議会での質問・討論(詳細)
2017年10月4日

■こども青少年局(古谷 やすひこ)

保育士不足の根本原因は待遇の問題だと言いながら民間移管事業への推進は矛盾している

古谷議員: 日本共産党 古谷やすひこです。 委員長、スライドの許可をお願いします。
まず市立保育園の民間移管についてうかがいます。保育士確保と処遇の問題について3月の予算特別委員会の連合審査で、私は市長に対して公立保育園が買い手市場である一方、民間園が保育士確保に苦労している原因について質問したところ市長は「根本的な問題はやはり待遇の問題ここが一番の問題で他の業界との賃金のギャップがあり過ぎるということが基本的な課題であると考えております」と答弁されています。局長の見解はいかがでしょうか。

田中こども青少年局長:基本的に保育士の確保にあたっては、給与の改善という意味で必要だと考えておりますし、そのギャップということが課題だと考えています。

古谷議員:その課題に対して市としてやれることあると思いますが、何をやっているのでしょうか。

田中こども青少年局長:保育士の給与の改定にあたりましては保育士が誇りと自信を持って働き続けていただくということが大事だと考えています。処遇改善については本市からも国に要望して、その処遇改善等について実現を図ってるところでございます。

古谷議員:今答弁されたことで、他業界との賃金ギャップは改善されたのでしょうか。

田中こども青少年局長:これまで、何度か国に賃金改善の要望をしておりまして、いくつかの実現をしていますが、特に29年度からは、このギャップがなくなるように、保育士のキャリアアップと連動して月額最大4万円の増額される仕組みが創設されたところでございます。

古谷議員:再度、現状で他業界との賃金ギャップは改善されたという認識ですか。

田中こども青少年局長:直接的に今時点でのそういった比較のデータはございませんけれども、国の方では、この4万円の改善で少なくとも改善が図られていくという認識で改善策としているわけです。

古谷議員:まだそれは改善されてないと思うのです。スライドをご覧いただきたい。(スライド1)

子ども青少年局 スライド (1)

市立保育所の民間移管事業について、今まで44園が公立園から民間園へ移管をされています。そのことによって費用の縮減額が累計で72億2532万円となっています。しかしその内訳を見ると人件費、事務費、事業費という項目の中で減ったのは実質、人件費のみです。つまり本来公立園のままであれば75 億 1417万円のお金が保育士の給与として支払われていたというものが、民間移管したことによってこの分、保育士給与(負担)が下げられてしまったとなっています。市立保育所民間移管事業の事業目的である保育環境の改善を推進することには逆行してると考えますが見解をうかがいます。

田中こども青少年局長:公民を比較しますと、市立保育所は職員の経験年数や年齢が高い傾向にありますので、相対的に人件費が高くなっていると考えております。移管後の給与については移管先の法人の職員に交代いたしますので、その法人の給与規定によるものでございます。引き続きその時点ではまだ4万円の給与改善等が反映されてないこともございますので、質が保てるように今後も給与改善としての方向で 対応していきたい。

古谷議員:人件費(負担)をこうやって下げておいて保育環境を改善しろというのはちょっと無理があると思うのですがいかがでしょうか。

田中こども青少年局長:目的の保育環境の改善には単に人の問題だけではなく、老朽改築等含めてございますが、人件費を下げたということではございますが、公の市立の保育所と民間の保育所の給与の比較ということになるかと思います。質の確保するためには一定の経験を持った職員の配置等も移管条件にしておりますので、それにあたらないのではないかと思います。

古谷議員:結局市の施策としてこれ進めたわけですから、人件費(負担)下げたことには変わらないと思います。保育士不足の根本原因は待遇の問題だと言いながら、一方では民間移管事業によって保育士の人件費負担を引き下げる様な施策を押し進めているというのは矛盾だと思います。それは指摘をしておいて民間移管事業そのものを私は見直すべきだと要望しておきます。

悪質な民間保育の法人に対して、市の監査体制の甘さ、弱さの是正を

古谷議員:次に保育園の質向上のための監査体制の拡充についてうかがいます。改めて本市として保育園を指導監査する意義についてうかがいます。

田中こども青少年局長:保育所への指導監査は児童福祉法及び子ども子育て支援法に基づいて実施をしております。保育所に関する諸規定が遵守されていることを確認し必要な助言勧告又は是正の措置を講ずることなどにより適正な運営が保たれるよう指導することを目的としております。

古谷議員:この間、夢工房であるとか、ももの会であるとか相次いで悪質な法人が不正を働いていたということが発覚しました。しかしそのいずれも監査では見抜けなかったわけですが何故なのかうかがいます。

田中こども青少年局長:定期監査では施設から提出されました書類を調べ、法人の幹部職員や施設長、施設職員へのヒアリングを行い適切に施設が運営されているか確認をしております。今ご指摘があった事案につきましては、法人側が書類を修正して外形上有効なものとしていたこと、幹部職員等から、事実と異なる説明があったことなどから違反事項を発見することができなかったものでございます。

古谷議員:見抜けなかったことが分かったわけですから、改善が必要だと思うのですがいかがでしょうか。

田中こども青少年局長:基本的に書類等は用意していただかなければいけないところはございますが、監査方法については、抜き打ちで行う等なども含めて今後工夫して徹底していきたいと思います。

古谷議員:実際に監査が増えれば、体制が心配になるというわけですが、次のスライドをご覧ください。(スライド2)

子ども青少年局 スライド (2)

これはですね施設数が増え続けている一方で監査体制がなかなか増えていません。
監査の執行率が下がり続けています、これは問題じゃないかと思いますがいかがしょうか。

田中こども青少年局長:監査については、実地監査のところでございますが、国等の指導、通知によりますと書面等の監査でも可能ということでございますので、そういった関係の中で実地監査と書面監査で合わせて実施することでございます。

古谷議員:確かに書かれているわけですが、原則1年と定めていることは変わりありません。半分程度の執行率で原則からこれ外れてると思います。課題だと捉えるべきだと思いますがどうかうかがいます。

田中こども青少年局長:ただ今ある園については、必ずしも2年に1回ということはございませんので、推進化とまた実地監査等で課題があったものについては毎年行うように努めております。

古谷議員:ぜひ体制拡充していただきたいと思うのです。監査の問題でいうと全国展開されている法人本部に横浜市の税金が還流しているにもかかわらず監査が及ばないという問題があります。そのような法人を私は選定すべきでないと思っていますがどうしても選定せざるを得ない時は法人(本部)まで監査を行うことを取り決めにすべきだと思いますがいかがでしょうか。

田中こども青少年局長:社会福祉法人の指導監査業務は所轄庁のみに監督権があるため所轄外の社会福祉法人に問題する課題については、現在もこれからも所轄庁と連絡を密にして対応していきたいと考えています。

古谷議員:そのことは今決まっているので、わかっていますけど、ぜひ改善すべきだと思うのです。次のスライドご覧ください。(スライド3)

子ども青少年局 スライド (3)

平成29年度の横浜市こども青少年局の指導監査説明書の資料のスライドの一部です。

保育所運営との関係が確認できない支出については施設に戻し入れを求められる場合がありますと書かれています。これはよく読むと返還すれば不問に付すという対応、私はおかしいと思うのですがいかがでしょうか。

田中こども青少年局長:説明上の資料でございますけれど、誤った場合が、故意によるものと錯誤によるものとございますので、錯誤によるものについては、訂正していただくことで対応することも必要かと思っています。委員がおっしゃるように故意の場合については私どもとして厳正に対応していくことでございます。

古谷議員:聞き方を変えますが、意図的に公金を詐取して返せば不問に付すというのが市の方針だという事で良いのでしょうか。

田中こども青少年局長:言葉足らずでございましたけれども、意図的に行った場合は、いくつかの段階を経て行政処分等も行いますしまた、保育所の委託費等の弾力運営の停止などの措置についても必要に応じて対応していきたいと考えています。

古谷議員:是非厳正に対応していきたいと思うのですが、悪質な法人に対しては少なくとも市として相談をしてやっている弾力運用については認めないとか、やれるべきことをやっていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

田中こども青少年局長:その必要性は認識しております。実施にあたりましては法的な瑕疵がないように確認しながら対応を進めていきたいと。

古谷議員:是非改善を求めたいと思います。

キッズクラブに事業費を出している以上、施策として当たっているのか調べるべき

古谷議員:次に放課後児童健全育成事業についてうかがいます。

放課後児童育成事業について、ひとり親家庭のアンケートを見ると小学生の放課後の居場所について自宅が61.9%と最も多くなっています。今の本市の放課後児童育成事業が最もこのような事業が、必要だと思えるひとり親の家庭からはあまり選ばれてないというのが私はちょっと心配なのですがこの結果についての所感をうかがいます。

田中こども青少年局長:ひとり親家庭の子どもが、放課後の居場所が自宅ということが6割ということだが、この中には祖父母と同居してる方、保護者が就労してないと言った方も含まれておりますので6割が全体ということではないとは思いますが、一定の割合が居ると認識をしております。

古谷議員:今局長が答えられたことは調査されたのでしょうか。

田中こども青少年局長:詳細分析はこれからでございますけれども、内容についてコミットしたものが入っております。

古谷議員:先日、学童の会合に呼ばれた際に、学童に子どもを預けていたシングルマザーの方が何も不満はないけどお金の問題で辞めるのだという事例を聞きました。本来であれば家庭環境に困難を抱えている、ひとり親家庭の方が金銭的に安心して第二の居場所である学童の利用ができる仕組みを是非検討すべきだと思うがいかがでしょうか。

田中こども青少年局長:現時点ではひとり親家庭も含めた低所得者世帯に減免制度を設けておりますけど、市独自でおこなっているところでございますのでその内容ついては、先に答弁しておりますが利用料減免制度につきましては国にも要望しておりますので、今後とも国に要望していきたいとは考えています。

古谷議員:非常に不十分です、足りません。改善を図っていただきたいと思います。
次にキッズクラブについてうかがいます。改めて放課後キッズクラブの設置目的何かうかがいます。

宮谷青少年部長:全てのこどもたちに豊かな放課後を過ごせる場所と機会を提供すること、留守家庭の子どもたちの居場所を充実させるということを目的といたしまして放課後キッズクラブ事業を実施しています。

古谷議員:現在の設置箇所数はキッズクラブは順調に増えてるようすが17時以降の利用者数が実績が上がっていないということについてどう課題を認識されているのか、うかがいます。

田中こども青少年局長:当初想定した利用状況等、現時点での実績が下がるということはご指摘のとおり認識しております。様々な理由で子ども達が放課後の時間をいろいろな場所で過ごしていることが考えられます。放課後キッズクラブの転換が進むにつれまして、利用児童数は増加して来ておりますので、今後当初の想定に徐々に近づいていくのではないかと考えています。

古谷議員:昨日の答弁の中では今後ニーズは顕在化するのだと回答されています、その回答の根拠をうかがいます。

田中こども青少年局長:事業計画策定の際に25年度に潜在ニーズを含めて入所調査したところを基に計画等数値作成しているところは作成しています。現時点ではいろいろなところにいらっしゃるお子さんが選択の場所が増えることによって、対処する時もニーズも顕在化してくると考えております。

古谷議員:是非、調べるべきだと思っているのです。児童全体に対してどういう放課後児童健全育成事業であるべきなのかという様なニーズ調査これやるべきだと思いますがどうでしょうか。

田中こども青少年局長:今も申し上げましたように25年度に子ども子育て支援事業計画策定する際に未就学児童、65590世帯、小学生世帯の66190世帯を対象とする大規模な調査を行ったところでございます。全体のニーズ調査としましては32年度以降の中期政策策定の中で利用希望の把握調査について検討していきたいと考えております。

古谷議員:現状でキッズに17時以降預かってもらってないわけですから、それに対して事業費を出しているわけですから、それが本当に施策として当たっているのかということは調べるべきだと思いますがいかがでしょうか。

田中こども青少年局長:全体の事業量等を測るために相当な調査等が必要だと考えておりますので、ニーズにつきましては次期計画の中で、検討していきたいと考えています。

古谷議員:ぜひやっていただきたいと思います。

学童の4割近くが補助額を超過した物件を借りている現状に家賃補助額の見直しを

古谷議員:続いて学童についてうかがいます。
学童の施設確保の問題について耐震などの理由で移転が必要な施設数いくつあるかうかがいます。

宮谷青少年部長:分割、移転等が必要なクラブは、29年の4月1日時点で101か所でございます。

古谷議員:移転を実施するためにどんな支援をおこなっていてその予算の執行状況うかがいます。

田中こども青少年局長:28年度は面積基準満たすために、分割移転を行う場合は上限200万円、耐震基準を満たすために移転を行う場合は上限150万円の補助金を交付しています。分割移転後は月額で上限20万円の賃借料補助をおこなっています。また面積基準満たすために行う分室には月額で上限15万円の賃借料補助をおこなっています。予算の執行状況につきましては28年度で対予算費56.5%の執行率となっております。

古谷議員:テンポが間に合わないと思うのです。次にスライドご覧いただきたいと思います。(スライド4)

子ども青少年局 スライド (4)

これは学童の家賃の設定の問題なのです。一律で今出しているわけです。15万と20万ですが区ごとでも家賃相場は違うと思います。この中でも小学校に対応して学童が設置されているわけですから駅近であれば、郊外部に比べて相場は高い、それ当たり前のことだと思います。結果4割近くのところが補助額を超過した物件を借りているという現状になっています。家賃補助額、これやり方を見直すべきだと思いますがどうでしょうか。

田中こども青少年局長:国では既存クラブに対する賃借料補助制度は設けておりません。本市で15万を上限に独自で補助をおこなっているところでございます。これまでも国に対して制度創設を要望しているところでございますので、ひき続きおこなっていきたいと思っております。

古谷議員:ぜひ見直していただきたいと思います。
施設確保について保護者主体の学童で、なかなかの物件借りることに苦労してる現実があります。もっと本市が前面に立って学童施設の移転先の確保のために動くべきだと思いますがどうでしょうか。

田中こども青少年局長:新たに耐震相談ですとか未流通物件の紹介など技術条件も行うNPOとの連携も進めております。また区の中でも移転が進んでいる区とそうでない区もございまして、区の取り組みとして差があるのも事実でございます。移転が進んでいる区の取り組みですとか、クラブの取り組み事例を全区に共有して、どのような形で区がサポートするかということ含めて様々な課題を抱えるクラブに対してきめ細かく対応していきたい。

古谷議員:本当にきめ細かく対応していただきたいと思います。

母子父子家庭で2715人も返済が滞ってる状況はSOS。区での対応の推進を

古谷議員:最後に母子寡婦福祉資金についてうかがいます。
ひとり親家庭で困っていることをどういうことだという認識されてますか。

田中こども青少年局長:本市でおこなったアンケート結果によりますと、子どもの事で悩んでることとしては教育費の負担と答えた人が最も多く、次いで子どもの進学や受験のこととなっています。前回のアンケート時よりも平均収入が増加しているものの生活費や教育に関する不安をもたれている状況が伺えます。

古谷議員:金銭的には困っているというのが回答としては高いと思います。今回の母子父子寡婦福祉資金について貸付実績の推移等どう分析をされているのかうかがいます。

田中こども青少年局長:28年度の貸付件数は628件で貸付額は3億1千万円となっております。高校や大学などで修学に必要な授業料や入学金の無利子での貸付が全体の98パーセントを占めています。貸付の推移は件数、金額とも平成15年度以降減少傾向にございます。

古谷議員:ニーズが減っているという分析で宜しいのでしょうか。

田中こども青少年局長:26年度から授業料や教材費に充てられる高等学校就学支援金制度等の導入によりまして子どもの修学資金としての貸付利用は減少したと考えております。また貸付相談時にはより有利な条件の、他の制度の案内もおこなっていることも、減っている原因とひとつと考えています。

古谷議員:是非、運用の改善を求めていただきたいと思うのです。国に求めるべきだと思うのですがいかがでしょうか。

田中こども青少年局長:これまでも国の方でも、一部の貸付では、連帯保証人を不要としたり利率を引き下げるなどの制度変更が行われております。必要に応じて見直し等について国に働きかけていきたいと思います。

古谷議員:この資金の滞納者の件数とその状況についてうかがいます。

細野こども福祉保険部長: 今年の5月に催告状の滞納者は2715人、件数は5731件となっております。平成28年度決算の収入未済額は17億1000万円でございました。

古谷議員:母子家庭、父子家庭で2715人もの方が返済が滞ってるという状況です。ある意味返せない状況にあると SOS を出してるとも言えます。家庭状況を聞いたり他の制度を紹介したり丁寧な対応、これ必要だと思いますがどんな職員体制で対応されているのかうかがいます。

田中こども青少年局長:納付書の発送や口座振替に関することの収納に関する業務とともに滞納にかかる督促や納付書担当の業務については局の担当職員と非常勤職員3人の体制でおこなっております。滞納者に対しては督促状や催促状の発行、滞納者への電話催告や訪問指導を行うほか、電話の案内センターの活用や弁護士への聴取を行うなど適正の納付につなげていくところでございます。

古谷議員:非常勤の方3人が2715人の方に対応されているわけです。ですからもっとひとり親家庭に寄り添った丁寧な対応するためにも、局では不十分だと思います。区での対応を進めるべきだと思いますがどうかうかがいます。

田中こども青少年局長:経済的に苦しく滞納が発生した方には生活状況として、分割納付などご家庭の生活圧迫せず、返済につながるよう丁寧な相談対応を局でもおこなっております。また滞納が長期化している世帯には生活状況把握のために、区の担当者も訪問をおこなっております。聞き取りの中で生活困窮など福祉的な支援が必要な場合には区役所の生活支援課等での相談をご案内しておりますが、今後適切な支援につなげられるよう区と局で連携して取り組んでいきたいと思います。

古谷議員:今言われたことは区で対応すべきだと思いますので、ぜひその点充実させていただきたいと思います。


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