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■文化観光局 (岩崎ひろし)

歴史的建造物・文化財の保全活用は、文化観光局の使命ではないか

岩崎議員:宜しくお願いします。委員長、スライドの使用許可をお願いします。

早速、伺っていきます。先ず、文化政策における横浜の歴史の位置づけについて伺っていきます。文化観光局の設置について議論した、2010年11月1日の経済観光・港湾委員会で文化観光局の責務について、渡辺経済観光局長(当時)が定義づけをしています。議事録の該当部分を紹介して下さい。

渡辺 副市長:私が当時の担当局長としてお答えしたということですので、お答えをさせて頂きます。文化観光局という局をつくるにあたって、その局の責務につきましては、文化の振興と観光の二つをつなぎあわせること。これが大事だと、このようにご答弁申し上げております。

岩崎議員:ありがとうございました。副市長に答えてもらおうとは思ってなかったんで、ありがとうございました。文化観光局の役割というのは、今、紹介あったように文化の振興と観光という二つの要素をつなぎあわせることにあると、こういうふうに定義されました。又、文化政策の推進にあたっては、横浜の開港以来の施設や町並みが横浜らしさのそのものなんだと。これが魅力なんだとして、活用することを定義づけされたと思います。そこで伺いますが、2018年度新しい予算です。予算概要これ見ますと、観光に活用するというその方針や記述は沢山あります。しかし、文化の振興だとか横浜らしさそのものである開港以来の施設・町並みなどの歴史の記述が殆ど見当りません。横浜の開港以来の施設や町並みが横浜らしさ、魅力としている訳ですから、横浜の歴史というのは、この新年度の予算概要のどこにどのように位置付けられているのか書かれているか、言って下さい。

中山 文化観光局長:諸所に書かれているというか内包されているというのが、正しいお答えでして、市内には三渓園とか総持寺など、歴史に裏付けられた建造物や伝統文化がございます。このような資源は個々の事業の中で本当に活用しております。又、横浜文化賞、これには郷土芸能や伝統工芸の継承者などを顕彰をしております。

岩崎議員:どこに書いてあるかって言われたら答えが困ると思ったんで、わざと言ったんですけど、書いてないんです、実を言うと歴史のことは。これ本当酷い話だと思うんです。歴史を伴わない 文化なんてありっこないじゃないですか。その歴史を全然念頭に置かないまま、文化を論じるっていうのは、これは文化観光局という局の仕事としては、話にならないんじゃないかと。私はそう思います。ですから、新年度の文化施策の推進にあたって、この横浜の歴史をしっかり位置付けて、やらないといけないと思うんだけど、どういうつもりでおられるでしょうか。

中山 文化観光局長:先程も申し上げましたように、諸所において、三渓園・総持寺などやはり歴史的なもの、それから建造物を含めまして、我々としては事業の中で活用していくというのが、一番最も相応しいのだと思っております。又、特に三渓園は三渓園保勝会というところで保全をしておりますので、そこに関する保全というのもしっかりと国のお金などを取っていってやっていきたいというふうに思っております。

岩崎議員:ありがとうございます。横浜の歴史がこの概要では見あたらないんですけど、そういう中でも、よく読むと歴史的建造物の活用と観光の場面に活用すると謳っています。そういう事業がありますので、ここに注目してこれから聞いていきます。

スライドを御覧ください。<スライド1>三渓園

 

 

 

歴史的建築物のコレクションを庭園に配置した三渓園、これは、横浜の誇る観光資源の一つです。そこで、三渓園施設等整備支援事業について伺います。先ず、三溪園の文化財保全に対する基本的な考え方を伺います。

中山 文化観光局長:三渓園では、庭園完成時の姿をまもっていくことを保全の方針としております。また建造物の老朽化が進む中、安全性を確保する為には耐震性の向上にも取り組む必要があると思っております。園内にある国の重要文化財10棟、更に横浜市指定の有形文化財3棟を始めとした17棟の建物の状況を確認しながら、計画的に保全をはかっております。

岩崎議員:お答えあったとおり、国指定が10棟、市の指定しているのが3棟という重要な文化財の建築物があります。この建築物を始めとする三渓園にある文化財の保全っていうのは、非常に大事な事業で、今、局長お答えになったとおり本当に力入れてやっていってほしいと思うんです。この保全の為の仕事っていうのは、相当、手間暇掛かりますしお金も掛かると思うんです。そういう点で、この財源確保とか、それから課題の認識どうされていますか。

中山 文化観光局長:先生仰るとおりで、手間ももの凄く掛かりますし、あと技術ももの凄く要ります。園庭や重要文化財の保全にあたっては、私ども横浜市に加えて国や県からも助成金の交付を受けています。  又、昨年7月には入園料や施設使用料を改定しまして自主財源の拡充をはかっていきます。引き続き、来園者・施設利用者の更なる増加を目指し、国内外の旅行者に対する PR を積極的に行ってまいります。 又、ボランティアの方の力、非常に重要だというふうに考えております。以上です。

岩崎議員:それでは次に、関内周辺地区及び、市庁舎の活用について伺います。

横浜らしさという点で、1丁目1番地といわれるこの関内周辺地区ですが、どういう認識でおられるでしょうか

中山 文化観光局長:はい。開港以来の西洋文化の建造物の町並みなどが整っているこの関内関外地区、開港都市横浜を象徴する重要な文化観光資源だと考えております。これらを活かして横浜の魅力を内外に発信することで、賑わいづくりや経済活性化に取り組んでまいりたいと思っております。

岩崎議員:関内地区に文化観光局が所管する歴史的建造物が3棟あると聞いていますが、その活用実態を伺います。

冨士田部長:横浜市の指定有形文化財・旧関東財務局横浜財務事務所を、スポーツ✕クリエイティブをコンセプトと致しました創造的産業創出拠点・THE BAYS(ザ ベイス)として、活用しております。又、市の認定歴史的建造物・旧第一銀行横浜支店を、クリエイティブ分野と産業・経済・地域を結び付ける拠点、YCC ヨコハマ創造都市センターとして、又、旧富士銀行横浜支店を、東京藝術大学大学院映像研究科の馬車道校舎として、活用しております。

岩崎議員:次に、現庁舎なんですけど、昨年12月8日付で日本建築学会から市長宛に、保存活用を求める非常に内容のある建築学会としては熱意ある要望書が出ています。これご覧になってないかもしれませんけど、12月8日付けですから是非見て頂きたいんですけど、現市庁舎っていうのは、そういう意味で建築史的にも又、建築学的にも非常に意義のある建物です。この点の認識を伺います。

中山 文化観光局長:現市庁舎は、横浜らしい町並み・景観の形成や地域の活性化などの視点に拠り、都市整備局が今後、中心となってどう活用するかというのを決めていくものというふうに、我々としては認識しております。

岩崎議員:今の局長の答弁では、ちょっと私は納得しません。っていうのは、文化財をちゃんと保全するっていうのは、文化観光局の一つの大きな使命なんです、そういう点で、現市庁舎を局としてはどうみるかと、ということを考えて、ものを言わないといけないと思うんです。そういう点で、改めてもう一回聞きますけど建物を保全活用すべきだと、私は思うんですけどどうですか。

中山 文化観光局長:現市庁舎に関しては、開港以来の歴史文化を伝える地区に造られていることや、長い間市民の皆さまに親しまれてきている建物であることから、事業を進めるにあたっては横浜らしい町並み・景観の形成を十分に配慮していくというふうに、我々としては聞いておりますし、我々もそういうふうに考えております。

岩崎議員:これ以上やりませんけど、文化観光局として保全活用をきっちり主張して下さい。又、時間の関係で取り上げませんでしたけれども、神奈川台場の遺構があります。この遺構が、再開発で壊されようとしていますが、神奈川台場は横浜港の原点です。歴史的資源・観光資源として、活用・保存、保全活用することを併せて求めておきます。

前途多難の新MICE 施設の追加整備は、中止すべき

岩崎議員:次に、20街区MICE施設整備事業について伺います。

MICE事業というふうに言われると、なかなか我々イメージが湧かないんだけど、これは大規模な行事をやる為の会場の貸会場事業だというふうに、こう日本語的に解釈するとそういうものだと思うんです。それでこれから伺いますが、大規模展示会の開催数等について教えて下さい。2015年度、全国で開催された大規模展示会の回数、及び東京と横浜で、その内、何回やっているか、これは資料としてはちょっと全面的な資料でないようですけど、日本展示会協会というところが出している資料があります。それで、答えて頂ければ結構です。お願いします。

雨宮 観光MICE振興部長:先ず、展示会に限った開催件数の公的な調査結果が、というものはございません。先生仰られたとおり、日本社団法人・日本展示会協会の独自調査の数字が出てございますが、同協会の会員が主催した展示会だけを対象とした件数としては、全国で239件、内、東京が135件・横浜が9件となっております。尚、27年度のパシフィコ横浜展示ホールの利用実績につきましては、物販・興行・イベント含め179件となっております。

岩崎議員:同じ資料で、東京ビッグサイト・千葉幕張メッセ・パシフィコ横浜での大規模展示会、これは施設の床面積2万平米以上で結構ですから、開催数を教えて下さい。

雨宮 観光MICE振興部長:東京ビックサイトでございますね、東京ビックサイト124件になります。

岩崎議員:幕張メッセとパシフィコ横浜。

雨宮 観光MICE振興部長:すいません、幕張メッセは19件となります。パシフィコ横浜は7件になります。

岩崎議員:東京ビックサイト、それから千葉の幕張メッセ、更に今、さいたま市でも大規模なMICE施設が計画されているようです。したがって、首都圏のMICE施設は、大規模行事の誘致合戦、そして施設の巨大化で過当競争状況にあると思うんですが認識を伺います。

中山 文化観光局長:今、お答えしたのは、展示場のまさに回数でございまして、MICEといった時に、ミーティング・インセンティブ・コンベンションも含まれます。それ考えますと、パシフィコ横浜の稼働率は、もの凄く高くて多くの機会損失が発生していることから、現時点では非常に需要が高いと考えております。又、首都圏の他の施設でも、来場者数や催事件数が高い実績数となっておりまして、こうした施設との差別化をはかる為にも、20街区MICE施設は必要と考えております。

岩崎議員:次に、MICE施設のMICE事業の採算性について伺います。新しいMICE施設の今後20年間の事業計画の収支見込を伺います。

雨宮 観光MICE振興部長:収支見込みでございますが、施設整備維持管理費約378億円の支出に対しまして、収入は利息等を含んだ運営権対価の約90億円、 MICE 開催による誘発税収額は140億円などを見込んでいます。又、現パシフィコ横浜事業収支は、当期純利益で3億8000万となっていますので、念の為申し上げさせて頂きます。

岩崎議員:次に、整備事業費約845億円の現パシフィコ横浜の経営状況について、2016年度の事業収支と借入残高を伺います。

雨宮 観光MICE振興部長:先ず、借入残高でございますが、29年3月31日現在、234億5250万円でございます。すいません、失礼しました。収支につきましては、先程申し上げましたとおり、当期純利益で3億8000万余となっております。

岩崎議員:いろいろお答えありましたけど、結論から言うと、新事業は今後20年間で約290億円の赤字、この巨額の収支不足は、最終的に誰が負担するのか伺います。又、現施設は開業後25年経過していますが、現時点でも234億円の借入残があります。この返済に市民負担は無いのか、この二つ併せて伺います。

雨宮 観光MICE振興部長:収支負担ということでございますが、先ず事業につきましては、20年間の PFI 事業ということでございます。整備する理由として、経済波及効果ですとか社会波及効果、ひいては MICE開催の相乗効果として、街の賑わいの創出、都市競争力のブランド向上が期待されるということで、十分に整備意義はあると考えております。

岩崎議員:どういうふうに努力するかっていうのは、よくわかりましたけど、そういうこと聞いてるんじゃなくて、実際には自分たちで計算して足りないってことを出してる訳です。この負担が市民のところへ最終的にいくんじゃないかって心配してる訳です。これは大丈夫ですか。

雨宮 観光MICE振興部長:先程、申し上げました借入金等々ございますが、それはパシフィコが自主的な経営と努力で返していく予定というふうになってございます。

岩崎議員:これ以上やりませんけど、市民負担が膨大なものになるということにならないように、ちゃんとして下さい。意見だけ言っておきます。経済が、グローバル化・多様化している中で、大規模な行事のできる貸会場施設の必要性を、私たちは否定していません。それは、必要なものは必要です。MICE事業は、過当競争状態にあるということを知っておくことと、それから投資の回収ができなくなり、本市の負担抜きには成り立たない事業だということを、よくみておく必要があると。したがって、新たな施設を増設して大規模化を目指す、この今回の MICE 戦略は、前途多難の事業だということを言っておきたいと思います。20街区への新MICE 施設の追加整備は中止すべきだということを主張して、終わります。