議会での質問・討論(詳細)
2017年9月8日

■「議案関連質問」 宇佐美さやか議員(2017.9.8)

マリンタワーの新たな運営事業者の選定では、市としての検証を踏まえて

宇佐美:宇佐美さやかです。日本共産党を代表し、今定例会に上程された議案に対し質問します。
まず初めに、市第28号議案、横浜マリンタワー運営等事業者選定委員会条例の制定についてです。
この条例は、2009年より横浜マリンタワーを運営している、リスト株式会社と本市との契約が2年後の2019年に切れるため、次の事業者を選定するための委員会を設置する、というものです。
現在、本市は選定に向けた前段階として、魅力ある観光交流施設としての活用方法について、自由かつ実現可能な活用アイデアを、広く聞く「サウンディング型市場調査」の手続きに入っています。リストはこの事前説明会及び現地見学会に参加、し「次も自社で」と意欲を示しています。このサウンディング調査等を経て、運営事業者の公募要項を作成します。今回の一連の手続きの中で、この8年間の運営がどうであったかの総括を、本市自身は、しないとしています。
サウンディング調査の目的は「市場性の把握」「活用アイデアの収集」「参入しやすい公募条件の設定」と云われています。8年間の振り返りも検証もないなかでは、次の事業者を選定する基準の客観性は、欠けてしまうのではないでしょうか。もっとも適切な事業者を選定するためには、本市自ら10年間の振り返り・検証を行い、今後マリンタワーをどう活用するのが良いのかという基本構想を、本市自身が定める必要があると考えますが、どうか伺います。

林市長:市第28号議案についてご質問いただきました。選定にあたりこれまでの事業者の検証をした上で、基本構想を定めるべきとのことですが、当施設は取得にあたり、民間のノウハウを活用するなどの再生事業の方針を決定しており、今回の選定委員会でも、これに沿った審議をしていただきます。これまでの取組をふまえ、公募条件、民間の提案等を専門的知見から議論していただけることで、より魅力的な文化観光の拠点としていきます。

宇佐美:前回、選定委員会が開かれた、2007年に、リスト株式会社が、事業者等選定委員会に提出した横浜マリンタワー再生事業計画書が高く評価され、リスト株式会社が選定され、外食レストラン業の株式会社ゼットンと共同で運営しています。選定委員会は同社の提案を「従来の展望台施設とは一線を画した、付加価値の高いプログラムやマーケティングによる再生戦略が明白に打ち出されており、FMラジオを活用した観光情報発信機能を持つことなど、周辺地域の将来的なにぎわいについて期待がもてる」と評価しています。
高い評価を得た、計画書ではFMヨコハマサテライトスタジオを1階フロアに設け、2階は観光交流ゾーンにするとしています。そこには、観光情報提供スペースとして「最新の横浜の観光情報が最新の液晶タッチパネルで瞬時に情報アクセスできる、ビジュアル装置を設置します。横浜という都市が持っている多彩な要素や横浜の近未来をイメージさせることのできる都市の情報と地図をリンクさせて、マリンタワーを起点にして、横浜を回遊することのできる映像ソフトを提供、としています。さらにイメージオブヨコハマとして、エキゾチック横浜・古き良き時代の横浜を中心に、横浜の過去・現在・未来をビジュアルに表現する展示施設としています。ここで来訪者は、横浜のイメージと情報を持って展望台へのぼり、横浜の全体像を感じてもらうための展望台です」と記されています。
私は、9月2日マリンタワーへ調査に行きました。まず、全体を見て感じたことは、飲食を楽しむ方や展望台からの景色を楽しみたい方にとっては、良い施設ではありますが、ふらりと訪れた方にとっては、魅力ある施設と思えません。広く市民が、利用できるスペースであるべき3階の公益床では、結婚披露宴などのパーティー会場となっています。市民が気兼ねなく立ち寄り、憩える場は見当たりませんでした。
そして、FMヨコハマのスタジオ設備は、どこにも見当たらず、2階の観光交流ゾーンと謳われていた場所には、フェリス女学院寄贈のピアノと各種イベント案内と施設案内のチラシやパンフレットなどが置かれたラックが2台、その隣にイメージオブヨコハマと称して、横浜港開港以来の歴史を約12分間の映像として流すテレビが1台ありました。これらの向かいには、NPO法人横浜シティガイド協会のデスクと事務室がありました。デスクにはパンフレットを置き、ボランティアのガイドさんが、来場者に観光案内をされていました。そのガイドさんのお話しでは「5年程前に、この場所に来た」ということでした。この協会は、2011年の東日本大震災で、東京電力神奈川支店から、退去せざるをえない状況になり、現在のマリンタワー内に入ることになった、ということです。つまり、最初からこの場所にあったのではない、ということになります。これらの事実を見ると、リストは自らの提案通りのことを履行していないのは、明らかです。リストへの選定が決定された時、市当局は選定理由として「山下公園周辺地区の全体的魅力向上が課題であり、回遊性の改善による将来的な賑わいについて期待がもてる」としていました。しかし、提案通り履行されていないことを、承知しておきながら、何の手も打たなかった、本市の責任が問われています。このことを踏まえれば、選定委員会は、運営事業者を選定するだけではなく、選定した運営事業者の提案書にあることを、履行しているか確認をさせる、などの役割を追加して、担わせることが不可欠と思いますが、どうか、伺います。そして、現状のフロアの活用状況をみると、提案書通りになっていないことから、事業者が当初提案したように、フロアを活用するよう、ただちに事業者に改善を求めるべきと、考ますがどうか伺います。

林市長:選定委員会に提案内容の実施確認をする役割を追加すべきとのことですが、マリンタワーは、借地借家法に基づく定期建物賃貸借契約により貸し付けています。この契約に基づき運営事業所は、毎年度の運営報告書を本市に提出しており、本市においてしっかりと確認をしています。運営事業者が提案通りに直ちに実施するよう求めるべきとのことですが、当時は、優先交渉権者を決定したのち、本市と優先交渉権者との間で、事業の実施方法や運営方法に関して協議を行い、当初の募集要項等を踏まえた上で契約を締結しました。提案書の内容の目的については、概ね達成されています。

寿町総合労働福祉会館の再整備は、住民の憩いの場である娯楽室の十分な確保を

宇佐美:次に、市第29号議案、横浜市寿町健康福祉交流センター条例の制定についてです。寿町総合労働福祉会館を建て替え、その後の管理を指定管理者に行わせるという内容です。中区に在った、寿町総合労働福祉会館は、1974年に開設し、福祉施設やハローワーク・市営住宅も建てられた総合的施設でしたが、耐震対策などが必要となり再整備をすることになりました。
今回、再整備されるセンターには、新たに健康コーディネート室、活動交流スペース、作業室、機能訓練・運動スペース、多目的スペースなども、設けられると聞いており、そのことは評価しますが、以前の寿町総合労働福祉会館は、娯楽室が2階と3階にもあり、図書室を合わせるとかなりの広さのスペースがありました。囲碁や将棋を楽しむ方が集い、3畳一間の簡易宿泊所の生活から解放され、自由な時間を過ごすことができる、憩いの場となっていました。
しかし、再整備されるセンターには、ラウンジ・情報コーナーとして、ひとくくりにされ、半分近くに縮小される予定です。この娯楽室のスペースを縮小する計画は、健康福祉局の資料にある「会館の現状機能のうち、今後も必要となるものを継続するとともに、高齢者・障害者等にも配慮した環境を整える必要がある」と書かれた、センター設置目的から、少し離れてしまったように思います。ですから、少なくとも、現行の面積を確保する計画に見直すべきと考えます。ところが、センターを建築する敷地では建築基準法上これ以上建築面積は増やせないと聞いています。
しかし、併設される国の施設・ハローワークのエリアでは、建築面積を増やすことは、可能です。もともとこのエリアは、市有地です。ここに、住民が憩える娯楽の場の確保は、国との協議が成立すれば可能です。娯楽室は縮小ではなく、拡大のために、今からでも努めるべきと思いますがどうか、伺います。

林市長:市第29号議案についてご質問いただきました。娯楽施設の面積についてですが、新施設は、健康福祉交流の場となることを目的に設置し、新たに健康づくりのための健康コーディネート室や、交流の場である活動交流スペースを配置します。そのため、娯楽施設は若干狭くなりますが、囲碁・将棋ができるラウンジや、卓球などができる多目的室など、同じ1階に配置することで、旧会館よりも利便性は向上しています。
夜間の診療や、福祉サービスを支える機能ですが、高齢者障害者などの要護者に対しては、日頃から関係者が一人一人の様子を注意深く見守っていくことが大切です。急病などへの対応については、近隣の救急医療機関などで対応していただいています。また、夜間の福祉サービスについては、24時間対応可能な地域密着型のサービスも、既に使われておりまして、さらに推進してまいります。

現在の寿町が抱える福祉、医療、住まいの課題に行政として正面から向き合う施策を

宇佐美:かつての日雇い労働者の街から、高齢者の街となった寿地区では、認知症の高齢者が増加しており、簡易宿泊所に入っていても、追い出され、路上生活者にならざるを得ない事態も生じています。そして、障害者も増えています。一説では、1,000人とも云われています。この方たちに対応する、入居施設や夜間対応の医療機関が求められています。これらの課題に対して市長は、今後どう対応するつもりか考えを伺います。
以前、党市議団で寿町の簡易宿泊所の視察に行きました。簡易宿泊所の部屋の窓は小さく、布団を敷けば、もう何も置けないという、空間を目の当たりにして、愕然としました。「憲法第25条では、すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と謳っています。3畳一間の簡易宿泊所が、終の住家となっている現状は、憲法に違反していると、言わざるをえません。今寿地区では、簡易宿泊所の建て替えがいたる所で行われています。ほとんどは、3畳一間のつくりとなっています。非人間的な住環境は、改善されないまま繰り返されていきます。この現状を打開するには、行政が動く他に方法がないと考えます。本市として寿地区での、街づくりをどうするのか、市長の見解を伺います。

林市長:簡易宿泊所を含めた寿地区の方向性ですが、簡易宿泊所は、旅館業法で規定された宿泊施設です。通常は長期間の暮らしを想定していないので、ご本人がアパート等への転居を希望する場合は、転居先の確保や、定着援助など自立に向けた支援を行っています。一方、寿町にはアパートでの生活を希望しない方や困難な方も多いため、施設において健康面や交流をサポートするなどの政策を進めていきます。

保育の質が担保されない企業主導型保育事業は推進すべきでない

宇佐美:次ぎに、市第31号議案です。これは、地方税法の改正に伴い横浜市市税条例を改正するものです。問題は、企業主導型保育事業者への固定資産税を減税することです。本市は、この事業について、企業の保有する土地等を活用し、かつ柔軟な保育サービスが実施できることから、待機児解消に有効であるとして、推進をはかろうとしています。しかし、この事業の、職員配置の基準を見ると、保育従事者のうち保育士資格のある人は、半数でよいとされています。0歳児から5歳児まで預かる。給食については、19人以下の場合、調理室はつくらなくても良いとされています。このように企業主導型保育事業は、保育の質が確保された基準となっていないことは、明白です。
子どもたちの発達と成長を考えるならば、本市が減税までして、推進をはかるべきではないと考えますが、市長の見解を伺います。

林市長:市第31号議案についてご質問いただきました。企業主導型保育は保育の質を下げるため、推進をやめるべきとのことですが、企業が従業員の仕事と子育ての両立を応援するための事業であり、待機児童解消に資するものと考えております。国が主体となって進めている事業で、基準や事故防止に向けた指針等を定めています。また、全施設に国及び市が、年一回、立ち入り調査による指導等を実施し、質の確保を図っていきます。

鶴見区市場小学校の分校整備は、10年の期限付きではない施策へ

宇佐美:最後は、市第35号議案、横浜市立学校条例の一部改正についてです。
この条例改正には、今後4つの学校のあり方が大きく変わる、重大な問題をはらんでいます。
1つ目は、鶴見区に在る市場小学校です。近隣のマンション建設ラッシュにより人口が急激に増え、児童数が激増し、現在の校舎ではおさまりきらない状態となったため、市場小学校けやき分校を設置しようとしていることです。
当該地域のみなさんは、分校というかたちを選びました。
しかし、分校の設置期間は10年という期限付きです。なぜならば、分校用地は、環境創造局が雨水滞水池として将来利用するために約21億円の国庫補助金を得て取得し所有している土地だからです。学校用地として、教育委員会が取得した土地ではありません。そのために10年間という暫定使用となったものです。暫定使用のため建設費を抑えた学校施設とせざるをえません。児童の教育環境としては決して良いとは言えません。子どものことを考えるならば、閉校日の定まった学校の設置は、避けるのが当然ではないでしょうか。そこで、環境創造局と財政局、教育委員会など関係局が総結集し、期限付きではない学校の実現に向けて代替地の確保、国との再協議、当該地域での水害対策の精査など手立てを講じていただけないでしょうか。市長の見解伺います。

林市長:市第35号議案についてご質問いただきました。市場小学校のけやき分校の継続利用ですが、市場小学校については、周辺の大規模住宅の開発による児童急増に伴い、学校の新設を検討してまいりましたが、今回の建設予定地以外には適地はありませんでしたので、十年間を目途に下水道事業用地を活用するものでございます。今後の対応につきましては、住宅の開発状況や児童数の推移などを見極めて、検討してまいります。

宇佐美議員:先に述べたように、児童・生徒の急増は工場跡地等の大規模なマンション建設が原因です。旧市街地で、この児童・生徒の急増に対応する学校、保育所等の建設用地を確保することは、財政的にも困難です。開発業者に学校や保育所など、公共施設の整備費用の一部の負担を求めるなど、新たな仕組みづくり導入に向けて、検討する必要があると思いますが、伺います。

林市長:学校整備などの費用の負担を求める仕組みを整備すべきとのことですが、大規模マンションの事業者に対しては、その規模に応じて誰もが利用できる公園・広場の提供や、保育所整備の協力など様々な配慮を求めております。学校整備の費用負担につきましては、良質で低廉な住宅、宅地の供給や負担の公平性なども考慮しながら、今後の対応を検討してまいります。

教育効果の検証なき義務教育学校推進の方針は、あらためるべき

宇佐美:もう1つは、泉区に新たに緑園義務教育学校を設置することです。義務教育学校とは、前期課程6年、後期課程3年の小中一貫校です。この地域には緑園西小学校と緑園東小学校の2校があり、市立中学校はありません。新設する義務教育学校は、緑園東小の校舎等の施設と、緑園東小に隣接する市有地に新たに造る校舎を使います。その結果、緑園西小学校は廃校となり、旧緑園西小と旧緑園東小の児童 が、旧緑園東小学校の校舎に通うことになります。
市教委の推定では、義務教育学校の開校時の学級数は、前期課程で各3学級の18学級としています。現行のまま、2つの小学校が存在するとして、推進すると、緑園西・緑園東とも各学年2学級の12学級です。この学級数は、市教委が云う適正規模校です。今回、義務教育学校を新設することは、結果的に適正規模校の2つの小学校を統廃合することになります。
市教委は、2010年12月に「横浜市立小・中学校の通学区域制度及び学校規模に関する基本方針」を示しました。「統合の対象となる地域」とあり、そこには、
1つ目に、小規模校と小規模校が近接する地域というパターン、2つ目は、小規模校と適正規模校が近接する地域というパターン、最後に小・中学校併設校の設置ができる地域とあり、今回のような適正規模校と適正規模校どうしを統廃合するというパターンは、ありません。市教委自身の方針とも合致しないことを、なぜ、今回行おうとしているのか、理解に苦しみます。
又、義務教育学校をつくることによって、児童1人あたりの校庭の面積が減るのは、明らかです。そして、前期課程の1学級当たりの児童数は現在の27人から30人へと増えますから、子どもにとっても教員にとっても、教育条件の悪化に繋がることは明らかです。更に、市教委は、この計画に関する、地域への説明会を2014年11月に、保護者のみを対象として、緑園西と緑園東の両小学校と岡津中学校の各1回1時間の説明会を、開いただけです。参加した保護者は、各小学校で180人ずつ、中学校では、30人だったと聞いています。5,893世帯の地域住民に向けた説明会は開いていません。
市教委は、「小中一貫校は地域の要望」と、私に言いましたが、地域から挙げられた要望書を良く見ると、もともとは、緑園地区に公立中学校誘致は住民の悲願であったことが冒頭に書かれ、更には「公立中学校を実現したい熱意は一貫していることも改めてお伝えしたいと存じます」と記しています。小中一貫校といいながらも真意は公立中学校の実現にあることが読み取れます。
本市教育委員会の姿勢は地域や子どもたちに、目を向けていないことは歴然とした事実です。それは、国の教育再生実行委員会議の「小中一貫校」を制度化するとした提言を受けて「国の検討を先取りして小中一貫校の整備をめざす」という市教委の方針にあります。この方針を地域に押し付け、強行をはかったものです。
そして、この地域にとっては、緑園西小学校の閉校は、地域防災拠点がなくなることをも意味しています。
義務教育学校は、その教育効果について検証ができていません。小中一貫校、義務教育学校は、小学校45分、中学校50分と授業時間が異なることや、体育館やプールの共用で、時間割に無理が生じています。又、小学校の統廃合を進める口実ともなっています。検証なき義務教育学校推進の方針は、あらためるべきです。教育長の見解を伺い、私の質問を終わります。

岡田教育長:市第35号議案についてご質問いただきました。緑園義務教育学校の設置についてですが、28年4月に義務教育学校が制度化され、一体の教職員組織のもと、9年間一貫した特色あるカリキュラム等が、校長判断で実施できるようになりました。緑園地区の今後の児童数の推計を考慮しながら、環境を整えて子ども達の状況に応じた学力体力の向上や、豊かな心の育成をさらに進め、本市の小中一貫教育を推進するため、緑園義務教育学校を設置致します。以上、お答え申し上げました。


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