議会での質問(詳細)

2009年10月14日

【2008年度決算特別委員会】「教育委員会」 白井正子

白井議員:私は日本共産党を代表して、教科書採択についてまず質問します。

歴史教科書採択にあたって自由社のみ調査は国の通知違反

 初めに「平成21年度教科書採択基本方針」これ自体の問題についてです。
 今回採択で、中学社会科歴史の自由社は、教育基本法を加筆した「教育基本方針」のもとで調査・研究を行いました。他社については調査・研究は行われず、2005年度採択時の資料をもとに検討を行いました。
 文科省からの通知で2009年4月15日付けの「平成22年度使用教科書の採択事務処理について」で、採択の手続きの一部を簡略化することも可能とされたのは、社会科以外の種目であり、社会科歴史は簡略化してはいけなかったのです。自由社しか調査しなかったことは、国の通知違反だと判断しますが、どうか伺います。

田村教育長:私どもとしましては、いま先生のご指摘のあったそういった国の通知等も踏まえて、適切に対応したというふうに考えております。

白井議員:通知の受け止め方が違いますけれども。
 では、今回改正教育基本法に沿った教科書であることを自負する自由社だけを調査研究して、他社は2005年度採択時の資料をもとに検討するやり方では、基準とする物差しが違っています。同じ物指しで調査・研究しなければ、公平な審査が行われる前提が成り立ちません。どうでしょうか、伺います。

田村教育長:先生ご承知かと思いますけども、教科書は国の検定制度というものを経て、そして供給をされているわけでございますけども、今年の3月の30日付けでもって教科書の改善についてという通知が私どもの方に届いてございます。そこの中にはどんなことが書かれているかということをご紹介申し上げますと、教科書の改善についてという、これは教科書取扱検定審議会の報告でございますけども、そこで示されているのは、教育基本法等の改正、新しい学習指導要領の趣旨を踏まえて、教科書改善にあたっての基本的な方向性を参考にして採択を進めていきなさいということでございます。すなわち、教育基本法後発行された教科書については当然教育基本法の改正の趣旨や新しい学習指導要領の趣旨も踏まえて、調査・研究をということを、文部省がいっているわけでございますので、そういったことを私どもとしては踏まえて十分な調査・研究を行ってきたということでございます。

白井議員:自由社については改正された教育基本法、その他のものは新たには今回はしていないということで、いまの説明ではちょっと納得はできかねるんですけれども。

採択時の教育委員会に取扱審議会の答申リストをなぜ出さなかったか

 続いて、採択日の8月4日の定例会の議事運営の問題について、伺います。
 事務局が審議会答申を伝える段階で、次のように説明されました。「現在18地区で使われている帝国書院、東京書籍の教科書であることや、新たに自由社の教科書が候補とされたという答申も踏まえ、各教育委員による審議と採択の決定を行っていただきたい」と。前回のような審議会の答申に沿った区ごとに第一候補の教科書リストという事務局案が出されませんでした。なぜなんでしょうか。
 また、続きますが、答申を脇に置くことが明らかになるのをカモフラージュするためと思わざるを得ないんですけれども、2点合わせて伺います。

田村教育長:答申について、これまでも本会議だとか総合審査のなかでもお答えをしているところでございますけども、それを教育委員6人はしっかりと踏まえた上でもって、同時に各教科書、それをしっかり読み込んだ上で、比較検討をして、そして結論を出しているということでございます。
 平成17年のときに、事務局案というのを示したじゃないかということがございます。それは、先生議事録をお読みになって、そのような経過を確認されている事と思いますから、それはそのとおりでございますけど、今回はまさに生の答申を出して、そして教科書を読み比べて、それを各委員の調査・研究にゆだねてということでございますので、むしろそのへんで事務局がリードしていくというこのあり方ではなくて、まさに教育委員会主導で決定をしていく、答申を踏まえて決定をしていくという、そういった経過をたどって、8月4日に適正・公正に、教育委員会の権限と責任のもとに、これを採択をしたということでございますので、ぜひ、そこをご理解いただきたいというふうに思います。

白井議員:生の答申を出したということなんですけれども、答申では各第一順位が決まっていたんですが、それが出されなかったのはどういうことなのかを聞きたいと思います。

田村教育長:答申を、大変お言葉を返すようで恐縮でございますけども、よく読んでいただくと、答申の中に第一順位はどこの教科書なんていうことは書いてないんじゃないでしょうか。

白井議員:文言では書いてありませんが、標記されたものを見れば、第一順位はわかるようになっていますが、どうでしょうか。

田村教育長:17年度採択の結果について、いま先生がおっしゃったようなかたちのことが、全部その通りなっているかどうか、大変恐縮でございますけど、ぜひご確認をいただいて、ご質問いただきたいというふうに思います。

白井議員:私が確認をしたところでは、採択の観点に沿って、それぞれふさわしい教科書はこれだというふうに記載がされているように読み取れますけれども、違うんでしょうか。

田村教育長:私どもは、重ねて同じ答弁で恐縮でございますけども、教科書取扱審議会からの答申、それからそれぞれ各教科書を直接教育委員が手にとって読み込むという、そういったプロセスを経て、そして議論をし、さらに教育委員会の定める教育委員会規則に則った手続きに従って、これを採択をしてきたというその経緯をぜひご理解をいただきたいと思います。

7社の候補のうち3社しか審議しなかった教育長の責任は重い

白井議員:それでは、8月4日の定例会での審議内容は、現行教科書か自由社かの比較はありましたけれども、候補は7社あるうち4社については全く取りあげられませんでした。審議方法について、7社審査対象にするよう各委員に発言を促すべき立場にあった田村教育長の責任は大きいものと思います。7社について発言するようどうして正さなかったのか、伺います。

田村教育長:私どもの方は、教科書取扱審議会が横浜の子どもが使うことにふさわしい教科書はこの7社ですよというそういったことは、答申に書かれていますね。そのことを踏まえたうえでもって、さらにそれぞれ合議をして、今回は無記名投票というかたちを取ったわけですけど、その投票のなかでは各委員はすべての教科書の中から選ぶと、すべての教科書の中から選択をすると、そういうような工夫をしてきておりますので、なんら手続き的におかしいとこはないというに思っております。

白井議員:おかしいことはないということなんですけれども、候補が7社あるわけですから、それぞれについて審議を求めるべきだったと思うんですが、いかがでしょうか。

田村教育長:私も教育委員の一員でございますけど、私が他の教育委員をリードしていくような、そういった進め方は、私はすべきではないということでございますので、それぞれ6人の教育委員がご自身の見識をもって、この教科書がいいということをご判断をいただいて、それをひとつの意見として投票というかたちで集約をした結果がこういった結果だというふうなことで、ご理解いただきたいと思います。

「速やかに採決を」との教育長の発言は何か不都合があったからか

白井議員:それでは、委員からイデオロギーについての問題の発言があった際に、「イデオロギーについて、近隣諸国条項は国の検定でクリアーしている」と田村教育長が議事を封じ込めた感がありました。先ほど、リードすべきではないとおっしゃったんですけれど、ここでは封じ込めた感じです。自由社の基調にある歴史観が、他の教科書と一線を画していることはもう歴然としている事実で、この点での論議を深めるべきでした。なぜしなかったのでしょうか。

田村教育長:当日、私が議論を封じ込めたというご指摘でございますけど、これもよく議事録をお読みいただきたいと思います。私が申し上げたのは、ちょっと言葉が全く同じではありませんけど、わが国の教科書検定制度というのがあります。これは、民間が作った教科書を国の教科書検定審議会が学術的専門的な見地から検定というものを行います。その検定に合格をしたものが、教科書として供給されるわけですが、その検定基準のなかには、いわゆる近隣諸国条項というのも入っています。従いまして、一部の新聞ではこの教科書は教科書としてふさわしくないというような、そういう前提に立ったお話をしている向きもございますけど、私どもとしては、国の検定制度の中でもって、国の検定制度、これちょっとしつこい言い方ですけど、これはいわゆるすでに最高裁で合憲だという判断がされていることです。その検定制度を受けて、そして教科書見本本目録に搭載された教科書であるということは、さまざまなそういったご指摘に対しては、いってみれば専門的学術的あるいは近隣諸国条項についてもクリアーをしている教科書であると、そういう判断に立つべきだということを当日申し上げたということでございます。

白井議員:そういうことが言われたんですけれども、もっとこれについて委員の議論を深めるべきだったと思っております。また、田村教育長が「速やかに採択をしていただきたい」と発言されて議論が打ち切られました。その審議はもう充分だと判断してのことなんでしょうか。それとも、これ以上発言があると何か不都合なことでもあったのかどうか、伺います。

田村教育長:これも大変失礼な言い方なんですけど、地方教育行政の組織および運営に関する法律等をお読みいただきたいと思いますけども、教育長の役割というのがございます。教育長は教育委員会のあらゆる会に出て、指導・助言するという立場がございます。まあ、そういったことを踏まえれば、私は自らの職責を果たしたということで考えております。

今まで挙手採決だったのを今回無記名投票にしたのはなぜか

白井議員:それでは、今田教育委員長に伺います。
 採決方法を無記名投票とした理由として、本会議で「国・県の指導が静謐な環境を求めている中で、採択事務の円滑な遂行を進めるうえで必要だった」と答弁されましたけれども、記名投票・挙手採決だと静謐な環境を壊して、また採択事務の円滑な遂行に支障となるのでしょうか。前回までのやり方で何か問題があったのか示すべきです。
 そして、その重大な決定に対し、各委員の態度をオープンにしてこそ市民に対する責任ある態度ではないでしょうか。無記名投票を提案した今田教育委員長に2点合わせて伺います。

今田教育委員長:教科書採択についてはいろいろご議論をいただき、本会議でも私の方もご答弁を申し上げ、また教育長の方からもご答弁を申し上げましたけども、なかなか独立した行政委員会という役割を踏まえてご答弁を申し上げたつもりですが、なかなかご理解をいただけずに、残念に思っておりますが、いまのお尋ねの無記名投票の件でございます。これは、先ほど先生からのお話もございましたように、国の方もいままでのこの教科書採択が、いろんなところでの事例を見て、イデオロギー闘争に傾く気配がある、そういう反省の上に立って、公正な採択を確保するために、静謐な環境の確保を指導しているわけでございまして、円滑な採択事務に支障をきたすような事態や違法な働きかけがあった場合は、警察等の関係機関と連携を図りながら、毅然とした対応をとることというふうな条文まではいった通知を出しているわけでございます。そういう意味で、我々としては円滑な事務の採択のために、合議の上こういう方法をとった次第でございます。
 ちょっと例はいいかどうかわかりませんが、つい最近オリンピックの決定がございました。あれも最終的には残念ながら日本は選に漏れましたけれども、無記名の投票ということでございました。そういう意味でしかるべき対応を図っていくために、そういうふうな取りようというものも、委員会が権限を持って決めることによってありえるのかなというふうに思っております。ご理解をいただきたいと思います。

白井議員:全く理解はできないんですけれども。終わります。

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