議会での質問・討論(詳細)
2018年3月5日

■水道局(かわじ 民夫)

水道局の使命である水の安定供給には、若い職員を増やし確実な技術継承が必要

かわじ議員:かわじ 民夫です。日本共産党を代表して質問いたします。委員長、スライドの使用許可願います。

最初は水道局における技術継承のための人材確保についてです。市民に安全で安心な水道水を安定的に供給することは、公共事業水道局の使命だと思います。その使命を担うのはマンパワーです。技術職員の力なくして事業が成り立ちません。その意味から言ってもとりわけ水道技術の継承が重要だと思います。スライドをご覧ください。

【スライド1】

水道局スライド1

技術職員の年代構成を2016年度(H28年度)と2017年度(H29年度)を比較したものです。グラフでは30代が大きく窪んでおり、技術継承に危惧を感じます。グラフが示す年代構成の現状と、そしてなぜ30代の技術職員が少ないのか説明してください。

栗谷総務部長:現在の30歳代の多くが採用された時期は、施設の拡張から維持管理の時代に転換したことや、料金収入の減少に伴い業務の見直しを進める必要が生じた時期でした。こうしたことから新たに採用する人員を抑制してきた影響などにより、他の年代に比べて少ない人数になっています。その後、団塊世代の大量退職を迎え新規採用者数が増加したため、グラフにありますような30歳代が谷のようになった職員構成となっております。

かわじ議員:30代の技術職員の少なさは技術継承上問題だと思います。先輩から受け継ぎ後輩に受け継いでいくには年代構成を平準化が必要です。30歳代の落ち込みに対して特別の対策が必要と思いますが、どうするのかを伺います。

山隈水道局長:30歳代の技術職員については、主に市庁部局との人事異動により確保するということになります。水道局としてもそうした職員の配置を要望するなど、市庁部局と調整しておりますが、市全体のバランスも考慮しながら異動が行なわれるため、水道局の年齢構成に合った人材を確保できるとは限らない、そういった状況になっております。こうしたことから30代ということにはなりませんが、若手の職員を確保するために平成29年度から水道局独自で水道技術職の採用の開始をしたところでございます。

かわじ議員:この間、努力をして来られたこと、確保のための若手職員含めて、経過も含めて教えてください。

山隈水道局長:やはり各事業体の共通ですが、技術の継承ということが水道事業体の中で大きな課題となる中で、横浜市の水道局もそれ同じ危機感を持っておりまして、そういう中で水道局で採用されて退職まで水道局の中で活躍していく、そういう技術職員を確保する必要があるということから、先ほど申しましたように29年度から水道技術職という枠を新たに設けまして、新たに採用を始めたところでございます。

かわじ議員:水道技術は、高度な技術と能力が求められていると聞きます。業務分野も土木、設計、監視、排水、給水、浄水処理など多岐にわたり、それぞれ高度な技術知識を持つ技術者を養成するもので、時間も労力を要すものだと思います。水道局では技術継承の仕組みとしてマスターエンジニア制度(ME)や、テクニカルエキスパート制度(TE)を活用していると聞きますが、どのような仕組みなのか、伺います。

清塚水道技術管理者:マスターエンジニア制度につきましては、水運用や浄水処理など高度な技術力を持ち、指導力が優れた職員をマスターエンジニアと認定し、マンツーマン方式により専門分野ごとに、後継者を育成する仕組みでございます。次にテクニカルエキスパート制度は高度な現場技能を持つ職員をテクニカルエキスパートとして認定し、水道管の接合や修繕などに関する実技訓練を行うことなどにより、後継者を育成する仕組みでございます。

かわじ議員:それぞれの活動実績はどういう状況でしょうか。

山隈水道局長:マスターエンジニア制度による技術継承は、日常の業務の中で OJT として行なっております。そしてもう一つテクニカルエキスパート制度については、職場を離れまして実技訓練を通して行なっております。量については今手元に資料ございませんけども、いずれについても年度当初に計画を立てまして、育成者の通常業務を調整、あるいは軽減しては過度な負担にならないように、配慮しながら実施をしております。

かわじ議員:現在ME資格を有しておられる人が93人と聞きます。ME資格を何人養成される計画なのか伺います。また退職されて責任職でMEに認定された人の、処遇はどうなのか伺います。

栗谷総務部長:MEの認定の計画ですけれど、(H)31年度末で114名を目標としてございます。失礼いたしました、累計の人数でございます。退職者したあと再任用になる場合でもMEあるいはTEになれるような形にしてございます。

かわじ議員:いただいた資料に、MEは責任職で、退職された人もMEの資格を持っております。と書かれていますが、そういった人たちのMEとしての任務を担ってもらうわけですが、そういった人の処遇はどうなのですか。

栗谷総務部長:責任職だからということでなく、通常のMEと同じような取り扱いになってございます。

かわじ議員:それではテクニカルエキスパート(TE)では同じようにどうでしょうか。

栗谷総務部長:TEにつきましても、MEと同じように、通常の職員と同じような処遇となっております。

かわじ議員:わかったら教えてください、何人養成される計画なのか、ME制度は通常業務を行いながら技術継承を行う体制と聞いていますが、育成者の過度な負担にならないか、どのような対策が講じていられるのか伺います。

山隈水道局長:先ほど申し上げましたけども、年度当初に計画を立てて通常育成者の通常業務を調整をする、あるいは軽減して過度な負担にならない、そういう配慮して1年間やっております。

西谷浄水場再整備計画の突然の変更はなぜ

かわじ議員:西谷浄水場のろ過地の耐震性や水質対応、浄水能力の増強などのことについて大きな課題があるということで、再整備の基本計画を2015年度に定め2016年度から基本設計に入っています。ところが2017年の秋頃、この基本計画の見直しにつながる新たな整備案を検討することが示されました。再整備事業に関わって業務コンサルトに委託されると聞いています。この「再整備事業、基本計画見直し及び設定業務、整理業務委託特記仕様書」では,「基本構想」「基本計画」の検討を行う」としています。そこで西谷浄水場の整備業務のコンサルタントに委託する考え方について伺います。

清塚水道技術管理者:水道局では再整備の基本構想、新設するろ過地や粒状活性炭設備の施設規模の設定などの設計に関わる諸条件、維持管理の視点に立った施設配置など業務の根幹部分の技術的な検討を行っております。コンサルトにつきましては、局が検討して定めた諸条件を提示し、これに基づいた図面の作成、施工方法の立案、事業費の算出、その他浄水場の事例収集などの業務を委託してもらいます。

かわじ議員:現行計画では既に、基本計画がほぼ終わっていたのではないでしょうか、突如新たなかさ上げ整備案が浮上し、現行案との比較検討をするということですが、なぜでしょうか、説明してください。

清塚水道技術管理者:西谷浄水場につきましては、導水路を整備することによりまして、現状水利権の全量が処理できることになります。ただし現在では処理量が十分足りませんので、そちらの方に再整備と共に一緒に整備することにいたしました。それに伴いまして上流からの導水路整備してくると浄水場まで全て自然流下で水が流れてきて、処理もできるというような案が発想が出ましたので、それに基づきましてかさ上げ案を考えるということで新たに検討はじめてございます。

かわじ議員:基本的なことが突如出てくるのが私は、不可解なのですけども。現行計画案での基本設定に費用はどれくらい要したのか伺います。

平本施設部長:現行の施設を基本的に生かしつつ、改造していくと考えた基本計画の策定業務につきましては、およそ2,000万円ということでございます。

かわじ議員:新たなかさ上げ案の基本構想基本計画、比較検討にはどれくらい費用がかかるのですか。

平本施設部長:先ほど申し上げましたように、自然流下系のエネルギーを有効利用するということで抜本的な検討と基本設計に関わるところの検討含めましておよそ5000万円程となってございます。

かわじ議員:再生備事業における現行計画とかさ上げ案ではどれくらいかかり、その差はどれくらいになるのですか。

平本施設部長:現在の基本設計の見直しと状況の整備が終わってからということで、現在検討中でございます。

かわじ議員:いずれにしろ、こうした比較検討に対するコンサルタントはどのようにかかわるのでしょうか。先ほどは局が話したことをまとめるという話しだったのですが、相当な技術を求められるのではないでしょうか。

清塚水道技術管理者:先ほど申し上げましたが、局が浄水場の維持管理まで行なっていく上で現在の沈でん砂ろ過、それから粒状活性炭を加えたような施設に今度変えていくわけでございますけれども、今回の見直しの中で浄水フローを現状のフローを踏まえまして、既存施設の不具合等に対しましても改造を行っていきます。そして施設の配置を全体最適の視点で行っていく、ということを考えてございます。また浄水場の再整備にあたりまして水質が急変した場合にも、より安定的な浄水処理を行うため最適な浄水処理方法を検討し粒状活性炭を導入することとなってございます。

かわじ議員:計画して大方固まった中で、また見直しが出ると言うのは大本から、始めからそういうことはわかっていたのではないか、専門家集団が論議されるわけですから、そのように感じました。西谷浄水場しかり業務の継承については技術者業務は、ますます増えると思いますし、しかしこうした状況の中で中期計画では水道職員の削減が計画されています。逆行していませんか。(H)30年度では30名、31年度には23名の削減計画と聞きます。削減計画に関わる業務内容と職員数はどうなのか伺います。

山隈水道局長:職員を減らしていくことが、今の状況に合ってないのではないかというご指摘でございますけども、料金収入の減少が続く中、今後は人口減少に転じるというもっと厳しい状況がございます。そういう中で今後もICT化などによる業務の改善を進め、効率的な執行体制を構築して、持続可能な経営基盤を築いていくということが水道局に求められていると考えております。このような考え方で効率的な執行体制を構築をいたしまして、その体制に必要な人数についてはしっかりと確保していくというのが考え方でございます。

かわじ議員:技術職員はやはり継承もそうだし、職員全体が安心できる水道水の供給に繋がるのだと私はそのように思っています。

市民に安価な水道水を供給するためにも、小雀浄水場のより有効な活用を

かわじ議員:次は小雀浄水場の有効活用と企業団受水についてです。先ほど前の委員も質問もありましたけども包括外部監査報告書、ここに小雀浄水場の施設利用率52%である、それは違うのだと、78%だと述べられたのですけども、もしこの外部監査が違うのだというのであれば、議員にも全部報告されるわけですけども、違うぞというのは発信しないのですか、そしまたそれを議員に徹底するということはないのですか、伺います。

山隈水道局長:違うというのは、監査委員が監査をされたあの捉え方をすれば54%ということになりますが、もうちょっと実態を踏まえて我々が運用の中で考えている値というのは数字の取り方が違いますので、違うということになってまして、監査委員が間違いということではございません。

かわじ議員:話を聞いていると間違えたように聞こえていたのです。そして「工業用水との調整とか横須賀市及び企業団との協議も必要、今後の施設の在り方と適正規模について検討し、方針を明確にする必要がある」ということを監査報告書は述べています。小雀浄水場においてさらなる稼働率の上昇の余地が話を聞いていて思うのですけども、どう考えているのか伺います。

平本施設部長:先ほどの委員にもお答えしましたけれども、災害や事故により他の浄水場が停止した場合の対応や、設備の保守点検等で施設の一部を一定期間停止することなどを考慮しますと現在の稼働率については、概ね妥当であり、なかなか次の有効利用という形で持っている余地は少ないと考えてございます。

かわじ議員:企業団系の給水単価は、(H)28年度に見直されたわけです。それでも1立方メートルあたり約187円78銭で相模原系統では143円65銭と示されてありました。今でもその企業団水系の方が30%高い、これからの人口減少や少子化社会という形、さらには節水との関係で給水量が減少になると私は考えるのです。こういった中で安定した安い水を供給するということを引き続き企業団との契約料や単価についての協議が必要だと思うのですけども、その考えはないのか伺います。

山隈水道局長:企業団の料金につきましては、これまでも本市を含めた構成団体で申し入れを行いまして、段階的に引き下げてきていただいております。企業団からの受水量につきましても、自然流下系優先の考え方によりまして、できるだけ減らしてきておりまして、今話しにありましたように、これから本市全体の給水量が減少していく中で、基本的には企業団の受水量を優先して減らしていくと、いうことをして参りたいと考えております。尚、受水費は宮ケ瀬ダムの本格稼働後の最も高かった(H)13年度、これが207億円でございましたが28年度は165億円まで減少してきております。

かわじ議員:今の話も含めてなのですけども、やはり市民に安心で安価な水道水を供給するということが、やはり大事なことですので、引き続き追求していただきたいと思います。

都市計画道路用地の浄水場の敷地売却に、周辺住民が反発するのも当然

最後は(H)16年、西谷浄水場の敷地の一部を民間事業者に売却したことについてです。

スライドをご覧下さい。【スライド2】

水道局スライド (2)

これは西谷浄水場周辺の都市計画道路の図です。

これはその拡大図です。【スライド3】

水道局スライド 3

13年前のことですが、2004年(H)16年に都市計画道路区域内にある、水道局の保有土地の一部が生コンクリート会社に売却されました。売却地周辺の住民の中には都市計画道路建設予定地とのことで転居された人もいます。それなのに真逆なことを横浜市である水道局が行ったわけですけどもこの経緯について説明してください。

富井事業推進部長:売却当時、隣接地において民間事業者による生コンクリートプラントの建設計画がございました。地元町内会からは交通渋滞等の問題を解決するために車の出入り口を水道局用地側に設置できるよう当局に売却のご要望がございました。こうしたことを背景に当該用地が都市計画道路の区域内にあったことから(H)15年11月に関係局である都市計画局、道路局と調整し了承を得た上で(H)16年7月12日に民間事業者と売買契約を締結いたしました。

かわじ議員:生コンクリート事業者が移転の時、周辺住民は住宅地への移転は困るとのことで反対運動となり、町内会を通じて生コンクリート業者の建設中止を求める運動も起きました。この地域の都市計画道路計画は、昨年度の検討委員会でも廃止になったものではなく現在も計画は生きていると聞いています。さらに横浜市の都市計画道路整備率は今でも大きく遅れていて、都市計画道路の整備では用地の確保は大変だと聞いています。このようにどう考えても売却のどおりはない中で、水道局は売却しました。都市計画道路の売却に問題意識を持たなかったのか、伺います。

山隈水道局長:ただいま紹介がありましたけども、地域はこの生コンクリートプラントが建設されるにあたって、当初は反対運動を起こしました。ただ建築基準法には合致しているものでございますので、横浜市からの回答としては、この建設を止められないと言ったような回答が一回出されております。それを受けて地域からは、それではということで周辺の交通渋滞を招かないように、水道局の土地の一部を売ってほしいと言ったような流れになってきております。その時に水道局でございますが、通常水道用地を売却する際には、当該土地の用途地域やその他各種規制等により判断をいたしますが、その時は本件土地のケースでは都市計画道路区域線に一部かかっていたことから、事前に関係局である都市計画局、道路局と調整をいたしております。こうしたことからいたしますと、一定の問題意識はあったものと考えておりまして、ただ地域の強い要望を受けて売却を判断したものと考えております。

かわじ議員:地域の強い要望、逆ですよ。既に転居された人がおり、今でも転居を要請されている人がいます。転居を要請されている人は、「私には転居を要請し、コンクリート会社へは真逆の対応をしている、行政のやり方には納得いかない」と我が党の保土ヶ谷選出の議員に話しております。現在転居を要請している人にどのように説明するのか、伺います。

山隈水道局長:現在転居を要請している方の話については承知をしておりませんが、当時(H)16年4月でございますが、周辺の3連合町内会長の名前で、水道局用地の一部を売却してほしいとの要望が来ておりまして、これに答えて売却を決めたということでございます。

かわじ議員:行政事務の中には色々あると思うのです。今回のような横浜市の都市計画道路予定地にある横浜市の保有土地が、民間に売却されたことは、行政事務の私は汚点だと思うのです。市民の信頼を失うものだと思います。すでに13年が経つものですが、この都市計画道路区域の売却について副市長はどのように考えておられるか、見解を伺います。

柏崎副市長:経緯については、今の水道局長を始め、職員から答弁させていただいた通りでございます。一般論として考えれば都市計画道路区域にある、その部分について公共事業促進という観点からも、本市が所有し続けることが望ましいというのは当然のことでございます。しかしながら先ほど答弁申し上げましたように、今回のケースについては、地元から生活環境にも関わる観点からのご要望があったということも踏まえまして、将来の都市計画道路事業に支障がない範囲で適正に判断したものと考えております。

かわじ議員:二度とあってはならないことだと思います。終わります


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