議会での質問・討論(詳細)
2009年10月8日

【2008年度決算特別委員会】「市民活力推進局」 関美恵子

地区センターの維持管理等に必要な経費を増額せよ

関議員:日本共産党を代表し、質問いたします。
 地区センターは、身近な所にあることで、地域住民の活動には欠かせない施設だと思います。地区センターの指定管理者は、利用料金制の導入で利用料金収入が見込めることになりましたが、その3分の1を「ニーズ対応費」として、利用者サービスの向上を約束させられました。そこで、2008年度の利用料金収入とニーズ対応費の1館当たりの平均額はそれぞれいくらか、伺います。

葛西区政支援部長:地区センターの利用料金収入の1館当たりの平均は335万円となっております。また、ニーズ対応費の1館当たりの平均額は105万円となっております。

関議員:ニーズ対応費は、たとえば港南区の地区センター全部の2008年度ニーズ対応費使途一覧によると、和室畳表替え16万600円、ピアノ調律2万2050円、音響機器修理1万4910円、和室座卓10万3950円、料理用食器一式1万5183円、バスケットボール1万7955円、卓球台16万5060円など、地区センターの維持管理や備品・消耗品類の購入に当てられているようにみられます。利用目的からして、この使い方がどうかという問題なんですけれども、そこで、条例第2条、利用の目的を改めて伺います。

山田市民活力推進局長:本市の地区センター条例第2条に何が書いてあるかでございますが、「地区センターは、次に掲げる事項のために、地域住民のだれもが気軽に利用することができる」というふうにまず謳っております。第1号として、「スポーツ、レクリエーション、クラブ活動及び学習」、2号で「講演会、研究会、展示会その他各種集会の開催」、3号で「その他地域住民の自主的な活動と相互の交流のため必要な事項」というふうになっております。

関議員:いま伺ったように、利用の目的を達成する、これは地区センターの役割だと思うんですけれども、そのためには、それなりの備品、消耗品、維持管理は必要な内容です。それから、地域住民の相互の交流も利用の目的にあるというふうなことがあったんですが、たとえば祭りの経費、これもニーズ対応費で31万7195円、これをあてている館もあるんですね。これらも、先ほどいったのもそうですけれども、経費に該当するのではないかと思うんですけれども、伺います。

山田市民活力推進局長:地区センターのニーズ対応費でございますけれども、利用者の利便性の向上につながるものに使うための経費でございまして、利用者ニーズに応える消耗品あるいは備品等については、目的に沿った内容というふうに考えております。もちろん、いま先生おっしゃられましたような、お祭りに使うというようなこともニーズ対応費でできるんだというふうに考えておりますけれども、今後とも区と連携して、適切な執行に努めてまいりたいと考えております。

関議員:ちょっと局長と考え方違うんですけれども。ニーズ対応費は本来、ニーズ対応費の使われ方ですけども、いま市民のニーズとおっしゃいましたけれども、先ほどいったことは、本来指定管理料で通常経費として賄うものだと思うんですよ。それをニーズ対応費が肩代わりをしているんじゃないかというふうに思うんですけれども。
 私も、お茶の会で地区センターの和室を使っている人から、「畳表が擦り切れ、座ると衣服について困るので、新しくしてほしいといっているんだけれども、なかなかやってくれない」という相談を受けているんですけれども。
 たとえば、ニーズ対応費を当ててもサービスに応えきれない厳しい状況が窺われるんですよ。ですから、指定管理料で必要な経費、これやはりきちんとニーズ対応費じゃなくて、必要な経費は経費で賄えるように増額すべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。

山田市民活力推進局長:地区センターの指定管理料につきましては、公募の際に、現在の指定管理者である応募団体から提案された額に基づきまして、区と指定管理者が協議して決めたものでございます。従いまして、たとえば法定点検の件数の増加など法令変更等に伴う業務量の増加等の特別な場合を除きまして、原則的に指定管理期間中に増額を行うことはございません。

関議員:考え直してください。

地区センターの利用コマ割りを3時間刻みはやめて生活実態に合わせよ

 次に、地区センターの利用時間について、3時間きざみの4コマが大半です。3時間きざみとした根拠は何か、伺います。

山田市民活力推進局長:地区センターのコマ割りについては、利用者の実態調査あるいは利用者を対象としましたアンケートなどを考慮いたしまして、指定管理者が区役所と協議をして決めております。いろいろかたちはあるかと思いますけども、区の方で協議をして決めているということでございます。

関議員:市民に調査をしたというんですけれども、利用時間は何時間というふうになってたでしょうか。

山田市民活力推進局長:1コマ3時間であったりあるいは4時間であったり、あるいは使う施設によって2時間であったりと、その目的によって、あるいはその地区センターの場所によって違います。
 利用実態調査でございますけれども、平成17年に行っておりまして、平均で申し上げますと、会議室の利用時間は3.1時間、体育館の利用時間は同じく3.1時間というふうになってございます。

関議員:3.1時間と報告あったんですけれども、ところがですね、午後の場合、生活実態から、1時から使い、それからたとえば遅くとも5時におわるという生活実態があるわけですね。これがたとえば4コマの場合、3時で区切られると、2コマとも実質2時間しかつかえません。市民アンケートに答えた状況になっていないと思うんですけれどもどうでしょうか。

山田市民活力推進局長:地区センター全体の稼働率でございますけれども、正午から午後3時までは稼働率51.4%というふうになってございます。午後3時から6時までは33%、午後全体では44.7%というふうになってございます。従って、これ平均でございますので、コマの時間数の取り方によって、若干利用者の方がまたぐとかあるいはその時間帯で終わるとか、それは多々あろうかというふうに思います。

関議員:午前・午後・夜とした神奈川区の地区センターの稼働率はどうでしょうか。

山田市民活力推進局長:神奈川区の地区センターでございますけれども、午後のコマ割りでございますけど、午後1時から午後5時までというふうになっておりまして、平均の稼働率は58.4%というふうになってございます。

関議員:合わせて神奈川区の地区センターは、利用料金収入は2008年度の平均額でいくらですか。

山田市民活力推進局長:平均額でございますけれども、434万円というふうになってございます。

関議員:平均よりかなり高くなっていますが、利用時間のコマ割りが利用料金収入にマイナスに働くことはないようです。午後の3時間刻みを改め、1コマとして生活実態に合わせた利用時間にするよう、市として区や指定管理者を指導するよう、この際強く求めたいと思いますが、その考えはありませんか。

山田市民活力推進局長:利用時間帯のコマ割りにつきましては、先ほど申し上げました利用実態調査に基づきまして、利用者アンケートの検証も行いながら設定をされているものでございます。従いまして、現在のコマ割りは市民の生活時間帯にも合ったものというふうに考えてございます。

区役所の自主企画事業費を
税・国保の収納率順位で配分する成果主義はやめよ

関議員:次に、区役所の自主企画事業費の財政配分についてですが、基準額が一律8200万円と、人口規模に比例した傾斜配分は理解できますが、問題は税・国保の財政配分です。
 そこで、税・国保の財政配分について、配分の考え方と過去3か年の推移はどうか、伺います。

山田市民活力推進局長:自主企画事業費全体に占める市税および国民健康保険の取り分による配分割合でございますけれども、約1割というふうになってございます。具体的な配分額でございますけれども、18年度は2億7000万円、19年度と20年度は2億4000万円となっております。この配分の考え方は、17年度予算編成から取り入れているものでございます。

関議員:各区への具体的な傾斜配分方法を伺います。

山田市民活力推進局長:市税につきましては、1つは滞納圧縮率、2つ目収納率の対前年度差、3つ目に滞納繰越分収入額の目標達成率をもとに、区の順位を定めたうえで、1位から18位まで傾斜配分をいたしております。
 国民健康保険につきましては、1つは現年度分の収納率の対前年度差、2つ目に滞納繰越分の収納率の対前年度差をもとに、同様の傾斜配分を行っているところでございます。

関議員:いま局長おっしゃった、たとえば税・国保の収納率の対前年度差をみますとね、2006年度と2007年度では収納率がぐっと上っているんですけれども、2007年度2008年度では収納率の上がり幅がぐっと落ちているんです。なかには下がった区もあるんですけれども。財政配分による着実な効果は見られませんが、どうでしょうか。

山田市民活力推進局長:市税の収納率については、18年度予算編成時の指標でございますと95.3%、19年度では96.2%、20年度では96.7%。また、国民健康保険料の収納率についてでございますけれども、18年度では87.9%、19年度では88.8%、20年度では89.1%となっておりまして、経済情勢などによる変動はございますけれども、着実に上昇しているものというふうに聞いております。
 これは、区と局が一体となって組織的に取り組んでいることが大きな要因だと考えておりますけれども、実際の徴収事務を行う区の役割はきわめて重要なものというふうに考えております。

関議員:上がり幅をよくみていただきたいと思うんですよね。経済状況もあると思うんですが、必ずしもこれが有効に作用しているとは思えません。まして、収納率の向上は必要ですけれども、成果主義による財政配分はやめるべきですが、伺います。

山田市民活力推進局長:本市の、先生もご案内のとおり、厳しい財政状況のなかで、市の歳入確保に向けた取り組みが今後ますます重要となってくるものというふうに考えております。これらの取組状況を自主企画事業費の配分に反映させることは、収納率向上に寄与するだけでなく、職員の動機付けあるいは意欲の向上、区役所内の一体感の情勢につながるものというものでありまして、22年度予算編成においても引き続き生かしてまいりたいというふうに考えております。

関議員:かなり私みたところによると、上がり幅がこれからどうなるのかよくみていきたいと思うんですけれども、本来の滞納解消だとか収納率の向上に予算を当てるべきで、成果主義は見直すように改めて申し上げて、終わります。


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