議会での質問(詳細)

2018年3月7日

■総務局(岩崎 ひろし)

戸塚区の中外製薬進出に伴う浸水被害増大の未然防止に努めていく(渡辺副市長答弁)

岩崎議員:早速伺っていきます。市役所の各区局が防災の意識をしっかり持って、日常業務にあたることの重要性について、伺います。

まず、戸塚区戸塚町の日立工場跡地に中外製薬研究所が進出します。その敷地を2mかさ上げする計画が示され、地元の住民は「浸水被害が増大する」と心配しています。

そこで、災害対策基本法、市の防災計画によれば、浸水被害を予防する市の責任部署はどこか、伺います。

平中危機管理部長:災害対策基本法では、市町村は、当該地域ならびに住民の生命、身体および財産を災害から保護するため、関係機関および他の地方公共団体の協力を得て、当該地域にかかる防災に関する計画を作成し、および法令にもとづきこれを実施する責務を有すると規定されています。横浜市防災計画につきましては、危機管理室が所管しています。

岩崎議員:それでは、2014年10月の台風18号における気象条件、および日立工場跡周辺の戸塚町、上倉田町の浸水被害状況を伺います。

平中危機管理部長: 当時の台風18号では、市内において最大総雨量が旭区で403.5ミリ、最大時間雨量は泉区で74.5ミリを記録しました。戸塚区内では浸水被害が68件発生し、そのうち戸塚町が19件、上倉田町が3件でした。

岩崎議員:それでは、スライドを見てください。

これが、平時の柏尾川です。【スライド1】

総務局スライド (1)

これは、18号時の柏尾川の状況です。【スライド2】

総務局スライド (2)

これは、18号の台風の時の区役所のすぐ側です。その浸水状況です【スライド3】

総務局スライド (3)

続いてスライドを見てください。【スライド④】

総務局スライド (4)

今回、中外製薬研究所を建設しようとしている予定地と建物の配置案です。一番上が戸塚駅のあたりです。こういう状況です。これは建設予定地が、川下になっていることを見て下さい。

次が内水のハザードマップです。【スライド⑤】

総務局スライド (5)

この色の付いているところの部分と先ほどの建物配置の位置が一致していることを承知してもらいたくて見せた図です。

この地域では、2003年3月1日にも3年前の18号の被害よりも大きな被害がありました。ですから、10年ほどの間に2度も被害にあっている地域です。

「土地の2mかさ上げ」というのは、川下に2mの堤防をつくることと同じことになります。地元のみなさんは、「浸水被害が大きくなる」と心配するのは当然です。事業者は、住民からの指摘を受けて、「浸水被害増大の可能性」を、説明会の時点ではじめて認識しています。

一方、行政はどうかというと、次のスライドを見てください。【スライド⑥】

総務局スライド (6)

下水所管課は、当該地区が時間あたり50ミリで整備済みと見ています。新たな開発計画に対しても、時間あたり50ミリの水準の整備を求めています。そういう意味では、基準通り業務執行しています。しかし、業務は基準通りだとしても、この50ミリで対応した地域がこの間浸水しているわけです。

所管課が、「開発計画」と、ある意味、自ら作った「内水ハザードマップ」これを、最初の段階で照合していれば、「対策なしに2メートル嵩上したら、浸水被害が増大する」と、予見できたはずです。

さらに、この表の一番右側にありますが、民法214条「自然の流れを下流側でせき止めてはならない」と規定されています。これをふまえれば、開発地域を盛土して自分の土地だけ「洪水に備える」と、こういう計画というのは社会常識から見ても認められません。

以上のように、開発事業の事前協議や環境アセスメントの手続きなど、一つ一つの事務手続きは、適切に実施していると思います。これらの手続きの最初の段階で、各所管課が「防災の意識」、色々声(やじ多し)がありますけど、防災と言うのはどういうことなのかと、そこに太字で書いておきましたけど、防災の責務というのは災害の未然防止ということに明記されています。この見地から、このことをチェックしていたら、現在、住民のみなさんは心配しなくてすんだと思います。

災害対策の視点が、行政の日常業務の中に反映されていません。業務の中に潜む、重大な「隙間」、「見落し」という点だと思います。各所管課がミスをしているとは言っていません。

そこで伺いますが、防災対策の総合調整を担う総務局として、私の問題意識を受け止めていただけたかどうか、そのことから聞いていきます。

大久保総務局長: すべての区局が、施策や事業を進めるにあたって、防災計画や危機管理の視点を持って取り組んでいくことが大切であるというご指摘だと受け止めています。総務局としてもそう考えていますし、また、これからもそうした意識を浸透していきたいと考えています。

岩崎議員:各施策の執行にあたって、市防災計画の観点からチェックすることが必要です。

危機管理室が防災施策の総合調整として、日頃から、関係区局に防災計画の視点でチェックすることを指導しておくべきであったと思うが、認識を伺います。

藤沼危機管理室長:ただいま局長からお答えしたように、すべての部局が、各施策を進めるにあたって、防災計画や危機管理の観点をふまえて責任を持って取り組んでいくことが大切であるという認識です。危機管理室ですが、災害時には災害対策本部の中心として区局を束ね、被害を最小限にとどめる役割を果たしています。また、平時は防災計画等を推進する立場で各部局の災害予防対策などが円滑に進められるよう取り組んでいます。

岩崎議員:現時点では、住民からの指摘を受けた事業者、それから関係所管課は、浸水被害の増大を未然に防止するための対策を検討しています。

これは、地域住民にとって大きな前進です。この間の事業者、関係当局の対応を評価しています。しかし、浸水被害を未然に防止できるのかという点では、地元住民のみなさんは、まだまだこの不安は解消していません。

横浜市が、最後まで責任を持って対応すると表明すべきだと思います。今言ったように、複数の局がかかわる問題ですので、副市長に聞きます。

渡辺副市長:所管局が法令等の規定にもとづいて責任をもって手続きなどを進めていますが、周辺の住民の方々などからのご意見やご要望があれば、これをしっかりと受け止めて、それぞれの手続きの中で、みなさまに安心していただけるよう今後とも指導や要請を行っていくよう努めていきます。

岩崎議員:今、副市長の答えで、ぜひお願いしたいのですが、それぞれの手続きの中での中に、防災計画にもとづく未然防止の手続きも入っていますか。

渡辺副市長:先ほど先生がご紹介いただきましたような、基本的な考え方は行政としてふまえていますが、それぞれ法律の個別の規定はありますので、それに沿って適正に進めていきたいと思っています。

防災の視点がどの分野でもチェックできる体制を

岩崎議員:防災・減災に資する国土強靭化基本法の関連で伺います。

私は、以前から議論する時に市の全施策に防災の視点で「横ぐし」を通すようにと、各区局が常に防災計画を意識して仕事をする、その必要性を主張してきました。

2018年度予算は、「国土強靭化基本法」に基づいて「地域計画」を策定するとしています。法は、「大規模自然災害に対する脆弱性の評価を行う」、「脆弱性の評価は、科学的知見に基づき、総合的かつ客観的に行う」ことなどを明記しています。「わが意を得た」と思っています。

わが党は、法の成立時、「防災・減災の取り組みを国際競争力の向上と結びつけたこと」、「大型公共事業促進の根拠にしたこと」などを理由に反対でした。しかし、法の目的や理念は、共感、同意できるものです。そこで「法」の目的・理念は何か伺います。

平中危機管理部長:東日本大震災で得られた教訓をふまえて、防災・減災、迅速な復旧復興に資する施策を総合的かつ計画的に推進し、大規模自然災害等から、国民の生命・身体および財産を保護するとともに、国民生活および国民経済に及ぼす影響の最小化を図ることを目的・理念としています。

岩崎議員:市長は、先の本会議で「施策を横断的かつ総合的に展開する」と答弁されました。本法をどのように受け止めて、地域計画を策定するのか伺います。

藤沼危機管理室長:これまでも本市防災計画にもとづいて、人命を守ることを最優先とした被害を出さない地域社会の実現を目標に地震や風水害等に備えて、災害予防対策、応急対策、復旧復興対策に取り組んできました。

国土強靭化基本法の理念は、まちづくりを含め、本市の防災・減災に資する全ての施策の考え方と一致しているものと受けとめています。30年度は、法の基本方針等をふまえ、横浜市の地域特性に応じた強靭化地域計画の策定に向けて取り組んでいきます。

岩崎議員:本市の防災計画と強靭化地域計画の関連性は何か。また、その責任部署はどこか伺います。

藤沼危機管理室長:まず、国土強靭化基本法の理念をふまえて、起きてはならない最悪の事態の想定や、対応する施策の検討など、強靭化地域計画を策定する中で、本市防災計画とも整合をはかるとしています。責任部署ですが、市防災計画は危機管理室の所管で、また強靭化地域計画は総務局の危機管理室と政策局が中心となって策定に向けて取り組んでいきます。

岩崎議員:それでは、市の防災計画の視点を、全ての施策に反映させる、この必要性は今述べられました。この取り組みを全庁的なものにしていくという点でどのように取り組んでいるのか伺います。

藤沼危機管理室長:全庁的なことにしてくということですが、先ほど申し上げたように、これまでも本市防災計画にもとづいた防災・減災の取り組みを各区局で取り組んできました。危機管理室が中心となって危機管理推進会議など様々な場を活用して、認識の共有を図り、各区局の取り組みを推進しています。また、強靭化地域計画については、その策定の過程について、各部局の施策がより横断的に展開できるよう、総務局危機管理室と政策局が中心となって、同計画の趣旨の浸透をはっていきたいと思っています。

岩崎議員:今、お話されましたようにそれなりに体制をとって全庁的なものにしようという努力は見られます。問題は、実際にそれが機能するかどうかということが問われると思います。先ほど紹介したように、見落としがあるわけですよ。そういうことが絶対に無いように防災計画の視点を全庁的に体現するために、私は各区局に、兼務でも良いのでそのことに専念できるような体制をとったほうが良いと思っています。しかし、これは質問してもお答えにならないと思いますから、これはぜひそういう体制をバッチリとって、防災の視点がどこの分野でも抜けないと、この体制を整えていただくことを要望して、終わります。

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