議会での質問・討論(詳細)
2018年2月28日

【予算特別委員会】白井まさ子議員(港北区)が都市整備局審査で質問

グローバル企業誘致の為の再開発事業に、市民の公益性は無い

白井議員:日本共産党を代表して質問します。

横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業についてです。

スライド使用許可をお願いします。 <スライド1>

断面図

横浜駅の北西に面した鶴屋町1丁目の0.8haの土地を、組合施工で再開発し、再開発ビルが建設されます。高さ180m、44階建ての超高層ビルとなります。建設期間は今年度2017年度(29年)から2021年度(33年)までの5年間となっています。

国家戦略特区法に基づく、全国初の国家戦略住宅整備事業で、指定容積率500%のところ、都市再生特区で680%、加えて国家戦略特区で850%という2段階の大幅な容積率緩和によって、事業者の建設面積当たりの土地代負担は大幅に軽減されます。しかも補助金として公費まで投入です。

今年度、この3月までに組合が設立される段階ですから、いよいよ本格的に建設が動きしますが、本市の2018年度(30年)予算での事業内容と予算額を伺います。

池本担当理事:平成30年度は、権利返還計画の認可を予定しております。また、認可後、組合が地権者への保障を行うとともに既存建築物等の除却を行います。これらに要する費用への補助金として5億3900万円を予算計上しています。

白井議員:全額が権利者への補償費ということですが、権利者の構成はどうなっていますか。

池本担当理事:地権者11名で、東急電鉄株式会社相鉄アーバンクリエイツなどの法人と、個人の地権者で構成されております。

白井議員:この、民間が組合をつくって行う再開発事業に対して、今回、本市は5億円規模の支出をしますが、この再開発事業の総事業費・本市の補助総額と、その内訳とその根拠を伺います。

池本担当理事:組合の事業計画では、全体事業費は約366億円・補助予定額は約45億円となっております。本市は、国の社会資本整備総合交付金交付要綱や横浜市市街地再開発事業補助金等交付要綱などに基づき、補償費や工事費等の一部に対して補助を行っております。

白井議員:この再開発事業のメインというのは、再開発ビルの建設ですけれども、再開発事業によって出来る市の施設は、何なんでしょうか?

池本担当理事:本事業で市の施設と致しましては、既存の道路を拡幅するとともに、交通広場を整備致します。

白井議員:道路というのは、ビルがビルとして機能する為の必須の施設で、市の道路と言っても、その整備は事業者が行うのが当然のことだと思います。そうすると、市が整備責任を有する市の施設というのは、交通広場だけになると思うんですけれども。

スライドを御覧ください。 <スライド2>

20180226鶴屋地区配置図

この配置図が示しましたけれども、交通広場がここになります。ここに注目をしました。この地区計画では、この交通広場は面積が580㎡と示されています。国と市との公費で、45億円を支出して市民利用に寄与されるのは、この580㎡の交通広場だけです。ここの土地価格について、こちらで試算をしてみました。鶴屋町1丁目の西側にあたる鶴屋町2丁目の24の1、ここの土地がわかりましたので、国土交通省の地価公示では、㎡あたり170万円となっています。仮に、隣の鶴屋町1丁目の土地も同じ価格だとすると、580㎡では約10億円になります。仮に、1.3倍とすると13億円、1.5倍としても15億円で、タクシー乗り場の為に45億円出すというのは、市民目線からすると、あまりにも高過ぎると思いますが、どうなんでしょうか。

池本担当理事:再開発状況におきましては、都市の不燃化といった防災性の向上や、都市機能の更新などの公共性を踏まえまして、建物を共同化することにより必要となる共同施設の整備に要する費用などに対して、補助を行うものでございます。事業が着実に進むように必要な支援を適切に行ってまいります。

白井議員:では、補助額設定のルールはどのようになっているんでしょうか。一定の計算式に当てはめるんでしょうか。それとも、事業の採算をみて市が判断する裁量があるんでしょうか。伺います。

池本担当理事:先程、ご答弁しました都市の不燃化といった防災性の向上や、都市機能の更新などを公共性を踏まえまして、国の制度・要項などに基づきまして共同施設整備費等に補助することができております。支援が適切なものとなるように引き続き、組合と協議しながら事業が着実に進むように取り組んでまいります。

白井議員:協議して、その動かせる裁量があるということですね?

池本担当理事:支援が適切なものとなるように、引き続き、組合と協議しながら事業が着実に進むように取り組んでまいります。

白井議員:マンション、機能そのものには公益性があるんだと、仰っているんだと思うんですけれども、再開発事業というのはあくまで超高層ビルを建設して、ここですとグローバル企業向けの住宅・ホテル・商業施設を営む民間の事業であって、公共事業では無いんですね。ここは。それで、再開発事業として公費を投入するにしても、ハードの交通広場と道路分に限定すべきだと思います。更に、その交通広場と道路に拠って、この事業の利便性がアップする訳ですから、事業者に一定の負担を課すことも出来ます。補助金を本市が支出する補助額が抑えられるよう、しっかり交渉すべきだと思いますが、お考えを伺います。

池本担当理事:先程、ご答弁しました都市の不燃化といった防災性の向上などに加えまして、本事業は国家戦略特区に拠りまして、海外から横浜に進出するグローバル企業の就業者にとって暮らしやすい住環境を整備しまして、横浜の国際的ビジネス拠点としての機能を高めるものでございます。支援が適切なものとなるように、引き続き組合と協議しながら事業が着実にすすむように取り組んでまいります。

白井議員:答弁を受けて伺うんですけれども、この事業というのは、一般の再開発事業とは違って、全国初の2段階の規制緩和で2段階の容積率緩和を受けて、それに拠って、事業者は土地代の負担無しでビルを建てられる。そして、増えた床を使って、マンションやホテルや店舗として利用すれば、利益が上げられる。この大恩恵を受けています。それも、全国でかつてなかった全国初の大恩恵を受けるんですから、その事業に、何故私たちの税金から補助をするのかという、そもそもの疑問があります。この点の見解はどうでしょうか。

池本担当理事:本事業は、国家戦略特区に拠りまして、海外から横浜に進出するグローバル企業の就業者にとって、暮らしやすい住環境を整備しまして、横浜の国際的ビジネス拠点としての機能を高めるもので、先程お話しがありました交通広場や歩行者デッキなどを整備するなどの公共貢献を行うということで、容積率などの緩和等をしております。又、再開発事業と致しましては、都市の不燃化といった防災性の向上や都市機能の更新などの公共性を踏まえまして、国の要項等に基づきまして、建物を共同化することに拠る、より必要となる共同施設の整備に要する費用などに対して、補助を行うものでございます。支援が適切なものとなるように、引き続き組合と協議しながら着実に事業が進むように取り組んでまいります。

白井議員:また今の、答弁聞いて伺うんですけれども、そもそもの疑問を今伝えたところなんですが、交通広場というハードへの補助金分は一定は理解は出来るんですけれども、そのグローバル企業誘致の為の都心居住機能という、そういうソフトの部分にまで補助金を出すというのは、どう考えても理解が出来ないんですが、事業者は、後にビルの機能を変更する可能性がおありですけれども、ソフトはどうやって担保をするんでしょうか。

池本担当理事:先程ご答弁申しました、国家戦略特区などの住環境の整備とかいうものに関しましては、地区計画の方で担保をしておりまして、こちらの方に関しては、容積率の緩和等に対応しております。補助金につきましては、都市の不燃化といった防災性の向上とか都市機能の更新などの公共性を踏まえまして、国の要項等に基づいて、共同施設の整備に要する費用などに対して、補助を行っております。

白井議員:民間事業でいう私有財産形成にまで補助金で支援する。又、容積率緩和という恩典に更に補助金という恩典で支援をする。又、担保が取れない不確実なソフトにまで入れる補助金の、削減に向けて、是非とも頑張って頂きたい。強く要望して、この点については終わります。

都市計画決定された東高島駅北地区再整備計画の公共性は、どこにあるのか

白井議員:次に東高島駅北地区のまちづくりについてです。

スライドをご覧頂きます。 <スライド3>

C地区棟イメージパース

JR貨物の東高島駅の北側に面する地区に、日本貨物鉄道と三井不動産レジデンシャルが、高さ最高限度195mなどの超高層タワーマンション3棟、戸数約2000戸を建設予定で、2021年(33年)着工、2025年供用開始としています。現状は運河がある為に、市が運河を埋め立てて土地をつくって、(合計)7.5ヘクタールの土地区画整理事業が組合施工で行われるものです。わが党、これまで運河の埋め立て事業はマンション用地を提供するためと言っても過言ではなく、大企業に巨額な利益をもたらす開発に便宜を与えるだけと批判をしまして、再整備計画の撤回を求めてきたところですけれども、都市計画決定された現状において、本市の事業として、公共性をどう判断しているのかについてを伺っていきたいと思います。

スライドをご覧下さい。 <スライド4>

想定土地利用計画図

先ず、この地区のまちづくりにおいて、本市はどう関わるのか、又、市の実施する事業の内容はなにかを伺います。

池本担当理事:東高島北地区では、横浜の新たな都心を担う地区と致しまして、本市に拠る埋め立てと組合施行に拠る土地区画整理事業を一体的に行いまして、総合的な地域の再編成整備を進めます。この中で本市は、水域部分の埋め立て事業者であるとともに地権者であり、土地区画整理事業の認可権者でございます。

白井議員:2018年度(30年度)の事業内容と予算の内訳を伺います。

池本担当理事:30年度(2018年度)は、年度早々に土地区画整理組合が設立の予定で、土地区画整理事業とともに埋め立て事業の工事に着手してまいります。予算額は合計で約3億3000万円の事業費を計上しておりまして、この内、埋め立て事業に掛かる予算は、約1億8000万円。土地区画整理事業に掛かる予算は、約1億5000万円で、ともに工事費と移転補償費等を計上しております。

白井議員:埋め立てと区画整理のスケジュールは、どうなっていますでしょうか。

池本担当理事:組合設立後、埋め立てと区画整理事業を一体に進めまして、35年度の基盤整備工事完了を目指しております。

白井議員:埋め立てに絞って、総額はっきりさせたいと思います。埋め立て費用の総額をどれくらい見込んでいますでしょうか。

池本担当理事:埋め立て事業の総額は、約18億円と見込んでおります。

白井議員:この事業の2018年度(30年)の事業計画書の記載を見ますと、この先、2019年(31年)、2020年度(32年)で事業費が12億円となっています。その内訳を伺います。

池本担当理事:平成32年度(2020年)で宜しいでしょうか。

白井議員:32年度(2020年)は、12億と言いましたので。

池本担当理事:はい。平成32年度(2020年)の事業費、約12億円の内訳につきましては、埋め立て事業として約3億円。土地区画整理事業に掛かる補助金として、約9億円の事業費を見込んでおります。

白井議員:では、区画整理事業補助金、総額はどう見込んでいますか。

池本担当理事:区画整理事業の総額と致しましては、約93億円。それから補助金の総額としまして、約53億円を想定して見込んでおります。

白井議員:この、かなり高額の又、区画整理事業への補助金が発生する訳ですけれども、その支出する根拠はなになのかを伺います。

池本担当理事:先ず、補助金の53億円の中では、都市計画道路の整備に掛かる補助がございまして、こちらの方が多く大部分を占めております。土地区画整理事業の補助につきましては、この都市計画道路整備や既成市街地の再生等の公共性を踏まえまして、国の制度に基づき行っております。本市としては、国の社会資本整備総合交付金交付要綱や、横浜市土地区画整理事業補助金交付要綱などに基づき、補償費や工事費等の一部に対して補助を行っております。

白井議員:運河の埋め立てについては、本市の事業ですから、本市で費用が発生するということになるんですが、この区画整理に対しての補助金を支出する根拠を伺いましたけれども、ルールとしては伺ったんですが、それは横浜市として、動かす働き掛けが出来る裁量があるんでしょうか。

池本担当理事:先程、ご答弁したとおり、土地区画整理事業の補助につきましては、都市計画道路の整備を区画整理事業の中で整備をしてもらうというふうな性格もございますし、道路とか地区内で整備する道路とか公園とかそういったものも整備をしてまいります。そういったものを公共性を踏まえて、国の整備に制度に基づいて補助を行っております。それから、補助とか適切な支援となるように、引き続き組合と協議しながら事業が着実に進むように、私どもも必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

白井議員:組合と協議をしながら進めるということなんですけれども、この18億円掛けて、運河を埋め立てて出来た1.5ヘクタールの土地になります。そして、その土地代をこちらで仮に試算をしてみました。坪単価が100万円とすると45億円程になるという、こちらの試算な訳なんですけれども、そのこれ迄、決まっている健康や医療や福祉複合施設、この為の土地に区画整理で換地をして、それを売却するということになっているんですが、その際の価格というのは、どう見込んでいるんでしょうか。

池本担当理事:埋め立てた土地につきましては、他の地権者と同様に地区内の道路や公園に減歩される他、換地された土地につきましては、横浜駅周辺地区の浸水対策として、雨水・排水ポンプ場・多言語環境を備えた医療施設などを、都心臨海部のまちづくりに不可欠な公共公益施設用地として活用します。それから、埋め立てた土地を売却することで埋め立てに掛かる費用を回収できるというふうに見込んでおりますが、埋め立て地の評価につきましては、今後、土地区画整理組合で定める景観及び、土地評価基準に基づきまして土地区画整理組合が評価をし、当該基準につきましては、横浜市も確認をしてまいります。

白井議員:公共施設として、都市計画道路そして街区道路と公園、今、各地権者が減歩をする。拠出をすることになるということだったんですが、そうであっても、そのマンション向け住民、マンションの住民向けの施設でもありますから、その意味でも民間事業者に対して、より多くの負担を、この分の負担として、しっかり求めて頂きたいと思いますが、見解を伺います。

池本担当理事:土地区画整理の設立の準備組合、未だ現時点では設立されておりませんので、準備組合でございますが、道路や公園等、新たに整備する公共施設用地を減歩に拠りまして、負担する他、運河に面する護岸施設の改修費用についても応分の負担をすることで、手続きを進めております。事業が、着実に進むように私どもも必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

白井議員:事業者に対する支援ということは、支援するということなんですけれども、やっぱりこれ出るお金が本当に高額なものになりますので、2つの事業併せて、市民の公益性ということをしっかりと考えて頂いて、その出すお金がなるべく抑えられるように働き掛けとして、しっかりと頑張って頂きたいということを表明して、終わります。


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