議会での質問(詳細)

2009年10月16日

【2008年度決算特別委員会】「行政運営調整局」 関美恵子

横浜市でも労働者の雇用守る公契約条例の制定を

関議員:日本共産党を代表し、質問します。
 はじめに、公契約条例について、伺います。
 公契約法・条例の必要性を認めた意見書等730件が、今年1月時点で38都道府県772議会で採択され、大きな広がりをみせています。財政難を背景にして、公共事業の一般競争入札が広がり、入札価格が低く抑えられるようになった結果、労働者がまともな賃金が得られず、困窮している実態が考えられます。
 本市においても、予定価格に対する平均落札率は、低下傾向のようですが、08年度はどうだったのか。95年度と比べ、公共工事の発注金額は70%、市内登録時業者数で26%減少しているもとで、今後の平均落札率の見通しはどうか、伺います。

國原契約財産部長:20年度の平均落札率でございますけれども、85.5%となっております。また、平均落札率につきましては、様々な状況のもとで行われる個々の入札の結果を集計した数値でございます。従いまして、今後の見通しをお示しすることは難しいものと考えております。以上でございます。

関議員:08年度の平均落札率を下回るものも当然あったと思われますが、入札状況はどうか、また、最も低い落札率はどのくらいだったのか、伺います。

國原契約財産部長:平均落札率、20年度85.5%でございますけれども、これを下回る工事は、入札件数2858件中1773件でございます。また、最も低い落札率の工事の落札率は、70.2%となっております。以上でございます。

関議員:労働集約型業務では、60%で人件費割れをおこし、80%程度の水準が必要だといわれています。70.2%はかなり厳しい数字だと思います。
 「こんなにやすい単価や手間で、まともな仕事はできない」といわれるように、労働者の低賃金が品質劣化を招くのも当然で、市もそうしたことを望んではいないとのことですが、受注業者への対策はどのようになっているのか、伺います。

國原契約財産部長:本市におきましては、建設労働者の雇用労働条件の改善等を要請いたしました。本市発注工事の適正な施工についてという文書を、受注事業者すべてに配付いたしまして、その趣旨の周知徹底を図っております。

関議員:確認ですけれども、いまおっしゃった文書ですけれども、賃金基準の設定や履行確認については触れていないと思うんですけれども、どうでしょうか。

國原契約財産部長:雇用労働条件の改善について措置をしてくださいというお願いになっております。

関議員:非常に一般的だと思うんですね。
 本市においても、価格だけみるのではない総合評価方式を採用しています。評価項目は、自治体で違うということですが、日野市の総合評価方式は、建設労働者の賃金基準の設定や履行確認方法が取り入れられていると聞いています。どのような内容か、伺います。

國原契約財産部長:日野市の入札の一部で行われている総合評価方式でございますけども、当該工事における建設労働者の賃金について、国や公共工事の積算に用いる労務単価の8割以上とすることを、評価基準のひとつの項目として加点しているというふうに聞いております。
 また、履行の確認につきましては、完成検査時に賃金台帳などにより行っているというふうに聞いております。

関議員:非常に具体的ですよね。本市でも、入札契約制度の範囲内ですから、日野市のように、建設労働者の賃金に関して、履行確認をすべきと考えますが、伺います。

鈴木行政運営調整局長:本市発注工事の受注事業者に関しましては、すでに建設労働者の雇用労働条件の改善等を先ほどの通知等ではお願いしております。労働者の賃金そのものについては、最低賃金法の制約はありますが、本来、民間事業者と個人との間で決定をされていくというものでありまして、発注者という立場で賃金の履行確認までするということは、いまのところ考えておりません。

関議員:ですから、結局は市としては具体的なかたちで労働者の立場でそういう指導は、文書は、発注してないというふうなものだと思います。
 そこで、発注者と受注業者、元請業者と下請け業者の片務的契約関係を正す制度改革につなげる意味でも、今後検討をお願いしたいと思います。
 ところで、町田市は全国初の公契約条例を制定いたしましたけれども、どのように局長は受け止められたのか、伺います。

鈴木行政運営調整局長:町田ではなく野田だと思いますが、野田市では、公共事業に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保などを図るということを目的として明示されております。予定価格が1億円以上の工事などに適応するというふうにきいております。
 公共工事の品質確保ということでは、本市も検査体制の強化あるいは最低制限価格の見直し、様々な取り組みをすでに進めているところでございまして、いずれにしても各都市において様々な取り組みを行っておるなかで、野田市のひとつの取り組みというふうに認識しております。

関議員:すいませんでした。野田市の間違いです。
 新聞報道によると、野田市の根本市長は、「国に公契約法の制定を要望したが、放置されてきたため、先鞭をつける意味で条例を制定した。他の自治体にも広がることで、国を動かすことを期待したい」と述べています。本市は、国に法制度を要望していないと聞いていますが、理由は何か、要望する考えはないのか、伺います。

鈴木行政運営調整局長:なかなかこのへんの問題は、取り組みの仕方というのは様々な角度から考えなくちゃいけないと思います。国の見解では、賃金や福利厚生などの労働条件に関する事項というのは、公共事業にかかる業務であるか否かにかかわらず、労働基準法等に定める法廷の労働条件に反しない限りは、個々の労使当事者が自主的に決定すべきという考えがございます。また、そのために国が直接介入することは適当でないという考えがございます。本市においても、現時点でこのように考えてございます。

関議員:国の考えと本市も全く同じようですね。民民の問題として、労働基準法の違反以外は介入するのは正しくないという立場だということなんですが、ところが、先ほど申しました公契約法の制定への要望、これが全国的に高まっていると。その強い要望は、大都市において業務の外注の増大が進み、職業や産業に影響を及ぼしている構造的な理由や、建設業の多重下請け構造における労働法の適用枠外にある下請け業者の存在を指摘したうえで、民民には任せられないと、民間部門の賃金その他の労働条件は、先ほどもありましたが、労使間で事実的に合意されているもの、労働基準法違反を除き、国は不介入。こういうふうなのんきなことをいっていられないような状況が生まれてきている、変化があるわけですね。
 特に、自治体の責務なんですけれども、住民、その労働者ですけれども、生活保護以下の賃金で、生活できない状況を放置できない、そういう住民の福祉の向上に寄与する責任が自治体にはあると思うんですけれども、こういう立場からもぜひ国に要望すべきというふうに考え直すべきだと思うんですけれど、再度伺います。

鈴木行政運営調整局長:発注者の立場で、公共事業については一定の賃金保障などを設ける公契約条例ということについて、私ども当面考えてないというふうにもう仕上げたとおりでございます。なお、定価格で契約した場合には、労働者の賃金へのシワ寄せが懸念されるということは、私ども考えておりますので、こうしたことを踏まえ、最低制限価格の見直しなどを様々な低入札対策に取り組んでいるところでございます。

関議員:ぜひもっと一歩踏み込んで、国へものを言って行く、そういうことも必要だというふうに思います。
 また、ILO94号「公契約における労働条項に関する条約」の考え方は、住民の税金を使う公共事業で利益を受けている企業は、労働者に人間らしい労働条件を保障すべきであり、発注者の公的機関はそれを確保するための責任を持っているという考え方だそうです。
 また、条約に基づく勧告は、国際労働基準として、なんでも70項目くらい世界で確認されているんですが、そのひとつとして残っており、今日的に意義があると確認されています。この条約の精神に則って、本市において公契約制定に向けて取り組むべきだというふうに考えるんですけれども、どうでしょうか。

鈴木行政運営調整局長:先ほど来申し上げていますが、公契約条例そのものについて、先ほどのような考え方に立って、いま考えていないということでございます。なかなかこの種の問題について、ILOの条約の精神というのもありますが、実はわが国はこれ批准していないということがございます。それから、この契約という中でこれを解決するということが果たして妥当なのかどうかという問題もありますので、契約のことだけでなくて、もう少し広い視野で、労働行政という視点で考えなければいけないというのが基本なのではないかなというふうに思っております。

関議員:国がILOを批准していないということであっても、条例は考えてはだめだということではないと思うんですよ。労働行政のひとつ、全体を考えてということですが、その中の非常に重要なひとつとしても取り組んでいくべきだということを強く申し上げておきます。

責任職の勤勉手当は必ずしも「努力が報われる」仕組みではない

 次に、責任職の勤勉手当について、伺います。
 責任職の勤勉手当は、MBOを活用した業務実績評価の結果をもとに成績率を決定していますが、課長職以上の勤勉手当における成績率はどのようなっているのか、伺います。

山隈人材組織部長:各職位の成績率ですが、標準に対しまして区局長級がプラス30%からマイナス35%の間で6段階、部長級がプラス25%からマイナス30%の間で6段階、課長級がプラス15%からマイナス25%の間で5段階となっておりまして、この成績率が期末勤勉手当のうち勤勉手当の額に反映されております。

関議員:成績率の違いによって、最上位の評価と最下位の評価では、金額でどの程度の差がつくのか、課長級以上のそれぞれの職位について伺います。

山隈人材組織部長:各職位の平均給与をもとに試算してみますと、勤勉手当1回あたりについて、区局長級では成績率の最上位と最下位で約52万円の差となり、部長級では約44万円の差、課長級では約28万円の差となります。

関議員:評価は中間期と期末期の2回行われ、それぞれ勤勉手当に反映されることから、最大の差は100万円を超えることになります。MBOの活用は、全中田市長の新時代行政プラン、アクションプランの「努力すれば報われる」人事、給与制度改革として登場しています。しかし、成績率ごとに分布の目安が定められ、相対評価であるため、必ず低い評価をだすことになっています。必ずしも努力したからといって、全員が報われる仕組みになっていませんが、伺います。

鈴木行政運営調整局長:勤勉手当にかかる人件費の総枠というのはどうしてもあるわけで、そのなかで勤務実績評価に応じた支給を行うためにはそうなり、結果として自己評価とはことなり、相対的に低い評価となるケースもあるとは思いますので、こうしたことが職員のモチベーションに影響を与えないよう、評価結果について十分な説明をしていくということで努めているし、また今後とも努力していく必要があるというふうに考えております。

関議員:横浜市人事委員会による08年度の給与に関する勧告では、民間企業の状況を踏まえて、期末勤勉手当の年間の支給月数を4.5月から4.15月へ0.35月分引き下げることとされていますが、成績率を活用することによって、実際には支給額が下がらない職員がいることは、公民比較の中で給与を決定するという原則からして望ましくないと考えますが、伺います。

鈴木行政運営調整局長:勤勉手当というものの性格からいうと、民間における賞与のうちの業績反映部分に相当するという性格のものでございます。国からも地方公務員の勤勉手当の支給にあたっては業績のより的確な反映に取り組むよう通知が出されているところでございます。本市においても、どの程度働いても支給額が同じというこれまでの仕組みということに対しても批判が色々ございました。努力した人が報われる仕組みに転換するという趣旨で平成17年度から業務実績評価に応じた勤勉手当を支給することにしたものでございます。
 なお、人事委員会の勧告の公民格差というのは、公民比較というのは平均対平均の問題、そういう出し方をしておりますので、これを踏まえると支給額全体を0.35か月分引き下げるわけですから、その範囲内でやっているということは問題がないというふうに考えております。

関議員:問題がないということですけれども、MBOを活用した業務実績評価は、半年間という短期間で、責任職自らが決めた目標の達成を求められ、結論を急ぐあまり、市民の意見や参加が軽視されかねません。これでは本末転倒になりかねませんが、見直しするように強く要望しておきます。納得しておりません。

市民税減免の要件から「親族の所得状況を加味」を削除せよ

 最後に、未収債権の滞納にかかわって伺います。
 総合審査でわが党の中議員の質問で、市税滞納による差し押さえ件数が08年度2万4123件に対し、減免件数が少なすぎると指摘し、減免規定の適用に問題があると改善を求めたばかりです。そこで、改めて個人市民税が減免件数の過去3か年の推移と増加している理由を伺います。

徳江主税部長:個人市民税の減免件数でございますが、18年度は662件、19年度が1283件、20年度1686件となっております。増加の理由でございますが、最近の景気の変動を受けまして、失職等により所得が減少し、納税することが困難と認められる方が増えたことなどによるものと思っております。

関議員:減免規定の適用に当たり、「資産・預金等の調査や親族の所得状況を加味して判断する」とありますが、親族所得には別途課税されており、同一世帯として本人の減免を受け付けないのは、親族の所得を当てにし、二重に課税するようなものだと思います。
 局長は、「個々の納税者の方々の資産や生活状況等、個別状況を踏まえる必要がある」と答弁され、「親族の所得状況を加味する」との明言を避けられています。減免は個々の納税者の失職、所得減少に対し、判断すべきであり、「親族の所得状況を加味して判断」は、この際削除を求めますが、伺います。

鈴木行政運営調整局長:そもそも個人市民税というのは前年の所得に応じて納税いただくという大原則があります。それに対する減免は、翌年の所得減少によって納付が困難であると認められた場合に、必要に応じて行うということでございます。具体的には生活が著しく困難となったと認められる者についてのその状況に応じて減免することになりますが、その状況判断にあたっては生計を1にする親族の所得状況も含めて個々の納税者の方々の資産あるいは生活状況、個別の事情を踏まえるというような趣旨でご答弁申し上げたつもりでございますが、ご理解いただきたいと思います。

新着情報

過去記事一覧

PAGE TOP