議会での質問(詳細)

2017年5月19日

■「議案関連質問」 かわじ民夫議員(2017.5.19)

◎質問と市長の答弁は次の通りです。なお、実際には質問と答弁がそれぞれ一括して行われました。

下水の排出基準見直し実施の先送りは必要ない

かわじ議員:かわじ民夫です。日本共産党を代表し、今定例会に上程された議案のうち、4件の議案に対し、林市長に質問いたします。

最初は、市第7号議案 横浜市下水道条例の一部を改正する条例の一部改正についてです。東京湾の水質改善を目的に、神奈川県が平成28年12月に条例を改正し、下水処理場に係る窒素・燐の暫定基準等を見直しました。議案はこれを受け、本市の公共下水道に下水を流している工場等に対して、現行の排出基準を引き上げるものです。これにより、家庭や事業所から流れてくる汚水を浄化し、海や川の水質を保全する水再生センターの、負荷を抑制できる効果が期待できます。

東京湾の水質は、中長期的には緩やかな改善の傾向がみられるものの、富栄養化に伴う赤潮が発生し、夏の季節には水面付近の水温が上昇して上層と下層の間の水が循環しにくくなり、海底に貧酸素水域が発生し、魚介類に影響を与えるなどの問題が生じます。それを防ぐためにも東京湾に流入する窒素やリンの削減が求められており、県条例の改正はこれに沿ったものと云えます。

事業所から公共下水道へ流すことのできる下水の水質基準は、公共下水道の施設・機能を保全することや、終末処理場からの放流水の水質基準を守ることを目的により本市条例で定められており、今回の市条例の改正では、窒素については1リットル当たり240㎎という現行暫定基準を廃し、本則基準1リットル当たり120㎎を適用し、燐についても暫定基準を終了し、本則基準の1リットル当たり16㎎にするものです。問題は実施時期を窒素は平成32年4月、燐は30年4月まで先送りしていることです。

事業所から排出される水質基準の強化は、水再生センターの負荷軽減をもたらし、結果として、本市の財政負担の抑制につながるものです。条例の対象になるのは1日当たりの排出量50㎥以上の事業所であり、それは大企業だと聞いています。資金力のある大企業であれば本則基準においても十分対応できるものだと思います。東京湾にお面する横須賀市の水質基準は、窒素については1リットル当たり120㎎、燐については1リットル当たり16㎎にし、暫定基準も暫定期間も設けていません。本市はなぜ本則基準の実施時期を先送りしたのか、その理由について伺います。

〈市長答弁〉

林市長:市第7号議案についてご質問いただきました。本市が暫定基準を設けている理由についてですが、本市では本則基準で横須賀市と同様の厳しい基準を設定しているほか、適用期間を設けた暫定基準を設定し、企業との対話を行いながら、本則基準への円滑な移行に向けた取り組みを進めております。

横浜スタジアムの管理運営を営利企業に丸投げするな

かわじ議員:次は市第8号議案横浜市公園条例の一部改正、及び、市第13号議案公園施設の負担付き寄附の受納についてです。

議案は(株)横浜スタジアムから、40年間の管理運営を行うことを前提に、横浜市公園施設である横浜スタジアムを増築し、その後、本市に寄付すると提案され、それに伴い横浜スタジアムに係る使用料等を改定するものです。

現在、横浜スタジアムを管理運営している株式会社横浜スタジアムは株式会社DeNAが株式の約77%を保有しています。その株式会社横浜スタジアムが提案してきた内容は、(株)横浜スタジアムが約85億円かけ、横浜スタジアムを増築し、観客席を約6000席増やし、バリアフリー対応のためのエレベーターを設置、園内の回遊性向上のための回遊デッキの設置などを行い、本市に増設分を寄付する。その見返りとして、改修後の40年間は株式会社「横浜スタジアム」が管理運営するというものです。

本市は、提案そのものは公園施設として機能が向上し、公園利用者の利便性の向上につながり、オリンピックの開催や関内周辺の街のにぎわいづくりなどにも大きく資するものとしています。言うならば本市にとっては「渡りに船」という提案です。問題は横浜市の施設である横浜スタジアムが、使用料や野球場について市民の立場に立った利用形態になるのかどうかです。

議案では、これまで条例で示されていた、野球場や場内放送設備などの使用料は削除されています。(株)横浜スタジアムが自由に決めることになるわけです。使用料は施設を使用する市民にとっては大事なことにもかかわらず、明らかにされておりません。市民が利用する場合それぞれ、いくらになるのでしょうか。具体的な金額を示してください。

これまで、条例第30条2項で(株)横浜スタジアムは毎年規定に基づき野球場の年間使用計画を市長に提出しなければならないと規定されています。今回の議案ではこの条項が削除され、行政のチェックさえ入らなくなるものです。今でもプロ野球等興業に偏っている利用状態を改めることが求められています。

今後、使用計画はどのようになるのでしょうか。横浜スタジアムは、市民が資金を出し合って球場を作り本市に寄付した横浜市の施設です。こうした経過からすれば、アマチュア団体など市民が野球場の使用を希望する場合は、市民の希望が反映するような配分になるようすべきと思うがどうか、伺います。

横浜スタジアムの施設の管理・運営は重要なことですが、株式会社横浜スタジアムは本市の外郭団体ではありません。本市は同会社の株5.7%を所有する一株主にすぎません。そのため、これまでも議会の関与ができませんでした。

今後、横浜スタジアムを公園施設として、株式会社横浜スタジアムが今後40年間にわたり自由に管理・運営することができるようになります。施設そのものは本市の所有であり財産です。市民の立場に立った管理運営条件はどのように保証されるのか、伺います。

〈市長答弁〉

林市長:市第8号議案及び市第13号議案についてご質問いただきました。条例改正後の野球場や場内放送設備等の市民の皆様の使用料ですが、今後も現在横浜市公園条例及び同施行規則で規定している料金と同様とするよう管理許可の条件としております。

先生のご質問に使用料がございました。横浜スタジアムの使用料、横浜市公園条例施行規則によっておりますが、グラウンドでございます。昼9時から17時の1時間1万4,000円、夜17時から21時の中の1時間2万8,000円ございます。学生・生徒・児童が使用する場合は、1時間4,500円となっております。

野球場などの市民の皆様の利用の考え方ですが、横浜スタジアムは、昭和53年のオープンから今日まで、長く市民の皆様に親しまれてきた球場です。このため、市民、アマチュア利用を引き続き確保できるように管理許可条件として、これまでと同様、市民アマチュア利用について、具体的に定めるとともに、年間使用計画書を毎年提出して頂き、随時その状況確認してまいります。

管理条件等における議会の関与についてですが、横浜スタジアムについては、これまでも法定団体に順ずる団体として、経営状況を市会に報告させていただいています。横浜スタジアムの増築改修計画についても、進捗状況に合わせて、市会に説明してまいります。

福祉的対応が必要な市営住宅居住者への強引な追い出しは許されない

かわじ議員:最後に、市第15号議案、市営住宅明け渡し等についての訴えの提起についてです。
議案は、市営住宅に住む当該入居者が、玄関前に物を堆積し放置する等、迷惑行為を行ったこと等を理由に、市営住宅の明け渡しを求める訴訟を提起しようとするものです。

退去を求められている当該入居者は、入居している市営住宅の玄関前に物を堆積・放置し、不良な生活環境を引き起こし、近隣住民に迷惑をかけています。こうした事態は、昨年12月1日に施行された「横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための支援及び措置に関する条例」いわゆる「ゴミ屋敷条例」を適用すべき事態ではないでしょうか。「ゴミ屋敷条例」の説明リーフレットではゴミ屋敷について「ごみなどの物が屋内や屋外に積まれることにより、悪臭や害虫の発生、崩落や火災等の危険性が生じるなど、本人または近隣の生活環境が損なわれている状態にある建築物やその敷地をいう」としています。当該入居者の生活実態は、まさに条例のいうゴミ屋敷状況にあります。

市長は条例を審議した議会で条例の施行によって変わることは、ゴミ屋敷問題の解決に向けた対策が市の責務として位置付けられたことと答弁されています。

それにもかかわらずゴミ屋敷条例を適用しませんでした。これは市の責務の放棄ではありませんか。なぜ適用しなかったのか、伺います。

ゴミ屋敷条例では、「基本的に『ゴミ屋敷』状態を解消する責任は、物をため込んだ本人にあります。しかし、その背景には、認知症、加齢による身体機能の低下や地域からの孤立などの様々な問題があります。これまでも福祉的側面から支援を行ってきましたが、引き続き市・区役所と関係機関や地域住民が協力して、本人に寄り添った支援を行います」とされています。

ところが、本件において住宅管理課は、「ゴミ屋敷条例」が施行される2日前の11月29日付で住宅の明け渡し請求・退去を求めています。

「ゴミ屋敷条例」で「市と地域住民とが協力して解消に向けたあらゆる対策を行うこと」との立場から区役所、地域が当該入居者に寄り添った支援を現在も継続しています。

こうした経過を十分承知していながら、住宅管理課は、当該居住者に住宅からの退去を迫るという真逆の対応をしようとしているのです。

これでは、本人を窮地に追い込むだけではありませんか。

住まいは基本的人権にかかわる問題です。横浜市が自ら制定した「ゴミ屋敷条例」に照らせば、住まいを奪う措置は絶対にとってはならないと考えます。

区役所が福祉的支援を行っている最中に、住居の明け渡しや損害賠償を請求するなどが最善の策であるはずがありません。

市長はこうした措置が取られようとしている一連の経緯をどのように承知されているのでしょうか。林市長ご自身の見解を伺います。以上で私の質問を終わります。

〈市長答弁〉

林市長:市第15号議案についてご質問いただきました。本件については、入居者の住居生活支援に向けてゴミ屋敷条例を適用すべきとの事ですが、ゴミ屋敷条例交付前の25年10月から長期間にわたりご本人に寄り添い、相談や堆積物の排出など同条例の趣旨に準じた支援を自治会とも連携して行ってまいりました。しかし、再三の働きかけにもかからず、堆積を繰り返し、悪臭、虫の発生、火災等の危険といった周辺住民への迷惑状態が解消されないことから、市営住宅の適正管理のため、横浜市営住宅条例に基づく手続きによって明け渡しを求めました。

本件については、市営住宅から退去させるだけでは問題の解決にならないとの事でございますが、こうしたケースでは、不良な生活環境の解消だけではなくて、当事者の方の生活上の諸課題に対して、福祉的なアプローチによる支援を一体的にご提供して課題の解決を図ることが、重要だと考えております。明け渡しの訴えの提起後も、引き続き住居のご相談、再発防止を含めた、生活上の相談など、当事者により沿った支援を行ってまいります。大変、先生ご心配で、ご質問頂戴いたしましたけれども、ここで明け渡しを求めて、それから後は、そのご本人しだいということではございません。そういう意味でいろんな方面で、この方をケアしていくということでございます。

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