議会での質問(詳細)

2007年9月28日

【2007年第3回定例会】「反対討論」関美恵子議員

 私は、日本共産党を代表し、今議会に提出された議案のうち、13件の議案に絞り、反対の討論を行います。

そもそも市長の任期は、選挙によって市民が決すること

 まず、市第34号議案「横浜市長の在任期間に関する条例の制定」についてです。
 昨年の第4回定例会で同趣旨の条例案が提案され、否決されたにもかかわらず、再度この時期に提案した理由が明確でありません。国が「多選禁止」を決めそうだから国に先駆けて決めることが地方の自主性・分権だという説明もされましたが、決定的な理由にはなりえません。そもそも市長の任期は、選挙によって市民が決することです。多選による弊害については、議会がオール与党の馴れ合いを排除し、緊張感をもって市長を充分にチェックすることにより、その発生を抑制させなければなりません。このような市長の提案にのることは、議会の役割を自ら否定することです。

直営こそ「市民が安心して利用できる仕組みづくり」

次は、指定管理者についてです。
 市第37号議案は、直営の泉公会堂に指定管理者制度を導入するものです。
 市長は、「従来と同様の運用が行われるものにする」と答弁しましたが、職員配置が指定管理者まかせなのは問題です。責任者を置いた安定した職員体制を求めていくといいますが、効率性の追求のため、職員が非正規雇用でないという保証はありません。公会堂の設置目的に沿った利用、防災計画上の役割をはたすためにも、直営とすべきです。
 市第40号議案は、市直営の横浜市つたのは学園に指定管理者制度を導入しようとするものです。
 つたのは学園は、知的障害者生活介護型施設として25年前に開設され、利用年数は平均15年で、開設以来の利用者が半数を占め、利用者・保護者と施設運営者の結びつきがとりわけ強い施設です。そのため、保護者の希望もあって、法人への引継ぎ期間が1年間となっています。また、「障害の程度が重くなるほど支援の成果は少なくなる傾向にある。長期の継続支援により、支援の成果をより多く実感でき、職員のモチベーションにつながる」との考えから、他の施設より指定期間が10年と長くなっています。
 市も認識しているように、施設を利用している障害者にとって長期の継続支援が最も重要な問題です。しかし、10年後に指定管理者の変更によって支援の継続が途切れる可能性があります。直営で運営してこそ、市長のいう「市民が安心して利用できる仕組みづくり」となるのであって、つたのは学園への指定管理者制度の導入には反対です。
 市第56号議案は、「本牧海づり施設」の指定管理者として、イオンディライト株式会社を指定するものです。
 指定管理者に指定された会社が吸収合併され、社名変更した時点で、市が指定管理者変更の手続きをとるべきであったのに、手続きを怠ったこと、合併に際して不審な点が多い会社であること、市長は「合併でいっさいの権利・義務を継承しており、これまでの間、良好な管理運営を行ってきた」から問題ないと答弁していますが、公募もせずに同じ会社を指定したことは問題です。

保護者や園児に不安を与える民営化は本末転倒

市第38号議案は、新桜ヶ丘、もみの木台、南戸塚、阿久和の4つの市立保育園を2008年度から民営化するというものです。
 2004年度から公立保育園の民営化が始まり、既に16園が民営化されていますが、保護者の不安は依然として解決されていません。2007年度に民営化されたある保育園の3者協議会議事録によると、保護者は「引継ぎがうまく機能しなかったのではないか。園と保護者のすれ違いを生んでいる」と述べています。引継ぎ・共同保育として、法人の保育士が現場に入るのは1月からで、全員現場に入るのは3月の1か月のみという短さです。ある保育士は「3か月では園児を知るのは無理、顔と名前が一致し、家族形態などひとりひとりの性格や特性を知るには最低でも6か月は必要」といいます。「少なくとも1年間、本当は3年ぐらい必要」という保護者の声もあります。市自身も、移管後もいくつかの園で職員と保護者の人間関係が充分できていないと認めていますが、そうであるならば、保護者の不安を受け止め、引継ぎ・共同保育について、期間も含め、真剣に検討すべきです。
 また、「民営化すると公立ではできない多様なニーズに応えられる」として、主食の提供、一時・延長保育などが保護者に約束されました。市長は、第4回横浜市経営諮問委員会で、保育園の民営化について「公共サービス・行政サービス全般の質を高めるということを意図しているケース」と述べていますが、一部の公立保育園でも主食の提供や一時保育が始まっており、民営化を続ける意味が問われます。
 さらに、保育所の規模の違いはありますが、入所児童や保育所開所時間等を同じ条件とすると、2004年度からの3年で2億7700万円、約18%の縮減が図られ、その内容は殆ど人件費の減によると聞いております。
これらのことで、保護者や園児に不安を与えているとすれば本末転倒で、市立保育園を民営化することに賛成できません。

市営墓地から管理料徴収は契約違反

次に、市第42号議案は、久保山、日野、三ツ沢の市営墓地利用者から、年額1区画5000円の管理料を徴収し、サービスを向上するというものです。徴収可能な3万2000区画から徴収すると管理料収入は1億6000万円となり、2006年度の3墓地の管理運営費約9000万円をはるかに超えます。受益者負担と称して、手すりの設置、トイレ・階段・墓参道など共用部分等の維持管理・修繕等から、嘱託員の人件費まで、殆どを管理料で賄う考えです。市費負担は、災害復旧対策・雨水排水設備工事に限定し、これで「市民サービスの向上」と言えるのか、全く理解できません。
 利用者は市長と「墓地霊堂使用許可証」をとりかわしており、一方的にその内容を変更し、利用者に負担を押し付けるやり方は契約違反ともいえるものです。

G30の推進の鍵は、罰金ではなく、市民との協働・信頼の構築

次は、市第43号議案、ごみの分別を義務化し、違反者に2000円以下の過料を科すことについてです。
 本市のG30は、目標の30%を達成し、さらに高い削減目標を掲げています。目標達成は、市民との協働の成果によるものです。
 2006年度、焼却炉に搬入された家庭ごみに、資源化可能の古紙が13%、プラスティックが5%混入しているなど、まだまだ分別・資源化が求められています。G30の一層の推進の鍵は、市民との協働・信頼の構築です。
 過料について、市は「ごみをきちんと分けて出している家庭や事業者が不公平感をいだかないようにするのが狙い」といっていますが、だからといって分別違反者に過料を科すことで改善されるのでしょうか。当局も、過料を科したとしてどれだけの成果が上がるか答弁できず、「減量化・資源化の様々な施策の一つ」としか答弁していません。また、条例改正のために行ったパブリックコメントはわずか170人の意見であり、360万市民としてはあまりに少ないものです。しかも、「市民との協働がなくなる」「大きな成果にはならない」「コストや時間が膨大になる」など、過料についてマイナス評価の意見が多く寄せられています。分別徹底のためには、丁寧な啓発によって市民に分別の意味をきちんと理解してもらうことが先決ではないでしょうか。
 家庭ごみの収集回数を週3回から2回にすることについて、市長は「広く市民のみなさんからの意見を踏まえて検討してきた」と答弁しましたが、どれほどの市民の意見を反映しているのでしょうか。収集回数の変更は、市民の合意が得られるまで凍結をすべきです。

横浜港は、国際総合港湾としてアジアのメインポートとしての発展を

次に、市第50号議案、公有水面埋め立てについてです。
 横浜港の経済効果は本市経済の約3割を占めるとされています。横浜港の振興は本市のみならず、日本全体にとっても重要です。横浜港の振興のためには、ソフト面ハード面での努力と同時に、厳しいコスト・パフォーマンスと、大きく変わりつつある世界の物流の動向の把握が求められます。
 世界経済は中国を中心に大きく変わろうとしています。水が高いところから低いところに流れるように、今後いっそう中国へのモノの流れが本流となることは避けられません。世界物流の大きな変化の中で、船会社の吸収合併が繰り返されることも必至です。
 今回の南本牧のMC3の建設事業は、世界的企業とはいえ一企業の要求を満たすための整備で、国際物流の流れと企業間競争を軽視したものといわざるを得ません。
 わが党は、横浜港は、過剰施設になる恐れのある巨大埠頭を建設してまで東アジアのハブポートを目指すのではなく、現在の施設を有効に効率的に使い、国際総合港湾としてアジアのメインポートとして発展することだと考えています。

あまりにも拙速な町名変更は住民間の対立・反目に

 次に、市第7号、21号、22号の3議案、港北区における町区域の設定、変更及び廃止などについてです。
 太尾町住居表示検討委員会が町名案を決めるにあたって尊重したとされるアンケートでは、「大倉山」の町名を選択した住民は2592人で、「太尾」を選択した人の倍です。問題は、アンケートに参加した市民は当該地域住民の3分の1に留まり、過半数に達していないことです。3分の1しか参加していないアンケート結果にもとづいて結論を下すことは、あまりにも拙速です。このまま強行すれば、住民間に対立と反目を残し、住民を分断することにもなりかねません。また、行政として内実の伴った公平性・公開性に関する取り組みは極めて不十分であり、この議案には賛成できません。

高齢者に過酷な後期高齢者医療制度は凍結・見直しを

最後に、市第59号・60号議案は、来年4月から実施予定の後期高齢者医療制度への移行にともなうシステム整備等準備経費の補正です。
後期高齢者医療制度は、制限を加えた包括医療、保険料・医療費の負担増など高齢者にとっては過酷な制度です。首都圏では国の調整交付金の大幅削減が予想され、東京都広域連合の試算では、保険料は厚生省が発表した平均月額6200円を大幅に上回っています。
 先日の議案関連質問で、わが党は、切実な市民の声を取り上げ、保険料設定に伴う減免の実施、資格証等の発行の是非、健診事業実施への支援について市長に求めたところですが、市長は「広域連合が決定していくもの」と、積極的に自ら働きかける文言は聞かれませんでした。
 わが党は本制度の凍結・抜本的な見直しを求めています。厚生労働省も一部見直しの方針を決めました。本議案2件は、後期高齢者医療制度を促進するもので承認はできません。以上で、私の反対討論を終わります。


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