議会での質問(詳細)

2009年9月15日

【2009年第3回定例会】「一般質問」 大貫憲夫議員(09.09.15)

 実際には、質問と市長・教育長の答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。

子育て支援を予算配分の重点政策課題に位置づけよ

大貫議員:私は、日本共産党を代表して、林市長および今田教育委員長に質問します。
はじめに、市民の暮らしの充実と財政再建について伺います。
 市長は、所信表明で施策の第一に「市民の暮らしの充実」として子育て支援を掲げました。NPO法人がまとめた「2008年度 次世代育成ランキング」で横浜市が全国最下位と報道されるなど、「子育て支援」は喫緊の課題です。市長の決意を示すためにも、2010年度予算編成方針で予算配分の重点政策課題に「子育て支援」を位置づけることが必要と考えますが、市長の見解を伺います。

林市長:ただいまのご質問にお答えいたします。
 市民のくらしの充実と財政再建についてのご質問をいただきました。
 来年度の予算編成の基本となる考え方における子育て支援の位置づけですが、厳しい財政状況を勘案しつつ、先に所信で申し上げた5つの方向性を基本として、子育て支援など生活に直結する課題の解決に向け、予算編成にあたっていきたいと考えております。

保育所整備目標の大幅引き上げを

大貫議員:市長は、なかでも保育所待機児童解消に特に力を入れたいとされました。本年度は「かがやけ横浜子ども青少年プラン」の最終年度です。保育所整備がプランの目標3万5000人に対して、現在3万6871人と超過達成されていることについては評価しますが、現実的に4月1日現在1290名もの待機児童が発生しています。そのことは、整備目標そのものが低すぎたことを示しています。本年度策定されるのは後期計画です。この後期計画に、保育所整備目標数を大幅に引き上げることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

林市長:待機児童解消のため、整備水準を大幅に引き上げることについてですが、今後の整備計画については、現在「次世代育成支援行動計画 かがやけ横浜子ども青少年プラン」の後期計画、計画年次22年度から26年度の策定中でありまして、保育サービスの目標量についてもこの計画のなかで設定することになっております。目標量の設定にあたっては、保育所入所申込や待機児童の発生状況等を踏まえ、また女性の就業意向なども加味しながら、待機児童の解消を目指して計画を検討してまいりたいと考えております。

少人数学級の具体的実施のための工程表はいつ提出か

大貫議員:教育問題について、市長は選挙期間中で、テレビ討論会で「少人数学級」の重要性を説き、その実現と推進を表明されました。現在の40人を上限とする学級編成を少人数に変えることは、子どもをていねいに育てるための必要条件であり、市民の強い要求です。民主党も、少人数の学級編成など、きめ細やかな教育を行えるよう「教員数拡充法案」を出しています。「少人数学級」の具体的実施のための工程表はいつ提出されるのか、伺います。

林市長:少人数学級についてですが、先の所信表明でも申し上げましたが、子どもたち一人ひとりに目が行き届くよう、少人数教室やティームティーチングを推進していきたいと考えております。今後推進のための計画や具体的な手法などについて検討を進めてまいります。

国保証の取り上げをやめよ

大貫議員:全国一の国民健康保険証、いわゆる国保証の取り上げは重大です。全国保険医団体連合会の調査で、国保証を取り上げられた人の受診率は保険証を持つ人の53分の1に低下することが報告されています。まさに命の問題です。国保証の取り上げを中止すべきです。当面、新型インフルエンザへの緊急対策として、町田市で実施するとしている国保証取り上げ世帯への一年間の短期保険証発行を、本市でも実施すべきと考えますが、この2点についての見解を伺います。

林市長:国民健康保険の資格証明書の交付についてですが、資格証明書は特別な事情もなく保険料の納付が滞っている方を対象に、相談や納付を促す機会をつくるために交付しております。これは、国民健康保険を加入しているみなさんで支えていくという観点から必要なことだと考えております。区の窓口では、十分に事情をお聞きした上で、保険料の減免や短期被保険者証への切り替えなど、所帯の状況に応じたきめ細かな対応に努めております。
 本市国保における資格証明書交付所帯の新型インフルエンザへの対応についてでございますが、5月以降の感染拡大期においては厚生労働省通知により感染拡大防止の観点から、発熱外来では資格証明書を通常の被保険者証と同じ取扱としていました。現在は流行期の段階にはいったため、資格証明書の取扱は一般の疾病と同様の取扱に変更されています。今後については、流行の動向を注視しつつ、国と連携しながら対応を図ってまいります。

横浜駅周辺大改造計画は抜本的見直しを

大貫議員:次は、財政の健全化についてです。
 市長は、所信表明で「財政再建と行政サービスの充実の両立に力を注ぐ」と決意を示されました。今年度の市税収入は予算編成時の見込みを215億円下回るとされ、来年度はさらに落ち込むことが予想されています。厳しい財政運営が求められるのは事実です。財政支出の優先度を明確にし、不要不急な事業は見直しをしなければなりません。
ところで、横浜駅周辺大改造計画では、今年度末の計画発表と同時にJR東日本など民間が動き出し、みなとみらい21地区と同様にインフラ整備に加えて助成金など本市の税金が投入されると聞いています。多額な財政支出は必至です。新市庁舎建設については報道ではプライオリティを下げるとされましたが、先ほどの答弁では後退をした感に思えてなりません。これは大問題だと私は考えています。並行的に練られているこの計画についても、一時凍結ではなく抜本的見直しが必要だと考えますが、市長の見解を求めます。

林市長:財政の健全化について、ご質問をいただきました。
 横浜駅周辺大改造計画の一時凍結または中止などの措置の必要性ですが、横浜駅周辺大改造計画は、羽田空港の国際化を契機にターミナル機能の強化や地震、大雨等に対する安全対策、地球環境等への貢献を、官民共同で進めていくプロジェクトです。これにより、首都圏南西部の拠点として、ホスピタリティーあふれた魅力あるまちづくりを進め、横浜のブランド力の向上や市全体の活性化を目指してまいります。厳しい経済状況を勘案しながら、民間活力を最大限に生かすとともに、国に対しても新たな制度の創設を働きかけるなどを進めてまいります。

市債発行の削減率を引き下げて財源の確保を

大貫議員:午前中の質疑のなかで、市長は、財政健全化のために市債発行額を毎年減らし続けることを基本とすると述べられました。問題はその削減率です。前市長は行政改革の旗手としての結果を出すため、市債発行額を前年度対比5%削減するとして、必要以上に市債発行の削減率を引き上げてきました。しかし本市は、5大都市の中で市民1人あたりの市債残高が一番少なく、決して財政再建団体になるような危機的状況ではありません。市債は貴重な財源です。当面、市債残高を増やさないことを基準に、市債発行の削減率を引き下げ、財源を確保することも必要だと考えますが、市長の見解を伺います。

林市長:市債の発行抑制についてですが、本市の市債残高は約4兆6000億円とまだまだ多額であり、持続可能な財政運営を行うためには、引き続き借入金残高を減らす必要があります。従って、予算編成に望むにあたっては、財政健全化に向けた市債発行の抑制を継続することを基本としてまいりたいと思っております。

借金返済はあわてず使える財源の確保を

大貫議員:前市長は、大型公共事業の焦げ付きで生じた特別会計・企業会計の借金を短期間で返済するとして、年間1000億円もの多額の償還をしてきました。例えば、市営地下鉄事業に関わる1280億円は10年の返済です。何もこんなに慌てることはありません。出来る限り長期で返済し、単年度で使える一般財源を確保する必要があると考えますが、市長の見解を伺います。

林市長:特別会計・企業会計等の借入金を早期に返済せず、市民生活の充実にあてるべきとの考えについてですが、中長期的な健全財政の維持のために、横浜市中期計画では一般会計の債務にとどまらず、特別会計・公営企業会計および外郭団体の債務のうち、市税等で対応する債務についても、計画的に返済することとしています。本市全体の財政の健全性の確立という視点からは、安易な先送りは慎むべきであると考えております。

なぜ審議会答申無視、無記名投票で教科書採択か

大貫議員:次に、歴史教科書採択問題についてです。
 横浜市教育委員会は8月4日、全国で始めて自由社版中学歴史教科書を採択しました。自由社版教科書には問題が山積みです。ここで問題にするのは、教科書取り扱い審議会の答申を教育委員会が無視して、自由社版教科書を採択した問題です。審議会で自由社版教科書は、採択された緑区、金沢区では推薦されておらず、採択された残りの6区でも教科書として「望ましい項目数」が1項目でしかなく、他社の教科書が優れているとされていました。今回の教科書採択にあたり、なぜ審議会答申を覆してまで自由社版歴史教科書を採択したのか、同時になぜ採決を無記名投票に変えたのか、8月4日の教育委員会ではその理由が表明されていません。教育委員の責任として、それぞれの考えを明確にする必要があると考えます。これら2点について、今田教育委員長の見解を求めます。さきほどの田村教育長の答弁では私は納得しません。

今田教育委員会委員長:ご答弁申し上げます。
 歴史教科書採択問題について、ご質問をいただきました。
 教科書採択を無記名投票にした理由についてですが、先ほども田村教育長申し上げましたように、横浜市教育委員会会議規則第27条に、採決の方法は、挙手、記名投票、無記名投票の3種とし、委員会において適宜これを採用すると定められており、これに基づき適正に実施したものでございます。
 なお、無記名投票は、国の指導あるいは県の指導にあたりましても、教科書採択にあたって公正な採択の確保のために、静謐な環境の確保を求めております。そういうことで今回採択事務の円滑な遂行を進める上で必要と考えて採用したものでございます。
 教科書採択の結果と教科書取扱審議会との関係についてございますが、教科書採択にあたっては、各教育委員が教科書見込み見本を読み込み、各社の教科書を比較検討し、教科書審議会の答申を踏まえつつ、横浜の子どもが使うことがふさわしいとされた教科書のなかから、それぞれの教育委員が自己の見識に基づき、法律上与えられた権限と責任において投票し、その結果採択されたものでございます。
 ご答弁申し上げました。

侵略戦争美化の自由社版歴史教科書

大貫議員:「新しい歴史教科書をつくる会」の主導で編集された自由社版歴史教科書は、侵略戦争を美化する特定の歴史観によって編集されたものです。「つくる会」の教科書は歴史を歪曲しているとして、韓国や中国を初めアジアの国々から批判をあびています。日本を代表する国際港であり、来年APECを開催する本市で自由社版教科書を使うことは、アジアを初めとする国際交流に亀裂を生じかねません。自由社版教科書は横浜にふさわしくないと考えますが、市長の所感を伺います。

林市長:歴史教科書採択問題について、ご質問いただきました。
 自由社の歴史教科書を採択したことに対する所感とのことですが、教科書採択については教育委員会の権限であると認識しております。

法に触れる教科書全市1採択地区化

大貫議員:市教育委員会は、教科書採択地区を現在の18地区から全市1地区として一括採択することを、県教育委員会に要望しています。これは、指定都市については行政区一区または複数区で採択区を設定するという「教科用図書無償措置法」16条に抵触するものです。林市長は、教科書採択地区について「横浜市全体の採択区とすることは適正規模とはいえず、理想的には学校ごとの採択へ段階的に移行することが望ましい」とされ、民主党の政策でも「学校単位へと採択の範囲を段階的に移行する」としています。全市一括採択は、法に触れ、市長の考えにも全く背くものと考えますが、市長の見解を求めます。

林市長:教科書採択地区数につきましては、教育委員会の権限であると認識しております。先ほど、大貫議員から私が18区各区別々の採択をというふうな発言というふうにおっしゃったように私、聞こえたんですが、そういうことを申し上げたことはございません。

(第二質問)
大貫議員:先ほど林市長は、採択の件で私は、横浜市全体の採択区にすることは適正規模とはいえず、理想的には学校ごとの採択へ段階的に移行することが望ましいといったことはないとおっしゃいましたけども、あなたに出した選挙中でのアンケートでは、あなたの陣営からあなたの責任と返ってきています。ですからそれは取り下げて、言ったことをきちっと認めてください。以上です。

林市長:教育委員会の権限だと思っておりますので、その件につきましては、私はちょっとそこを認識していないことは大変申し訳なく思います。ただ、私としては、その点については教育委員会の権限だというふうに思っております。お返事でございます。以上です。

(議長の許可を得て自席にて発言)
大貫議員:ただいまの林市長の件について、私は私に対する言ったことを言っていないと議場で言ったというふうに言っていますので、その件について、それを正すための議事進行です。

(議長の許可を得て議場で議事進行についての発言)
大貫議員:私がこの議場でみなさんの前で、市長が言ってないことを言ったと、私は知らないとおっしゃっていましたけどね、私はきちっと見て今回発言しています。ですから、市長が私は知らなかったということをきちっと言って、私が発言のなかで市長が言っていないことを言ったということを取り消していただきたい。それをお願い、それだけの話です。

林市長:私は、教科書問題については教育委員会の権限であるいうことを申し上げたいと思います。改めて。

非核平和都市宣言と非核神戸方式の採用を

大貫議員:最後に、平和問題です。
 7月21日、米海軍イージス駆逐艦ジョン・S・マケインが大さん橋国際客船ターミナルに接岸しました。戦後、横浜市が港湾管理者になって始めての、米海軍の軍艦入港です。同イージス艦には核兵器運搬手段のトマホークが積載され、核兵器の存在は否定できません。いま、日本への核持ち込みがアメリカ政府の公文書で明らかにされ、国会で大問題になっています。
 横浜市議会は、1984年に非核三原則の完全実施を求めた非核兵器都市宣言に関する決議を採択しています。世界的には、今年4月プラハでオバマ米大統領が核兵器廃絶を世界に訴え、核兵器廃絶を求める新たな流れが起きています。
 市長は、本市議会の決議に沿って非核平和都市宣言を行うとともに、外国艦船が神戸港に入港する際に核兵器を搭載していないことを証明する「非核証明書」を提出することを義務付けた「非核神戸方式」を、横浜港にも採用すべきと考えます。この2点での市長の決意を伺って、私の質問を終わります。

林市長:非核兵器平和都市宣言についてでございますが、本市はピースメッセンジャー都市としてあらゆる核実験に対する中止要請、抗議を行うとともに、市民に対する平和啓発事業を行うなど、常日頃から国際平和の実現に向けた取り組みに努めております。今後とも、様々な機会を捉えて、平和の大切さを国内外にアピールする取り組みを行ってまいりたいと考えております。
 神戸方式の導入についてでございますが、横浜港には本市の権限が及ばない横浜ノースドックがあり、神戸方式の導入は困難です。
 では、残りの質問につきましては、教育委員長よりご答弁申し上げます。以上、ご質問にお答えいたしました。

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