議会での質問・討論(詳細)
2017年10月4日

■経済局(大貫憲夫)

区役所に地域振興を行う部署の設置を

大貫議員:よろしくお願いします。後でスライドを使います。
私、先月、豊橋で行われた全国商工交流会に出てきました。そこで、中小企業振興基本条例の分科会に出ました。その時に、京都大学の岡田知弘教授が、横浜の条例の、特に受発注機会の増大、それを「見える化」していく。そしてさらには、市会に報告していく。これは素晴らしいと評価していました。
私もあまり嬉しくて、周りを見たのだけれど、私のことを誰も知らないからね、反応は無かったけども。本当に私は中小企業振興基本条例は、素晴らしいと思うし、さらに一歩進めていく質問をしたいと思っています。特に、条例の中で今後深化していかなきゃいけないと思っているのは、小規模企業と小企業に対する対応、施策だ思います。この点について、各地域で顔を見える営業をやっている、そういったところでの小企業や小規模企業に対して、局長は、どのように感じているのか、どのように評価しているのか、一番最初にお聞きしたいのですか。

林経済局長:ご指摘の小規模企業者は、現在、売り上げの減少、経営者の高齢化などの課題に直面していますけど、大企業では応えきれないきめ細やかな顧客サービスの提供や、地域の雇用の受け皿としての役割を果たされていますし、期待しています。様々な工夫を凝らして、多くの世代が集まる様な商店街なども、まさに地域のコミュニティの核として、地域の社会経済にとって大切な役割を果たしていると考えています

大貫議員:その点で、やはり地域のニーズを、きちっとどういう状況なのか掴まなくてはいけないですよね。そういうことを考えると、私は、区の役割が重要だと思います。その点で、昨日の白井議員からの質問で、市長は積極的な答弁をされたんですね。私は本当にさすがだなと思っています。こういう質問です。本市の中小企業振興基本条例を生きたものするために、次期の中期計画において、経済政策の転換が必要だと思います。区役所に地域振興を支援する部署を置く。これが必要じゃないかと。こういう質問をしています。市長は、「先生、そういうところをおくというのは、全くその通りで」と言っています。ですから、この点で市長が言っていること、市長がやることを実現するのは、当局のみなさんの仕事ですから、来年度、その準備してください。いかがですか。

林経済局長:先生もご承知の通り、区役所では地域振興課が、商工業の振興に関することをしています。昨日市長がお答えしたとおり、区の役割も非常に重要でございまして、経済局等と連携しながら、市全体の施策を進める経済局と地域の実情をきめ細かく把握している各区が、小規模企業、小企業含めた中小企業の振興について、連携をさらに深めて進めることが望ましいと考えています。

大貫議員:今おっしゃったのは、所管をしていると言われたんですよね。市長は部署を置くと言っています。所管と部署は全然違いますよ。いかがですか。

林経済局長:これはテクニカルな話ですが、事務分掌上、今、商工業の振興に関することという部分で、事務を置いていますので、そういった体制づくりをどうやっていくのか、今後、局と区の連携のあり方も含めて、検討していく課題であると考えています。

大貫議員:この質問ばっかりやれないんだけど、副市長ね、市長は部署を置くと言ってるんですよ。所管があるから良いといっているのではありません。部署を置くという以上は、きちっとした係になり、きちっとした存在を置くのは、市長の意志じゃないですか。いかがですか。

渡辺副市長:商店街に代表されるように、その地域に、特性に応じて、その地域の住民の方の生活を豊かにして、経済を活性化するために、区役所が力を発揮できる。ということについては、私も全く異論がありません。
市長も、したがって、そういうご意見については、もっともですねと答えたと思います。しかしながら、その一方で、スケジュール感まで、市長は意識して、申し訳ないんですが、答えたわけではないと、我々は理解をしていますので、中長期的に、例えば、前にも大貫先生にお答えいたしましたけれども、特別自治市などが実現をし、あるいは、それ以前であっても、もっと区の、いわば市の権限が拡充をされて、それが区の機能強化につなげることができるということになった暁には、やはりそういう区にそういう部門を置くと。これは、ぜひやりたいと思っていますが、現状では、1つは、そういう状況になっていないこと。それから経済振興、産業政策というのは、ある意味で広域行政であります。中小企業金融施策なども、区ごとに変わるわけではありませんし、あるいは製造業振興など、やはり一定のルールのもとで全区に適用しなければならない。そういうことを考えますと、区役所が区の実情を局に伝える。あるいは、局から区役所を通じて色々な必要な施策について広報する。こういう連携ののなかで進めるということが、当面は現実的にとりうる施策だと考えています。

大貫議員:副市長、時にはスピード感が必要だって誰が言ったんですか。市長は言っているわけですよ。それで。スケジュールの問題があるからと言っているけど、臨時国会をずっと延ばしたのと同じですよ。ですから、振興条例をさらに活かしていくためには、やはり必要と思っているならば、なぜやらないのか。お金と人を、きちっと手当すればできるでしょう。副市長は、振興基本条例については、二の次だと言うのですか。

渡辺副市長:今後、市も人口減少になって、市民の方から、こういう言い方はなんですが、今まで堅調に収めていただいた市税収入は減少していく。一方で、高齢社会になるので財政支出が増えていく。こういう中では、法人関連税収を増やしていく。その中心を担うのは、中小企業の方ですから、この中小企業振興中心とした経済振興策は、市の最も上位に置くべき施策の概念だと私も思っています。ですから、そこの点については、先生と同じだと思います。しかしながら、先ほど申し上げたような状況で、どういう体制でそれを行うか、と言うことについては優先順位の中で考えなければいけない事だと思います。

大貫議員:優先順位が低いということになりませんかね。それでは。時間がなくなってしまうので、これ以上はやりませんけど、今、求められてるのは、区の地域の実情をよく把握して、それを市政に反映させるということですね。区の事務分掌を見ても、規則を見てても、区はやれと言えば一生懸命にやりますよと書いてある。それから区だってそういう状況あるのだから、これは、しっかりと早くやるべきだと思います。私たちは、区が状況を掴むことが、何度も言うだけど、条例を成功させる大きな力になると思います。

小規模企業振興基本法の本旨に則った施策を

大貫議員:そこで、この地域の問題もそうですけども、具体的に、今度の小規模企業振興基本法が出されましたね。小規模企業振興基本法に対する局長の考え方を教えてください。

林経済局長:小規模企業振興基本法では、小規模企業の活力の発揮及び必要性が増大しておりましてITの活用や、国内外の販路拡大などの成長発展の支援のみならず、事業承継や安定的な雇用確保などの事業の持続的な発展の必要性が、謳われています。
小規模企業は、先ほど申し上げましたが、人口減少や国内外の競争の激化など、社会経済構造の変化が進む中での事業活動が求められていまして、経営基盤の安定強化と、経営の革新の両面から支援することが重要であると認識しています。

大貫議員:まず 小規模企業、小企業がどういう状況に市内にあるかってことを知らないといけないと思います。 スライドを使います(スライド1)。

スライド1

これ、貰った資料で作りました。これ見て説明してくれますか。

林経済局長:中小企業者は、資本金また常時使用する従業員数で分類されています。製造業建設業運輸業等では、3億円以下または300人以下。または卸売業では、1億円以下、または100人。以下サービス業では5000万円以下、また100人以下。小売業では5000万円以下または50人以下の事業者と定義されています。
一方で、小規模企業者及び小企業者については、資本金の定めはなく、小規模企業者は、製造業、建設業、運輸業等では、概ね、常時使用する従業員の数が20人以下、商業またはサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については、5人以下の事業者と定義されていて、小企業者は、業種を問わず概ね常時使用する従業員の数が5人以下、と定義されています。

大貫議員:次に数ですね。これについて説明してください。

スライド2

林経済局長:中小企業者及び小規模企業者の数と、割合ということになりますけど、中小企業者は、企業数が7万6784、中小企業者のうち、小規模企業者が6万3613ということで、全体の82.5%を小規模企業者が占めてるということになります。

大貫議員:中小企業の中で、小規模企業が82.5%ですね。非常に大きな層を占めているわけです。そこに中小企業振興基本条例の光を、そこにずっと当てる必要があると思います。もうひとつ、小規模企業数の中に、実は小企業が含まれてますね。だけど、ここには書いてないんですよ。小企業の占める割合はわかりますか。

林経済局長:これは、推計値になりますけれども、小企業者数は、約5万7000社で、市内の全企業数の約7割と見込んでいます。

大貫議員:そこが、今の実態をあらわしていると思います。小企業に対しては、その推計でしかないっていうことは、調べてないってことじゃないですか。

林経済局長:先ほどお話した分類のなかにもありましたけども、従業員の数で小規模企業者と共通してる部分は、小企業者も多いと言う部分がありますので、なかなか分類しきれてなかったことがありますけども、推計値で大体の把握をしています。今後、そういったことも意識して、調査する努力はしていきたいと思っています。

大貫議員:そこのところが大事なんですよ。それはやってない。これからだなんて言うと、その部分って言うのは、区の仕事なんです。区が自分の所できちんと把握する。副市長も言ったけど、広域として全体を調べていくと。そういう意味で区に部署が必要だと思いませんか。いかがですか。

林経済局長:区役所が、より地元の経済活性化向けて取り組んでいくと言うような話はですね、我々としても、先生のお話は非常に有意義であると考えています。今後、ただ、体制とか人員は限られた中で配分していくわけですが、今後、経済活性化に向けてどういうふうな形で、最適な投資で、最適な効果をあげるというような観点で、取り組んでいきたいと思っています。

大貫議員:現状では、そういう状況ですから、小企業に対する実態調査、何を悩んでいるのか、どうしたら事業継続ができるのか、それから事業的に何が発展のために必要と思っているのか。そういった具体的な実態調査をする必要があると思うのですがいかがですか。局として。

林経済局長:通常では景況経営動向調査によりまして、市内の中小企業も含めまして、

景況感や規模別、業種別の景況感を把握していますが、こういった調査だけではなくて、先生のおっしゃる、きめ細かなという意味では、現場訪問や相談業務等の日々の業務を通じて、市内中小企業の実態把握に努めています。
特に、小規模事業者、小企業のみなさまは、町工場みたいな製造業ですとか、商店街、技能職、市場の仲卸業者の皆さん、そしてベンチャー企業、そういったものが、かなりの比率を占めているわけでして、そういった部分について、個々の特性に合わせて、所管課が、先ほど申し上げたように、現場訪問や相談業務、様々な機会を通じて、色々課題や声を聞きながら施策を推進しているところです。

大貫議員:先ほど小企業に対して、まだ調べてないっていう状況だからね。そう言われてもどれだけの規模でやっているのか非常に疑問です。そういった意味では、小企業に対して、小規模企業に対して、きちっとした実態調査まで行かないにしても、多くのデータ、数を掴んで、やる必要があると思います。そうしないと、その実態が分からなければ、打つ手も、違ったところに手を打つことになるかもしれません。実態調査を、何らかの形で、具体的に数多くしてやる必要があると思います。いかがですか。

林経済局長:先ほど申し上げた商店街とか町工場といった小規模企業とか、色々な声を集めてやっています。例えば、やはり業種によってかなり声が違うわけですね。規模だけで判断できるわけではなくて、例えば商店街ですと、先ほどから議論がありましたが、空き店舗をなんとかしたいけどアイデアが出ないとか、経営者の方の高齢化が進んでいるとか、そう言った声があるわけで、また、企業では若い人が人材確保できないとか、販路開拓を進めたいとか、そういった声があります。また、IT企業では、色んな大企業とのマッチングをしたりとか、別の声があって、そういった意味では、企業の規模別というよりは、むしろきめ細かい対応相談の中で、色々ニーズを探ってやってことも重要であると思います。先生のお話しになった部分で、数字的にもう少し小規模企業のデータを取れる部分は、我々もそういう工夫をしていきたいと思います。

大貫議員:その点では、ぜひやってください。全部ってわけにはいかないだろうけど。やるということを私は信じていますので、よろしくお願いします。
小規模企業振興基本法が出ましたよね。これは、私は非常に重要だと思っています。国には、中小企業基本法を出した。その後に小規模基本法を出した。同じ中身ですよね。それなのに、なぜわざわざ作ったのかと、その違いがわからないと思います。私は理解していますけども。中小企業基本法と小規模基本法とどう違うのか。

林経済局長:最初に申し上げましたけど、それまでの中小企業基本法が出来た由来からしても、高度成長期の部分の成長発展というところに重きが置かれていたわけですけども、法制度改訂後は、東日本大震災もありましたし、いろんな景気の低迷ですとか、さらには様々な少子高齢化も含めて社会変化が激しいという中で、その持続的な経営の部分も大事だということを改めて認識して、基本法に書かれていると認識しています。

大貫議員:小規模振興基本法の趣旨は何ですか。何のために作ったんですか。基本的に一番の目的は、何ですか。

林経済局長:それは、先ほど申し上げました、成長発展の支援のみならず、小規模企業が持続的に継続できるように、事業承継や安定的な雇用の確保等々の取り組みが必要であるということです。

大貫議員:その通りなんです。持続的な継続。事業の発展。それが基本だとなっています。昨日の白井の質問でさせていただいたけど、小規模基本法の第7条で、区域の自然的経済的社会条件に応じた施策を策定し、そして、それを実施するのは地方公共団体の責務だと書いてありますけど、これを昨日の発言では、答えていますが、どういう内容なのでしょうか。もう一度確認したいのですが。

林経済局長:昨日の答弁は、本市では、国の小規模企業振興基本計画をふまえて、小規模企業が8割を占める中小企業に対する政策を、中小企業振興基本条例に基づき策定を実施しているということです。28年度は、条例に基づく取組み状況報告書に掲載した、経営基盤の強化と経営の革新に資する75事業を実施しました。という答弁でございました。

大貫議員:基本法ではね、その基本法の本旨に則ってやりなさいよといっているんですよ。中小企業基本条例の中でやれといってないんですけど、その辺の認識いかがですか。

林経済局長:小規模企業振興基本法では、政府による小規模企業の施策の体系をなします基本計画の策定は、国が行うとされておりまして、地方公共団体は、その計画をふまえて、地域の特性に応じた施策を策定して、効果的重点的に実施することが謳れてると認識しています。
国の基本計画の中では、需要を見据えた経営促進、新陳代謝の促進、地域経済の活性化に資する事業活動推進、地域ぐるみの支援体制の整備が掲げられていまして、本市でもそれを踏まえた多様な中小企業振興策を検討していると認識しています。

大貫議員:基本的なことは、趣旨は、持続的発展をどう確保していくかってことなんですよ。残念ながら、中小企業振興基本条例は、成長的発展というのは重きを置いていますが、持続的発展というのは、項目がない。ないのにどうして今それが言えるのですか。おかしな話だと思いますが、いかがですか。

林経済局長:先生ご指摘の事業の持続と言うことに力点をおくべきというお話ですけが、中小企業振興基本条例では経営基盤の強化、経営の核心という小規模振興基本法よりも、4年も先に、こういった概念を提示してるわけでございますけど、その条例上の経営基盤の強化に関する取組は、経営の技術的に関する課題に関する相談ですとか、販路拡大や売上増大に向けた提案、きめ細かな支援、人材確保の支援などが含まれています。また、経営の革新に資する取組は、新製品、新技術の創出支援や、技術系、経営革新等の支援が含まれています。そういった意味で、現在の企業を取りまく環境は目まぐるしく変化していますので、その両輪で、まさに経営基盤の強化と経営の革新が、事業の継続に繋がっていくと。まさに、それをやらないと事業継続できないという認識です。さらに申し上げますと、国により先に、4年前に議会全会一致で、可決された基本条例は、そういう意味で先取りして、そういった課題に対応した条例であると考えています。

大貫議員:7条では、施策を策定してと書いてありますけど、具体的に策定しましたか。

林経済局長:中小企業振興基本条例に基づく取組状況報告書を、議会にもご報告させていただきますけど、これは、ここに整理されているように、先ほどの経営基盤の強化、革新に基づく75事業を、まさに予算編成時に策定して、ご審査をいただいて、実施しています。そういったことで、まさに、その策定ということにおきまして、報告書で報告している通りでございます。

大貫議員:具体的に策定したわけではないんですよ。きちんと策定しなければならないのだから、策定してください。それと同時に、私は、この問題で言えば、やはり中小企業振興基本条例は大事です。それにプラスして、小規模企業と小企業に対する施策が条例に盛り込む必要が、私はあると思います。最後にその点を指摘して終わります。


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