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【2008年度決算特別委員会】】「まちづくり調整局」 白井正子

竪穴住居址を埋蔵する港北区鳥山町の宅地開発は慎重に

白井議員:日本共産党を代表して、私の地元の港北区鳥山町の宅地開発計画について質問します。
 JR新横浜駅、そして小机駅から南に1kmほどの高台で、市街化区域となっている約4万5000平方メートルの樹林地や畑を、民間事業者が178区画の宅地として開発行為を計画しています。この計画に対する住民要望は、どのようなものがあったのでしょうか。

立花まちづくり調整局長:主なものとしましては、開発区域内の既存の樹木・緑地を保存すること、新設予定の公園を2か所に分割して整備すること、埋蔵文化財の調査を行う際にはその日時を知らせること、公共用地にコミュニティ施設や子育て施設を誘致することなどとなっております。

白井議員:これらの住民要望は、市と事業者の協議の中ではどのように反映されたのでしょうか。

立花まちづくり調整局長:住民の要望等ふまえまして、事業者と協議を進めてまいりましたが、既存の緑地の保存につきましては開発北側に隣地堺の部分におきましてですが、宅地造成の基準に適合させながら宅地内の緑地帯として確保していく方向となっております。公園を現在の計画では1つなんですが、それを2つにしてほしいという要望につきましては、現状の地形と整合は難しいことや土地利用計画上の観点から、計画の変更は困難という回答がいただいているところでございます。また、埋蔵文化財の調査につきましては、工事の着工までに試掘確認調査を行うこと、その実施時期を住民に周知することについて、協議のなかで確認されております。
 なお、公共地につきましては、本市において公益的施設の具体的な計画がございませんので、事業者から提供されないということになりました。

白井議員:開発地北側の住民は、民家沿いの地形や樹木の保存を要望していまして、宅地とせず保存してほしいというものですけれども、すでに市から事業者に交付された協議結果通知書の中では、先ほどお話のありました既存の地形や樹木の保存については、宅地として造成し、宅地内の緑地帯として確保していくこととされたわけですけれども。不十分ながらも緑地帯として確保していくということは、具体的にはどのように進めていくことになるのでしょうか。

立花まちづくり調整局長:いまご指摘の開発北側の隣接地沿いの部分につきましては、現在事業者が擁壁だった計画を取りやめまして、緑地帯とするための詳細な検討を進めているというふうに聞いております。今後は具体的な造成計画の審査の段階になりますので、その中で協議結果が反映されているかどうかを審査してまいりたいと考えております。

白井議員:この開発地は埋蔵文化財を包蔵する地域で、港北区のナンバー222遺跡の範囲内にあります。協議結果通知書の中では、先ほども少し触れられましたが、その埋蔵文化財の調査に関しては、試し掘りの試掘確認調査を工事前に実施することとしています。試掘確認調査は既に行われたと聞いていますけれども、その結果はどうだったでしょうか。

立花まちづくり調整局長:埋蔵文化財の試掘確認調査は、本年6月から7月にかけて実施されております。現地で32か所の掘削調査を行いまして、縄文時代や古墳時代の竪穴住居址などが確認されているというふうに聞いております。
 なお、埋蔵文化財を所管する教育委員会からは、今後の宅地開発工事に合わせて、本格的な発掘調査を実施することになると聞いております。

白井議員:約30の竪穴住居址が見つかったという報告、聞いているんですけれども、その通常の試掘確認調査では住民への結果説明は義務付けられてはいないんですけれども、今回長期にわたる発掘調査の必要性があるほどの貴重な物が確認されたわけです。そしてまた、専門家から聞いたところ、違う時代の住居址が同じ場所で発見されていることや、また特に古墳時代前期の住居址というのは市内では例が少ないというふうに聞いています。住民からは、「結果を知らせてもらいたい」との声がありますけれども、本市として事業者に調査結果を住民に説明する機会を設けさせることはできないでしょうか。

立花まちづくり調整局長:いまお話がございましたように、試掘確認の結果を市民に説明することは義務付けすることはできてないわけでございますが、住民からそのような要望があることにつきましては事業者の方に伝えていきたいと考えています。なお、試掘確認調査におきましては、住民に従前通知しておりまして、実際に何人かの方が調査を見に来られたということも聞いております。

白井議員:分区して都筑区となっています旧港北区のニュータウン開発での竪穴住居址や墓地を国指定史跡「大塚・歳勝土遺跡」としていることは、全国の文化財関係者からも評価されていると聞いています。港北ニュータウンから遠くない本件に関しては、通常の宅地開発計画と同様な扱いとはせず、教育委員会文化財課とも連携して、特に慎重に手続きを進めていくことを要望いたしまして、質問を終わります。