議会での質問・討論(詳細)
2009年10月15日

【2008年度決算特別委員会】「道路局」 中島文雄

中島議員:日本共産党を代表して、質問いたします。
 最初は、現在進められている都市計画道路網の見直し事業についてです。改めて、「見直し事業」の目的・内容について、ご報告願いたいと思います。

山下道路局長:都市構造や社会状況の変化に対応するため、平成16年度より都市計画道路網の見直しを進めてございます。現在未着手となっているすべての都市計画道路が約196キロメートルありまして、安全なまちづくり、環境に配慮したまちづくりなど6つの視点から総合的な評価を検証いたしまして、昨年の5月に廃止・変更・追加・存続に分類した見直しの素案を公表したところでございます。

「大田神奈川線」は道路整備と合わせて交差点改良や浸水対策を

中島議員:ここでは鶴見区に関連して、いくつか具体的に伺っていきたいと思うんですが、まず、「大田神奈川線の二ツ池周辺地域」における計画変更についてです。都市計画決定を変更する理由について、説明してください。

山下道路局長:大田神奈川線の都市計画変更でございますけども、風致公園として都市決定なされております二ツ池公園との調和を図るため、二ツ池に計画されております都市計画線を、池を迂回する現道のバス道路に変更するものでございます。

中島議員:この変更手続きで、地元説明会を行われていると思うんですが、出された意見あるいは要望の内容と、それに対するどういう反映をしていくのか、その点についても伺っておきます。

山下道路局長:池を迂回する計画案につきまして、概ねご理解いただけておりますけれども、できるだけ二ツ池への影響が少なくなるような道路計画にしてほしい、あるいは生物調査を実施してほしいなどのご意見をいただいてございます。このため、道路の整備等に当たりましては、関係区局と連携し、事前に生物や環境の調査を行いまして、公園計画と調整を図りながら、二ツ池への影響が出来る限り小さくなるような構造、施行方法を検討していきたいと考えてございます。

中島議員:いまの報告にあった意見の道路幅員、道路幅なんですけどね、現況の道路幅員を、今度の計画ではどのように変更するのか、ちょっと具体的にご報告願いたいと思います。

山下道路局長:今回の都市計画変更でございますが、最小幅員が11メートル程度の現道でございますが、これを幅員15メートルから17.25メートルの都市計画道路とするものでございます。

中島議員:11メートル前後から15から17.25ということなんですが、個々の部分、道路が拡幅されても、獅子ヶ谷交差点方面に向けての道路は現況のままなんですね。そうすると、いま意見出されたようにこの部分だけ拡幅しても、公園の面積減ってしまうんじゃないかと、そういう意見でるのは当然だと思うんですが、地元のみなさんがこういうふうに意見を出される背景には、非常に渋滞が常態化している所では、獅子ヶ谷交差点に向けての整備もしなきゃならない、あるいは獅子ヶ谷交差点の改良工事もしなきゃならないという要望が裏にあると思うんですが、その点についての今後の事業計画等あったらば、紹介してください。

山下道路局長:大田神奈川路線の二ツ池から獅子ヶ谷交差点までの区間につきましては、バス道路のバス通りの円滑化、あるいは保護者空間の安全確保のため、平成37年度までに事業着手する優先整備路線の第二期と位置づけてございます。なお、渋滞交差点の改良などにつきましては、必要に応じて局所的な改善を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

中島議員:今回の大田神奈川線における計画変更は、いま確認していたとおり、二ツ池の公園整備事業化によるのが原因だというふうに思うんです。この二ツ池周辺の住宅地、特に駒岡池側の住宅地は大雨等による雨水の浸水が非常にたびたび起きて、排水が悪いという問題があるんですね。そういう意味では、道路冠水だとかあるいは家屋浸水被害、続出しているのはみなさんもご存知だというふうに思うんです。今後の公園整備事業にあたっては、道路局でも流域の浸水対策もやっているわけですから、そういう点では道路整備と合わせて、周辺の浸水対策等について、環境創造局等と連携して改善が求められますと思うんですが、これは他局にまたがりますので、副市長の見解を伺います。

金田副市長:道路と公園の整備にあたるということで、当然両方の局に連携しまして、道路局、環境創造局が連携して取り組みますし、当然地域の方々や区役所の意見を聞いていくということが必要になりますので、そういう方向で進めていきたいと考えております。

「岸谷線」道路計画は住民の声を聞いて「計画中止」を

中島議員:次に、都市計画道路岸谷線について伺っていきたいと思うんですが、この道路は、50年以上も前の都市計画決定でありまして、当時と比べ大きく街並みも変わって、現在は計画線上に家が張り付ついています。こんなところに新たな道路が作られればまちが壊されてしまうと、ほとんどの住民が「計画廃止」、こういう要望が出されていたこと、これは担当局としてご存知だと思います。にもかかわらず、昨年9月の素案で、この計画を「廃止」でなく変更して存続路線にした。この理由はなぜか、説明して下さい。
山下道路局長:岸谷線でございますけれども、鶴見区の大きな地域課題でございます鉄道によります地域分断の解消、あるいは踏み切り事故対策、地域防災性の向上などに資する地域の将来にとって必要性の高い路線であるため、主に乗用車や小型貨物車の配慮した道路構造とする変更工法としております。

中島議員:住民要望ね、これについての配慮はどうだったんですか。

山下道路局長:かたちが通常の都市計画道路ですと大型の貨物が入ることで、地域の状況があまり好ましくいないというお考えがやはりあります。そういう中では、小型の貨物車というところに構造例の変更できることになったということで、さっそくそれは取り上げて採用したということで、地域の要望を汲んでいるというふうに理解しております。
中島議員:地元のみなさんの要望ってのはご存知のとおり、50年も前に計画決定して、街並を変化して、こんなとこに新設道路作ったらば、まちが壊されてしまうっていうので、ほとんどの方がこの計画の廃止を、中止を望んでいたわけですよ。それを変更して存続するということをしたときに、これではいろんな市の方の理由はあるかもしらんけども、この切実な住民要望についてどう反映したのかというのかというのが質問ですから、もう一度答えてください。

山下道路局長:岸谷線でございますけれども、平成8年に事業化に向け、地元に入ったときに、やはり大型車の流入によりまして生活環境が悪化という危惧の声が大きかったところでございます。そういう意味では今回の都市計画道路網の見直しというのはいいチャンスだということになると思いますが、平成14年で改正された道路構造例のそれを採用することとして、今度は地元に2日間説明会を開催し、約190人の方に参加していただいております。そういう意味で、もともとの必要性あるいは構造の変更、これをもう少し我々地元にもっともっと入って説明してまいりたいなというふうに思ってございます。

中島議員:それでは、計画変更した内容ね、具体的に説明してください。

山下道路局長:道路構造法で定めます小型道路の規格を採用し、道路幅員の縮小、あるいは道路勾配、線形の変更、構造物の設計荷重、あるいは断面の縮小などを検討してございます。

中島議員:この幅員だとか、荷重の縮小等によって、歩行者だとか自転車の通行はどうなんですか、確認をしておきます。

山下道路局長:小型道路の規格を採用する区間でございますが、道路勾配あるいは小断面のトンネル区間を考慮いたしまして、歩行者あるいは自転車はトンネルの上部こちらの方を、本線とは別のルートで通行できるようにしていきたいというふうに考えてございます。

中島議員:鉄道をまたぐ陸橋はどうなんですか。

山下道路局長:これは詳細に渡って検討するなかで、もちろん検討し、先生方にご説明上りたいなというふうに思ってございます。

中島議員:事前の鶴見区の議員団の説明でも、道路の幅員や荷重して、うんと狭くしたんで、この道路は自転車や歩行者、通行できない道路でいま計画しているんだと。そうするとまた矛盾ができて、なんのために踏み切り対策なのか、なんのために住民のみなさんの安全交通なのかということになると、小型といえども自動車専用道路になってしまうじゃないか、こういう矛盾があるわけですね。その点で確認をしたかったんですが、まだ答えないようです。
 次に、変更で、既存の岸谷線通路が途中から大型車通行禁止という道路の部分になってしまう。こういう小型道路に新たにしてしまうとね。この地域は交通混乱と事故多発の欠陥道路としてレッテルが貼られるの、私は間違いないんじゃないかと思うんですが、それについても見解いかがですか。

山下道路局長:岸谷周辺の現道でございますけれども、現在路線バスを除いて、大型車が規制されておりまして、基本的に現在の交通の規制を前提にいたしまして、県警など関係機関との協議を進めまして、安全で円滑な交通処理ができるようにしていきたいというふうに考えてございます。

中島議員:ちょっと確認をしておきますけどね、「変更」前の現計画ですね、における総事業費、「立退き軒数」および「測量対象軒数」、合わせて、今までに先行取得した用地の面積と用地費をご報告願いたいと思うんです。

山下道路局長:平成13年の概略の数値というふうになりますけれども、地権者数でございます、は集合住宅分を含めまして250名、建物の件数が130件、測量範囲内の地権者の数は950人と想定してございます。また、先行取得いたしました面積が約4000平方メートル、約27億円となってございます。なお、当時は、総事業費は算出してございませんでした。

中島議員:先行取得約4000平方メートルということなんですが、これはいま現時点で掛けて現計画だというと、どれくらいの率で先行取得が進んだんですか。

山下道路局長:4000平方メートルが団地の中の部分も含まっているということで、すべてが路線のなかに組み込まれるということではないものですから、%というお尋ねですけれども、そういう状況でございます。

中島議員:前の計画道路の幅は18メーターで、約1キロ弱ですから1キロで計算すれば約1万平方メートルになって、このうち4000平方メートル先行取得しているわけですから、約5分の1くらいしかまだ先行取得していないんですね。それで、27億円かかるわけですから、大変なことで、現在先行取得した用地も保育園になったり、公園になったりしているんですよ。ですからこれ有効に使われているわけですね。総事業費もまだ示されてないということからすると、今後小型道路にしたとしても、どれくらい縮小できるかということも計算できないわけで、はっきりしていることは、1キロメートル足らずの道路整備に鉄道こ線橋梁を作ったり、トンネル部分を作ったり、あるいは新規道路への大量の、先ほど報告があった立ち退きも発生してくるっていうので、この道路、やっぱりものすごい金がかかってしまうと思うんですね。あわせて、500メートル先には現在進行中の都市計画道路岸谷生麦線があるわけで、ここはりっぱな道路のわけなんで、こんなに隣接するところに2本も道路作っていくということ、これおかしいんじゃないかという声は当然起きると思うんですが、いかがでしょうか。

山下道路局長:先ほどの繰り返しになって恐縮ですが、鉄道によります地域の分断、これ鶴見区の解消すべき本当に重要な地域課題とされてございます。岸谷生麦線に加えまして、岸谷線の路線を整備することがこの課題解消には必要だというふうに考えてございます。具体的には、岸谷生麦線は主に横浜環状道路等を経由して臨海部交通の高域連絡を担う路線として、また一方の岸谷線は主に地域交通を担う路線として計画しております。
 なお、岸谷線でございますが、小型道路の規格を採用することや、すでに先行取得された土地を有効に活用することで、費用の低減を図ることが出来るというふうに考えてございます。

中島議員:時間がないんで、次、1・2伺いたいと思うんですが、次に、新しい政権による政策転換等による道路整備事業の影響についてなんですね。そういうことについて副市長、財政、来年度予算編成でも検討や、枠的公共事業出てますけど、これについての説明願いたいと思う。

金田副市長:いま全分野で課題検討事業というものをやっておりますけれども、これはどういう性格かといいますと、後年度を含めたかなり大きな事業費が見込まれる事業、あるいは予算編成中に国の動向を踏まえまして矯正が必要な事業、あるいは社会経済状態によって、事業費に増収が見込まれる事業で、22年度予算委編成のなかで49事業を位置づけております。なぜそういうようなことをやるかといいますと、枠的公共事業ということでやるのではなくて、全市的な観点から位置づけると、そういう観点でぜひこういう事業をきちっと位置づけて進めていきたいというふうに思っております。

中島議員:時間の関係で終わります。                                                                                                                                                                                                                        


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