、エキサイトよこはま22に加え、多額の費用をかけて整備した緊急輸送路指定の市道を廃止してまで強行する、みなとみらい21地区20街区での新たなMICE施設、メインアリーナで市民利用の制限が伴う横浜文化体育館再整備、容積率大幅緩和による特典によって超高層ビルとなる横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業、運河を埋め立て高層マンション用地に提供する東高島駅北地区開発事業、JR東日本が責任を負うべき桜木町駅新改札口整備事業など、大型開発・大型公共事業推進が加速します。中期計画での財政規律内に事業を納めますから、横浜環状北西線を立て替え施行とし、MICE施設と横浜文化体育館を、民間資金を活用したPFIで行います。PFIによって公共施設にもかかわらず市民の監視が困難となり、更に、事業破綻リスクも伴うものです。
市債発行において、大型公共事業偏重では、市民生活密着の公共施設の維持と整備に制約が出ます。俣野小学校統廃合、北綱島特別支援学校閉校、入江町公園プール廃止、生活道路や通学路の安全対策の遅れなどその現れです。子安小学校の移転整備にあてる土地取得に市債を使えていません。等価交換方式によって、なんと、10数億円もの土地賃借料負担を強いられています。
市民生活に、しわ寄せが来るのも必至です。小児医療費助成制度に一部負担金導入され、特別養護老人ホームの整備には拡大がなく、市営住宅の新規建設もありません。

カジノを含むIR誘致の条件整備が着実に進んでいる

白井議員:反対理由の第2は、 カジノ誘致にむけて、着実に条件整備を進めていることです。
国の成長戦略「観光立国の実現」は、ギャンブルであるカジノ誘致が目玉です。12月に施行されたカジノ解禁推進法は、政府に対して1年以内をめどに、必要な法制上の措置を講じるよう義務付けており、3月24日、本日付で、カジノを含む統合型リゾートIR整備に向け、安倍首相を本部長に推進本部が設置され、実施法案の検討が進められることになっています。
本市は、都心臨海部で世界に注目される「ハーバーリゾートの形成」を目指し、山下埠頭の再開発を進めており、そのコアをなす施設として、新たな横浜のシンボルとなる大規模集客施設の導入を上げています。神奈川区恵美須町から中区本牧ふ頭まで、各ふ頭をつなぐ臨港幹線道路のうち、未整備区間について、新年度予算では、山下埠頭を経由する区間で調査費を計上しています。未整備区間は、新港ふ頭・山下ふ頭・本牧ふ頭・新本牧ふ頭です。この区間は長らく事業化のめどが立たない状況となっていました。しかし、山下ふ頭の再開発計画の策定によって、状況は一変しました。山下ふ頭の弱点は、交通アクセスでした。大規模集客施設には現状の道路では、まったく間に合いません。その打開策として臨港幹線道路の事業化が図られることになったものです。また、山下ふ頭と横浜駅周辺の間で、事業費20億円をかける高度化バスシステムとして、連節バスの運行にむけて、道路や交通拠点の基本設計が行われます。
この間の市長の発言では、カジノ誘致のトーンが下がっていますが、カジノを含むIR誘致の条件整備が着実に進んでいます。

教員を増やす予算に切り替え、教育現場の諸課題の解決を

白井議員:第3は、教育行政に問題が集中していることです。
経済的にも家族関係でも生活困難家庭が増え続け、学校現場は様変わりしています。すべての児童生徒の確かな学力保障のためにも、就学援助制度を必要とする家庭へ届くことが必要です。しかし、2014年度に認定基準を引き下げたままであり、入学準備金の入学前支給もありません。制度の拡充が求められています。
奨学金については、高校奨学金は4以上という学力要件がついたままであり、はずすことが必要です。また、新たに、低所得世帯向けの大学育英資金の創設が求められます。
全国の公立中学校の給食実施率は88.8%です。神奈川県内では、この数年の間に川崎、藤沢、逗子、海老名、座間の5市が実施に踏み切り、横須賀市、鎌倉市は実施を決めています。川崎市は、実施理由を「食育の充実が図られること、育ち盛りの生徒にとって栄養バランスがあり安全・安心で温かい食事を摂ることができるなどのことから、中学校完全給食を実施することが望ましい」としています。子どもの貧困率が16.3%となるなかで、「子ども食堂」が広がっています。偏った栄養摂取、肥満傾向、朝食の欠食など、子どもの食生活をめぐる環境には、厳しいものがあります。党市議団が視察した中学校(中区)の二年生のあるクラスでは、家庭からの弁当は半数にも満たず、あとは、市販のおにぎりやパン、業者配達弁当(ハマ弁)を食べていました。育ちざかりの中学生すべてに栄養バランスのとれた温かい給食を実施することは、横浜市でもまったなしです。
生活困難家庭に寄り添うためにも、担任が一人ひとりの子どもに目が届くよう、少人数学級実施が必要です。現状では法と制度で小1、国の予算で小2が実施されていますが、本市予算教職員配置権限が県から本市へ移譲されたことで、国の示す基礎定数と加配定数に加えて、横浜市が独自に教員を配置しやすくなりました。市独自予算での教員を配置して、3年生以上の全学年で段階的に少人数学級を拡大することが必要です。
2016年度の学校教育をめぐる問題の中でも、横浜市の教育行政の在り方が鋭く問われたのは、原発避難いじめ問題です。いじめによる苦しみを何とかしてほしいと訴えたのに、教育委員会事務局の調査が始まるまで1年7カ月を要し、調査結果が明らかになった以降も、教育長の態度を巡って生徒を苦しめ続けたことは重大です。教育委員会事務局のいじめ重大事態に関する再発防止検討委員会が再発防止策をまとめ、3月27日、市長主催の総合教育会議での議題にあがっています。
2017年度予算では、全市で、新たに、チーフスクールソーシャルワーカー4人、学校カウンセラー2人の増員ですが、少人数学級の実施はありません。いじめ解決の1つのカギは少人数学級を全学年で実施することです。現場の先生からは「たとえば19人の学級になると、40人とは違って、学級担任にとって教団から見える風景が、がらりと変わり、子どもの小さな変化にも気づき、いじめの早期発見につながる」と聞いています。2つめのカギは、毎日平均3時間の残業を解消することです。問題に気づいても、学校全体で対応できる職場に改善しておかない限り、再発防止につながりません。
また、新しい学習指導要領で、道徳が「特別な教科」とされたことについては、国が特定の価値観を押し付けることになり、憲法に逆行するものであり、反対です。国では小学校が2018年度実施、中学校が2019年度実施としているところ、本市では小中ともに2017年度からの実施です。使用する教科書の採択と指導要録・通知表への評価の記述が行われます。国ですら、一定の期間を要するものとしているのに、先行実施は性急です。

ピースメッセンジャー都市としてあまりに少なすぎる平和関連予算

白井議員:第5は、平和のため事業費があまりにも少ないことです。国際平和推進事業としてパネル展等の啓発活動として、例年通りの106万円が計上されているのみです。
ところで、市長は、昨年来、被爆者からの要請をうけていながら、核兵器廃絶ヒバクシャ国際署名に未だに署名していません。要請者の中には、この間、なくなった方もおられます。ピースメッセンジャー都市としての主体性はどこへ行ったのでしょうか。国連において禁止条約の交渉が始まるので、今後の動向を見守るとされていましたが、いよいよ3月27日から開かれます。これに呼応して、すぐにでも署名に応じることです。

地方自治の精神を立ち返り、自治体の本来のあり方へ

白井議員:さて、今年は、日本国憲法および地方自治制度施行70周年の年です。市政は個人の尊重、幸福追求権を謳う憲法13条に則り、市民一人ひとりの幸福で豊かな生活を追求し保障するものでなくてはなりません。地域に根差し、平和に生活することができる、それが市民の幸せであり、豊かさです。それを実現するために市民と行政がともに努力する、それが地方自治制度の精神です。
地方自治法の第1条には「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ること」を基本とするとうたっています。地方自治体の存在理由は、国と対等の立場で、市民の暮らしを守ることです。憲法・地方自治法に照らし、2017年度予算は認められません。
7月30日が市長選挙の投票日です。日本共産党市会議員団は、住民本位で市政運営を行う市長誕生にむけ、昨年の参議院選挙のように野党と市民が力を合わせることを表明して、討論を終わります。

  • 2017年 市民要望アンケート

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