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2007年9月市会(第3回定例会)閉会にあたって

2007年9月28日 
日本共産党横浜市会議員団 団長 大貫憲夫

はじめに

 9月13日から開かれていた第3回定例会(9月市会)は、9月28日の本会議で、今議会に市長が提出した議決案件31件すべてと前議会からの継続議案3件を賛成多数で議決、また、議員提出議案はUR都市機構の公団住宅売却に対する国への意見書など3件を全会一致で可決し、閉会しました。
 今回の議案のうち、高規格救急車の取得、旭区南希望が丘・戸塚区名瀬の地域ケアプラザの設置は、市民要望を反映したものです。しかし、市長の任期を3期12年までとする「多選自粛条例」や、ごみの分別を守らない市民に過料(2千円)を科す議案、久保山、三ツ沢、日野公園の3墓地の管理料を新たに徴収する議案、港北区太尾町住居表示変更など15件は、民主主義と暮らしを脅かし、市民サービスの後退になるとして、住居表示変更は手続きが拙速として党議員団は、反対しました。
 一般質問は大貫憲夫(団長)、議案関連質問は中島文雄(副団長)、反対討論は関美恵子の各議員が行いました。

1、一般質問

 大貫議員が取り上げたテーマは、住民税負担軽減対策、障害者福祉問題、新市庁舎整備問題などです。
 横浜市の個人住民税の減免規定では、1か月以上失職した人、収入が前年度から3割以上減少した人などが対象となっていますが、納税通知書には「災害を受けた人」と「生活保護を受けている場合またはこれに準じる場合」としか明記されていません。失職や収入減などの理由で減免されたのは昨年度288人しかいなかったことを指摘し、すべての減免対象の納税通知書への記載や納税者への郵送などを提案。市長は「さまざまな形で周知につとめていき、効果が上がるようにしていきたい」と答えました。
 障がい者問題では、自立支援法施行にともなう応益負担を軽減する市の激変緩和措置を3年間で終わらせず継続するように求めました。市長は「国の見直しの内容を見極めながら検討をしていく」と答え、また、激変緩和措置を自立支援医療制度への拡大・充実については「他の障がい者施策とあわせて総合的に検討していく」と答弁。
 他会派では、自民党が新市庁舎建設の早期着工を要求し、民主、ネット横浜などが瀬上の森開発問題で市長を質しました。栄区の無所属議員が、瀬上の森の自然を守るために、新市庁舎建設の費用を当てよと主張。公明党議員が、なんでも民営化すればいいというものではないと、議場で公言したことも注目されました。

2、議案関連質問

 ごみの分別の違反者に2000円以下の過料を科す条例案に対して、「信賞必罰」「罰則主義」ではごみ分別・減量の効果がでないと指摘、また、来年2月に実施予定の燃やすごみの収集を現在の週3回から週2回に減らすことについて、市民の意見を充分にきいたのか問いました。
 それに対し中田市長は、ごみ分別に対する基本的な考えを示すだけで罰則についての答弁はなく、ごみ収集回収については市民の意見は充分に聞いた結果と答弁。
 また、後期高齢者医療制度の問題点として、保険料の設定と減免制度、資格証明書の発行、健診の3つを取り上げ、市長の見解を伺いました。しかし市長は、制度説明を繰り返すだけで、市としての広域連合や国への働きかけについては言及しませんでした。

3、オール与党のなかにも市長に異をとなえる声が

 「市長多選自粛条例」案を審議した都市経営・行政運営調整常任委員会において、昨年12月の議会で「多選禁止条例」案を公明とともに反対した自民は、ベテラン議員が「市長が出なければすむもの」「判断は市民にゆだねるべきもの」と述べ、「条例にはそぐわない」と断言。しかし、採決にあたっては、当該議員は、団決定にそって、賛成しました。公明党議員も「条例の性格が禁止から自粛に12月と今回はちがうが、効果は同じと市長が云うが、整合性がない」と批判、しかし採決では賛成に。同条例案に対し賛成討論したのは、民主党ヨコハマ会だけでした。
 横浜市大のクレジットカード利用者への授業料の一部減額措置の廃止を求める請願審査では、市側の説明では、納得せず、これでは是非を決められないと同委員会全員賛成で継続扱いとなりました。

 以上