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■「一般質問」 みわ智恵美議員(2017.5.26)

安倍総理の憲法9条改憲発言、共謀罪法案に物申すべき

みわ議員: 日本共産党、みわ智恵美です。最初に市長の政治姿勢について伺います。
安倍晋三首相は「2020年の施行」と期限を区切って、憲法9条に3項を設け自衛隊を書き加える憲法の明文改憲を発言しました。憲法9条は、1項で戦争と武力による威嚇、武力の行使の放棄、2項で陸海空軍その他戦力の不保持、交戦権の否認を定めています。2項で保持を禁じる「戦力」とは「別のもの」として「3項」に「国際法に基づく自衛隊」を明記すれば、2項の「制約」は自衛隊には及ばなくなります。9条2項の死文化です。一方で、明記された「3項」が独り歩きを始め、自衛隊の役割・任務が安保関連法の規定さえ超えて止めどなく拡大していくことは避けられません。
安倍首相の憲法9条改憲に対しては、政令市として唯一国際局を設置し、都市間交流・協力を通じ、国際社会の平和と発展に積極的に取り組むとしている横浜の市長として、この市の方針を阻害するものだと表明すべきではないでしょうか。市長の見解を求めます。

林市長:首相の憲法改正の表明に意見すべきとのことですが、横浜市は、これまで都市間連携や国際協力を通じて市民のみなさまと共に、世界の平和と繁栄に向けた取組を進めてまいりました。憲法改正については、引き続き国民的議論がなされるものと考えております。

みわ議員:国会で審議中の組織犯罪処罰法に「共謀罪」を創設する改正案は、日弁連も全国52の全ての弁護士会も反対しています。全国57の地方議会でも、反対や慎重な審議を求める意見書を可決しています。
この法案について政府は、「対象は組織的犯罪集団」「一般人は関係ない」と繰り返しますが、実は、その歯止めをなくすものです。昨年、夏の参院選で野党統一候補を支援する団体の事務所敷地に、捜査令状もなく大分県警別府署の署員がビデオカメラを設置した事件が明らかとなりました。
原発再稼働問題では、市民が傍聴できる会議に、原子力規制庁がこの4月までに218回も警視庁麻布署に警察官の派遣を要請し、かつての原子力安全・保安院時代には、傍聴者のリストを警察に渡していました。すでにもの言う一般市民は政府のやり方に反対するものだとみなして監視していますが、この「監視」を法によって担保しようとしているのが現代版治安維持法である共謀罪法案です。「共謀罪」ができれば「任意捜査」の名の下に、内心やプライバシーを侵す捜査がますます横行することになるのは明らかです。
「犯罪を話し合った」証拠を手に入れるために、市民の電話やメール、LINEなどのやりとりも常に監視される危険があります。まさに憲法が保障する、思想・良心の自由、集会・結社・表現の自由、通信の秘密などに根本から反するものです。「テロ対策」のためという口実も「国際犯罪防止条約の批准に必要」との言い分も崩れています。
市長は横浜事件をご存知だと思いますが、太平洋戦争中、横浜にあった神奈川県特別高等警察は、治安維持法違反であるとの容疑をねつ造して、編集者・出版関係者約60人に容疑をかけて逮捕した、いわゆる横浜事件を引き起こしました。投獄されたなかでの自白を強いる拷問は凄惨を極め、獄中死者、出獄直後の死者は4名を数えました。戦後、元被告の方々が無罪判決をと再審請求を繰り返し行い、「実質無罪」を認める決定が出されたのは、原告が全員亡くなった後の2010年。事件から68年後にこの決着を付けたのは横浜地方裁判所です。市長として、これらの歴史的教訓を生かすためにも、思想・良心の自由などを大本から脅かす憲法違反の共謀罪は、市民生活の自由を奪うものとして反対を表明するべきではないでしょうか、見解を伺います。

林市長:組織犯罪処罰法改正案に反対を表明すべきとのことですが、国際情勢が不安定な中で、テロを含む国際的な組織犯罪を防止し、国民を守ることは必要であると考えています。この改正案について、国民のみなさまの理解が深まるように、国会の場で丁寧な審議を尽くしていただきたいと思います。

市民が望む防災施策に見合う人員、予算に改めよ

みわ議員: 次に、災害に強い街づくりについて伺います。
近年、台風やゲリラ豪雨による大雨での土砂災害や水害の危険が高まっています。
また、国の地震調査委員会は「30年以内に震度6弱以上の地震発生確率は、横浜市は81%であるとの公式見解を出しています。
この4月から私たち党横浜市会議員団が行っている市民要望アンケートでは、安心安全のまちづくりでは、地震大雨などへの防災対策を第一番に強く望んでいることが分かりました。横浜市が昨年行った「市民意識調査」の市政への要望でも、1位は「地震などへの災害対策」。市内では、2014年の台風でがけ崩れによる死亡事故が発生し、9800の土砂災害警戒区域内のがけ地調査に、市は急いで取り組んでいます。
昨年度までに調査した8400か所のうち「がけ崩れにより家屋に著しい損傷が与えられ、居住者の生命に著しい影響を及ぼすおそれがあるので、早急に対応を行う必要がある」と判定したAランクのがけ地が1,197か所ありました。
市はその内の「家屋に土砂が直撃する可能性のある」と判定した即時勧告区域102か所のうち97か所のがけ地所有者に対して通知をし、そのうち39か所では所有者との相談や工事などがすすめられていると聞いていますが、あまりに少ないと言わざるを得ません。「早急に対応を行う必要がある」と判定したAランクのうち、直接所有者に通知していない残りの1,095か所のがけ地に対しても、緊急に取り組むべきと考えますが、これらのがけ地対策に当たる職員は、現在11人です。1000を超える緊急度の高いがけ地対策については、実態に見合った対応スピードで進めることができるよう、人員配置の抜本的強化を図るべきと考えますが、市長の見解を伺います。

林市長:がけ地にかかる市民の災害への不安にこたえる人員配置についてですが、26年度に建築局に建築防災課を設置して、さらに27年度には、増員を図るなど、執行体制の強化を進めています。加えて、地質の専門機関と幅広く連携するなど、様々な工夫を図って、総合的ながけ地対策を推進しています。

みわ議員:本年度、市は、緊急輸送路の整備・都市基盤の耐震対策に約680億円あてています。
そのうちの333億円が横浜環状道路等の高速道路関係整備分です。そして、この事業の担当者として、理事や部長含めて69人が配置されています。がけ防災担当者数とのあまりの違いに愕然とします。また、実施されたがけ地防災・減災工事件数は、この5年でわずか124件。本年度予算は調査費を含め3億円です。
個人所有者の負担が大きくなかなか進まない現実もありますが、直接の工事に係るがけ地防災対策予算が年額2億円以下では、進めようにもすすまないのではありませんか。
中期4か年計画では、「がけ地や浸水被害が想定される地域等における被害を予防する取り組みを強化する」、横浜市防災計画で「市民の生命、身体、財産を保護することを目的」に「人命を守ることを最優先とした被害を出さない地域・社会の実現を目標」としています。この姿勢を実行するためにも、横浜環状道路などの大型公共事業よりも市民に身近な、がけ地対策をはじめとする災害に強いまちづくりを重視した予算構造に切り替えるべきであると考えますが、市長の見解を求めます。

林市長:災害に強いまちづくりを重視した予算でございますが、横浜市では、地震防災戦略を策定し、防災減災対策を最優先に取組でおります。同時に子育てや教育、福祉など市民のみなさまの暮らしを直結する施策の充実や、市内経済の活性化、都市基盤整備などをバランスよく着実に進めることで、基礎自治体としての役割をしっかりと果たしていきたいと考えています。

事業の見通しが立たない山下ふ頭の再開発を中止し、一から出直せ

みわ議員: 次は山下埠頭再開発事業についてです。
5月17日横浜港運協会は拡大理事会を開催し、山下埠頭の再開発に関する同協会の考えが示されました。
山下ふ頭内に事務所を置く横浜港運協会の会員は横浜エゼント会など8団体です。横浜エゼント会の会員は28社で、三菱、住友、三井の倉庫三社、日新、鈴江、ケイヒン、渋沢、上組など、山下ふ頭に立地する企業の多くが会員です。示された考えは、2015年9月に本市が策定した山下ふ頭開発基本計画にたいする異議申し立てとも云えるものです。
開発のコンセプト関連では、カジノ型IRを大失敗のリゾート法を彷彿とさせるとし、開発手法では、事業者の公募方式を愚策とし、東京五輪の2020年の一部供用という二段階開発方式を否定しています。
山下ふ頭での、2016年度からの、既設の倉庫、上屋、事務所の立ち退き交渉は、当初予算に計上した133億円を88億円に減額補正したようにスタート時点ですでにつまずいていますが、横浜市が、港を支えきた港湾人の合意がないままに、事業を進めれば、これからの立ち退き交渉は凍結するとの宣言もされています。
ところで、山下ふ頭再開発は、ふ頭内にとどまりません。
都市整備局は、約20億円を投じる連接バスの運行構想だけでなく、LRTの走行も目指し、港湾局は、臨港幹線道路事業での未開通ルートを事業化し、山下ふ頭へのアクセス向上をと躍起になっています。
多くのふ頭立地企業が関わる港湾の有力な団体の協力なくして、この再開発事業は成り立ちません。移転補償費などの市債発行は、事業化が遅れれば遅れるほど、金利が膨らみ、事業の採算性を悪化させます。
ふ頭関係者の合意が得られていないことがはっきりと見えた今、事業の先行きは全く見通せなくなっています。
関連事業を含めれば総額1000億をこえる公費負担を伴う巨大プロジェクトであり、IRと同一の施設立地をはかる現計画は、その拠り所を失ったと同じです。
この際、現計画はここで中止し、一から出直すべきでないでしょうか。市長の見解を伺います。
議場の皆さんも聞かれたと思いますが、「ヨコハマにカジノはいらない」と市民の市庁舎包囲行動が取り組まれました。
市長、市民の大多数がカジノ誘致に反対しています。
教育長、トバクは市にお金が入るからいいのだと子どもたちに教えるのでしょうか。
私たちが行った市民要望アンケートには1万人を超える返信が届いていますが、横浜へのカジノ誘致については、賛成は8.5%。反対は78.9%です。この声にこそ耳を傾けるべきです。

林市長:再開発をやめるべきとのことですが、山下ふ頭の再開発は、都心臨海部における新たなにぎわい拠点の形成に向けた、横浜の未来にとって大変に重要な事業であると思います。横浜港は、港とともに発展してきた街でございます。今、みわ先生からお話ございましたけど、ふ頭関係者をはじめ、これまで横浜市を支えてこられたみなさまが、今後の山下ふ頭の将来についていろいろとお考えいただいていることは承知しています。市としては、市民と関係者のみなさまのご理解をいただきながら、総合的な観点から開発の制度設計をしっかりと構築いたしまして、事業を進めていきます。

被保険者が払える国保料にするため、市独自の繰入金は継続せよ

みわ議員: 次は、国民健康保険についてです。
本市の国民健康保険加入者のうち、一定の収入のある自営業者は8%にすぎません。ほとんどは、年金生活者と零細企業、非正規で働く方々です。低収入世帯が増えています。シングルマザーでは、大半が非正規雇用で、年収200万円未満が40%を占めています。子育てをしながら懸命に働き生活を支え、社会保険等に加入していない中、国保料の負担が重くのしかかっています。
例えば、小学生が2人いるシングルマザーの世帯で、年収300万円で所得180万円とすると、年間保険料は約20万円。夫婦2人世帯では、約24万1.000円。同じ年収300万円でも社会保険等加入者なら、保険料は約10万円ですから、国保の保険料負担は2倍です。
神奈川県は、2018年4月からの国保の都道府県単位化に当たり、昨年11月に、横浜市の標準保険料率を試算しました。この料率で先のシングルマザー世帯の保険料を算出すると、年間2万2,530円も負担が増えます。
横浜市は、県が示す標準保険料率を参考にしながら、国保料を決めることになります。
問題は県が市町村に示す標準保険料率には市町村が独自に行っている一般会計からの公費繰入を反映していないことです。
横浜市の29年度予算では、保険料負担軽減分の繰入額は約100億円で、これによる保険料の引き下げは一人当たり12,000円。これがなくなれば、保険料が引き上がるのは当然です。
国は、それを避けるために、国費等を増額するとしていますが、県の試算は国費増額を前提にして行われていますので、今の国費投入程度では保険料負担は増えることが分かります。
新制度になっても、国保会計への公費繰入は「自治体でご判断いただく」というのが厚労省の答弁。 横浜市においては、保険料負担軽減のために、国・県の圧力に屈することなく、一般会計からの市独自の繰入を継続すべきと思いますが、市長の明快な答弁をお願いします。

林市長:法定外繰り入れについてですが、横浜市では現在、保険料負担緩和のために、一般会計から国保特別会計の繰り入れを行っています。今、みわ先生からもお話していただきました。国は今回の制度改革で国費を3,400億円拡充することに合わせて、市町村が独自で実施してきた国保特別会計決算の赤字補填となる一般会計からの繰り入れを計画的に解消するように求めおります。法定外繰り入れのありかたにつきましては、今後拡充される国費の具体的な内容等の提示を待って、本市の状況を踏まえて検討してまいります。

みわ議員:国は、他の市町村に比べ、被保険者の所得が高いとして、横浜市の国保会計に出すべき補助金を入れていません。横浜市は、その部分について、一般会計から繰り入れを独自に行い、保険料の負担軽減につとめています。
現在、保険料の引き下げなどのために自治体が行っている法定外の繰り入れを、無くすようにと国が求めている中で、国保制度改革に向けたこの4月の県・市町村準備会議で横浜市は、「『5年以内を目安とした段階的削減・解消』などの案をもとに、財政当局との検討を進めています」と発言しています。これでは、国・県いいなりです。地方自治を規定した憲法のもと、市町村が実施する福祉的施策を政府がとめることができないという原則を理解していない極めて残念な発言です。他の自治体からは「現時点では検討していない。平成30年度の制度改正の影響について不確定要素が多いため、法定外繰り入れの削減については、被保険者の負担増にならないよう慎重に検討していく」との声もあります。住民の負担増にならないようにとの姿勢がみえます。
県の資料では、横浜市の一般会計からの一人当たりの法定外繰入額は、2015年1万6,468円です。県の平均は、1万9,417円です。川崎市2万7,098円、相模原市2万7,485円と比べて1万円も少ないのです。国保料の決定権は横浜市にあります。地方自治の立場から市民の健康と命を守るためにも、市民が払える保険料とするための措置をしっかりと実行するべきです。独自繰入は少なくとも川崎市、相模原市と肩をならべてもおかしくありません。市長の見解を伺います。

林市長:国民健康保険の保険料ですが、30年度から国保の財政運営が都道府県単位化されますが、将来的に県内の保険料が統一されるまで、引き続き市町村で保険料を決定いたします。本市の30年度保険料は、今後県が策定する神奈川県国保運営方針や、他都市の状況なども参考にしながら、市民のみなさまに過重なご負担とならないよう、検討してまいります。

第二質問
みわ議員: 市長は、市民の負担が増大しないように、保険料を決めていきたいといわれました。この国保の保険料を決めるのは、市ですので、やはり一般会計からの繰入は、市が決めてこれからも実施すると、明確に国・県に言うべきと考えます。
今、国費が入っても、この保険料になるということが明らかになっていますので、やはり市がきちんと、法定外の繰入も入れることが必要だと思いますので、はっきりと言うことが必要だと思います。
2つ目は、現在、国保制度そのもが、被保険者は低所得、国は国保負担を減額し続けるという中で、制度疲労をおこしています。都道府県単位化をすれば解決するというものではないことは明らかです。自治体や被保険者の負担を増やすか、または給付を減らすかという、悪魔のサイクルになりかねません。この制度疲労を正すには、国保加入者の命と健康を守るという国の責務を果たす国庫負担の増額を大幅に行うように、横浜市としても国に改めに求めていくべきだと考えますが、見解を伺います。

林市長:一番目ございますけれども、先ほどもお話したことと同じでございます。今後、拡充される国費の具体的な内容等の提示を待って、本市の状況をふまえて検討してまいります。ともかく、なによりも市民のみなさまに過重なご負担とならないように、検討していくということでございます。
それから、2つ目でございますが、これは当然でございまして、これからも国庫負担をさらにきちっとお願いするように、強く求めてまいります。

安全な通学路のために、市は歩道確保に向けて土地を買い、条例を見直せ

みわ議員: 最後に安全な通学路についてです。
港南区芹が谷の元南横浜病院跡地が、国から民間に売却されて行われる再開発は、112棟の一戸建てを建てるものです。
この開発地に添う道路には、現在、開発地側には歩道がなく、反対側の歩道は、約百㍍にわたって開発地の目の前が途切れています。事業者は、一㍍以下の歩道設置しか提案していません。住宅地には子育て世代も多く入居することが予想されるなか、学校関係者や町内会の皆さんが、安全な歩道をと願っています。両側に安全な歩道ができれば、安全な通学路になります。一㍍以下では、安全な通学路として不十分です。
この声を受けて、区役所は事業者に安全な歩道の確保と、住民の声をよく聞くようにと要望を出しています。
区の土木事務所は、市開発条例に添いながら、安全な歩道の確保にさらなる譲歩をと、粘り強く開発事業者との話し合いを続けていると聞いています。しかし条例のままでは、地域の実情にあった、安全な歩道設置ができるのかと懸念されます。この道路は、県のこども医療センターや、精神保健センターとつながっており救急車両が通り、南区と戸塚区との区境の通り抜け道路でもあります。
開発予定地ですから、この途切れている歩道をつなぎ、開発予定地側にもきちんとした安全な歩道を確保するには、条例通りの6.5㍍道路の幅員では十分ではありません。
今回の開発を機に、当該地域の安全な歩道設置のために、市が買い取りを実行してでも道路用地を確保すべきではないかと考えますが、市長の見解を求めます。

林市長:国立南横浜病院跡地の再開発に伴う安全策についてですが、ご指摘の道路につきましては、現在、通学路になっておりません。用地買収による歩道設置の計画がありません。しかしながら今後、当該開発区域にお住まいになる児童の通学路として、利用されることも考えうるために、開発事業の一環として、歩道整備等の安全確保策について、事業者にお願いしております。今、先生からもお話もいただきましたけれども、この安全確保については、事業者にしっかりと以後もご説明し、協力をお願いしたい、安全確保をしていただきたいということは申し上げてまいります。

みわ議員:開発行為が行われるときに、道路の幅員確保などを義務付けている横浜市開発調整条例は、1970年代に策定した宅地開発要項を、2004年に条例として制定したと伺いました。市としては、良好な都市環境の形成を目指して都市計画法を更に拡充してつくられたとも伺いました。それでも、条例ができたのは、人口激増に見合う宅地開発を進めることが奨励されていた時代です。今、人口減少社会が到来しています。一昨年まとめられた新たな国土利用計画において、災害に強い都市構造・国土構造の形成を図るとして、「地方都市や大都市の郊外等においては、人口減少下においても必要な都市機能を確保するとともに、むしろこの機会をとらえて環境負荷の少ない安全で暮らしやすい都市の形成を目指すことか重要である」としています。 さらに、「美しく良好なまちなみ景観の形成、豊かな居住環境の創出」としています。
今、横浜市内の各地で大型スーパーや工場が立ち退いた後などにマンションなどができ、通学路の問題やあるいは通学路の変更まで起きています。港南区大久保の通学路で子どもの命を奪う交通事故が起きましたが、安全を追及しても、今ある街並みを変えることは至難の業です。ですから開発計画などは、安全な住民本意のまちづくりの再生のチャンスととらえて、「横浜市開発事業の調整等に関する条例」については、今日的な見直しの必要性についてまずは検討すべきと考えますが市長の見解を求めます。

林市長:横浜市開発事業の調整等に関する条例についてですが、良好な住環境の形成を目的に道路公園規模の基準や、開発構想の住民への説明義務などを定めております。道路幅員については、3㌶未満の一戸建て住宅地の外周道路の場合、都市計画法では、6メータ以上となっている基準を条例では6.5メータ以上と強化しており、引き続き現行基準での運用を進めてまいります。